天橋立ビューランド
梅雨が明け、夏らしい暑い日が続く京都。さて、夏といえば“海”をイメージされる方もきっと多いのでは? しかし、今年(2020年)は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全国的に海水浴場の閉鎖や花火大会が中止になるなど、例年に比べると、海に行く機会が減るかもしれません。まだまだ、遠出ができないという方も多いと思いますので、本日は、“今の京都の海風景”を皆様にお届けしたいと思います。写真を通して“夏”を感じてみてくださいね♪
※京都では、引き続きマスクの着用やアルコール消毒の協力を呼びかけられている社寺・施設が多くあります。お越しになる方は各自での、“予防策”の徹底をお願いいたします。
8:15 車に乗って京都府北部へ出発!
京都縦貫自動車道
“京都の海風景”といえば、絶対にはずすことができないのが、日本三景のひとつである“天橋立”です。ちょうど一年ほど前の記事でもご紹介しましたが、京都市街地から天橋立への主要な移動手段はバス、鉄道、車の3つ。今回は多くの海景色に出会うため、車を利用して、京都府北部の丹後半島方面に向かいました。遠方から京都にお越しの方は、京都駅付近や京都市中心部からレンタカーを利用してみてくださいね。
それでは、朝8時すぎ、京都駅から車に乗って出発です!!
10:30 “あの景色”とご対面♪
天橋立ビューランド
京都市西京区の「沓掛インターチェンジ」から京都縦貫自動車道に乗り、北へ向かうことおよそ70分。「宮津天橋立インターチェンジ」で高速道路を降り、さらに10分ほど走ると、宮津市にある天橋立ビューランドに到着です。駐車場(有料)に車を停めて、リフトかモノレールを利用し高台にたどりつけば、眼下に天橋立がお目見えです♪
10:50 もっとも有名な“飛龍観”
天橋立ビューランド
天橋立の展望スポットとしてもっとも有名といえるのが、こちらの「天橋立ビューランド」なのですが、ここからの眺めは「龍が天に昇るように見える」ことから“飛龍観”といわれます。その他の主要な展望地としては、笠松公園(昇龍観)や大内峠(一字観)などが有名。また、天橋立から東方にある獅子崎からの光景は“雪舟観”といわれますが、これは室町時代の絵師・雪舟により描かれた「天橋立図」の構図に似ることにちなみます。
さて、より近くで海を感じるために麓に戻り、次は“あの場所”に行ってみることにしました。
■天橋立ビューランド
【営業時間】8:30~18:00(7月21日~8月20日)
※時季によって変動します
※リフト・モノレールの運行時間などは下記公式ホームページよりご確認ください
【料金】850円(リフト・モノレール共通往復乗車券および入園料)
【電話】0772-22-1000
【アクセス】京都縦貫自動車道「宮津天橋立インターチェンジ」より車で約10分、京都丹後鉄道(丹鉄)「天橋立駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://www.viewland.jp/
11:15 天橋立に上陸!
天橋立
白い砂浜に、青い空(ぎりぎりですが・・・)と海。「これぞ夏!」といったこちらの風景は、そう、天橋立から撮影したもの。天橋立は全長約3.6キロに及びますが、南側から北側までは約1時間で渡りきることができるそう。先ほどまでいた天橋立ビューランドの対岸側(北側)には、“昇竜観”の展望スポットである笠松公園があります。
12:00 続いては伊根町へ! 海岸沿いの道を北上します
国道178号線からの海景色
天橋立を後にし、海岸沿いに伸びる国道178号線を北に向かいます。この日はほぼ、国道178号線を走行することとなりましたが、絶好のドライブルートでしたよ♪
12:45 “日本のベネチア”に到着
伊根町
天橋立から北へ車で約30分。伊根町に到着です。湾に沿うようにぎっしり連なる家屋。よ~く眺めると、1階部分が海に浸かっている家もあるようにも見えます・・・ 実は1階にあたる部分を「船のガレージ」とし、2階に居住部分を兼ね備えるという独特の構造をした“舟屋(ふなや)”と呼ばれる家屋なのです。約5キロメートルに230軒ほどの舟屋が立ち並ぶこの周辺の地域は、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。
13:10 獲れたての海鮮ランチ♪
レストラン舟屋 ※写真は「海鮮丼」(1,800円)
海に面した町でのお楽しみのひとつが“海の幸”。ちょっと遅めのランチをいただくため、伊根湾を一望する高台にある道の駅「舟屋の里 伊根」内のレストラン舟屋を訪ねました。注文したのは海鮮丼♪ 伊根漁港で揚がった新鮮な魚がたっぷり。ネタはその日の水揚げに変わるそうですが、それこそが「獲れたての証拠」ですね!
■レストラン舟屋(道の駅「舟屋の里 伊根」内)
【営業時間】9:00~17:00(ラストオーダー16:00)
※季節により変動あり
【定休日】火曜日
【電話】0772-32-0680
【アクセス】京都縦貫自動車道「宮津天橋立インターチェンジ」より車で約50分 Google map
【公式ホームページ】https://www.ine-aburaya.com/michi-no-eki/
14:30 京都最北端の地・経ヶ岬(きょうがみさき)
経ヶ岬
伊根町から、再び国道178号線に戻り、丹後半島を北上すること約30分。京都最北端の地である経ヶ岬に到着です。駐車場に車を停めて、15分ほど歩いた先に展望台が。そこからの風景がこちら。天橋立からここに至るまでは、海は海でも海岸線が入り組む「湾」の風景がメインでしたが、一気に風景が開けました!
さて、展望台を更に北へ、岬の突端に向かって歩きます。目的の場所まではさらに10分ほど。なお、お越しの際は、スニーカーなど歩きやすい靴をおすすめします。
15:00 海の安全を守る白亜の灯台
経ヶ岬灯台
どこまでも続く青く穏やかな海を背景に佇む経ヶ岬灯台。神社やお寺の多い京都の北の端にあるのが、明治時代に造られた灯台というのは少々意外な気もしませんか。海風も吹き抜け、ずっといたくなるような心地良い空間でしたが、次の海風景を求め、西へ向かいます!
16:00 “もうひとつの日本三景”に出会う?
丹後松島展望所
経ヶ岬の駐車場から車で20分ほど走ると、“丹後松島”と書かれた看板とともに、展望所と無料駐車場が現れます。この付近からは、ご覧のように開放感抜群の絶景が! “松島”の名称の由来は、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、日本三景のひとつである宮城県の松島の風景に似ていることから。入り組んだリアス式海岸や、先ほどまで滞在していた経ヶ岬まで見渡すことができました。
16:30 日本海とのコラボ3連発! 堂々たる“日本海 x 奇岩”のコラボ
立岩
丹後松島の展望所からは車で約15分。そびえ立つのは、高さ約20メートル、周囲は1キロにも及ぶという奇岩「立岩(たていわ)」です。およそ1,500万年前に地下から噴出したマグマが冷え固まってできた一枚岩であり、独特の形状から写真スポットとしても人気があるそう。
そしてここからすぐの場所に、“次なるコラボスポット”が!
16:50 なぜ? “日本海 x 聖徳太子”のコラボ
間人皇后・聖徳太子像
日本海、そして立岩を眺めるかのように佇むのは、聖徳太子と、その生母とされ用明天皇のお后であった間人(はしうど、はしひと)皇后の像です(場所はこちら)。「どうしてここに?」と思われるかもしれませんが、実は6世紀末に大和政権内での騒乱を避け、皇后がこの地に身を寄せたという言い伝えが残るそうなのです。
また立岩のある地域は、“間人(たいざ)”と呼ばれ、ブランド蟹の産地としても有名です。これは皇后がこの地を離れる際に、自らの名前をこの地に贈ったところ、皇后の名をそのまま呼ぶことを憚り、「皇后が退座(たいざ)」したことから読み替えたことに由来するとか。真意のほどは定かではありませんが、なんともロマンを感じるお話ですね。
17:20 最後は、“日本海 x 古墳”のコラボ
大成古墳群
続いては、この旅の前からすごく気になっていた場所へ。立岩からは車で5分ほどの場所にある大成(おおなる)古墳群です(本来なら「立岩」より前に来るはずでしたがここに至る道を見過ごしており、東へ戻ることとなりました・・・)。小高い丘陵に転がるこれらの巨岩は、かつてこの地を支配していた有力者を祀る古墳の石室が露出したものであるそう。6世紀末から7世紀初めに造られた横穴式石室が確認されているのだとか。何とも意外なコラボ風景ではないですか?
美しい風景に海の幸、そして歴史のロマンなどで既に“おなかいっぱい”となり、「京都市街地に戻ろうか」と思いましたが、欲を出して更に西へ行くことに!
18:55 ちょっと曇っていたのが残念でしたが・・・
夕日ヶ浦海岸(浜詰海岸)
30分ほど西へ車を走らせ網野(あみの)町へ。この旅の最終目的地となったのがこちらです。楽しい時間は、あっという間。いつの間にか夕暮れ時なのですが、 実はこれは狙い通り! この「夕日ヶ浦海岸(浜詰海岸)で、夕日を眺めて締めくくろう」 と思っていたのですが、夕方になるにつれてどんどんと曇っていく空。“望み薄”ではあったのですが、せっかくなので来てみたのでした。最近では砂浜に設置されたブランコがインスタ映えスポットとしても人気なのだとか。
19:00 次は晴れの日に来てみたい!
夕日ヶ浦海岸
結局、綺麗な夕日を眺めることはできませんでしたが、曇り空のおかげか、印象的な風景を見ることはできました。今度はスカッと晴れた日に、訪れてみたいと思います。
いかがでしたでしょうか。「京都で海?」と思われるかもしれませんが、“海の京都”もすばらしいですよね! 海だけではなく、安心して観光を楽しめる日が1日も早く訪れますように・・・ そう願いながら太陽をお見送りして、京都市街地に戻ることとしました。
ちなみにですが、夕日ヶ浦からは、下道で「京丹後大宮インターチェンジ」まで向かい、京都縦貫自動車道を利用して京都市街地へ。京都駅に到着したのは21時30分頃でした。“大急ぎ”の旅でしたが、たくさんの海風景を眺めて、大大大満喫の1日となりました♪ 海の京都にもぜひ訪れてみてくださいね。