名物いただきます! 柚子屋旅館 一心居の柚子雑炊

  • グルメ・スイーツ

柚子雑炊

柚子雑炊

寒い冬だからこそ美味しくいただけるのが鍋物。旅先では少し奮発して、思い出に残る食事を召し上がりませんか。訪ねたのは、八坂神社の南にお店を構える柚子屋旅館。1階にある「ごはん處 一心居」は宿泊客以外も利用可能で、柚子をまるごと1個入れた柚子雑炊が名物です。柚子雑炊を含むお昼のコース「柚子雑炊膳」の魅力をレポートしますので、ぜひ参考にしてください♪
  • すぐお隣が八坂神社です

    すぐお隣が八坂神社です

  • 門をくぐり、石段を登ります

    門をくぐり、石段を登ります

入口は東大路通に面しているため、前を通ったことがある方も多いのではないでしょうか。門前からは分かりませんが、お店に入ると別世界が待っています。

お出迎え

  • 湯気があがっています

    湯気があがっています

扉を開けて、まず印象的だったのが“おくどさん”。珍しさゆえ、写真を撮る方も多いそうです。現在、調理には使われていませんが、お客様をあたたかくお迎えするために、つねづね竈で湯を沸かしていらっしゃるのだとか。
  • 節分飾り。おかめさんの掛け軸がかわいい!

    節分飾り。おかめさんの掛け軸がかわいい!

  • 柚子も飾られています

    柚子も飾られています

待合スペースには季節の室礼が施されていました。落ち着いた和の雰囲気に、心が癒されます。

中庭

中庭

お食事スペース

エントランスでさえ祇園という繁華街にいることを忘れるほどの心地でしたが、お食事場所はまさに市中の山居。昭和初期に旅館として建てられた建物をリノベーションされ、窓の外には滝が流れています。「本当に八坂神社の隣?」と何度も確認してしまうくらい、遠くへ来た気分になりました。お店の方によると、滝の岩肌をうっすらと染める雪化粧がことのほか美しいそうです。

お昼の献立「柚子雑炊膳」

お昼は「柚子雑炊膳」(5,500円)と「鯛柚子鍋膳」(7,700円)、2種類のコースのみ。今回いただいた「柚子雑炊膳」では、寒い時季になると初めに椀物を提供されるそうです。まずはお客様にあたたまっていただくという心配りで、セリと一味が入った白みそのお吸い物にほっこり♪
続いて運ばれてきたのは16種類のおばんざいが並べられたお膳。見た目の華やかさに、思わず感嘆の声が漏れます。
 
約ひと月ごとに献立の一部が入れ替えられ、私がいただいた際は “菜の花とイワシの紅梅煮”、“五福豆”などを盛り込んだ節分仕様。立春大吉の札やひいらぎの葉も季節感を演出します。その時々の仕入れ状況によりますが、4月はたけのこ、夏は鮎の塩焼きを楽しみに待つファンの方も多いそう。
 
以前はテーブルごとに盛り合わせの形式を取られていましたが、現在はひとりひとりにお膳を出すスタイルに。「少しずつ、色々な料理を食べたい」という願望が叶う、まさに口福のひとときです。

海老芋の前に並んでいるのはワカサギとふきのとうです

海老芋の前に並んでいるのはワカサギとふきのとうです

季節の一品として焼き物、もしくは揚げ物がつきます。献立には季節の京野菜も採り入れるように心掛けているそうで、今回は冬の京野菜の代表格、海老芋をお出しいただきました。海老芋とは海老の形に似た里芋の一種。蒸し煮をしてから揚げたホクホク感たっぷりの逸品に頬が緩みます。
  • 写真は2人前です

    写真は2人前です

いよいよ、名物「柚子雑炊」の登場です! 信楽焼の特注のお鍋の蓋をあけるとグツグツと煮だった状態。まるごと1個入った柚子の存在感に期待が募ります。柚子は京都をはじめ高知、徳島、和歌山、金沢などから、その時季にいちばん良いものを仕入れていらっしゃるそうです。私がいただいたのは京都の水尾で収穫されたもの。
 
じつは水尾の柚子は鎌倉時代に花園天皇が種を植えたのがはじまりともいわれます。その由来から水尾は“日本の柚子栽培発祥の地”とされ、昔から高級食材として扱われてきました。料理長の足立さんによると、香り高く、酸味のなかにも甘さがあるのが特長で、果汁がよく出るように斜めに切り込みを入れています。
 
また、冬は黄色い柚子がお鍋に入りますが、春から夏は青い柚子に。柚子は年に2回の収穫時期があり、青柚子はいっそうスッキリとした味わいになるそうです。
お鍋の仕上げはお店の方にお任せを。舞鶴産の平飼い地鶏のぷっくりとした卵黄をつぶし、トロトロになるまでかき混ぜます。最後に柚子から果汁を押し出して完成です。
雑炊にはネギに柚子の皮、鯛の切り身も入っています。さわやかな柚子の風味も手伝い、あっという間に完食。食べ終わったあとも、しばらく口の中が柚子の香りで満たされていました。柚子屋旅館の名前に違わず、たっぷりと柚子を堪能できて大満足♪

最後は自家製黒糖わらびもちと宇治の煎茶で締めくくり。これまた美味で、「おなかいっぱい」と言いつつも食べられてしまうから不思議です。美味しさはもちろん、見た目の華やかさも思い出に残るコース内容でした。
 
現在、2024年3月19日(火)までの期間限定で、「柚子雑炊膳」に生ビール、柚子酒、柚子ジュースのいずれかワンドリンクが付く「京都美食めぐり(春)2024」のプランが始まっています(6,000円)。この機会に訪ねてみてくださいね。
 
■柚子屋旅館「ごはん處 一心居」
【営業時間】11:30~15:00(ラストオーダー14:00)、17:00~21:00(ラストオーダー20:00)
【定休日】なし
【電話】075-533-6369
  ※要予約。WEBからも予約できます。詳しくは公式ホームページをご覧ください。
【アクセス】市バス「祇園」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://yuzuyaryokan.com/

\名店揃い!/
⇒京のあったかお鍋
※掲載内容は2024年1月26日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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