創業約140年の歴史を誇る、京菓子の老舗「大極殿本舗」。本店から徒歩6分ほど、六角通に店を構える六角店には甘味処「栖園(せいえん)」が併設されています。京都らしい風格ある建物が魅力で、名物の「琥珀流し」を目当てに、年齢を問わず多くのファンが訪れます。夏にぴったりな甘味を求めて、お店を訪ねました。
京都にカステラを広めた先駆者
大極殿本舗は、明治18年(1885)に創業。二代目が長崎でカステラ作りを学び、明治時代に京都でいち早くカステラを販売しました。三代目が国産第一号の電気釜でカステラを焼くようになると、たちまち評判になり、「京の町にカステラを広めたお店」といわれています。
「春庭良(カステイラ)」は、100年以上経った今も変わらず看板商品の一つ。卵をたっぷり使った贅沢な生地で、底面にはザラメ付き。大正時代にデザインされた図案を復刻した包装紙もレトロで素敵です。
今回お伺いした六角店は、慶応元年(1865)に建てられた店主の住居をリノベーションし、平成14年(2002)にオープンしました。現在は、貴重な町家建築として京都市の景観重要建造物・歴史的意匠建造物に指定されています。
季節に応じて暖簾が掛けかえられることでも知られ、今や界隈の風物詩にもなっています。
今回お伺いした六角店は、慶応元年(1865)に建てられた店主の住居をリノベーションし、平成14年(2002)にオープンしました。現在は、貴重な町家建築として京都市の景観重要建造物・歴史的意匠建造物に指定されています。
季節に応じて暖簾が掛けかえられることでも知られ、今や界隈の風物詩にもなっています。
カラフルな暖簾は、京都を拠点に活動する染色作家の本間晴子さんによるもの。9種類ほどあるそうで、雨が降ってほしいときには雷の暖簾を出すことも。遊び心に富み、重厚感のある建物に季節の移ろいと彩りを添えています。
毎月違う蜜が楽しめる名物「琥珀流し」
店内には、販売スペースの奥に、甘味処「栖園」が併設されています。
こちらで味わえるのが、看板メニューの「琥珀流し」。
「琥珀流し」は、4代目主人の奥様で六角店の女将・芝田泰代さんが、“「栖園」の名物を”と考案したもの。限界までやわらかく仕上げた寒天に、月替わりの蜜を合わせた涼やかな逸品です。
「ゼリーでもなく葛切りでもない。以前はこんなやわらかい食感の寒天はなかったんです」と芝田さん。
口に入れるとほろりとくずれ、なめらかでふわっとした口あたりにびっくり! 蜜がからむと、さらに瑞々しく感じます。
「ゼリーでもなく葛切りでもない。以前はこんなやわらかい食感の寒天はなかったんです」と芝田さん。
口に入れるとほろりとくずれ、なめらかでふわっとした口あたりにびっくり! 蜜がからむと、さらに瑞々しく感じます。
写真は、9月に登場する「葡萄(ぶどう)」。信州産コンコードブドウの果汁100%を使用した蜜がかかり、すっきりとした味わいです。暑さがまだ残る9月にぴったり。ブドウのワインゼリーとグリーンレーズンがトッピングされています。
もともと、芝田さんが「琥珀流し」を考案したのは4月でした。その際、桜漬入りの蜜を作ったのが始まりです。翌月は別の蜜にしたいと思い、気付けば毎月違う蜜のメニューが完成。6年ほど前までは、冬場は提供されていませんでしたが、お客さんのリクエストを受けて年中味わえるように。
6月は「梅酒」、7月は「ペパーミント」など、夏はさわやかでさっぱりしたものを。10月は「しるこ」、1月は「白みそ」など、冬はコクがある濃いめの味にしているそう。
また、食べ進めて飽きがこないよう、トッピングにもこだわりが。「梅酒」には青梅甘露煮、「しるこ」には栗小豆など、寒天と食感が異なるものを添えています。
ちなみに、高倉通にある本店では、六角店とは異なる蜜の「琥珀流し」が提供されているので、1か月に2種の「琥珀流し」を楽しむこともできます。
6月は「梅酒」、7月は「ペパーミント」など、夏はさわやかでさっぱりしたものを。10月は「しるこ」、1月は「白みそ」など、冬はコクがある濃いめの味にしているそう。
また、食べ進めて飽きがこないよう、トッピングにもこだわりが。「梅酒」には青梅甘露煮、「しるこ」には栗小豆など、寒天と食感が異なるものを添えています。
ちなみに、高倉通にある本店では、六角店とは異なる蜜の「琥珀流し」が提供されているので、1か月に2種の「琥珀流し」を楽しむこともできます。
店内には、平安神宮に献上されている銘菓「大極殿」をはじめ、カステラ生地を使用した菓子が多数並びます。
なかでも、夏におすすめなのが期間限定(5月頃~9月初旬)で販売される「レースかん」。
レモンが珍しかった昭和初期に、レモンの輪切りを錦玉羹に閉じ込め、レースに見立てた風流な棹菓子です。さわやかなレモンの香りとさっぱりとした味わいで、夏の贈り物に喜ばれています。
まだまだ暑い日が続く古都の9月。「琥珀流し」で涼を感じませんか。
■大極殿本舗 六角店
【営業時間】9:30~18:00、甘味処「栖園」10:00~17:00(ラストオーダー)
【定休日】水曜日
【電話】075-221-3311
【アクセス】地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池駅」から徒歩約7分 Google map
【公式Instagram】https://www.instagram.com/daigokuden.seien/
レモンが珍しかった昭和初期に、レモンの輪切りを錦玉羹に閉じ込め、レースに見立てた風流な棹菓子です。さわやかなレモンの香りとさっぱりとした味わいで、夏の贈り物に喜ばれています。
まだまだ暑い日が続く古都の9月。「琥珀流し」で涼を感じませんか。
■大極殿本舗 六角店
【営業時間】9:30~18:00、甘味処「栖園」10:00~17:00(ラストオーダー)
【定休日】水曜日
【電話】075-221-3311
【アクセス】地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池駅」から徒歩約7分 Google map
【公式Instagram】https://www.instagram.com/daigokuden.seien/
※掲載内容は2024年8月23日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。