新しくなった智積院会館! お寺ならではの宿泊体験とは

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智積院会館 外観

智積院会館 外観

桃山時代に活躍した絵師、長谷川等伯と息子・久蔵による絢爛豪華な国宝の障壁画を有することで知られる、総本山 智積院(ちしゃくいん)。広い境内には、遠方よりお参りに来られる方のための宿坊施設「智積院会館」が設けられています。

昭和41年(1966)に竣工以来、多くの方に愛されてきましたが、老朽化に伴い、場所を少しだけ南側に移して、202091日にリニューアルオープンしました。利便性が向上しただけでなく、宿泊プランにはお寺ならではの要素もたっぷり。生まれ変わった智積院会館の魅力をご紹介します!

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。

チェックイン~客室へ

フロント

フロント

リニューアルした智積院会館は従来の宿坊のイメージとは違い、カジュアルなホテルのよう。エントランスを抜けると、木のぬくもりが感じられるオシャレなフロントがあります。

驚いたのは、お坊さんがチェックイン業務に携わっていらっしゃるということ。「お寺の宿坊に泊まりにきたんだ」と、あらためて気付かされます。

和洋室

和洋室

客室は2階と3階に全44室(洋室:22室、和洋室:16室、和室:4室、ユニバーサルルーム:2室)。和室以外はすべてベッドが導入され、なかには小上がりのある和洋室も。今までお風呂とお手洗いは共同でしたが、リニューアルに伴って各部屋に完備されました。さらに、お風呂とお手洗いが別に設置されているのも嬉しいポイントです。

館内には大浴場もあります。新型コロナウイルスの影響で、オープンより長らく利用を停止されていましたが、この4月からは人数制限付きで入浴できるようになりました。広いお風呂が良いという方は、15時から23時のうちに大浴場へ足を運びましょう。

和室

和室

客室は北向きと南向きがあり、北向きの客室に泊まると、大きな窓から境内を見渡せます。伽藍とともに桜や紅葉など四季折々の植物も見どころ。智積院会館の公式インスタグラムでは、お坊さんが見頃の花々をご紹介しています。宿泊申込み前に参考にしてください。

※現在、2023年の弘法大師生誕1250年に向けた記念事業が進められているため、境内の一部で工事が行われています。

客室には、お泊まりになる人数分のお水も用意されています。長谷川等伯の息子・久蔵が25歳の時に描いた『桜図』(国宝)をあしらった智積院のオリジナル仕様。「ちょっと飲むのがもったいない」と思ってしまいますね。売店でも購入できますので、おみやげにも喜ばれそうです。

翌朝はお寺の特別プランを体験

明王殿でのお勤め風景

明王殿でのお勤め風景

智積院会館に宿泊すると、どのプランでも翌朝から始まる「朝のお勤め」に参加できます。それが、じつはとても特別感あふれる内容なんです!
 
まず、「3月1日~11月30日」は5時40分、「12月1日~2月末日」は6時10分にロビーに集合し、宿泊者一同揃って金堂へ向かいます。朝早いのが苦手という方も、せっかくの機会ですから、頑張って起きましょう!
 
お勤めは大日如来を祀る金堂に続き、不動明王を祀る明王殿の参列へ。金堂では多数の僧侶による朗々とした読経、明王殿ではお堂に響く太鼓に力強い読経と、異なる雰囲気のお勤めを一度に体感できます。
 
※2021年は金堂修復工事のため、4月22日(木)以降は金堂の代わりに講堂と明王殿でのお勤めとなります。

仏様に手をあわせ心を清めたら、続いてはお坊さんによる境内案内へ。なんと一般拝観が始まる前に宿泊者だけで美しいお庭や国宝の障壁画を収めた収蔵庫を見学できます。

特に、大書院から眺める名勝庭園が素敵です。静かな朝に、穏やかなお庭を眺めるだけでも贅沢ですが、さらにお坊さんの解説で理解が深まります。

ご案内を担当されるお坊さんは何名かいらっしゃり、各々の個性が光る解説を聞くことができます。なかには、リニューアルオープン以来、何度も宿泊して、お坊さんの異なる解説を楽しみにしているツウな宿泊者もいらっしゃるとか。

京都旅行中にお坊さんと接する貴重な機会、いっそう思い出深い体験になりますね。

朝食

精進料理、右上が「根来汁」

精進料理、右上が「根来汁」

拝観が終わったら、お待ちかねの朝食タイム。「通常」と「精進」の2種類から選べ、どちらも汁物として「根来汁」が付いています。「根来汁」は、かつて智積院が紀州(今の和歌山県)根来寺(ねごろじ)の塔頭寺院であったという歴史にもとづき、大切に守り伝えられてきた精進料理です。

根来汁のレシピは智積院に代々伝わるもので、一時は味噌仕立ての場合もあったそうですが、智積院会館ではリニューアルにあわせて、お坊さんが味を幾度も調整し、昆布、しいたけ、大豆でとった出汁に、にんじんやレンコンを入れた“おすまし”に落ち着いたそうです。また、明王殿で事前に祈祷された小豆が入っているのも特長。こだわりの優しい味は、朝食にぴったりです。

 売店

お食事会場の横には売店もあります。お寺御用達の老舗の逸品や、桔梗紋入りのお菓子など、さまざまに。お店の方によると、伝統工芸士・森俊山さん作の清水焼の器が人気を集めているとのこと。器に描かれた桔梗を見るたびに、智積院で体験した特別なひとときを思い出しそうです。
 

***
ただ泊まるだけでなく、お寺ならではの体験がプラスされる智積院会館での宿泊。お部屋タイプはもちろん、夕食・朝食付き、朝食だけ、といったように複数のプランを用意されていますので、ぜひ智積院会館のサイトをチェックしてみてください♪
 

■智積院会館
【チェックイン】15:00~20:00 ※門限23:00
【チェックアウト】10:00
【電話】075-541-5363
【アクセス】市バス「東山七条」バス停から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://chisan.or.jp/lodging
【公式Instagram】https://www.instagram.com/chishakuinkaikan

 ※掲載内容は2021年4月7日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. シュガー

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