明智光秀ゆかりの地めぐり 近江・坂本編

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西教寺

大河ドラマで話題の“明智光秀”ゆかりの地をめぐるシリーズ。第2回目は、京都のお隣・滋賀県へ。県内には光秀ゆかりのスポットが多くありますが、今回注目するのは、比叡山の東麓、琵琶湖の南西岸に位置する「坂本」比叡山 延暦寺や日吉大社の門前町として栄えてきた町です。元亀2年(1571)織田信長による比叡山焼き討ちで廃墟と化しますが、同年、明智光秀が湖畔に坂本城を築城。この地を拠点に、城下町の整備が行われていきました。

⇒第1回目は、本能寺など「京都市内編」をお届けしました


穴太衆積み


現在開催中の「びわ湖大津・光秀大博覧会」を中心に、坂本に点在する光秀ゆかりのスポットをご紹介。自然石を積み上げた石垣「穴太衆(あのうしゅう)積み」や、延暦寺の僧侶の隠居場所「里坊(さとぼう)」が多く遺る風情ある町並みを眺めながら、散策をお楽しみください。

■びわ湖大津・光秀大博覧会
【開催期間】2020年3月8日(日)~2021年2月7日(日)
【会場】西教寺、禅明坊光秀館(西教寺)、滋賀院門跡、大津市歴史博物館
【問合せ】077-528-2772[大河ドラマ「麒麟がくる」大津市観光振興協議会/事務局:(公社)びわ湖大津観光協会]
【公式ホームページ】https://otsu.or.jp/mitsuhide/
※時間・料金等は下記の各スポット紹介をご確認ください。



【西教寺】明智光秀の尽力により復興、明智一族が眠るお寺


坂本城より移築されたという「総門」


西教寺は聖徳太子が創建に関わったとも伝わる、天台真盛宗の総本山。比叡山焼き討ちの際に焼失しますが、坂本城主となった明智光秀の尽力により復興・再建されました。

本堂前には光秀の供養塔をはじめ、妻・煕子(ひろこ)や明智一族の墓があります。当時、妻の葬儀に夫は参列しないことが風習でしたが、光秀は西教寺での葬儀に参列し、煕子を弔ったといいます。“愛妻家”と伝わる光秀らしいエピソードですね。また、「明智光秀公資料室」では貴重な資料を公開。光秀直筆の書状からは、部下に対する愛情をうかがうことができます。


「唐門」には“麒麟”が・・・ いる!?


唐門は、琵琶湖を一望できる境内随一の絶景スポット。扉には寺紋である“三羽雀”が施され、見上げると・・・ 見事な“麒麟”の彫り物が! この彫り物を見つけた方には、御朱印(300円)拝受の際に特別落款(らっかん)「解明の証」を押印いただけます(2021年2月7日まで)。隅々までぜひご覧になってくださいね。


特別落款「解明の証」(左上)を押印された御朱印


■西教寺
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】500円
【電話】077-578-0013
【アクセス】江若バス「西教寺」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】http://www.saikyoji.org/



【禅明坊光秀館(西教寺)】「びわ湖大津・光秀大博覧会」のメイン会場はこちら!



西教寺の総門をくぐり、参道の右手にある塔頭・禅明坊。通常非公開ですが、「びわ湖大津・光秀大博覧会」のメイン会場として、一年間限定で公開されています。


「びわ湖大津『麒麟がくる展』」


「近江の光秀ものがたり展」


館内は、映像や衣装・小道具でドラマの世界観が楽しめる「びわ湖大津『麒麟がくる展』」から始まります。続く「近江の光秀ものがたり展」の最初のお部屋は、なんとまるごと滋賀県に! 中央の“琵琶湖”から周辺に築かれた城や、起こった戦などを知ることができます。このように眺めると、はるか戦国時代、近江を舞台にいかに多くの城や戦があったかがよくわかりますね。

禅明坊光秀館では展示だけでなく、光秀をモチーフにしたお酒やお菓子などのグッズが豊富に揃っています。おみやげ探しは、ぜひこちらを訪ねてみてください♪


桔梗乃華 3個入 648円
明智家の家紋“桔梗”がモチーフになっています♪


■禅明坊光秀館(西教寺)
【開館時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
【観覧料】500円



【滋賀院門跡】明智光秀と同一人物!? 天海大僧正が建立した門跡寺院


勅使門


歴史ミステリーなどで、明智光秀と同一人物であったともいわれる天海大僧正によって建立された滋賀院門跡。歴代天台座主の住居であった格式あるお寺で、延暦寺の本坊としても知られています。外観は「穴太衆積み」の石垣に土塀がめぐらされ、堂々たるたたずまいが印象的です。


「比叡山坂本と光秀展」


見どころは、狩野派の襖絵や小堀遠州作庭と伝わる庭園など。堂内では、天海の鎧や延暦寺ゆかりの貴重な資料も展示されています。現在「比叡山坂本と光秀展」を開催中。戦国から江戸初期までの坂本の移り変わりを知ることができます。

■滋賀院門跡
【拝観時間】8:30~16:30(受付終了16:00)
      ※12月~2月は9:00~、12月のみ~16:00(受付終了15:30)
【拝観料】500円
【電話】077-578-0130
【アクセス】江若バス「坂本比叡山口駅」バス停から徒歩約5分 Google map



【大津市歴史博物館】一年に渡り、明智光秀をフィーチャー!



坂本から少し離れた大津市歴史博物館では一年に渡り、明智光秀にちなんだ展示が行われています。2020年1月から常設展示室内の一部をリニューアルし、特集展示「明智光秀と戦国時代の大津」を開催中。比叡山焼き討ち直前に書かれたとされる「明智光秀書状」や、盛安寺(せいあんじ)の「伝・明智光秀公の陣太鼓」などをご覧いただけます。


伝・明智光秀公の陣太鼓 安土・桃山時代 盛安寺蔵


10月から始まる企画展「聖衆来迎寺と盛安寺 -明智光秀ゆかりの下阪本の社寺-」では、明智光秀ゆかりの聖衆来迎寺(しょうじゅらいこうじ)と盛安寺、そして坂本城周辺の社寺に伝わる宝物を展示予定。貴重な宝物が一堂に会するとあって、今から楽しみですね!

特集展示「明智光秀と戦国時代の大津」
【日程】2020年1月7日(火)から一年間の予定
    9:00~17:00(受付終了16:30)
【入館料】330円

企画展「聖衆来迎寺と盛安寺 -明智光秀ゆかりの下阪本の社寺-」
【日程】2020年10月10日(土)~11月23日(月・祝)
    9:00~17:00(受付終了16:30)
【入館料】800円

■大津市歴史博物館
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌日)
【電話】077-521-2100
【アクセス】京阪石山坂本線「大津市役所前駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://www.rekihaku.otsu.shiga.jp/



【坂本城】豪壮華麗な城だった!? 今はなき水城の跡を辿る


禅明坊光秀館(西教寺)で展示中の坂本城のジオラマ模型※2020年8月1日(土)から9月30日(水)まで


比叡山焼き討ち後、織田信長の命により明智光秀が築いた坂本城。琵琶湖の水を引き入れた豪壮華麗な水城は「安土城に次ぐ天下の名城」とも言われましたが、天正10年(1582)本能寺の変後に落城。わずか10年程で幕を閉じることとなりました。その名残を惜しむように、城址には石碑や供養塚・明智塚(Google map)がたてられています。



坂本城址の石碑(Google map


明智光秀像がたつ、坂本城址公園(Google map


本丸があったと伝わる場所は、通常立ち入ることはできないのですが・・・ 「びわ湖大津・光秀大博覧会」期間中、土日祝を中心に200日にわたり一般公開されています! この機会に、光秀もここから眺めたであろう場所に立ち、琵琶湖や比叡山をお楽しみください。当時の城の面影はありませんが、琵琶湖の水位が低くなる時には、湖中に沈む石垣を見ることができるそうですよ。

■坂本城本丸跡 一般公開
【日程】2020年3月8日(日)~2021年2月7日(日)の土日祝ほか、詳細は公式ホームページをご確認ください。
    9:00~17:00
【料金】無料
【電話】077-528-2772[大河ドラマ「麒麟がくる」大津市観光振興協議会/事務局:(公社)びわ湖大津観光協会]
【アクセス】江若バス「下阪本」バス停から徒歩約3分 Google map



【聖衆来迎寺】坂本城の息吹を伝える表門



延暦寺の念仏道場として栄えた聖衆来迎寺。表門(重文)は坂本城から移築されたものと伝わります。比叡山焼き討ちの際には、織田信長の家臣であり、森蘭丸の父である森可成(よしなり)の墓があったため難を逃れたことから、多くの寺宝を所蔵。国宝・重文指定もあり“比叡山の正倉院”とも呼ばれています。書院東側の庭園は県指定名勝。

■聖衆来迎寺
【拝観時間】9:00~15:00 ※堂内拝観は要予約
【拝観料】500円
【アクセス】JR湖西線「比叡山坂本駅」から徒歩約10分 Google map
【電話】077-578-0222



【盛安寺】“明智寺”とも呼ばれています



越前・朝倉氏の家臣、杉若盛安により再建された盛安寺。明智光秀の祈願所であったことから“明智寺”とも呼ばれ、境内には光秀の供養塔や御位牌があります。敵の急襲を知らせた恩賞に光秀から庄田八石を賜ったと伝わる「伝・明智光秀公の陣太鼓」を所蔵(現在は大津市歴史博物館の特集展示「明智光秀と戦国時代の大津」で展示されています)。

■盛安寺
【拝観時間】9:00~16:00 ※堂内拝観は要予約
【拝観料】300円
【アクセス】京阪石山坂本線「穴太駅」から徒歩約5分 Google map
【電話】077-578-2002



坂本散策のヒトコマ


(左上)比叡山山頂からの眺め(右上)坂本の町並み(左下)町の至る所で“明智光秀”の旗を見かけます(右下)禅明坊光秀館(西教寺)で購入したキリンレモン。大河ドラマにちなんだ限定デザインです♪


「びわ湖大津・光秀大博覧会」で盛り上がる、坂本のまち。京都駅からのアクセスも良いので、この機会にぜひ訪ねてみてくださいね。次回は京都へ戻り、最終回「京都市外編」をお届けします。どうぞ、お楽しみに!



「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード会員の皆さまへ■
「そう京」オリジナルイベントでも光秀・戦国時代をピックアップした企画を実施予定です。ぜひご参加ください♪

★現在受付中
 ⇒光秀の城下町 坂本を歩く(2020年9月6日実施)
 ⇒聚楽第ゆかりの地を歩く(2020年10月24日実施)

★2020年9月13日(日)より受付開始!
 ⇒光秀から始まった亀山城下町を巡る(2020年11月14日実施)
 ⇒中村先生と歩く 山崎の合戦跡(2020年11月21日実施)

\12月にも光秀関係イベントを実施予定です!/
詳細は、9月1日(火)、「会員限定オリジナルイベント」ページでお知らせします♪

Written by. かりー

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