花手水が人気! 長岡京の花の寺「柳谷観音 楊谷寺」

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京都のお寺探訪 18

京都市のお隣、長岡京市の自然豊かな山中に位置する柳谷観音 楊谷寺(やなぎだにかんのん ようこくじ)。古くから”眼病平癒の祈願所”として有名ですが、ここ数年、SNSを中心に注目を集めているのが四季折々の「花手水(はなちょうず)」や「押し花朱印」。紫陽花の名所であり、現在開催中(~2021年9月30日)のJR東海「花と水の京都」実施スポットのひとつです。今回はそんな話題の“花の寺”をご紹介します。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。

御本尊は“目の観音様”~楊谷寺の歴史を知る

  • 自然豊かな場所にあるお寺です。

    自然豊かな場所にあるお寺です。

  • 本堂(京都府指定文化財)

    本堂(京都府指定文化財)

創建は大同元年(806)。清水寺の開祖・延鎮僧都(えんちんそうず)が夢のお告げにより、西山の地で眼病に霊験あらたかな十一面千手千眼観世音菩薩を見つけられ、その仏様を御本尊に開かれたのが楊谷寺です。以来1200年に渡り、“眼病平癒の祈願所”として信仰を集めています。

※御本尊は毎月17日の御縁日に御開帳されます。
  • 独鈷水

    独鈷水

  • 弘法大師像

    弘法大師像

また、楊谷寺の歴史を知る上で忘れてはいけないのが、庫裏の奥に湧き出る「独鈷水(おこうずい)」。平安時代初期、親ザルが子ザルの患った眼を、お寺の水で洗い続けたところ、なんと17日目に小ザルの眼が開いたのだとか。その光景を見た弘法大師空海が、この水を祈祷し、眼病平癒の霊水としたという逸話がのこります。皇室にも献上されてきた由緒ある霊水「独鈷水」を求め、現在も多くの参拝者が訪れています。

慈眼(飴) 400円

慈眼(飴) 400円

“眼”にちなんだ授与品もあり、なかでもユニークなのが「め」がデザインされた飴。味は眼に良いとされるブルーベリー。参拝のおみやげにもおすすめです。

手水舎を彩る「花手水」がSNSで話題に!

  • 2018年秋にSNSで注目の的となった、モミジのグラデーションが美しい花手水

    2018年秋にSNSで注目の的となった、モミジのグラデーションが美しい花手水

  • コスモスの花手水(2020年秋)

    コスモスの花手水(2020年秋)

  • バレンタインの花手水(2021年冬)

    バレンタインの花手水(2021年冬)

  • 紫陽花の花手水(2021年初夏)

    紫陽花の花手水(2021年初夏)

そんな歴史ある楊谷寺が「四季を感じられる聖地にしたい」との思いから、2017年よりスタートされたのが「花手水」。手を浄める手水舎が四季の草花で彩られ、目に“癒しの風景”を届けてくれます。内容は時期により異なり、紫陽花やコスモス、モミジのほか、クリスマスやバレンタインなど季節のイベントをイメージした花手水も登場。その美しさがSNSを中心に話題となり、“花手水のお寺”として知られるようになりました。今では各所で見られる花手水ですが、実は、その先駆け的なお寺が楊谷寺なんですよ。
境内には「龍手水」「苔手水」「庭手水」「恋手水」「琴手水」の5つの花手水があり、手水舎によって実施時期やお花が異なります。現在の花手水の状況は、公式ホームページやFacebookでご確認ください。そして嬉しいことに、気になるこれまでの花手水は公式ホームページの「四季の花手水ギャラリー」で公開されています。四季折々に工夫された花手水は、どれも、ため息が出るほどの美しさ。おうち時間にゆっくり眺めてみてはいかがでしょう。

琴手水

琴手水

上書院裏にある琴手水の前には、水琴窟(すいきんくつ)があります。柄杓で水をくみ地面におとすと「キーン、コーン・・・」という涼やかな音。楊谷寺では「心の眼で聴いていただきたい」との思いから、「心琴窟(しんきんくつ)」と呼ばれています。目だけでなく、耳からも癒しのひとときをお楽しみください。

華やかな「押し花朱印」にもご注目を

押し花朱印(あじさい)※あじさいウイーク限定 1,000円

押し花朱印(あじさい)※あじさいウイーク限定 1,000円

花手水とあわせて注目いただきたいのが御朱印。通年授与される御本尊の御朱印をはじめ、季節限定、毎月17日の御縁日限定など、さまざまな御朱印を用意されています。そんななか2016年より授与されているのが「押し花朱印」。その名の通り、季節の花やモミジがあしらわれた華やかな御朱印です。季節で異なり、現在は「あじさいウイーク」限定の押し花朱印(あじさい)が授与されています。

押し花朱印つくり(イメージ)

押し花朱印つくり(イメージ)

毎月17日の御縁日には「押し花朱印つくり」(予約制、2,000円)を開催。拝受した御朱印に季節の草花をあしらい、私だけの御朱印を作ることができます。毎回、すぐに定員を上回るほどの人気イベント。気になる詳細は下記よりご確認ください。

⇒「押し花朱印つくり」の詳細はこちら

「あじさいウイーク2021」は、7月4日(日)まで開催

京都屈指の紫陽花名所である楊谷寺。例年の見頃は6月初旬から7月上旬で、約5,000株の紫陽花が咲き誇り、一年で最も華やかなシーズンを迎えます。境内には背もたれがハート型にくりぬかれたベンチがあり、こんなに可愛い写真が撮れることも。ハートの窓越しの紫陽花もお見逃しなく。
  • 初夏の上書院

    初夏の上書院

  • 上書院から浄土苑を望む

    上書院から浄土苑を望む

  • 秋の上書院

    秋の上書院

「あじさいウイーク」期間中は、通常非公開の「上書院」特別公開が行われています。明治後期に建てられた建物で、映画撮影などにも使用されたことがあるそうですよ。ここから望む浄土苑の眺めが素晴らしく、初夏は青もみじ、秋は紅葉が楽しめます。書院から浄土苑を楽しんだ後は、上書院へ上がりましょう。

※上書院は毎月17日と、新緑・あじさい・紅葉ウイーク期間に特別公開されます。

華やか&涼やか♪ JR東海「花と水の京都」

花手水をモチーフにしたオブジェ

花手水をモチーフにしたオブジェ

最後に、2021年初夏から夏にかけてのおすすめ情報をお届けします。楊谷寺は、JR東海が主催する「花と水の京都」の実施スポットのひとつ。書院受付前には、花手水をモチーフにした可愛いオブジェを展示。そして苔手水前には“レインアート”と題して、水に濡れると浮かび上がるアートが登場します。実施スポットごとにデザインが異なり、楊谷寺は先程ご紹介した慈眼(飴)にデザインされている“め”の文字が! お参りの際は、チェックしてみてくださいね。

⇒JR東海「花と水の京都」の詳細はこちら

レインアート

レインアート

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“花”の見どころがいっぱいの楊谷寺。季節限定の御朱印や御朱印帳、写仏、お守りなどを郵送で授与いただくことができます。公式SNSではお寺の様子を公開されており、気軽に旅行が難しい今、おうちからもぜひ楊谷寺をお楽しみください。

⇒「授与品の郵送対応」の詳細はこちら

■柳谷観音 楊谷寺
【拝観時間】9:00~16:00
【拝観料】境内無料 ※あじさいウイーク期間中(2021年6月6日~7月4日)は志納料700円、上書院・寺宝庫特別公開 志納料800円
【電話】075-956-0017
【アクセス】阪急バス「奥海印寺」バス停から徒歩約40分、JR東海道本線(京都線)「長岡京駅」よりタクシーで約15分 Google map
【公式ホームページ】https://yanagidani.jp
【公式Facebook】https://www.facebook.com/yanagidani
【公式Twitter】https://twitter.com/youkokuji
【公式Instagram】https://www.instagram.com/yanagidanikannon

<あじさいウイーク2021>
【日程】2021年6月6日(日)~7月4日(日)
    9:00~16:00
【志納料】700円、上書院・寺宝庫特別公開800円
※掲載内容は2021年6月18日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. かりー

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