気楽に泊まれる星野リゾート。「OMO」@京都の魅力とは?

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OMO5京都祇園

OMO5京都祇園

高級ホテルや温泉旅館を全国に展開する星野リゾート。ラグジュアリーなイメージが強いのですが、実はここ数年、リーズナブルな価格帯で宿泊できる都市型観光ホテルを展開されています。それが、「OMO-おも-」。「寝るだけでは終わらせない旅のテンションを上げる都市観光ホテル」をコンセプトとして、2018年に「OMO7旭川」をオープン。現在10ホテルが稼働し、2022年4月には大阪に新施設が誕生するなど話題となっています。

京都には、2021年4月に「OMO3京都東寺」「OMO5京都三条」、同年11月に「OMO5京都祇園」が開業。カジュアルかつ星野リゾートのエッセンスや京都らしさも味わえる非常に個性的なホテルなのですが、でも「どんなホテルなの?」と疑問に思われる方も多いかと思います。

「ビジネスホテルと何が違うの?」「京都ならではの楽しみは?」「3とか5とか、数字はなに?」など様々な疑問にこたえるべく、京都のOMOを訪ねてみました。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。

「OMO」に行ってみよう!

京都にあるOMOは、京都駅や東寺から徒歩圏内にある「OMO3京都東寺」(以下、京都東寺)、繁華街・河原町三条にある「OMO5京都三条」(以下、京都三条)、八坂神社の石段下にある「OMO5京都祇園」(以下、京都祇園)の3つ。まずは、それぞれを訪ねてみました。

こちらは、京都東寺。ロビーには、壁一面に描かれた仏像のイラストや、光の加減によって仏さまの表情が変わる「ほほえみウォール」、砂に文字を描ける「写経テーブル」など、仏教の要素が散りばめられています。

こちらは、京都三条。壁一面に描かれた大きなマップが目を引き、カウンター周りには高瀬川に関係した小物や老舗のグッズが並んでいます。

こちらは、京都祇園。半地下になったエントランスに提灯が灯り、祇園祭の山鉾ミニチュアやちまき、舞妓さんのかんざしなどが飾られ、祇園町らしい雰囲気が感じられます。

・・・同じOMOなのに、それぞれずいぶん雰囲気が違いますね。

OMOの魅力①:街ごとに違うコンセプト。

三条大橋街歩きイメージ

三条大橋街歩きイメージ

「皆さまが京都を訪れる際は、桜や紅葉を楽しみたい等、様々な目的でお越しになるかと思います。そのなかで、“寺社仏閣をお参りしたい”、“食や買い物など街歩きを楽しみたい”、“伝統や京都らしさを味わいたい”の3つが主な京都旅の目的ではないかと仮定して、それぞれを京都東寺・京都三条・京都祇園のコンセプトとしています」

と、OMO京都エリア総支配人の唐澤武彦さん。

・京都東寺=お寺参拝と門前町を楽しむ「心の時空トリップ」
・京都三条=高瀬川と三条界隈のお店で見る・買う・食べるを楽しむ「京町らんまん川歩き」
・京都祇園=華やかな祇園町の芸術・文化を暮らすように楽しむ「今日は祇園ぐらし」

がコンセプトとなっていて、それに合わせてエントランスやロビー、お部屋の雰囲気を変えているのだそう。「京都」と大きく括るのではなく、ホテルの立地周辺にターゲットを合わせているのが面白いですね♪

OMOの魅力②:ホテルのサービスがわかりやすい。

  • 京都東寺 ツインルーム

    京都東寺 ツインルーム

  • 京都三条 スーペリアルーム

    京都三条 スーペリアルーム

  • 京都祇園 茶の間トリプルキッチン付

    京都祇園 茶の間トリプルキッチン付

唐澤さん 「旅のスタイルに合わせて、各OMOではお部屋の大きさも変えています。京都東寺であれば、一人旅やお二人で過ごせるお部屋を用意し、サービスも最小限に抑え、心静かに滞在していただけるようにしています。京都三条は1~4名様のお部屋。京都祇園はご家族やグループで泊まれる6名様までの部屋をご用意して、キッチンを付けるなど部屋での滞在を楽しめる工夫をしています。“このOMOはどんなサービスをしているのかな?”と思われた方は、ぜひOMOの後の数字に注目してください」

OMO3、OMO5という謎の数字。実は、サービスの幅を表す数でした。OMOの柱となる①OMOベース、②ご近所マップ、③ご近所アクティビティの3つは全OMO共通。OMO3は、「+軽食」を気軽に楽しむベーシックホテル。OMO5は、「+カフェや朝食」が付くブティックホテルとなり、サービスが増えると価格もアップしていくという仕組み。なるほど、わかりやすい!

OMOの魅力③:「ご近所ガイド OMOレンジャー」が町をご案内します!

  • OMOベースは、ロビースペースのこと。写真は京都東寺。

    OMOベースは、ロビースペースのこと。写真は京都東寺。

  • ご近所マップのコメントもOMOレンジャーが作成。写真は京都三条。

    ご近所マップのコメントもOMOレンジャーが作成。写真は京都三条。

  • ご近所アクティビティのガイドはOMOレンジャーが務めます。写真は京都祇園。

    ご近所アクティビティのガイドはOMOレンジャーが務めます。写真は京都祇園。

OMOの基本となる3つのサービス、「①OMOベース、②ご近所マップ、③ご近所アクティビティ」に欠かせないのが、「ご近所ガイド OMOレンジャー」の存在です。

唐澤さん 「OMOは2018年から始まった業態ですが、当時、都市を観光する方はビジネスホテルに宿泊し、せっかくの滞在時間を残念な思いで過ごしているのではないか? との思いがありました。それならば、“観光客のための都市ホテル”を作ろうと考えて、模索しつつ旭川からOMOがスタート。現在では“都市が持つ独自の魅力に寄り添うホテル”になることが都市観光ホテルの役割ではないかと考え、スタッフたちが“OMOレンジャー”となり、地域を歩き、地域の魅力を紹介するサービスを展開しています」

都市が持つ独自の魅力に寄り添う。そのために、ホテルスタッフがホテルのある地域に住み、日々その土地を経験し、それをガイドに生かす・・・ 実際、どんな様子なのだろうと思い、OMOレンジャーによるご近所アクティビティに参加してみました。

\「ご近所アクティビティ」は参加無料。ご予約は忘れずに/

【OMO3京都東寺】東寺を深く知る、約1時間半の時空トリップ。

まず、京都東寺です。こちらのアクティビティは、世界遺産・東寺の境内を巡る「東寺まんだらさんぽ」、国宝のお堂で厄よけ祈願を受けオリジナルの腕念珠をいただくことができる「京都やくよけOMO(おも)散歩」、もしくは朝の東寺のお勤め「生身供(しょうじんく)」に参列する「国宝の朝さんぽ ~空海にあえる朝~」の3つ。今回は「東寺まんだらさんぽ」と「京都やくよけOMO散歩」に参加してみました。

出発前にはOMOベースにて、これから見に行く東寺の仏さまを予習。この日ご案内いただいたのは、OMOレンジャーの鈴木さん。OMOレンジャーは、全員が星野リゾートの社員で、京都に来る前には全国の星野リゾートで働かれていた、星野リゾートのおもてなし魂を持ったスタッフさんたちです。

南大門から境内に入り、空海さんの住房であった御影堂<大師堂>をお参りし、有料エリアの講堂・金堂・五重塔などを拝観(別途要拝観料)。随所で、OMOレンジャーが歴史や由緒をフリップにて説明してくださるのでわかりやすく、理解が進みます。

「京都やくよけOMO散歩」で授与いただける腕念珠とお札

「京都やくよけOMO散歩」で授与いただける腕念珠とお札

「京都やくよけOMO散歩」は、御影堂で厄除け祈願を受けることができ、ご祈祷後に有難いお札と、この企画限定の「腕念珠」を授与いただけます。
どちらのアクティビティも、自分で回るだけでは見過ごしてしまうことを教えていただけるので、初めて東寺に行く方でなくとも様々な発見ができそうです。

■東寺まんだらさんぽ
【開催時間】15:30~17:00/9:00~10:30 【料金】無料(別途要拝観料) 【定員】20名
公式サイトにて前日22時までに要予約、当日空きがあれば可

■京都やくよけOMO散歩
【開催時間】8:30~ 【料金】御祈願料4,000円(別途要拝観料) 【定員】20名
公式サイトにて2日前12時までに要予約

■国宝の朝さんぽ ~空海にあえる朝~
【開催時間】6:00~7:15 【料金】無料 【定員】5名
公式サイトにて前日22時までに要予約、当日空きがあれば可

【OMO5京都三条】高瀬川の水運と、京のメインストリート・三条通を歩く。

東海道の起点・終点となった三条大橋からすぐの場所にある京都三条では、高瀬川の歴史を知る「京町らんまん川さんぽ」と、老舗でのお買い物を楽しむ「京町らんまん老舗さんぽ」の2つのアクティビティを実施。

「両方参加される方も多いですよ!」と、元気なOMOレンジャーのオカミさん。

「両方参加される方も多いですよ!」と、元気なOMOレンジャーのオカミさん。

「ここは一之舩入。さて、高瀬舟が京都から大阪へと運んだものはなんでしょう?」など、クイズも交えながら、楽しく川沿いを散策。「老舗さんぽ」では、事前にリストアップしたお店に寄ったり、気になったお店に立ち寄ったり。本来は約1時間のおさんぽですが、「ここに寄りたい!」などいろいろ立ち寄り、時間をオーバーしてしまうこともあるのだそう。

いま人気を集めているのが、OMOレンジャーが「京都の純喫茶」を紹介し、自分好みのお店を探す企画。それぞれのお店のメニューを見ることもでき、「どこのお店に行ってみたいですか?」など時間を忘れて話し込んでしまいます♪

■京町らんまん川さんぽ
【開催時間】16:30~17:30/9:30~10:30 【料金】無料 【定員】15名
公式サイトにて前日22時までに要予約、当日空きがあれば可

■京町らんまん老舗さんぽ
【開催時間】10:45~11:45 【料金】無料 【定員】10名
公式サイトにて前日22時までに要予約、当日空きがあれば可、買い物代は個人支払

★「京町純喫茶コレクション」
【開催時間】20:00~20:30 【料金】無料
※予約不要。時間外でも希望があれば短縮版を開催可能

【OMO5 京都祇園】朝の祇園町で、静かなおさんぽ。

京都祇園のアクティビティは、ほとんど人のいない朝の祇園町を散策する「祇園うるわし朝まいり」。出発は朝6時半。冬場には真っ暗な中を出発するそう。OMOレンジャー・ちよさんにご案内いただきます。

朝の気配に包まれた花見小路から、縁切り厄除けで有名な安井金比羅宮へ。車通りのない東大路通を渡って、高台寺前のねねの道から八坂神社へ。八坂神社ではお千度参りを体験し、美の神さまを祀る「美御前社」にもお参りを。再び東大路通に戻ると、あっという間に町は車や人が多くなり、「たった1時間早く出かけるだけでこんなに静かな祇園町を体験できるんだ・・・」とびっくり。宿に戻ったら、原了郭の御香煎でひと息。朝まいり参加者だけの特別サービスです♪

(上)「おへやベーカリーセット」焼きたての香りがたまりません♪ (下)「菱岩」のお弁当。こちらは春のメニューです。

(上)「おへやベーカリーセット」焼きたての香りがたまりません♪ (下)「菱岩」のお弁当。こちらは春のメニューです。

そのほか、京都祇園で特筆すべきサービスが、「おへやベーカリーセット」と、「祇園おせわがかり」です。「おへやベーカリーセット」はホームベーカリーで焼き立てパンが作れるサービス、「祇園おせわがかり」は祇園の食事処をOMOレンジャーが教えてくれるサービスです。お部屋に仕出しを取ることも可能で、祇園の老舗仕出し屋「菱岩」のお弁当もいただけますので、ぜひ利用してみて♪

■祇園うるわし朝まいり
【開催時間】6:30~7:30 【料金】無料 【定員】15名
公式サイトにて前日22時までに要予約、当日空きがあれば可

■祇園おせわがかり
【時間】8:00~21:00
※仕出し料理は公式サイトにて3日前までに要予約

■焼き立ておへやベーカリー
【料金】1,000円(ホームベーカリー、材料一式、コンディメント6種、ドリップコーヒー付)
※ご予約時、もしくはチェックインの際に注文

*****
京都にある3施設だけでも、ずいぶん個性が違いますね! 特にOMOレンジャーによるアクティビティは、地域のことがよくわかる試みで、京都に住んでいる人でも楽しめるもの。通常のビジネスホテルでは味わえないサービスであり、星野リゾートの他の施設にはない独自のサービスとなるので、ぜひOMO宿泊の際には利用してみてほしいと思いました。

最後に、改めて唐澤さんに、OMO京都の魅力についてお伺いしました。

総支配人・唐澤さんに訊く、京都「OMO」の魅力とは?

全国のOMO。(上段)OMO7旭川、(下段左)OMO5東京大塚、(下段右)OMO7大阪(2022年4月開業予定)

全国のOMO。(上段)OMO7旭川、(下段左)OMO5東京大塚、(下段右)OMO7大阪(2022年4月開業予定)

-昨年(2021年)、京都に3施設が誕生したOMOですが、当初から3つの施設を展開される予定だったのでしょうか?

唐澤さん 「それが、違うんです。初めの計画では、京都東寺が最初にオープンし、次に京都三条、京都祇園、と順次開業する予定でしたが、コロナ禍により京都東寺のオープンが延び、京都三条と同時にオープンとなりました。特に3つの施設を想定していたわけではないのですが、ご縁があり、それぞれ雰囲気の異なるエリアで、距離的にも近すぎない関係性で展開することができました」

京都の老舗ブランド「よーじや」とコラボした「OMOの卒たび~京都べっぴん旅~」

京都の老舗ブランド「よーじや」とコラボした「OMOの卒たび~京都べっぴん旅~」

-京都に開業するにあたり、特に大変だったことなどありますか?

唐澤さん 「そうですね、京都は情報がたくさんあり、お好きな方も、詳しい方もとてもたくさんいらっしゃいます。他の星野リゾートはホテルのある土地に人を呼ぶ工夫が必要でしたが、京都の、特にOMOができた土地は、たくさんの方がお越しになるところ。すでに魅力のある場所で、何をどう発信していくかは、非常に悩んだところです。京都東寺であれば、やはり東寺の魅力を知らなければならないし、京都三条ならば周辺のお店が魅力となります。祇園であれば伝統や文化ですが、とにかく京都は深い魅力があるので、今も手探りでどうお伝えしていくかを模索しています」

-京都では嵐山に「星のや京都」がありますね。

唐澤さん
「嵐山の星のや京都は、“星のや”という非日常を楽しんでいただくため、舟で大堰川を渡り、館内での滞在時間を楽しんでいただいています。ご当地の魅力を発信する施設としては温泉旅館の“界”もありますが、“OMO”ではホテルとともにエリアを大切にし、ホテル周辺を歩き、楽しんでいただきたいと思っています。そのため、今はコロナ禍で難しい場面もありますが、お食事は街のお食事スポットをご案内し、おみやげ選びも周辺のお店で選んでいただく、街とホテルが一体化したような空間を目指しています」

京都三条「京町らんまん老舗さんぽ」のヒトコマ

京都三条「京町らんまん老舗さんぽ」のヒトコマ

-3施設をめぐってみて、確かに、非常に地域密着型のホテルなのだなと感じました。OMOレンジャーさんも常日頃から町を知ることを意識され、唐澤さんも自ら毎月高瀬川の掃除に参加されていると伺い、その熱心さに驚いてしまいました。

唐澤さん 「京都はとても町のつながりが強い場所なので、私たちもそのなかに参加させていただいている気持ちでいます。OMOレンジャーたちもOMOがオープンするタイミングで京都に来たスタッフが多く、日々勉強を重ね、知識を深めています。ご近所アクティビティはスタッフたちの思いを大切に、個性を出してもらう場なので、他の星野リゾートにはない、日々進化していくガイドを楽しみにしていただければと思います」

-“OMO”には、どういう意味があるのでしょうか。

唐澤さん 「特に意味をつけているわけではないのですが、強いて言えばおもいですね。それぞれのおもいがOMOで、そのなかには、“おもしろい”や“おもてなし”や、様々な意味も読み取れます。あとは、覚えやすく、口にしやすい名称、ということもあります。海外の方も呼びやすい名称であり、いろいろな方に親しんでいただければと思います」

-ありがとうございました。

*****
たくさんの仕掛けや魅力があり、とてもすべては紹介しきれませんでしたが、OMOの魅力の一端はお伝えできたでしょうか? 高級ホテルが増え続ける京都ですが、気軽に宿泊できる魅力ある宿泊施設も登場しているということも嬉しいことですね。この春からの京都旅に、ぜひ利用されてみてはいかがでしょうか♪

■OMO-おも-
【チェックイン】15:00
【チェックアウト】11:00
【電話】0570-073-099(予約、9:30~18:00)
【公式ホームページ】https://hoshinoresorts.com/ja/brands/omo/

\ご予約は各ホテルの公式ホームページをチェック/
■OMO5京都祇園 by 星野リゾート
【客室】全7タイプ36室(内、キッチン付き24室)、定員1~6名
【料金】1室18,000円~(1名9,000円~)
【アクセス】市バス「祇園」バス停から徒歩すぐ Google map
【公式ホームページ】https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo5kyotogion/

■OMO5京都三条 by 星野リゾート
【客室】122室、定員1~4名
【料金】1室14,000円~(1名7,000円~)
【アクセス】市バス「河原町三条」バス停から徒歩すぐ、地下鉄東西線「京都市役所前駅」から徒歩約2分 Google map
【公式ホームページ】https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo5kyotosanjo/

■OMO3京都東寺 by 星野リゾート
【客室】120室、定員1~2名
【料金】1室10,000円~(1名5,000円~)
【アクセス】JR「京都駅」八条口から徒歩約13分、近鉄京都線「東寺駅」から徒歩約2分 Google map
【公式ホームページ】https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo3kyototoji/
※掲載内容は2022年3月14日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. みさご

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