【後編】職人をめぐる、京都お誂えの旅 〜自分だけのスツールが完成〜

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KIJIRUSHI

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紫竹エリアの、閑静な住宅街にあるオーダーメイド家具のリテールショップ「KIJIRUSHI(キジルシ)」。前回は、こちらで座面をペーパーコードで編み上げた軽くて丈夫な椅子「Millstool」をサイズ違いで2脚オーダーしました! さて、どんなふうに出来上がっていくのでしょうか?

⇒【前編】職人をめぐる、京都お誂えの旅 〜自分だけのスツールを作る〜

※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。

自然に溢れる滋賀の木工場で製作に没入

  • 思わず深呼吸したくなるような緑溢れる環境。自然と共生し、人とともに年を重ねていく”未来のヴィンテージ”はこの場所で作られています。

    思わず深呼吸したくなるような緑溢れる環境。自然と共生し、人とともに年を重ねていく”未来のヴィンテージ”はこの場所で作られています。

  • 外に向かって大きく開かれた工場の入り口。壁面も木で覆われています。

    外に向かって大きく開かれた工場の入り口。壁面も木で覆われています。

  • 見やすく、使いやすく並べられた工具。繊細な手仕事を支えます。

    見やすく、使いやすく並べられた工具。繊細な手仕事を支えます。

注文を受けた家具は、滋賀県大津市伊香立にある木工場で作られます。周囲を田んぼや木々で囲まれた、大らかな環境で、「KIJIRUSHI」の家具は作られていきます。製作が立て込んでいる時以外であれば、予約で見学もさせてもらえるとのこと。気になる方は、電話で問い合わせてみましょう。京都駅から車で1時間くらいで行くことができます。

製作過程を少し覗き見

  • 貫(かん)の先を削る作業の様子。少しでも削りすぎると穴からすぽっと抜けてしまい、削りが甘いと入らないため、絶妙な匙加減で丈夫な土台を支える貫を削り出します。

    貫(かん)の先を削る作業の様子。少しでも削りすぎると穴からすぽっと抜けてしまい、削りが甘いと入らないため、絶妙な匙加減で丈夫な土台を支える貫を削り出します。

  • 「Millstool」ハイスツール用の貫。上下でサイズが違いますが、見た目にもわからないほどの差異のため、印をつけているそうです。

    「Millstool」ハイスツール用の貫。上下でサイズが違いますが、見た目にもわからないほどの差異のため、印をつけているそうです。

ナラの木から縦目の木目の美しい材を選び、オーダーしたサイズに合わせて4本の脚を丸く、なだらかな曲線を描くように削り出します。脚と脚の間を繋ぐパーツは貫(かん)と呼ばれ、脚を支えて椅子の強度を高めます。釘を1本も使わず、木の反りを利用して組み立てるため、脚部分に穴をくり抜き、その穴に寸分の狂いもなく組み合うように貫の先を削ります。座面の枠にも4箇所の丸い穴を開け4本の脚をギュッとはめ込みます。

「Millstool」の特徴である座面

  • 均等なテンションになるように調整しながら、コードを編んでいきます。

    均等なテンションになるように調整しながら、コードを編んでいきます。

  • ときに足の指も使いながら器用に編み上げていきます。

    ときに足の指も使いながら器用に編み上げていきます。

  • 滑りやすいペーパーコードを編むのに滑り止めのついた手袋は必需品。どんな高さの椅子でも同じテンションを保つため、作業は上下調節のできる椅子で行っています。

    滑りやすいペーパーコードを編むのに滑り止めのついた手袋は必需品。どんな高さの椅子でも同じテンションを保つため、作業は上下調節のできる椅子で行っています。

「Mill」は水車を意味し、上から見たときの座面の形が、ヨーロッパの古い水車に似ていることから名付けられました。樹脂を浸透させた紙を撚り合わせたペーパーコードを、四方から均一の力をかけて真ん中で集める作業には、かなりの集中力と手先の細かさ、熟練の技が必要です。一段一段、まっすぐに隙間なくコードを埋めて、力強く締め上げることで、美しく、高い耐荷重を持った座面に仕上がります。座面部分の木を枠組みのみにすることで、椅子自体の重量が軽減されて持ち運びを簡単にします。

おうちに「Millstool」がやってきた!

オーダーした「Millstool」の “Counter”と“Work”が届きました。想像していたとおり、とってもかわいい! と相方は大はしゃぎ。二脚並べると思っていた以上に部屋がグレードアップされて、テンションが上がります。うん、うれしい・・・。相方がオーダーした“Work”。定番商品と見た目にはさほどの違いはないのですが、自分の体型に合わせた高さにしてもらっているので、座った時の安定感がさらに良いそうです。
  • 2つ並べた「Millstool」。座り心地が良いのはもちろん、インテリアとしても素晴らしい存在。軽くて持ち運びが楽なので、普段はこうやって並べておいて、使うときだけ移動させるのもよいかも・・・

    2つ並べた「Millstool」。座り心地が良いのはもちろん、インテリアとしても素晴らしい存在。軽くて持ち運びが楽なので、普段はこうやって並べておいて、使うときだけ移動させるのもよいかも・・・

  • “風車”のような座面。自分のために編んでもらっていると思うと愛着も一際湧いてきます。端っこの四つの丸は、釘を使っていないことの証拠。かわいすぎます。

    “風車”のような座面。自分のために編んでもらっていると思うと愛着も一際湧いてきます。端っこの四つの丸は、釘を使っていないことの証拠。かわいすぎます。

  • 脚部分に見える木の年輪さえ愛おしい。

    脚部分に見える木の年輪さえ愛おしい。

“Counter”は、その名のとおり、カウンターでの仕事用にオーダー。カウンターの高さと自分の座高に合わせ、ノートパソコンで作業をすることを目的にサイズオーダーしたから、どんぴしゃ! 長時間、腰を掛けていても疲れません。オイル仕上げのナチュラルな感じも好みです。今回、オイルの色を天然木の色を生かしたクリアと少しトーンを落とした色付きのどちらで仕上げるかも選ばせてもらいました。部屋の床の色に合わせて、クリアを選択。より一層、天然木ならではの経年による色の変化がわかりやすく楽しめそう。この椅子が、溝上さんが目指す”未来のヴィンテージ”になるように、大切に使おうと思います。ペーパーコードは水に弱いので、水濡れには注意しないといけませんが、最悪の場合は張り替えしてもらえるので、普段使いとして愛用させてもらいます!
■Furniture & General store KIJIRUSHI
【営業時間】11:00~17:00
【営業日】水曜日〜土曜日 ※公式ホームページで営業日をご確認ください
【電話】075-406-7206
【アクセス】市バス「大宮大門町」バス停から徒歩約2分 Google map
【公式ホームページ】https://www.kijirushi.net/
※掲載内容は2023年1月31日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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