桜から新緑へ 季節を映す4月の和菓子 6選

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京の和菓子の玉手箱 19


京都が春の錦に包まれる、4月。華やかな桜色にずっと染まっていたい・・・ と思う間もなく季節は移ろっていきます。満開の桜から名残の桜、そして新緑へと。めくるめく1ヵ月を映しとる「4月の和菓子」を、和菓子ライフデザイナーの小倉夢桜(ゆめ)さんにご案内いただきます♪

⇒「京都 桜の名所開花情報2019」更新中です!

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本格的な桜シーズンを迎えた京都市内。昨年(2018年)、京都に甚大な爪痕を残した台風21号の影響で、今年は桜がどのように開花をするのか不安でした。が、その心配をよそに現在のところは例年のような風景を見ることができています。

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醍醐寺(撮影日:2019年3月30日)


・・・とはいえ、台風の爪痕が残る社寺もあり、桜の枝や幹が折れているところもあります。「今、見ることができている美しい風景が来年も見ることができるとは限らない」ことを実感している、今年の桜シーズン。だからこそ、4月下旬まで花開く様々な桜との出会いを大切にしたいものです。そして敏感に季節を映しとる和菓子とともに、2019年の春を過ごしていただければ幸いです。


古都の春【茶寮 宝泉】


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古都の春 378円(~4月中旬まで販売予定)


満開の桜が迎えてくれる京都。行く先々で桜を見かけることができるのも京都の魅力のひとつですが、一口に“桜”といってもその風景は様々です。祇園白川や鴨川沿いなどの“桜並木”。社寺などに咲く“一本桜”。その中でも、多重塔を包み込むように桜が咲く風景は、誰もが京都に来たと実感できる光景なのではないでしょうか。

こちらのお菓子は、「古都の春」。醍醐寺東寺、そして仁和寺など、名塔と桜の競演を楽しめるスポットを思い出す、春爛漫の情景を表現したこなし製のお菓子です。

■茶寮 宝泉
【営業時間】10:00~17:00(ラストオーダー16:45)
【定休日】水曜日・木曜日(祝日の場合は翌平日)
【電話】075-712-1270
【アクセス】市バス「下鴨東本町」バス停から徒歩約2分 Google map
【公式ホームページ】http://www.housendo.com/


ひとひら【紫野源水(むらさきのげんすい)】


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ひとひら 450円(~4月中旬まで販売予定、事前にお問合せください)


菓銘の「ひとひら」は、漢字では「一片」。ひらがなと漢字では、お菓子の印象が全く異なります。ひらがなだからこそ感じられる、お菓子の優しさ。和菓子に名づけられる「菓銘」の大切さを感じます。

美しくも儚く散りゆく桜。その散る情景に美を感じる、日本文化の素晴らしさ。桜の代表的な意匠である花びら一枚を表現した、薯蕷練切(じょうよねりきり)製のお菓子です。職人さんの手のひらの温もりを感じられるようなふっくらとした意匠からも、優しさがあふれる和菓子です。

■紫野源水
【営業時間】10:00~18:00
【定休日】日曜日・祝日
【電話】075-451-8857
【アクセス】地下鉄烏丸線「北大路駅」から徒歩約8分 Google map


春の水【鶴屋吉信】


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春の水 432円(~4月中旬まで販売予定、事前にお問合せください)


桜シーズンが終盤にさしかかった頃、花びらが一枚、また一枚と散りはじめます。どことなく寂しさを感じてしまうとともに、桜に「ありがとう」と伝えたくなります。それに応えるかのように舞い散る、桜吹雪。

花びらがせせらぎにのって流れていきます。「春の水」は、その情景を表現したこなし製のお菓子です。

■鶴屋吉信
【営業時間】9:00~18:00
【定休日】元日・臨時休あり
【電話】075-441-0105
【アクセス】市バス「堀川今出川」バス停から徒歩すぐ Google map
【公式ホームページ】https://www.tsuruyayoshinobu.jp/
★「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード特典協力先です。詳しくはこちら。


余花(よか)【御菓子司 聚洸(じゅこう)】


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余花 380円(~4月下旬まで販売予定、事前にお問合せください)


桜が散り、若葉が青々と芽吹く中に今なお散らずに僅かに咲く桜の花のことを、「残花」や「余花」と呼びます。季節の移ろいを感じる瞬間です。

こちらは、一見すると桜餅のように見えますが、桜餅ではありません。こし餡を羽二重で包み、その周りを寒天でコーティングしています。つややかな見た目のごとく、何とも言えないなめらかな食感を楽しむことができるお菓子。春の名残と初夏の清涼感を感じられます。

■御菓子司 聚洸
【営業時間】10:00~17:00(予約販売のみ)
【定休日】日曜日、水曜日、祝日
【電話】075-431-2800
【アクセス】地下鉄「鞍馬口駅」から徒歩約15分、市バス「天神公園前」バス停から徒歩約4分 Google map


木の芽【亀屋重久】


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木の芽 324円(4月中旬~5月中旬販売予定、事前にお問合せください)


日本人にとって新緑の時季の香りといえば、「木の芽」を思い出される方も多いのではないでしょうか。「木の芽」とは、山椒の若葉のこと。和食や佃煮によく使われますが、この時季には木の芽を使用した和菓子も数多く登場します。

その代表的なお菓子が、薯蕷まんじゅうに山椒の若葉をあしらった意匠のお菓子。こちらのお店では、摘みたての木の芽を使用するため、販売時期がその年によって異なります。真っ白な生地に緑が清々しさを添える、初夏のはじまりにふさわしいお菓子です。

■亀屋重久
【営業時間】10:00~19:00
【定休日】木曜日
【電話】075-461-7365
【アクセス】JR山陰本線(嵯峨野線)「花園駅」から徒歩約10分、市バス「妙心寺北門前」バス停から徒歩すぐ Google map
【公式ホームページ】http://www.kameya-shigehisa.com/

山吹【鍵善良房】


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山吹(380円、4月中旬~5月中旬まで販売予定)


晩春から初夏へ移りゆく頃、新緑の中に鮮やかな黄金色の花を咲かせる山吹。その山吹の名所といえば、やはり松尾大社ではないでしょうか。こちらの神苑では、珍しい白山吹を見ることもできます。例年の見頃は、4月下旬。境内を流れる一ノ井川のほとりに溢れんばかりに咲く山吹が水面に映る光景は、見る人すべてを魅了します。

「山吹」は、その名の通り山吹の咲く風景を色合いのみで表現した、村雨(むらさめ)製のお菓子。抽象画のように黄色と緑色がグラデーションを織りなすこちらのお菓子から、みなさんの目にはどのような風景が浮かんでくるでしょうか。

■鍵善良房 四条本店
【営業時間】9:00~18:00、喫茶9:30~18:00(ラストオーダー17:45)
【定休日】月曜日(祝祭日の場合は翌日)
【電話】075-561-1818
【アクセス】市バス「祇園」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】http://www.kagizen.co.jp/
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桜にちなんだ意匠をはじめ、4月の京都を代表する和菓子たちをご紹介させていただきました。春から新緑へと移り変わる4月の京都を、存分に満喫してくださいね。

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文・写真:小倉夢桜 —Yume—
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファー。京都五感処・京都Loversフォーラム代表。2012年よりホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』を運営し、毎日京都の和菓子を紹介し続けている。現在は『月刊京都』(白川書院)で「月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』」を連載中。
【きょうの『和菓子の玉手箱』】http://kyoto-lovers-forum.com
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Written by. みさご

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