観音堂
京都のお寺探訪 9
洛西・きぬかけの路に位置する世界遺産・仁和寺(にんなじ)。京都の桜のフィナーレを飾る“御室(おむろ)桜”が有名で、この春も多くの参拝者で賑わったそうです。それから約1ヵ月、2019年5月15日(水)から「観音堂 春季特別内拝」が始まりました! 6年にも及ぶ保全修理後、初となる観音堂の特別公開とあって、注目が集まっています。今回は、フレッシュな話題も含めて仁和寺の見どころについて、改めてご紹介したいと思います。
皇室ゆかりの門跡寺院。“仁和”という寺名は、元号です。
二王門
仁和寺は、真言宗御室派の総本山。仁和4年(888)宇多天皇により創建され、皇族が代々住職を務めた、“日本初の門跡寺院”です。また、去る5月1日(水・祝)に改元を迎え、その前後には各メディアで“元号”の歴史などがフィーチャーされましたが、仁和寺は“仁和”という元号が名前になったお寺でもあります。
境内は、映画やテレビの時代劇にも登場!
境内には立派な堂宇が並び、いずれも重要文化財クラスの建物。まるでタイムスリップしたかのような境内は、映画やテレビの時代劇のロケ地にもよく使われているんですよ。それでは、京都三大門のひとつ「二王門」をくぐり、境内へと進んでみましょう!
【五重塔】江戸時代初期を代表する名塔
「五重塔」(重文)は、世界遺産・東寺の五重塔とほぼ同時期に建てられたもので、総高約36メートル。2019年4月からの修復工事で覆いが掛けられていましたが、現在は終了し、五重塔全体を見ることができます。各層の屋根の大きさが同一となる端正な美しさが特徴で、真下から見上げるとその様子に納得!
参道の青もみじ
五重塔周辺や参道にはモミジが植わり、初夏には清々しい青もみじを楽しむことができます♪
【金堂】仁和寺唯一の国宝建築!
境内最北、参道の突き当たりに建つのは、御本尊・阿弥陀三尊像(国宝)を祀る「金堂」。京都御所の紫宸殿を移築したもので、仁和寺唯一の国宝建築です。
黄安仙人
屋根の上をよく見ると、亀に乗った仙人の姿が! 三千年に一度水面に浮かぶという亀を5回も見た(!)と伝わる驚きの仙人だそうで、"永遠"の象徴として安置されています。見逃しがちなポイントもチェックして、長寿のご利益をいただきましょう。
金堂内部は通常非公開ですが、2019年5月28日(火)の「五大明王大祭」では、昨年人気を博した金堂裏堂の五大明王壁画が特別公開され、金堂内で法要と法話が行われます。また、この夏には「京の夏の旅」での特別公開も予定されています。
■五大明王大祭
【日程】2019年5月28日(火)
11:00~、12:00~、13:00~、14:00~、15:00~
【料金】1,000円(御札付き)
【御殿】かつて“御室御所”と呼ばれた、雅やかな門跡猊下の僧坊
渡り廊下
宸殿
二王門をくぐってすぐ左手にあるのは「御殿」。宇多天皇が退位後に法皇となり住まわれた、もうひとつの御所です。宸殿や黒書院、白書院などからなり、現在の建物は近世に再建されたものです。各室は渡り廊下で繋がれ、さまざまな襖絵や、趣の異なる2つのお庭があり、かつての雅やかな暮らしが伝わってくるようです。
南庭
現在、宸殿は檜皮葺き替え工事が行われていますが、南庭と北庭が“特別ルート”でご覧いただけます。南庭では、庭に降りることのできる足場を設置。中心から360度鑑賞という貴重な体験ができ、北庭は通常より間近に楽しめるようになっています。どちらも初めての拝観ルートですので、「御殿に行ったことがある」という方も、違った発見ができそうですね。
■御殿内 北庭・南庭 特別拝観
【日程】2019年2月15日(金)~12月31日(火)
9:00~16:30(受付終了)
【料金】御殿拝観料500円に含まれます
桜・だるま・まねき猫・・・ おみくじが豊富です♪
「御室桜」前の茶所には「おみくじ授与所」が設置され、縁結びや健康にちなんだものから、だるまや桜の置物に入ったものなど、たくさんのおみくじが用意されています。
まねき猫のおみくじ(各500円)
なかでもおすすめしたいのが、「まねき猫」のおみくじ。その理由は・・・ 仁和寺と黒猫には深~い関係があるからです! ここまで何度か登場している宇多法皇、実は大の黒猫好きで知られ、その溺愛ぶりは日記にも遺されているほど。かわいい招き猫をお部屋に飾れば、きっと福を運んでくれることでしょう!
ついに「観音堂」落慶! 仏像・全三十三体&障壁画を一挙公開!!
そして・・・ 広大な境内のなかでも、いま最も注目されているのが「観音堂」(重文)です。寛永21年(1644)に建てられ、2012年より半解体修理に入っていましたが、2018年秋、修理が完了しました! 昨年1月から3月に東京国立博物館で行われた特別展「仁和寺と御室派のみほとけ -天平と真言密教の名宝-」では、展示室内に観音堂内部が再現され、混雑するほどの人気を集めたそうです。
そんな観音堂のホンモノの内部がついに初公開! 「春季特別内拝」では、御本尊・千手観音菩薩立像、二十八部衆立像など全三十三体をはじめ、約370年前の色彩が残る障壁画もご覧いただけます。間近に広がる迫力に満ちた空間は、必見です!
難しそうなイメージをお持ちの方も、お坊様さまによるご案内があるので、気軽に楽しむことができますよ。千手観音菩薩立像には「五色の紐」が結ばれ、この紐を通じて、観音様とご縁を結ぶことができます。ぜひ、観音堂正面の紐をもち合掌ください。
拝観の記念品
特別内拝期間中に観音堂を拝観すると、散華や絵はがき、護符の記念品がいただけます。そして、観音堂落慶を記念した特別御朱印のご用意も。千手観音・不動明王・降三世明王・風神・雷神の5種で、授与は観音堂前の納経所のみ(9時から16時30分)。お参りの証に、こちらもチェックしてくださいね!
特別御朱印(各500円)
■観音堂 春季特別内拝
【日程】2019年5月15日(水)~7月15日(月・祝)
9:30~16:30(受付終了16:00)
※落慶法要のため、下記日程では内拝時間が変更になります。その他、変更になる場合がありますので、事前に公式ホームページでご確認ください。
<5月>
15日15:30~16:30/16日9:00~13:00/17日15:00~16:30/18日12:30~16:30/19日12:30~16:30/20日9:30~13:00/21日15:30~16:30
【料金】1,000円(記念品付き)
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
※12~2月は~16:30(受付終了16:00)
【拝観料】境内無料、御殿500円、御殿・観音堂共通券1,300円
【電話】075-461-1155
【アクセス】市バス「御室仁和寺」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】http://www.ninnaji.jp/
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