恒例イベント「京の夏の旅」。定期観光バス特別コース「京都の異界伝説とフシギをたずねて」で京都めぐり!

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六道珍皇寺の「冥途通いの井戸」

六道珍皇寺の「冥途通いの井戸」

京都の夏の恒例イベント「京の夏の旅 文化財特別公開」(以下、京の夏の旅)。毎年テーマにあわせて、普段は見ることのできない建築や仏像などの貴重な文化財が特別公開されています。第46回の気になるテーマは「京の不思議と異界伝説」と「伝説の名刀」。京都市内7ヵ所を対象に、事前予約優先で行われています(一部期間が異なります)。各所では現地ガイドさんによるご案内があるので、歴史に不安な方でも気軽に楽しめるのも魅力のひとつです♪
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。

定期観光バスで「京の夏の旅」めぐり

出発はJR京都駅烏丸口「定期観光バスのりば」から。白地に赤いラインが目印の京阪バスに乗車します。

出発はJR京都駅烏丸口「定期観光バスのりば」から。白地に赤いラインが目印の京阪バスに乗車します。

各所をめぐるのに便利なのが、定期観光バスの特別コース。目的地への行き方に悩むことなく、涼しい車内ではガイドさんより窓から見える観光スポットのご案内があり、充実&快適な京都旅を楽しむことができます。

バスのフロントに、かわいい猫・・・ いや妖怪(?)を発見!

バスのフロントに、かわいい猫・・・ いや妖怪(?)を発見!

今回ご紹介するのは、特別公開3ヵ所と京料理の昼食が楽しめる「京都の異界伝説とフシギをたずねて」(L)コース。早速体験してきましたので、その模様をお届けします。
受付を済ませ、バス乗車前には検温・アルコール消毒をし、いざ出発!

【豊国神社】秀吉ゆかりの名品が勢揃い!

唐門(国宝)

唐門(国宝)

京都駅を出発しはじめに訪れたのは、豊国神社。足軽から関白へと昇りつめた豊臣秀吉にあやかり、出世・開運のご利益があるといわれています。通常非公開の書院では、斬るマネをするだけで骨まで砕いたという名刀「骨喰藤四郎(ほねばみとうしろう)」(重文)や「黄紗綾地菊桐紋付胴服(きさやじきくきりもんつきどうふく)」(重文)などが特別公開中。


 「骨喰藤四郎」。7月19日(月)からの2期は複製の展示ですが、本物と見間違うほどの名品です。

「骨喰藤四郎」。7月19日(月)からの2期は複製の展示ですが、本物と見間違うほどの名品です。

秀吉が着用したという羽織「黄紗綾地菊桐紋付胴服」。

秀吉が着用したという羽織「黄紗綾地菊桐紋付胴服」。

特に注目したのは秀吉の羽織「黄紗綾地菊桐紋付胴服」で、京都での公開はなんと23年ぶりとなるそう! 胸には桐紋と菊紋を組み合わせた三盛紋の刺繍が施され、襟には光沢のある緞子(どんす)を使用。「京の夏の旅」期間中には、この華やかな羽織をイメージした特別御朱印(500円※無くなり次第終了)を用意されていて、私も拝受してきました。羽織が思い出深くなりそうな御朱印なので、気になる方は授与所でチェックしてみてくださいね。

夢を喰うという動物、獏(ばく)。晩年、悪夢をみることが多かった秀吉は、この獏の枕で眠りについたとか。

夢を喰うという動物、獏(ばく)。晩年、悪夢をみることが多かった秀吉は、この獏の枕で眠りについたとか。

宝物館では、狩野内膳筆「豊国祭礼図屏風」(重文)や甲冑、獏の枕のほか、秀吉の“奥歯”という珍品も拝見。まさか歯まで伝えられているとは・・・ 驚きでした!

ちょっとひとやすみ♪ 昼食は老舗料亭「美濃吉本店 竹茂楼」へ

昼食は旅に欠かせない楽しみのひとつ。このコースでは、創業300年の歴史を誇る美濃吉本店 竹茂楼で、いただきました。賀茂茄子や万願寺唐辛子といった京野菜に、蓬麩の田楽など京都らしさを感じる料理に舌鼓。特にお気に入りだったのが、白味噌仕立ての温かな椀物。「外は暑い暑い」と言いつつも、白味噌のほっこりとした優しい味わいに、顔もほころびます♪

【北野天満宮】約30振の刀剣一挙公開!

宝物殿。境内随所には、暑さを和らげるミストが設置されています。

宝物殿。境内随所には、暑さを和らげるミストが設置されています。

お腹を満たしたら、全国天満宮の総本社・北野天満宮へ。学問の神様を祀ることで有名ですが、近年、多くの刀剣を所蔵することで話題に。「京の夏の旅」では、宝物殿にて約30振が一挙に公開されています。

北野天満宮で大人気の「鬼切丸」。

北野天満宮で大人気の「鬼切丸」。

鬼を切ったという逸話がのこる「鬼切丸(別名:髭切)」(重文)をはじめ、加賀・前田家が奉納した「恒次」「助守」(いずれも重文)など5振や豊臣秀頼が奉納した「國広」(重文)・・・ 名だたる刀剣がずらり。刀づくしの館内は壮観でした! 歴史や逸話を知ると、さらに興味深くなりますね。特に「鬼切丸」は江戸時代、「鬼切丸の下を潜れば疫病にかからない」といわれ、疫病退散の信仰があったそうです。

その他、気になったのは、平安京を守護し邪気を祓ったという「木造鬼神像」(重文)。目を大きく開き、周囲に睨みをきかせていますが、表情や格好に愛嬌を感じました。その睨みで、コロナも退散してほしいものです。

※宝物殿内は、刀剣のみスマートフォン・携帯電話での撮影が可能です。

涼しげな七夕飾りが寄り添う、三光門(重文)。

涼しげな七夕飾りが寄り添う、三光門(重文)。

【六道珍皇寺】京都随一の“異界&地獄”スポット!?


石碑「六道の辻」が目印。

石碑「六道の辻」が目印。

締めくくりに訪れたのは、あの世とこの世の分岐点と伝わる“六道の辻”に位置する六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)。「京の夏の旅」パンフレットの表紙を飾る、迫力満点の閻魔大王像を祀るお寺です。

駅や観光案内所で配布されている「京の夏の旅」パンフレット。

駅や観光案内所で配布されている「京の夏の旅」パンフレット。

閻魔堂には、大きな閻魔大王像と小野篁(おののたかむら)像が並んで安置されています。なぜ、この2つの像があるのかというと・・・ 平安時代の官僚として活躍した小野篁。なんと閻魔庁の役人でもあったそうで、夜になると境内奥にある「冥途通いの井戸」を使い、閻魔大王の元へ通ったという伝説が残るのです!

 冥途通いの井戸※間近からの撮影は不可。

冥途通いの井戸※間近からの撮影は不可。

そんな「冥途通いの井戸」も特別公開されていて、間近で拝見することができました。「ここが“あの世”へと続いているのか・・・」と思うと、なんだかゾクゾクしてきたような・・・。


地獄絵「熊野観心十界図(くまのかんじんじっかいず)」

地獄絵「熊野観心十界図(くまのかんじんじっかいず)」

さらに堂内では、江戸期の地獄絵「熊野観心十界図」や日本画家・中島潔画伯の新地獄絵「地獄心音図(じごくこころねず)」、絵描きユニット・だるま商店による色鮮やかな「篁卿六道遊行絵図(たかむらきょうろくどうゆぎょうえず)」が特別公開中で、地獄絵づくし。

閻魔みくじ(400円)

閻魔みくじ(400円)

伝説の井戸に地獄絵続きでひや~っとした気持ちになるなか、ほっと和ませてくれたのが閻魔大王のユニークなおみくじ。手のひらにちょこんと乗るサイズがかわいいです。でも気になるおみくじの内容は・・・ 良運には時間がかかる模様で、さらにひや~っとしてしまいました(汗)。

※8月3日(火)~18日(水)は六道珍皇寺から高台寺「百鬼夜行展」に行程変更となります。

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京都駅に戻ってきたのは、15時30分頃。バスの乗車時をはじめ各所では検温・アルコール消毒が徹底され、バスの車内は約5分毎に換気が行われており、安心してめぐることができました。本コースの詳細や申込み方法などは、公式ホームページでぜひご確認くださいね。

「京の夏の旅」の詳細はこちら
定期観光バス特別コース「京都の異界伝説とフシギをたずねて」(L)コースの詳細はこちら
※掲載内容は2021年8月6日時点の情報です。

Written by. かりー

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