京都観光の大定番! 世界遺産「清水寺」の拝観ガイド

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京都のお寺探訪 16


京都観光の大定番スポット、世界遺産・清水寺。「清水の舞台」の風景は、誰もが一度はテレビや写真で目にしたことがあるのではないでしょうか。「“清水の舞台”は知っているけれど、他の見どころは知らない・・・」という方のために、今回は、お参りの際に知っておきたい清水寺の歴史や建物について簡単にご紹介します。

※新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、京都府全域では3月7日(日)まで緊急事態措置が実施されています。京都へのご旅行は今しばらくお控えいただきますよう、ご協力をお願いいたします。収束した後、皆さまのお越しをお待ちしております。

 


清水寺の歴史とは?

十一面千手観音菩薩像

                            

清水寺のはじまりは、平安京以前、奈良時代末期まで遡ります。奈良で修行を積んでいた僧・延鎮(えんちん)上人が、「木津川の北へ清泉を求めてゆけ」という夢に導かれ、たどりついた音羽山で、清らかな水が湧き出す滝(音羽の滝)を見つけたそう。その滝のほとりで草庵を結び修行をしていた行叡居士(ぎょうえいこじ)から霊木を授かり、千手観音を彫刻。その2年後にこの地を訪れた武将・坂上田村麻呂が上人の教えに感銘を受け、十一面千手観音菩薩をご本尊とし、寺院を建立。“清らかな水”にちなみ、「清水寺」と名付けられたそうです。


一番の見どころ「清水の舞台」に注目!

奥の院から眺める清水の舞台。遠くの方に京都タワーが見えます。

   

「清水の舞台から飛び降りる」ということわざで知られる「清水の舞台」。日本にとどまらず、世界的にも有名なスポットです。昨年(2020年)12月3日(木)、本堂(国宝)の檜皮(ひわだ)屋根の葺き替えと「清水の舞台」の床板の張り替え工事が完了し、新しくなった本堂がお目見えしました! 舞台の部分だけ色が異なり、真新しさを感じますよね。本堂は、日本古来の伝統工法である「懸造り(かけづくり)」で建てられ、格子状に組まれた木材同士が支え合い、耐震性の高い構造となっています。驚くことに、釘は1本も使用されていないのですよ。

\2018年の工事の様子はこちら/
⇒【京さんぽ】「そうだ 京都、行こう。」はここから始まった 「清水寺」の今をご紹介!


本堂の全面にせり出す舞台は、高さ約13メートル・床面積約190平方メートル。410枚ほどの檜板が使用され、特別な行事の際にここで芸能などが奉納されることから、一世一代の晴れ舞台を意味する「檜舞台」の語源になったとも。

本堂の内々陣にご本尊が安置され、今も変わらず多くの方がお参りに訪れます。本堂は長い歴史の中で、何度も罹災しており、現在の建物は寛永10年(1633)に江戸幕府3代将軍・徳川家光の命で再建されました。


「清水の舞台」にある擬宝珠にもご注目を。「寛永拾癸酉歳 十一月吉日」と刻まれているのを確認できます。江戸時代から現代まで守り継がれていることに、歴史ロマンが感じられますね。


清らかな水が流れる「音羽の滝」とは?


清水寺のもうひとつの有名スポット「音羽の滝」。お寺の名前の由来ともなった“清らかな水”が流れ落ちる滝で、約4メートルの高さから落ちてくる水を長い柄杓で汲み、願い事をしながらひとくちいただけば、願いが叶うとされています。※現在は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、いただくことはできません。


滝の水は、観音様の功徳水「金色水(こんじきすい)」や「延命水」とも呼ばれ、健康・長寿・学業上達・良縁のご利益があるそう。奥にはご本尊の不動明王が祀られ、「音羽の滝」の向かいにある納経所では、不動明王の御朱印をいただくこともできます。

左:不動明王の御朱印(右は阿弥陀堂横の納経所でいただける阿弥陀如来の御朱印)


重文指定の15の堂塔。時間・時季によって変わる表情にも注目

中央:仁王門、右:西門、右奥:三重塔


清水寺には、重文指定された15の堂塔が建ち並び、訪れた時間や時季によってそれぞれの風情を味わえます。清水寺の拝観は朝6時にスタート(時季により変動あり)。早朝に訪れれば、お寺本来の静寂な風景を楽しむことができます。

子安の塔(2020年撮影)

 

安産祈願の名所とされる「子安の塔」。2013年に修復が終わり、色鮮やかな姿が印象的です。桜のシーズンには、淡いピンクに彩られた優しい風景に出会えます。

三重塔(2020年撮影)


高さ約31メートルを誇り、国内最大級の「三重塔」。高さがあるので、紅葉の海からもひょっこり塔が顔をだします。空の青と、三重塔と紅葉の赤が鮮烈な、キリッと美しい風景です。

左:阿弥陀堂、右:奥の院(2020年撮影)

              

こちらは阿弥陀堂(写真左)と奥の院(写真右)。2017年に修復が完了した奥の院は、本堂と同じく懸造りの舞台がせり出しています。青葉に包まれ、爽やかな堂宇が絵になりますね♪

他にも、まだまだ重文の建物がありますので、時間や時季ごとに変わる風景を楽しんでみてくださいね。


胎内をめぐる、観音様に触れる、お水をかける・・・ 体験ポイントも目白押し。


清水寺の境内には、実は“体験ポイント”も多くあり、実際に触れることで仏さまとご縁を結ぶことができます。随求堂(ずいくどう)では、あらゆる願いを叶えてくださるという大随求菩薩坐像(秘仏)をご本尊とし、真っ暗なお堂の地下を、大数珠をたぐりながら巡る「胎内めぐり」を体験できます。※現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため休止中。


こちらは奥の院にいらっしゃる「ふれ愛観音」。直接手で触れ、撫でることで、ご利益を授かることができます。つるっとしたお姿は、たくさんの人に触れられている証ですね。


奥の院の裏手にいらっしゃるのは「濡れ手観音」。水垢離(みずごり)の行を人々の代わりに行ってくれる観音様で、像に柄杓で水をかけると身も心も清められるとされています。※柄杓をご利用の際は、阿弥陀堂横または奥の院横の納経所にお声がけください。


拝観の証に。清水寺の御朱印、御朱印帳は?


御朱印は、本堂横・阿弥陀堂横・音羽の滝前の、3ヵ所の納経所でいただくことができます。それぞれの納経所でいただける御朱印の種類が異なりますのでご注意ください。今回は、本堂横の納経所にて、西国三十三所の印が押された御朱印を拝受しました。他にも様々な種類がありますので、しっかりお参りをしてから御朱印をいただきましょう。

御朱印帳 1,200円


御朱印帳は「本堂横の納経所」にて拝受できます。全部で5種類あり、大講堂の多宝閣(通常非公開)や朝倉堂東に安置されている「仏足石」(ぶっそくせき)の御朱印帳も。よく見ると背景には桜が描かれていて、シックなデザインです。


旅の思い出に、授与品もチェック!

出世大黒天ストラップ 400円


最後に、参拝の記念にいただきたい授与品をご紹介します。こちらはかわいらしい出世大黒天のストラップ。モチーフは、本堂に入ると最初に目に入る“あのお方”です・・・


「出世大黒天像」は、室町時代に作られたものだそうで、平成20年(2008)に一度修復され、鮮やかなお姿に。その名の通り金運アップや商売繁盛など“出世”の御利益があるとされています。ストラップとして肌身離さず持ち歩けば、願いが届くかもしれませんね♪

久遠 1,000円

                                

お香の「久遠(くおん)」は、平成の大修理記念として作られました。本堂の檜皮屋根の葺き替えの際に、50年ものあいだ本堂を守ってきた古い檜皮を細かく砕き、線香に練り込まれています。旅の記憶を思い出しながら、おうちで焚いてみてはいかがでしょうか。

■清水寺
【拝観時間】6:00〜18:00 ※季節により変動あり
【拝観料】400円
【電話】075-551-1234
【アクセス】市バス「清水道」・「五条坂」バス停から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】https://www.kiyomizudera.or.jp/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/feel_kiyomizudera/

⇒桜開花情報はこちら(例年の見頃 4月上旬)
⇒紅葉情報はこちら(例年の見頃 11月下旬〜12月上旬)

Written by. オパン

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