智積院会館 外観
桃山時代に活躍した絵師、長谷川等伯と息子・久蔵による絢爛豪華な国宝の障壁画を有することで知られる、総本山 智積院(ちしゃくいん)。広い境内には、遠方よりお参りに来られる方のための宿坊施設「智積院会館」が設けられています。
昭和41年(1966)に竣工以来、多くの方に愛されてきましたが、老朽化に伴い、場所を少しだけ南側に移して、2020年9月1日にリニューアルオープンしました。利便性が向上しただけでなく、宿泊プランにはお寺ならではの要素もたっぷり。生まれ変わった智積院会館の魅力をご紹介します!
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。
チェックイン~客室へ
フロント
リニューアルした智積院会館は従来の宿坊のイメージとは違い、カジュアルなホテルのよう。エントランスを抜けると、木のぬくもりが感じられるオシャレなフロントがあります。
驚いたのは、お坊さんがチェックイン業務に携わっていらっしゃるということ。「お寺の宿坊に泊まりにきたんだ」と、あらためて気付かされます。
和洋室
客室は2階と3階に全44室(洋室:22室、和洋室:16室、和室:4室、ユニバーサルルーム:2室)。和室以外はすべてベッドが導入され、なかには小上がりのある和洋室も。今までお風呂とお手洗いは共同でしたが、リニューアルに伴って各部屋に完備されました。さらに、お風呂とお手洗いが別に設置されているのも嬉しいポイントです。
館内には大浴場もあります。新型コロナウイルスの影響で、オープンより長らく利用を停止されていましたが、この4月からは人数制限付きで入浴できるようになりました。広いお風呂が良いという方は、15時から23時のうちに大浴場へ足を運びましょう。
和室
客室は北向きと南向きがあり、北向きの客室に泊まると、大きな窓から境内を見渡せます。伽藍とともに桜や紅葉など四季折々の植物も見どころ。智積院会館の公式インスタグラムでは、お坊さんが見頃の花々をご紹介しています。宿泊申込み前に参考にしてください。
※現在、2023年の弘法大師生誕1250年に向けた記念事業が進められているため、境内の一部で工事が行われています。
客室には、お泊まりになる人数分のお水も用意されています。長谷川等伯の息子・久蔵が25歳の時に描いた『桜図』(国宝)をあしらった智積院のオリジナル仕様。「ちょっと飲むのがもったいない」と思ってしまいますね。売店でも購入できますので、おみやげにも喜ばれそうです。
翌朝はお寺の特別プランを体験
明王殿でのお勤め風景
京都旅行中にお坊さんと接する貴重な機会、いっそう思い出深い体験になりますね。
朝食
精進料理、右上が「根来汁」
拝観が終わったら、お待ちかねの朝食タイム。「通常」と「精進」の2種類から選べ、どちらも汁物として「根来汁」が付いています。「根来汁」は、かつて智積院が紀州(今の和歌山県)根来寺(ねごろじ)の塔頭寺院であったという歴史にもとづき、大切に守り伝えられてきた精進料理です。
根来汁のレシピは智積院に代々伝わるもので、一時は味噌仕立ての場合もあったそうですが、智積院会館ではリニューアルにあわせて、お坊さんが味を幾度も調整し、昆布、しいたけ、大豆でとった出汁に、にんじんやレンコンを入れた“おすまし”に落ち着いたそうです。また、明王殿で事前に祈祷された小豆が入っているのも特長。こだわりの優しい味は、朝食にぴったりです。
売店
お食事会場の横には売店もあります。お寺御用達の老舗の逸品や、桔梗紋入りのお菓子など、さまざまに。お店の方によると、伝統工芸士・森俊山さん作の清水焼の器が人気を集めているとのこと。器に描かれた桔梗を見るたびに、智積院で体験した特別なひとときを思い出しそうです。
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ただ泊まるだけでなく、お寺ならではの体験がプラスされる智積院会館での宿泊。お部屋タイプはもちろん、夕食・朝食付き、朝食だけ、といったように複数のプランを用意されていますので、ぜひ智積院会館のサイトをチェックしてみてください♪
■智積院会館
【チェックイン】15:00~20:00 ※門限23:00
【チェックアウト】10:00
【電話】075-541-5363
【アクセス】市バス「東山七条」バス停から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://chisan.or.jp/lodging
【公式Instagram】https://www.instagram.com/chishakuinkaikan