足をのばして訪れたい! 京都府内の桜名所8選

  • 桜情報

常照皇寺

常照皇寺

桜のシーズンが近づくにつれ、京都市内はたくさんの観光客で賑わいます。京都府では府内各所の魅力も世界へPRするべく、「もうひとつの京都」と題したプロモーションを展開。北から南までを「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」「竹の里・乙訓」という4つのエリアにわけて地域の活性化に取り組んでいます。今回はそれぞれのエリアから2カ所ずつ桜名所をご紹介♪ 少し足をのばして、ゆっくりとお花見を楽しみませんか。

これぞ日本の美! お城と桜のコラボレーション
【海の京都/福知山市】福知山城

  • 例年の見頃は4月上旬~中旬

    例年の見頃は4月上旬~中旬

  • 昇龍橋と桜

    昇龍橋と桜

福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町といった京都府北部地域で構成される「海の京都」からは、福知山市にある福知山城をご紹介。
 
明智光秀が丹波を平定したあとに築いたお城で、明治時代まで姿を留めるも、明治6年(1873)の廃城令によって惜しくも取り壊されてしまいました。しかし、まちのシンボルを作りたいという地域住民の願いが結実し、昭和61年(1986)に天守閣を再建。春には約30本のソメイヨシノがお城を華やかに彩ります。外から見る城郭と桜の共演はもちろん美しいですが、ぜひ夢の再建を果たした天守閣から春の福知山をご覧ください。
 
また近年は、円山公園に咲く「祇園しだれ桜」の子孫となる若木を相次いで植樹。今後に期待が膨らみます。
 
■福知山城 
【開館時間】9:00~17:00(最終入館16:30)
【休館日】火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
【入館料】330円
【電話】0773-23-9564
【アクセス】JR山陰本線「福知山駅」から徒歩約15分、京都交通「福知山城公園前」バス停から徒歩約4分 Google map
【公式ホームページ】https://www.fukuchiyamacastle.jp/

のどかな風景に癒される
【海の京都/与謝野町】野田川親水公園

  • 奥に大江山が見えます。例年の見頃は4月上旬〜中旬

    奥に大江山が見えます。例年の見頃は4月上旬〜中旬

続いて、【海の京都】エリアから与謝野町の野田川親水公園をご紹介しましょう。与謝野町は江戸時代の俳人・与謝蕪村や、与謝野鉄幹・晶子夫妻が愛した地で、さまざまな句や歌が伝わっています。
 
大江山からの清らかな水を運ぶ野田川を詠んだのは与謝蕪村。「夏河を 越すうれしさよ 手に草履」は親水公園に句碑として設置されています。心地よい水の冷たさが伝わってきそうな夏の句ですが、春の美しさも負けてはいません。川沿いに約20本のソメイヨシノが連なる光景は、与謝野町随一との呼び声も。
 
近くには地域の農産物直売所を備えた道の駅「シルクのまち かや」もありますので、軽食を買ってお花見するのも良さそうです。
 
■野田川親水公園
【アクセス】丹海バス(与謝線・福知山線)「SL広場西」から徒歩約5分 Google map

空を覆い尽くす桜に感動
【森の京都/京北町】常照皇寺

  • 例年の見頃は4月中旬

    例年の見頃は4月中旬

  • 見上げると桜の天蓋のよう

    見上げると桜の天蓋のよう

  • 方丈からの眺め

    方丈からの眺め

亀岡市、南丹市、京丹波町、福知山市、綾部市、京都市右京区京北で構成される「森の京都」。京北町にある常照皇寺は貞治元年(1362)に光厳天皇によって創建され、春には皇室とのゆかりを物語る三銘桜が順に咲き継ぎます。トップバッターを飾るのは、府内の桜で唯一、国の天然記念物に指定されている「九重桜」。光厳天皇と弟の光明天皇のお手植えと伝わり、そばに植えられた二代目がこぼれ落ちそうなくらいたくさんの花をつけます。
 
続いて、岩倉具視が御所から移植した「左近の桜」、後水尾天皇が引き返してまで見に戻ったという「御車返しの桜」が見頃を迎え、季節は初夏へと移ろいます。鎌倉時代から時を超えて愛されてきた桜の名所を、現代の私たちが訪ねないわけにはいきません。
 

約1キロに及ぶ圧巻の桜並木!
【森の京都/亀岡市】七谷川 和らぎの道

  • 七谷川。例年の見頃は3月下旬~4月上旬 ©もうひとつの京都メディアライブラリー

    七谷川。例年の見頃は3月下旬~4月上旬 ©もうひとつの京都メディアライブラリー

  • 七谷川のライトアップ ©もうひとつの京都メディアライブラリー

    七谷川のライトアップ ©もうひとつの京都メディアライブラリー

亀岡市随一の桜名所と名高いのは、市内北東部を流れる七谷川沿いの散策道「和らぎの道」。昭和天皇即位の御大典を記念して100本の桜を植樹したのを契機に、今では約1,500本が連なる桜並木になりました。見頃の時季には「亀岡さくらウィーク」(2024年は3月23日(土)~4月7日(日)頃)が開催され、市内の桜名所とあわせてライトアップが行われます。また、期間中の土日には、JR亀岡駅から「桜シャトルバス」が運行され、アクセスも便利に。

丹波国分寺跡 ©もうひとつの京都メディアライブラリー

丹波国分寺跡 ©もうひとつの京都メディアライブラリー

「和らぎの道」に隣接する「さくら公園」や徒歩圏内にある丹波国分寺跡にも桜が植わり、辺り一帯でお花見を楽しめます。
 
■七谷川 和らぎの道
【アクセス】亀岡市ふるさとバス(川東コース)「七谷川」バス停すぐ Google map
 

国宝の社殿に似合う桜色
【お茶の京都/八幡市】石清水八幡宮

  • 国宝の本殿と桜

    国宝の本殿と桜

  • エジソン記念碑の周辺も美しい♪

    エジソン記念碑の周辺も美しい♪

京都府南部、お茶の文化が育まれた地域を包括する「お茶の京都」は宇治市、城陽市、八幡市、京田辺市、木津川市、久御山町、井手町、宇治田原町、笠置町、和束町、精華町、南山城村で構成されます。おすすめは八幡市の石清水八幡宮。近年は神社が鎮座する男山の北側に位置する背割堤の桜並木が人気を集めていますが、石清水八幡宮は平安時代から桜の名所として名を馳せてきました。国宝の本殿を筆頭に、朱塗りの社殿に淡い桜色がよく映えます。
 
3月20日(水・祝)から4月末まで「男山桜まつり」が開催され、本殿前の特設舞台でさまざまな芸能が奉納されます。ほかにもお茶席など、行事が盛りだくさん。詳しくは公式ホームページからチェックを。
 

桜色の窓が可愛らしい♪
【お茶の京都/宇治田原町】正寿院

  • 猪目窓。例年の見頃は4月上旬

    猪目窓。例年の見頃は4月上旬

  • 客殿天井画

    客殿天井画

夏の境内に涼やかな音色が響く、風鈴寺として人気を集める正寿院。もうひとつの顔といえば、ハートならぬ猪目の形をした窓が設けられた客殿の風景です。春夏秋冬それぞれに趣がありますが、桜の時季は可愛らしさが一段とアップ! 窓を通して見るソメイヨシノの花色に心がパッと明るくなります。公共交通だけではお参りしづらい場所にありますが、多くの人を惹きつけてやみません。客殿を彩る160枚の天井画とあわせて、お気に入りの一枚を撮影してみて。
  • 「花篝」1,000円(4月中までの授与予定)

    「花篝」1,000円(4月中までの授与予定)

  • 「観世音」500円(4月中までの授与予定)

    「観世音」500円(4月中までの授与予定)

お参りの際は、月替わりで登場する御朱印もチェックを。「花篝」は桜が舞うなか、気持ち良さそうに泳ぐ鴨の可愛らしいこと! 基本は書き置きですが、御朱印帳に直書きしていただける日もあります。詳しくはお寺のSNSで直書きの対応日をご確認ください♪
 
また、アクセス面でも嬉しい情報があります。京阪バスが4月から土日祝限定で「宇治茶バス」という特別仕様バスを運行。JRや京阪の「宇治駅」から正寿院の最寄りの「正寿院口」まで直通でアクセスできます。お寺と同じく猪目窓が設けられていたり、お茶壷が置かれていたり、可愛らしいデザイン。1日に限られた本数の運行になりますので、運行時刻などは京都京阪バスの公式ホームページから下調べを。
 
■正寿院
【拝観時間】9:00〜16:30(12月〜3月は10:00〜16:00)
【拝観料】600円(お菓子・叶紐付き ※叶紐は8の付く日のみ)
【電話】0774-88-3601
【アクセス】京阪バス「正寿院口」バス停から徒歩で約10分、京阪バス「維中前」バス停からタクシーで約10分 Google map
【公式ホームページ】http://shoujuin.boo.jp/

桜の参道を抜けてお参りを
【竹の里・乙訓/向日市】向日神社

  • 大鳥居。例年の見頃は3月下旬~4月上旬

    大鳥居。例年の見頃は3月下旬~4月上旬

  • 舞楽殿

    舞楽殿

『竹取物語』の発祥地のひとつとされる「竹の里・乙訓」は、向日市、長岡京市、大山崎町で構成されるエリアです。向日市にある向日神社は奈良時代、養老2年(718)創建の古社。大鳥居から本殿へと続く約200メートルの参道の両脇にソメイヨシノや山桜が見事なアーチを作ります。参道は緩やかな傾斜になっていて、振り返ってみたときの美しさも格別です。

本殿

本殿

本殿は応永29年(1422)の建立で、国の重要文化財に指定されています。明治神宮本殿のモデルになったとも伝わり、その貴重さが伺い知れます。また、神社所蔵の「紙本墨書『日本書紀』神代紀下巻」も重要文化財に指定されています。歴史に親しみながら、ゆっくりとお参りください。
 
■向日神社
【参拝時間】終日参拝可能
【電話】075-921-0217
【アクセス】阪急京都線「西向日駅」から徒歩約10分 Google map

坂道を登った先で嬉しい出合い
【竹の里・乙訓/大山崎町】宝積寺

  • 本堂(2024年3月末まで修復中)

    本堂(2024年3月末まで修復中)

  • 不動堂

    不動堂

  • 豊臣秀吉が一夜で建てたという逸話が伝わる三重塔

    豊臣秀吉が一夜で建てたという逸話が伝わる三重塔

打出と小槌の由緒から「宝寺」という縁起の良い通称で知られる宝積寺は、天下分け目の戦いで名高い天王山の中腹に位置します。JR京都線「山崎駅」から坂道を登って15分ほど、たどり着いた先には桜の境内がお待ちかね。ソメイヨシノやしだれ桜が堂宇を鮮やかに彩ります。
 
今年はお寺を開いて1300年になる節目にあたり、昨年(2023)5月より本堂を修復中。3月末で工期を終える予定とのことですので、見頃が合えば、修復直後の本堂と桜のコラボレーションを楽しめるかもしれません。

 
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※掲載内容は2024年3月18日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください

Written by. 「そう京」編集部

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