
茶寮SENTAMA
京都NEW SPOT 19
京都では2020年もさまざまなお店がオープンしましたが、今回注目するのは「和菓子」のニュースポット。老舗和菓子店が手がける「茶寮SENTAMA」と、“物語”をモチーフに和菓子を創作されている「菓子屋のな」をご紹介します。
【茶寮SENTAMA】
老舗和菓子店「千本玉壽軒」が手がける茶寮。職人ワザを目の前で。

2020年10月14日(水)にオープンしたばかりの「茶寮SENTAMA」は、昭和13年(1938)創業の京菓子司「千本玉壽軒」が手がける、イートインで和菓子をいただけるお店。北隣の建物をリノベーションし、靴を脱いで二階へ上がると、ゆったりくつろげる落ち着いた空間が広がります。入ってすぐにカウンター席、奥の和室にテーブル席があり、のれんにデザインされた丸いフォルムの“玉”の文字は、お店に代々伝わる紋なのだそう。

雪餅の餡は、黄身あん・こしあん・粒あん・桃色の白あんから選べます。
こちらの茶寮の特徴は、“職人さんの手仕事を目の前で拝見できる”こと! この日は12月より生菓子のメニューに登場する「雪餅」を作っていただいたのですが、最初に4種類の餡から好きな餡をひとつ選び、きんとんをザルで漉したり、その後包んでいく職人ワザをじっくり眺めることができました。手際よく作られた和菓子をお出しいただいたときには、感激してしまいました!

飲み物は、抹茶(660円)・煎茶(660円)・ほうじ茶(550円)が用意されていて、抹茶は目の前で職人さんが点ててくださいます。なんとも贅沢なひととき・・・ ちなみに、抹茶椀はいくつかある中から好みのものを選ぶことができます。

「雪餅」は大和芋を原料に使った“きんとん”製。今までは予約のみで販売されていたという、とても繊細な和菓子です。“玉”の文字が入った茶寮オリジナルのお干菓子「せんたま」も添えられています。きなこのまろやかな甘みに思わずほっこり・・・
「できたてを味わっていただきたい、そして実際に和菓子を味わっているお客さまのお顔が見たいという思いから、茶寮をオープンしたんですよ」と千本玉壽軒の三代目・元島真弥さん。

最中3種盛り 770円
メニューは、季節ごとに変わる生菓子(5~6種類、お干菓子付、660円~)の他に、可愛らしい「最中3種盛り」もあります。最中の皮は茶寮用に作られた特注品で、餡は白あん・こしあんと、季節によって変わる“あん”の3種類。現在はさつまいもあんが登場中♪

12月より登場予定のあったかメニュー。「ぜんざい」と「くずゆもち」(価格未定)
12月からは温かい和スイーツも登場し、さらにメニューが増えていくそう。北野天満宮や千本釈迦堂などの参拝のあとは、甘味で温まりませんか♪
■茶寮SENTAMA
【営業時間】10:00~16:00
【定休日】水曜日
【電話】075-461-5747
【アクセス】市バス「千本今出川」バス停から徒歩約2分 Google map
【公式Instagram】https://www.instagram.com/saryo.sentama/?hl=ja
【菓子屋のな】
ご夫婦で営まれている小さなお店。和菓子から“物語”を紡ぐ

五条通の1本北にある万寿寺(まんじゅじ)通と、堀川通の1本東にある醒ヶ井(さめがい)通の角にある「菓子屋のな」は、2020年5月にオープン。京都の老舗和菓子店で経験を積まれた名主川千恵さんと、元イタリアンの料理人である野崎高行さんのご夫婦で営まれている小さなお店です。

カウンターの上のショーケースには、季節の創作和菓子4種類と看板菓子である「アントニオとララ」が並んでいます。

アントニオとララ 900円
「アントニオとララ」は、森鴎外が9年かけて翻訳したアンデルセンの小説『即興詩人』へのオマージュとして作られた、艶やかなあんこ玉の和菓子。詩人・アントニオの翻弄される人生の苦みを、ほろ苦くて濃厚な“焦がしキャラメルあん”に、盲目の乙女・ララの情熱的な人生を甘酸っぱい“トロピカルあん”で表現されています。お花とハーブが美しく添えられていて、ハーブの香りも印象的。 “アントニオ”と“ララ”をイメージしながらそれぞれいただいてみてください。
「物語からインスピレーションを受けて和菓子を作ることもあれば、和菓子を作ってから物語が浮かぶこともあります」と、名主川さん。

生菓子2種盛り(ドリンク付) 1,380円
持ち帰りが中心となりますが、店内でのイートインも可能。ショーケースに並ぶ生菓子いただくことができ、この日は「姫椿」と「天然色」をチョイスしました。「姫椿」はサザンカの別名で、キンセンカを使用した外郎(ういろう)生地に柚香(ゆこう)のあんが包まれています。「天然色」は、柚香を使った琥珀羹とりんごの水羊羹が二層になっていて、みずみずしく爽やかな味わいです。
ドリンクは日本茶だけでなく、珈琲や紅茶、さらに日本酒や梅酒もあります(アルコールは+300円)。日本酒は和菓子に合う銘柄を選んでいただけますので、和菓子と日本酒の意外なペアリングを楽しんでみて。

みつ芋万寿 一棹1,380円

秋から冬にかけては、安納芋を使用した蒸し羊羹「みつ芋万寿」も販売中。ラム酒が香るすっきりとした甘みの新感覚の羊羹です。年内は販売予定だそうなので、訪れた際はこちらもチェックしてみてくださいね。
■菓子屋のな
【営業時間】12:00~19:00
【定休日】日曜日・月曜日
【アクセス】市バス「堀川松原」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式Instagram】https://www.instagram.com/kashiya.nona/?hl=ja