【前編】職人をめぐる、京都お誂えの旅 〜自分だけのスツールを作る〜

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KIJIRUSHI

KIJIRUSHI

京都市の北の紫竹(しちく)エリアは、閑静な住宅街。ぽつんぽつんと個人経営のおしゃれなお店が点在します。今回お邪魔する「KIJIRUSHI(キジルシ)」は、滋賀県に拠点を持つ家具職人が2015年にオープンさせたリテールショップ。こちらでは家具のオーダーも可能とのことで、最近購入したお気に入りの花器を置くためのスツールをオーダーメイドしに行きます。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。

雑貨も取り扱う、まるで家のような家具のアンテナショップ

  • 1階はインダストリアルな雰囲気のモルタル塗り、2階は煉瓦壁のツートンになったおしゃれな外観

    1階はインダストリアルな雰囲気のモルタル塗り、2階は煉瓦壁のツートンになったおしゃれな外観

  • 窓やドアに嵌め込まれたガラスから中の様子が覗けます。

    窓やドアに嵌め込まれたガラスから中の様子が覗けます。

  • すりガラスを通して日の光がやさしく入る店内。白い壁と高い天井が心地よい雰囲気を演出します。

    すりガラスを通して日の光がやさしく入る店内。白い壁と高い天井が心地よい雰囲気を演出します。

上賀茂神社の境内の外にある摂社、久我神社の向かいにあり、近隣の街並みに溶け込むように佇む一軒家が、家具と雑貨のお店「KIJIRUSHI」です。ドアを開けると、あたたかい家庭そのもののように家具が配置され、日々の暮らしに寄り添う雑貨が並びます。木工職人の溝上さんは2005年に家具屋として独立。独立当初は、夫婦とお子さんの暮らす家にお客さんを案内して、実際の生活の中で家具が使われる様子を見てもらっていたそう。現在は紫竹にショップを構え、奥さんが店番を担当されています。
  • 商品であり、ディスプレー棚にもなっているカップボード。持ち手だけがテーブルから浮いているカッティングボード(まな板 S:7,480円、L:9,350円)などオリジナルの木工雑貨が並びます。

    商品であり、ディスプレー棚にもなっているカップボード。持ち手だけがテーブルから浮いているカッティングボード(まな板 S:7,480円、L:9,350円)などオリジナルの木工雑貨が並びます。

  • オリジナル木工雑貨の人気商品、クリップボードとクリップボードライト。A7サイズ(1,430円)~A4サイズ(4,180円)まで8つのサイズを展開。

    オリジナル木工雑貨の人気商品、クリップボードとクリップボードライト。A7サイズ(1,430円)~A4サイズ(4,180円)まで8つのサイズを展開。

  • 伝票サイズ大・小、A7~A5のクリップボードライトは、厚みを落として軽く仕上げてあり、壁にかけておくこともできます。

    伝票サイズ大・小、A7~A5のクリップボードライトは、厚みを落として軽く仕上げてあり、壁にかけておくこともできます。

存在を知らなければ、何をしているお店かわかりにくくて入りにくいかもしれません。でも、実際に入ってしまえば、1,000円前後で購入できる雑貨も扱われていて、思いのほかウェルカムな雰囲気。たとえばロングセラーのクリップボード。伝票サイズからA4サイズまでさまざまに揃い、まるで机の上でメモを取っているかのような使い勝手のよさは、木工職人の手作りならでは。

いざ、お誂え! 京都で自分サイズの椅子をオーダーメイド

  • シンプルながら三本脚のフォルムがかわいいスツール「Tris」(27,500円)

    シンプルながら三本脚のフォルムがかわいいスツール「Tris」(27,500円)

  • SD Kids Chair(49,060円)。座面にレザーを貼ってアレンジ。お子さんの成長とともに、アームを取り外したり、脚の部分の木をカットして高さを調節できる優れもの。

    SD Kids Chair(49,060円)。座面にレザーを貼ってアレンジ。お子さんの成長とともに、アームを取り外したり、脚の部分の木をカットして高さを調節できる優れもの。

さて、今回は、初めてのオーダー家具を注文しに、やってきました。ホームページを見て、気になっていたのが「Tris」と名付けられた三本脚の椅子。「ヨーロッパの石造りの建物など、平坦でない室内でも安定して座れる事から盛んに作られていた」との紹介記事を読んで、とっても気になっていました。観葉植物を日の当たる窓辺に置ける高さで作ってもらうのが目的です。相方とお揃いで2脚を誂える予定。
  • 窓際に並べた「Millstool」。定番は高さ350mm(41,800円)、480mm(44,000円)、600mm(49,500円)の3サイズ。

    窓際に並べた「Millstool」。定番は高さ350mm(41,800円)、480mm(44,000円)、600mm(49,500円)の3サイズ。

  • ハイスツールでも軽々持ち上げられるのは、座面がペーパーコードだから。軽く持ち運べるから、いろんな場所で使いたくなります。

    ハイスツールでも軽々持ち上げられるのは、座面がペーパーコードだから。軽く持ち運べるから、いろんな場所で使いたくなります。

  • 座り心地も上々! ペーパーコードの網目が体重を分散してくれるのか、クッションなしでもお尻が痛くなりません。

    座り心地も上々! ペーパーコードの網目が体重を分散してくれるのか、クッションなしでもお尻が痛くなりません。

実際にお店に並ぶいくつかのスツールを見て、座ってみると、だんだん最初の気持ちがブレてきました・・・。「こっちのほうがいい」と相方。指差したのは四本脚の「Millstool」。たしかに紐で編まれた座面はお尻をしっかりホールドして適度にやわらかく、長時間座り仕事をする私にはぴったり。「座っているうちに体に馴染んで、さらに座り心地が良くなっていきますよ」と溝上さん。さらに三本脚だとあまり高さに幅が出せないことを聞いて、気持ちが揺れます。どうしようかと悩んでいると「座面のお尻の部分がくりぬいてあるから軽いですね! 普段はテーブルの下にしまって、来客用にしよう〜」と相方。もうノリノリです。
  • このお店をオープンしたときにつくったという木のバッチ。7年の年月を経て、色の変化も教えてくれます。

    このお店をオープンしたときにつくったという木のバッチ。7年の年月を経て、色の変化も教えてくれます。

  • 左からナラ、チェリー、ウォールナット。選ぶ木によって表情がまるで違う椅子になりそう。

    左からナラ、チェリー、ウォールナット。選ぶ木によって表情がまるで違う椅子になりそう。

  • 入念に打ち合わせ、こちらの希望をやさしく聞いて、悩んでいるときはヒントを与えてくださいます。

    入念に打ち合わせ、こちらの希望をやさしく聞いて、悩んでいるときはヒントを与えてくださいます。

自分用に、と気持ちをシフトすると、そういえばキッチンカウンターでちょっと仕事したり、飲んだりするための椅子が欲しいと思っていたことを思い出しました。そう思うと妄想がとまりません。いったん「Millstool」でオーダーする方向で話を進めます。選べるのは木材の種類と高さ。まずは木。KIJIRUSHIであつかう木は、主にナラ、チェリー、ウォールナット。端材で作ったバッチで実際の色を確認します。重厚で耐水性があり、傷にも強く、使い込むうちに黄金色を帯びるナラ、すべすべの肌ざわりで、経年により赤みを増すチェリー、ヨーロッパの貴族に愛されきめ細やかな木目と重厚感が特徴のウォールナット。自然光の差し込む場所に移動して、光による色の違いを確かめて、オーダーする材を決めます。
  • 7年間使っているハイスツールの「Millstool」と商品。比べてみると編んだ部分が少しだけ凹んでいるのがわかります。体に馴染んでいい感じ。張り替えのリペアも可能です。

    7年間使っているハイスツールの「Millstool」と商品。比べてみると編んだ部分が少しだけ凹んでいるのがわかります。体に馴染んでいい感じ。張り替えのリペアも可能です。

  • 上から見た様子が風車のようだから「Millstool」と命名。絵にして飾られていることからも愛着のある商品だということがわかります。

    上から見た様子が風車のようだから「Millstool」と命名。絵にして飾られていることからも愛着のある商品だということがわかります。

座面部分に使われているのは、正確にはペーパーコード。上から見ると風車のように編んであります。ペーパーコードの材料は名前のとおり紙。樹脂を浸透させた紙を撚り合わせることで高い強度を持ち、軽くて通気性がよく、夏は涼しく、冬はひんやりしません。色は黒とナチュラルを選べます。スツールの高さは、使いたいテーブルよりも20〜30㎝ほど低めのものが使い勝手がよく、両方の足裏がぴったりと床に付くのが理想だそう。持って、座ってを繰り返しているうちに、もう、これ以外考えられなくなってきました。木材、紐の色を決めて、細かいサイズはメールで知らせてオーダー完了です! 納品まで約3ヵ月。秋には出来上がる予定です。

\オーダーしたスツールが、ついに完成!/
⇒【後編】職人をめぐる、京都お誂えの旅 〜自分だけのスツールが完成〜

■Furniture & General store KIJIRUSHI
【営業時間】11:00~17:00
【営業日】水曜日〜土曜日 ※公式ホームページで営業日をご確認ください
【電話】075-406-7206
【アクセス】市バス「大宮大門町」バス停から徒歩約2分 Google map
【公式ホームページ】https://www.kijirushi.net/
※掲載内容は2022年7月11日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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