JR「京都駅」から電車と徒歩で20分ほど、山科疏水沿いに安祥寺というお寺があります。長らく非公開でしたが、数年前より季節限定で門が開かれ、拝観ができるようになりました。しかし公開日数が限られているため、京都のなかでもまだ知る人ぞ知るお寺ではないでしょうか。自然あふれる境内は、特別公開の開始以降も整備が進められ、今春には「寺菓房 せむい」がオープンし、新たな庭園も完成。気になる“安祥寺の今”をお届けします。
安祥寺の歴史を知る
平安時代前期の嘉祥元年(848)に創建された安祥寺。かつては山科一帯に広大な境内を有し、700余の坊舎があったという由緒あるお寺です。しかし、戦禍や火災などにより境内は荒廃。往時の姿を失い、本堂や地蔵堂、大師堂などがひっそりとたたずむ境内となり、一般には公開されていませんでした。
そんななか、平成30年(2018)、藤田瞬央さんが住職となり、「人が集えるお寺」を目指して復興に着手。境内の整備が進められ、春や秋などの季節限定で、特別拝観が行われるようになりました。
そんななか、平成30年(2018)、藤田瞬央さんが住職となり、「人が集えるお寺」を目指して復興に着手。境内の整備が進められ、春や秋などの季節限定で、特別拝観が行われるようになりました。
のどかな境内をめぐる
本堂には御本尊・十一面観音菩薩立像(重文)や四天王立像、徳川家康像を安置。御本尊は台座を含めると総高約3メートルで、お寺の創建以前… なんと奈良時代に造られた仏像といいますから驚きます。特別拝観に訪れたら、まずは仏様にお参りしましょう。
本堂や地蔵堂、大師堂は江戸時代に再建された建物です。まわりにはモミジが植わり、初夏は新緑、秋は紅葉が彩りを添えます。山裾に広がる境内は、とっても自然豊か。驚くほど静寂に包まれ、歩いていると心も落ち着いていくようです。
⇒紅葉シーズンの安祥寺はこちら
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2年がかりで完成した庭園「蘚苔蟠龍」
本堂奥のエリアにあるのは、鎮守 青龍殿と庭園「蘚苔蟠龍(せんたいばんりゅう)」。
お寺の復興プロジェクトとして、2020年頃から“安祥寺発祥の原点”ともいえる鎮守 青龍殿の修復と周辺の整備が進められました。お堀や石垣、参道の石段ができ、2021年秋に青龍殿の修復が完了。同年夏には雌雄の龍をイメージした「蘚苔蟠龍」が完成しました。庭園内に入ることはできませんが、そばに設置された観龍台から見渡すことができます。辰年の2024年にぜひ見ておきたい庭園です。
続いては、復興が進む安祥寺の“最新情報”をお届けします!
お寺の復興プロジェクトとして、2020年頃から“安祥寺発祥の原点”ともいえる鎮守 青龍殿の修復と周辺の整備が進められました。お堀や石垣、参道の石段ができ、2021年秋に青龍殿の修復が完了。同年夏には雌雄の龍をイメージした「蘚苔蟠龍」が完成しました。庭園内に入ることはできませんが、そばに設置された観龍台から見渡すことができます。辰年の2024年にぜひ見ておきたい庭園です。
続いては、復興が進む安祥寺の“最新情報”をお届けします!
2024年3月、「寺菓房 せむい」がオープン!
薬医門をくぐり右手の拝観受付の建物内に、2024年3月、「寺菓房 せむい」がオープンしました。お店の名前は、御本尊・十一面観音菩薩立像が“施無畏(せむい)の菩薩”と呼ばれることに由来。ご住職の娘であり管理栄養士の資格をもつ、藤田絵理さんが手作りするお菓子が並びます。
お菓子作りにおいて大切にされているのは、お子様でも安心して食べられること。素材にこだわり、国産米粉を中心に使用し、ノンオイルのお菓子もあります。お店の奥で作られているため、店内に美味しい香りが漂うことも♪ 商品は日によって異なり、訪れた日は「米粉ノンオイルシフォンケーキ」や「玄米ふくろうサブレ」、新発売の「チーズパン」などがありました。
お店の前にはベンチが置かれ、その場でいただくこともできます。そばを流れる山科疏水沿いはウォーキングコースとしても人気で、ウォーキングのおやつに購入するのも良さそうです♪ 営業日は月によって異なるため、事前に公式Instagramでチェックして訪ねてくださいね。
■寺菓房 せむい
【営業時間】11:00~16:00(売り切れ次第閉店)
※営業日は公式Instagramでご確認ください
【公式Instagram】https://www.instagram.com/terakabou_semui/
■寺菓房 せむい
【営業時間】11:00~16:00(売り切れ次第閉店)
※営業日は公式Instagramでご確認ください
【公式Instagram】https://www.instagram.com/terakabou_semui/
2024年4月、庭園「五智遍明庭」が完成!
4月には、庫裏前に庭園「五智遍明庭(ごちへんみょうてい)」が完成。もとは桜と松の木が植わるのみで草むらになっていたという場所ですが、苔を配し、白砂が敷かれるなど整備され、美しいお庭になりました。中央に並ぶ5つの石は、かつて安祥寺に安置されていた五智如来坐像(国宝※京都国立博物館寄託)をイメージされているそうです。現在、奈良国立博物館で開催中の特別展「空海 KŪKAI─密教のルーツとマンダラ世界」に展示され、話題の仏像でもあります。
5月からの「初夏の特別拝観」では、通常非公開の庫裏から庭園鑑賞が可能になるそう。完成したばかりのお庭をぜひ、お楽しみください。
5月からの「初夏の特別拝観」では、通常非公開の庫裏から庭園鑑賞が可能になるそう。完成したばかりのお庭をぜひ、お楽しみください。
【歴史文化をつなぐ旅】京都 安祥寺 お寺の作務に関われる‘SAMU’DAYパスポート
庭園「五智遍明庭」は、JR東海の「そうだ 京都、行こう。」30周年特別プラン「京都の歴史文化を未来につなぐ取り組みに関わる旅@安祥寺」のひとつ「古刹の歴史に名を刻む 京都 安祥寺 復興プロジェクト」で集った「復興衆」が苔植や砂敷に携わりました。
本プランは終了しましたが、現在はもうひとつのプラン「京都 安祥寺 お寺の作務に関われる‘SAMU’DAYパスポート」(実施日:2024年5月11日、6月15日)の申込みを受付中! 復興衆のひとりとして本堂への御芳名奉納のほか、特別拝観実施前に行う作務(落ち葉拾い、雑草抜き、お堂の掃除など)にご参加いただけます。復興に向け、さらなる歩みを進める安祥寺に、みずから携わってみませんか。
\詳細・申込みはこちらをチェック!/
【歴史文化をつなぐ旅】京都 安祥寺 お寺の作務に関われる‘SAMU’DAYパスポート
■安祥寺「初夏の特別拝観」
【公開期間】2024年5月5日(日・祝)・6日(月・振休)・18日(土)・19日(日)、6月8日(土)・9日(日)・16日(日)・17日(月)
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】500円
【電話】075-581-0853
【アクセス】JR東海道本線・地下鉄東西線「山科駅」から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】https://anshouji.or.jp/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/anshouji.kyoto/
本プランは終了しましたが、現在はもうひとつのプラン「京都 安祥寺 お寺の作務に関われる‘SAMU’DAYパスポート」(実施日:2024年5月11日、6月15日)の申込みを受付中! 復興衆のひとりとして本堂への御芳名奉納のほか、特別拝観実施前に行う作務(落ち葉拾い、雑草抜き、お堂の掃除など)にご参加いただけます。復興に向け、さらなる歩みを進める安祥寺に、みずから携わってみませんか。
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【歴史文化をつなぐ旅】京都 安祥寺 お寺の作務に関われる‘SAMU’DAYパスポート
■安祥寺「初夏の特別拝観」
【公開期間】2024年5月5日(日・祝)・6日(月・振休)・18日(土)・19日(日)、6月8日(土)・9日(日)・16日(日)・17日(月)
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】500円
【電話】075-581-0853
【アクセス】JR東海道本線・地下鉄東西線「山科駅」から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】https://anshouji.or.jp/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/anshouji.kyoto/
※掲載内容は2024年4月30日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。