京都のやみつきスパイスごはん

和食や薄味のイメージが強い京都ですが、実はスパイスをきかせた刺激的な味を好む人も多く、朝から晩まで本格的なスパイス料理を楽しめるお店がたくさんあります。スパイスは発汗作用もあり、体を温めてくれるので、夏の暑さに負けないスタミナと、寒い冬を乗り切るあたたかさを与えてくれる代物。京都人の胃袋を掴んで放さない、スパイス職人たちの自慢の逸品を召し上がれ。


スパイス×カレーでシャッキリ目覚め

一日の目覚めは、寝ぼけた体をシャキッと起こしてくれる朝カレーがおすすめ。京都っぽい和の要素を取り入れたスパイスカレーや、老舗喫茶の名物カレーなど、朝なのにするっと食べられるメニューが注目されています。早起きして人気店で朝活…京都の通な過ごし方を体感してみませんか。

SPICE GATE「カレーリーフ香る魚介出汁カレー」

~ スパイスカレーをお茶漬け感覚で ~

京都では希少なビリヤニ専門店「INDIA GATE」の姉妹店。評判の朝カレー「京風スパイス朝定食」は、粘り気がなくサラリと味わえるバスマティライスを煎茶で炊き、スパイスが絶妙に効いた野菜中心の副菜と鶏キーマカレーを添えたもの。合わせる出汁カレーは3種類から選択。写真の魚介出汁カレーは、カツオ節と昆布、アサリの風味豊かなだしにフレッシュなカレーリーフが爽やかに香る逸品です。店内ではスパイスを少量から販売しているので、気に入ったスパイスを家でも楽しんでみましょう。

SPICE GATEが案内するスパイスの世界

◆スパイスの種類
スパイスとは、植物の実や種を用いた香辛料のこと。世界中では約300種類存在するといわれ、日本で使われているのはそのうち100種類弱。実や種「ホール」や「シード」、粉状にした「パウダー」を使い分けます。

◆スパイスの使い方
スパイスはいわば料理の引き立て役。入れ過ぎに注意して少しずつ加えることが肝要です。軽く風味づけしたいならホールで加えて後から取り出せばOK。全体にしっかり効かせたい時はパウダーを使いましょう。

◆スパイスの魅力
スパイスの組み合わせは無限で、各々の特徴を覚えれば幅広い味わい方を楽しめるのが魅力。初めは、砂糖をシナモンに置き換える、焼き魚にマスタードシードを香らせる、くらいでも目新しい味に出合えますよ。


喫茶チロル「目玉焼きカレー」

~ マスター特製の名物カレーを ~

昭和43年(1968年)創業の老舗喫茶。二条城近くにあり、地元の人から観光客まで、連日多くの人で賑わっています。名物は朝から人気の「カレーライス」。3日間かけて仕込むルウは、淡路産の玉ねぎと国産牛をとろとろに煮込み、しょうゆやウスターソース、野菜ジュースにコーラなど「隠し味だらけ」と2代目店主の秋岡さん。カイエンペッパーやカルダモンなどのスパイスも入り、朝の目覚めをしっかりと手助けしてくれます。トッピングは目玉焼き、カツ、チーズなどバリエーション豊富です。




スパイス×中華でシビ辛体験

お腹ぺこぺこのランチは、白いご飯がガッツリ進みそうなシビ辛メニュー。香辛料が効いた料理は、暑い夏でも食欲を駆り立ててくれます。今回は、一度食べると突然思い出してしまうような中毒性のあるメニューをご紹介。スパイスがたっぷり入ったタレやスープは、口にした途端のマイルドな旨味を裏切るように、後から来るしびれるような辛さがクセになりますよ。

大鵬「よだれ鶏」

~ 一度食べたらクセになる、秘伝のタレ ~

京都で50年に渡り愛され続ける町中華の名店。多くのファンを虜にする「よだれ鶏」は、綾部市にある蓮ヶ峰農場でストレスなく育てられた地鶏を丁寧に調理し、自家製のラー油や豆板醬、山椒油など、約10種類のスパイスや調味料で仕上げたもの。添えられたピーナッツのほのかな甘みと山椒油のピリリとした辛さの絶妙なバランスがたまりません。山椒の効いた、しびれるような後味が口の中を支配するように広がり、一度食べたらやみつきになること間違いなしです。



煌力 担々麺専門店「カラシビ担々麺」

~ 辛さとしびれに心躍る、担々麺の傑作 ~

京都の担々麺好きから絶大な支持を集める店。定番5種類のメニューのなかでも、「カラシビ担々麺」はその名の通り、辛さとしびれの調和が見事な一杯です。しびれの決め手となる花椒には、爽やかな香りと上品なしびれの金陽青花椒など、3種類を使用するこだわり。自家製マー油やラー油、たっぷりの肉そぼろなどが入ったスープに麺屋棣鄂ののど越し◎な麺がよく絡みます。〆は、旨みが溶け込んだスープにご飯を投入してめしあがれ!




スパイス×ワインで唯一無二のマリアージュ

素材の味を引き立てるスパイスの香りや独特の味わい… そんな夜の一品にワインを合わせて、おしゃれに楽しむのもいいですよね。本格的なスパイス料理のお店で出合うメニューは、いつもとは違ったスパイスの魅力を感じることができます。お店の人が料理に合わせて、おすすめのワインをセレクトしてくれるのも嬉しいポイントです。

Maker「アボカドとイチゴのクミンシードマリネ」

~ フルーツとスパイスが出合った新感覚の一品 ~

スパイスとハーブ、京丹後の野菜を中心とした料理店。大学で彫刻を専攻していたという店主が、「ものづくり」に魅せられ手がけた店内は、まるでひとつの芸術作品のよう。骨董品やアンティーク家具が配され、圧倒的な空間センスに思わずうっとりしてしまいます。今回はコースに登場する前菜から一品をいただくことに。アボカドのマイルドさとイチゴの酸味を、クミンシード香るオイルの風味が上手くまとめてくれる、驚きの味わいです。ワインはフランス産のナチュラルワイン。個性的で料理と複雑に絡み合うおいしさが広がります。



タルカ2「イェラル ポディ ワルワル」

~ 本格派インド料理に舌鼓 ~

本場のレストランスタイルで展開する南インド料理専門店。カレーだけでなく、コースをはじめ、前菜などのアラカルトやビリヤニなど、幅広いメニューに出会うことができます。豆を挽きスパイスと絡めた衣でインド産のエビを焼いた「イェラル ポディ ワルワル」は約8種のスパイスを使ったスパイシーな一品。ワインは、イタリア・フリウリ産のナチュラルワインで、インド料理に負けないどっしりとした味わいが魅力的です。1号店である「タルカ1」は、南インドの定食「ミールス」を中心に展開しています。




家で楽しむスパイスおみやげ

京都の調味料と言えば、七味や山椒を思い浮かべる人も多いはず。一説によると、江戸時代には寒空の中、清水寺へ向かう参拝客へ、体を温めるため白湯に七味を入れて出していたと言われています。京都のスパイス文化を身近に感じられるものとして、料理に使える調味料やスパイスを使った個性的なおやつはお土産にもぴったり。自分用として持ち帰るのも良さそうです。

七味家本舗

明暦年間(1655~58)創業。さまざまな料理のアクセントに最適な「万用香味料料 ふってみよし」や、ご飯のお供にぴったりの「京のやゝとと 七味ちりめん」などを展開しています。

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京都 嵯峨嵐山 かみ舎楽

嵐山発の香りにこだわる手づくり薬味専門店。「清見オレンジ七味」「ぶどう山椒」「柚子一味」など、香り高く色鮮やかな調味料は、手軽に使えて、贈り物にも最適です。

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原了郭

創業330年以上を誇る老舗。ロングセラーの黒七味や御香煎のほか、料理の味を簡単にひと工夫できる「ゆず辛」や「ミックススパイス」など、調味料の数も豊富です。

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侘家古暦堂 うま味さん

祇園花見小路にある鶏料理の人気店、「侘家古暦堂」の総料理長が手がけた調味料。北海道産利尻昆布をはじめ、厳選食材を独自でブレンドした万能アイテムが揃います。

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紫野和久傳

京料亭が仕立てるお持たせの店「紫野和久傳」。数種類の木の実とドライフルーツに山椒をしのばせた寄せ菓子「果椒(かしょう)」は、上品な味わいで料亭を感じさせます。

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若狭屋久茂

享保元年(1716)創業の京菓子店。スパイス入り和三盆「ガネーシャ」は、6種類の香辛料 をブレンドしたスパイス味とプレーンが入った珍しい干菓子。手土産にもおすすめです。

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京都かめよし

完熟山椒や黒七味などの京都を代表するスパイスを、フレーバーに採用したポップコーンが話題。有機栽培のとうもろこしで、ナチュラルな風味を堪能できます。

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京都ガラムマサラ

創業40年のインドカレー専門店が手がける「マサラピー」。インドで修行を積んだ日本人シェフが作る本格的な味わいのスパイス菓子です。お酒のおつまみとしても楽しめます。

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京都のやみつきスパイスごはんマップ



※写真はイメージです。
※掲載内容は2024年2月19日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。