祝・ドラマ再開☆ 明智光秀ゆかりの地めぐり 京都市内編

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慈眼寺

中断していた大河ドラマも今月末より放送再開が決まり、今また「明智光秀」への注目度が高まってきたようです。京都との関わりも深い、光秀。これから3回に分けて、京都周辺のゆかりの地をピックアップしていきます!

第1回目は、京都市内編。前半生が謎に包まれた光秀の人生のなかで、現在の“京都市内エリア”が特に深く関わるのは、織田信長が上洛した永禄11年(1568)から、「本能寺の変」の天正10年(1582)まで。それでは、もっとも有名な“あの場所”から訪ねてみましょう!

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【本能寺】“敵は本能寺にあり”。有名すぎる事件の舞台となったお寺。
[4/25~9/30]大本山本能寺 x 明智継承会特別展示企画「信長と光秀展」


京都市役所前、寺町御池に堂宇を構える本能寺。天正10年(1582)6月2日早朝、明智光秀が主君・織田信長を襲撃、自害に追いやった歴史的事件「本能寺の変」の舞台として、光秀を語る際には外せないお寺です。


応永22年(1415)、日隆上人によって創建された法華宗本門流の大本山で、当初は「本応寺」と称していました。その後、5度の焼失、7度の再建を繰り返し、現在地に移転したのは文禄元年(1592)。秀吉の命による5度目の建立の際でした。・・・つまり、光秀による「本能寺の変」の時には、この場所に“本能寺”はありませんでした。

・・・とはいえ、歴史的な大事件の舞台となったお寺だけに、たくさんの文化財や歴史資料を所有。境内にある大賓殿宝物館にて、守り抜かれた多数の宝物が展示・公開されています。

展示室前の「三足の蛙」レプリカは撮影OK♪


現在行われているのが、本能寺と明智継承会による特別展示企画「信長と光秀展」。「本能寺の変」前夜に急に鳴きだし、信長に異変を伝えたという「三足の蛙」香炉や、伝光秀公御兜、朝倉義景の書状など、往時を身近に感じられるリアルな資料をご覧いただけます。

■大本山本能寺 x 明智継承会特別展示企画「信長と光秀展」
【日程】2020年4月25日(土)~9月30日(水)
    9:00~17:00(入館16:30)
【入館料】700円
【場所】本能寺 大賓殿宝物館 スポット情報はこちら
【問合せ】075-231-5335
【公式ホームページ】http://www.kyoto-honnouji.jp/

【本能寺跡】実は、光秀の頃はこちらにありました


では、“「本能寺の変」が起こったときの本能寺”はどこにあったかというと、お寺の歴史で言えば天文14年(1545)、四条西洞院付近に4度目となる再建を果たした際の堂宇が舞台となりました。東西は西洞院通と油小路通、南北は蛸薬師通と六角通に挟まれた区間にあったそうです。現在は跡地付近に石碑が建立され、当時を偲ぶことができます。


こちらは、旧本能寺小学校の跡地に建つ碑。元の境内の少し南側になるそうです。

■本能寺跡 石碑 Google mapはこちら


こちらは蛸薬師通と小川通が交差するところにある石碑で、元の境内地の南端にあたるそう。小川通は、豊臣秀吉による天正の地割で新設された通で、元の境内地の真ん中を突っ切っているそうです。

■本能寺跡 石碑 Google mapはこちら

【愛宕神社】“ときはいま・・・” 有名すぎる句を詠んだのは、この神社にて。


「ときは今 あめが下しる 五月哉」

「本能寺の変」前に光秀が詠んだという、この有名な連歌の発句は、“信長への謀反を意図している”のではないかと、歴史ミステリーによく登場します。「ときはいま」で、土岐氏の再興を誓っている、など解釈には様々な説があるようですが、“なぜ光秀が信長を討ったのか”を考えるときには、外せない句となっています。

この句が詠まれたのは、天正10年(1582)5月28日、愛宕山(あたごやま)の愛宕神社で開かれた連歌会でのこと。


愛宕神社は「火伏(ひぶせ)」の神様として信仰を集めますが、明治以前には「勝軍地蔵」という軍神を祀り、武家からの信仰も篤かったとか。光秀の居城・亀山城からも近いことから、光秀もよく参詣に訪れたそうです。

光秀の御朱印も♪(300円、書き置きのみ)


軍神として愛宕神社に祀られていた勝軍地蔵は、現在、大原野の金蔵寺に移されているそうです。

渡月橋越しの眺め。正面の山の突き出たところに、愛宕神社が位置します。


■愛宕神社
【参拝時間】境内自由、授与所9:00~16:00
【参拝料】境内無料
【電話】075-861-0658
【アクセス】京都バス「清滝」バス停から徒歩約2時間 Google map
【公式ホームページ】http://atagojinjya.jp/

\「そう京」山部で、愛宕山に登りました/
⇒【たいけん・発見!】“火伏の神さん”の山・愛宕山(2017年9月掲載)

【明智藪/明智光秀の塚(胴塚)/明智光秀首塚】
光秀の最期に関わる3つのスポット


「本能寺の変」で信長を討った光秀ですが、そのわずか11日後。6月13日に「山崎の戦い」で豊臣秀吉に敗北。敗走する最中に、悲劇的な最期を遂げました。


光秀が討たれた場所と伝わるのが、伏見区小栗栖(おぐりす)の「明智藪」。自らの居城である近江・坂本城へ戻ろうと落ち延びる途中の竹藪で、農民によって殺害されたとも、落ち武者狩りに遭ったとも、致命傷を受けたために自刃したともいわれています。明智藪は、「本経寺」というお寺の裏手になり、地元の方が建てた小さな駒札が掲げられています。

■明智藪 Google mapはこちら


こちらは、明智藪から北東へ徒歩約20分ほどのところにある「明智光秀の塚(胴塚)」。自刃したとも殺害されたともいわれる光秀ですが、その遺骸がどうなったのかも諸説あり、この地には“胴体”が埋められたと伝わります。謀反人としての最期とはいえ、簡素な塚に悲しさを感じてしまいます・・・

■明智光秀の塚(胴塚) Google mapはこちら

右側の五輪塔は蹴上から移されたと伝わります


それでは、光秀の“首”はどうなったのかというと、こちらも隠されたとも持ち去られたともいわれ、詳細は判然としません。そのなかで有力なのが、「討ち取られた首級と胴体がつなぎ合わされ粟田口刑場に晒された」という説(粟田口は、現在の地下鉄東西線「東山駅」近辺)。その後、首は蹴上(けあげ)のあたりに埋められ、時代とともに場所が移転、明治維新後にこの地に首塚が設けられたそうです。現在の首塚は、柳が風に揺れる風情が美しい東山の白川のほとりに、ひっそりとあります。

■明智光秀首塚 Google mapはこちら

白川沿いにて。箱入り光秀饅頭 1,100円


首塚の前には「餅寅」というおまんじゅう屋さんがあり、桔梗紋入りの「光秀饅頭」(1個170円)が販売されています♪

■餅寅
【営業時間】9:00~17:00
【定休日】不定休
【電話】075-561-2806
【アクセス】地下鉄東西線「東山駅」から徒歩約3分 Google map

【周山城跡/慈眼寺】光秀が築いた山城と、“くろみつ”像を祀るお寺



光秀の大きな功績とされるのが、「丹波平定」。天正3年(1575)に亀山(現・亀岡市)に入り、天正7年(1579)まで、5年に渡り丹波地方の攻略に注力。平定後は各地で善政を敷き、領民に慕われたといいます。その一端が伝えられるのが、京都市北部・京北エリアの周山にある慈眼寺(じげんじ)

(右)周山城址御城印 300円
左の特別記念御朱印は3月末で授与終了。9月より新・特別御朱印が登場予定です♪


光秀が、丹波平定後の天正9年(1581)に築いた周山城の麓にあるお寺で、こちらに伝わるのが、真っ黒に塗られた、不思議な光秀の像。「くろみつ大雄尊」と称される“明智光秀公黒坐像”で、光秀を崇敬する地元の人によって作られたものの、後に逆臣の汚名のためか、墨で真っ黒に塗られ、誰かわからなくされてしまったそうです。像をモチーフにしたキャラクター“くろみつくん”も人気を集めています♪

■周山 慈眼寺
【拝観時間】土曜日・日曜日・月曜日の10:00~16:00
 ※上記以外を希望の場合は要予約
【拝観料】300円
【電話】075-852-0213
【アクセス】京都駅からJRバス乗車、終点「周山」バス停から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://jigenji.kyoto/

【京都市考古資料館】光秀の生きた時代を“モノ”から偲ぶ
[2/7~11/23]特別展示「光秀と京 ~入京から本能寺の変~」



信長が上洛したのは、永禄11年(1568)9月26日のこと。足利義昭を奉じて京都の東寺に入り、この日から天正10年(1582)までの14年間を京都周辺を中心に戦国乱世を駆け抜けました。その傍らで活躍した光秀。「光秀と京 ~入京から本能寺の変~」展では、当時の遺跡の発掘調査によって出土した土器や瓦類が展示され、京都の往時の息吹を感じることができます。

ポスターなどには慈眼寺の“くろみつ大雄尊”が登場!

■特別展示「光秀と京 ~入京から本能寺の変~」
【日程】2020年2月7日(金)~11月23日(月・祝)
    9:00~17:00(入館16:30)
【休館日】月曜日(祝日の場合は、翌平日)
【場所】京都市考古資料館 1階特別展示コーナー Google map
【料金】無料
【問合せ】075-432-3245
【公式ホームページ】https://www.kyoto-arc.or.jp/blog/jp-mus-exhibition/3647.html?cat=11
【公式Facebook】https://www.facebook.com/kyotomaibunken
※ご来館の際には、マスクの着用等、感染症予防対策へのご協力をお願いいたします。また、開館状況につきまして、急遽変更になる場合もございます。お出かけ前にお電話にてご確認ください。

【廬山寺】光秀を護持した地蔵菩薩を特別公開中
[2/11~11/30]明智光秀の念持佛と廬山寺展



紫式部ゆかりの廬山寺(ろざんじ)で現在行われているのが、「明智光秀の念持佛と廬山寺展」。実は廬山寺は、比叡山 延暦寺焼き討ちの際、天台宗の関係寺院ということで光秀に攻められたのですが、当時の正親町天皇の取りなしにより焼き討ちを免れたそうなのです。そのお寺に光秀の念持佛が伝わるとは、奇縁を感じますね。

念持佛は、中央に地蔵菩薩坐像、脇侍に不動明王立像、毘沙門天像を据える三尊形式。流木で作られた岩窟のような厨子に安置されています。地蔵菩薩は取り外し可能で、光秀は戦の時に陣中に祀ったとも伝わっています。特別展の期間限定で、明智光秀の家紋にして、廬山寺の境内を彩る花である「桔梗」をあしらった、地蔵菩薩の特別御朱印が登場。こちらも11月30日(月)までの授与となります。

■明智光秀の念持佛と廬山寺展
【日程】2020年2月11日(火・祝)~11月30日(月)
    9:00~16:00
【場所】廬山寺 方丈 スポット情報はこちら
【料金】600円
【問合せ】075-231-0355
【公式ホームページ】http://www7a.biglobe.ne.jp/~rozanji/60tokubetu_201910.html

■その他の光秀ゆかりのスポット
【妙心寺】明智風呂



妙心寺の塔頭・大嶺院の密宗和尚が光秀の叔父であったことから、“光秀の菩提を弔うため”に境内に創建された浴室で、通称「明智風呂」と呼ばれます。光秀の亡くなった5年後の天正15年(1587)に創建され、現在の建物は明暦2年(1656)の再建となります。

「どうしてお風呂?」かというと、古来、寺院では、仏様の功徳として「施浴(せよく、貧しい人や病に苦しむ人々に温浴を施すこと)」が行われる習慣があり、妙心寺では、光秀が討たれた6月14日にちなみ、毎月14日に風呂を開放し、光秀の冥福を祈った、とされています(諸説あり)。

浴室は通常非公開ですが、今年(2020年)は夏季期間限定にて特別拝観が行われています。

■明智風呂 期間限定特別拝観
【日程】7月11日(土)~17日(金)、28日(火)~31日(金)
    8月1日(土)~7日(金)、29日(土)~31日(月)
    9月1日(火)~30日(水)の平日※土日祝除く
    9:00~12:00、13:00~16:00
【場所】妙心寺 スポット情報はこちら
【料金】400円
【問合せ】075-466-5381(妙心寺 参拝課)
【公式ホームページ】https://www.myoshinji.or.jp/hp/update/1164

【旧嵯峨御所 大本山 大覚寺】明智門と明智陣屋



嵯峨天皇の離宮を前身とする嵯峨野の大覚寺にも光秀ゆかりのスポットがあります。それが、明智門明智陣屋。拝観入口となる大門の横にあり、生子壁の美しい建物です。光秀が居城とした亀岡の亀山城から移築されたと伝わりますが、いずれも江戸時代の建築となるようです。※明智門の外観のみ見学可能

■旧嵯峨御所 大本山 大覚寺
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】お堂エリア500円、大沢池エリア300円
【電話】075-871-0071
【アクセス】市バス「大覚寺」バス停からすぐ、JR山陰本線(嵯峨野線)「嵯峨嵐山駅」から徒歩約20分 Google map
【公式ホームページ】https://www.daikakuji.or.jp/

【南禅寺 金地院】明智門



南禅寺の塔頭のひとつ・金地院は、徳川家康の側近であった金地院崇伝ゆかりのお寺。ここにも光秀ゆかりの明智門があります。歴史ミステリーなどでは、“光秀は生き延びていて、実は崇伝こそが光秀だった!”というストーリー展開がされることもあり、「え! ここに光秀ゆかりの門が!?」と喜んでしまいそうですが、実はこちらは、元々は大徳寺にあった、光秀を弔うために建てられた門だそう。では、明智門が移築される以前はというと、現在の豊国神社唐門がこの場所にあったそうで、豊国神社が再建される際に、門の移築が行われました。大がかりな移築が繰り返されたのですね。

■南禅寺 金地院
【拝観時間】9:00~17:00(12~2月は16:30)
【拝観料】400円
【電話】075-771-3511
【アクセス】地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩約5分 Google map

*****
京都市内の“光秀ゆかりのスポット”というと、「本能寺」が一番の注目を集めますが、それ以外の場所でも光秀を感じられるスポットがたくさんありましたね♪ 次回は、京都のお隣「近江・坂本編」をお届けしますので、どうぞお楽しみに!

「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード会員の皆さまへ■
「そう京」オリジナルイベントでも光秀・戦国時代をピックアップした企画を実施予定です。ぜひご参加ください♪

★現在受付中
 ⇒光秀の城下町 坂本を歩く(2020年9月6日実施)

★2020年8月23日(日)より受付開始!
 ⇒聚楽第ゆかりの地を歩く(2020年10月24日実施)

★2020年9月13日(日)より受付開始!
 ⇒光秀から始まった亀山城下町を巡る(2020年11月14日実施)
 ⇒中村先生と歩く 山崎の合戦跡(2020年11月21日実施)

\12月にも光秀関係イベントを実施予定です!/
詳細は、9月1日(火)、「会員限定オリジナルイベント」ページでお知らせします♪

Written by. みさご

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