澄んだ“音”に癒やされる、京都のお寺

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暑さ厳しい夏が過ぎ、初秋の京都は過ごしやすく穏やかな時間が流れます。この季節には“癒しの音”を求めて、京都のお寺へお詣りしてみませんか。“お寺の音”というと梵鐘や木魚などをイメージしますが、今回は水琴窟(すいきんくつ)や鹿(しし)おどしの音色美しいお寺をご紹介します。耳を澄ませば、きっと心安らぐひとときを過ごせることでしょう。

※京都では、引き続きマスクの着用やアルコール消毒の協力を呼びかけられている社寺・施設が多くありますので、お越しになる方は各自での、“予防策”の徹底をお願いいたします。


【詩仙堂】鹿おどし発祥の地。石を打つ音が心地良い


一乗寺の山麓にある詩仙堂は、石川丈山が隠棲のために造営した山荘で、現在は曹洞宗のお寺です。庭園に設けられた「鹿おどし」は、丈山発案によるもので、庭を荒らす鹿や猪を追い払うために作られたそう。書院に座っていると「コンッ」という鹿おどし、そして洗蒙爆(せんもうばく)と呼ばれる滝の音が響き渡ります。自然を感じる音が心地よく、ずっと聞き入っていたくなります。


詩仙堂
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:45)
【拝観料】500円
【電話】075-781-2954
【アクセス】市バス「一乗寺下り松町」バス停から徒歩約7分 Google map
【公式ホームページ】https://www.kyoto-shisendo.net/


【圓光寺】“盃”のような「圓光寺型」水琴窟。幻想的な音がかすかに響きます


詩仙堂から徒歩3分ほどに位置する圓光寺でも素敵な音色が楽しめます。庭園「十牛之庭」入り口近くにある水琴窟は、珍しい “盃型”で、古くから「圓光寺型」と呼ばれているそう。音色を聴くための竹筒もありますが、耳をあてずともあたりには幻想的な音が響き、清らかな気配を漂わせています。書院から庭園へと向かう時や庭園を散策した後など、近くを通るたびに音が耳に入ってきて、優しい音に自然と気持ちも和らいでいきそうです。

庭園内は自然の音でいっぱい。じっくり耳を傾けて♪


圓光寺
【拝観時間】9:00~17:00
【拝観料】500円
【電話】075-781-8025
【アクセス】市バス「一乗寺下り松町」バス停から徒歩約7分 Google map
【公式ホームページ】https://www.enkouji.jp/


【宝泉院】二連式の水琴窟「理智不二(りちふに)」は、音色の違いを聴いてみて


大原の山里に佇む宝泉院。庭園「盤桓園(ばんかんえん)」を望む客殿隅の縁側に「理智不二(りちふに)」と名付けられた水琴窟があり、珍しい二連式となっています。竹筒に耳をあててみると、地中にある甕に水滴の落ちる音が共鳴し、「キーン、コーン・・・」と澄んだ音色が。左右それぞれリズムや音の高さが微妙に異なるので、ぜひ聴いてみてください。庭園内の竹林の葉が揺れる音も重なり、心洗われる癒しのひとときを過ごせますよ。


宝泉院
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】800円(茶菓子付)
【電話】075-744-2409
【アクセス】京都バス「大原」バス停から徒歩約15分 Google map
【公式ホームページ】http://www.hosenin.net/


【永観堂】京都随一の紅葉名所。賑わう季節の前に、“音”を楽しんで


“秋は紅葉の永観堂”といわれるほどモミジの名所として知られる永観堂。初秋は比較的お詣りの方も少なく、ゆっくり境内をめぐることができます。山に沿って造られた「臥龍廊」の途中には水琴窟があり、立ち止まって心ゆくまで音色を聴くことができるのもこの時季ならではの楽しみかもしれません。こちらの水琴窟は井戸のような形をしていて、柄杓で水を注ぐと、水が流れていく音と透明感のある水滴の音が響きます。阿弥陀堂に訪れる前に澄んだ音色を聞き、心を清らかにしてから参拝されてみてはいかがでしょうか(秋の寺宝展中は混雑緩和のため、柄杓は置かれていません。ご注意ください)。


永観堂
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:00)
      ※拝観の際は靴袋をご持参ください。
【拝観料】600円(秋の寺宝展期間中は1,000円)
【電話】075-761-0007
【アクセス】市バス「南禅寺・永観堂道」バス停から徒歩約3分、地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩約15分 Google map
【公式ホームページ】http://www.eikando.or.jp/


【泉涌寺 雲龍院】菊紋を象った水琴窟「龍淵のさやけし」。龍の息吹が感じられるかも


泉涌寺の塔頭・雲龍院の庭園には、2017年に新しく水琴窟が登場。皇室ゆかりの菊紋が象られています。「龍淵のさやけし」という名は、その昔、雲龍院に大きな池があり、「忠臣蔵」で知られる大石内蔵助が、紅葉の映るこちらの池を「龍淵」(龍のすみか)と名付けたことにちなむそう。“さやけし”は「水の音のすがすがしさ」などの意味があり、その名の通り、高く澄んだ音が響き渡ります。庭園に眠る龍が、美しい音色を奏でているのかもしれませんね。


泉涌寺 雲龍院
【拝観時間】9:00~16:30
【拝観料】400円
【電話】075-541-3916
【アクセス】市バス「泉涌寺道」バス停から徒歩約15分 Google map
【公式ホームページ】http://www.unryuin.jp/


【妙心寺 退蔵院】信楽焼の甕が地中に。四季折々の風景と“音”に癒やされる


妙心寺の塔頭のひとつ、退蔵院。回遊式庭園の余香苑(よこうえん)は、昭和の造園家・中根金作の作庭で、季節の花々が庭園を彩ります。余香苑内の、四阿(あずまや)の向かい側にある水琴窟は、元は通常非公開の書院にあったもので、“どなたでも楽しめるように”と20年ほど前に現在の場所に移されました。地中に埋まっている甕は、移設の際に新しく焼かれた、直径約60センチ・高さ約90センチの素焼きの信楽焼。四季折々の風景とともに、涼やかな水琴窟の音色や滝の流れる音にも耳を傾けてみてください。


妙心寺 退蔵院
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了)
【拝観料】600円
【電話】075-463-2855
【アクセス】JR山陰本線(嵯峨野線)「花園駅」から徒歩約7分 Google map
【公式ホームページ】http://www.taizoin.com/


【比叡山 延暦寺】世界遺産のお寺で、水琴窟の音色に耳を澄ます

大きな石の側にある水琴窟

手水舎の側にある水琴窟


世界遺産・比叡山 延暦寺は、比叡山のほぼ全域を境内とし、山上には「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」の3つのエリアに約150の堂塔が並んでいます。水琴窟があるのは、伝教大師が延暦寺を開いた場所と伝わる、東塔エリア。阿弥陀堂前のお庭に2つあり、大きな石の矢印マークのあたりと、手水舎のすぐ側から心地良い水琴窟の音色が響きます。それぞれ音の高さが異なるので、じっと耳を澄まして確かめてみてください。

阿弥陀堂前のお庭にある2つの水琴窟


比叡山 延暦寺
【参拝時間】東塔地区8:30~16:30(12月は9:00~16:00、1・2月は9:00~16:30)、
西塔・横川地区9:00~16:00(12月は9:30~15:30、1・2月は9:30~16:00)※受付は30分前まで。
【参拝料】東塔・西塔・横川共通券(延暦寺諸堂巡拝料)1,000円、国宝殿(宝物館)500円
【電話】075-578-0001
【アクセス】京都バス・京阪バス「延暦寺バスセンター」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://www.hieizan.or.jp
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Written by. オパン

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