ちいさな秋をみつけに。萩の宮「梨木神社」へお参り

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9月を迎え、少しずつ季節の移ろいを感じる京都です。これから見頃を迎える草花といえば「萩」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。多くの名所がある京都から、「萩の宮」とも呼ばれる梨木(なしのき)神社をご紹介します。恒例の「萩まつり」や境内の見どころをチェックして、ぜひ、お参りください。

梨木神社とは?

  • 本殿

    本殿

  • 湯川秀樹の歌碑

    湯川秀樹の歌碑

明治18年(1885)に創建し、今年(2025)で140年を迎える梨木神社。明治維新に功績を残した公卿、三條実万(さねつむ)公・実美(さねとみ)公父子を御祭神に祀る、三條家の邸宅跡に建てられた神社で、社名は旧地名の「梨木町」に由来します。両公は学問と学芸の神様として信仰を集め、境内には江戸時代後期の国学者で『雨月物語』の著者である上田秋成や、日本初のノーベル賞受賞者の物理学者 湯川秀樹の歌碑があります。
  • 御神木

    御神木

  • ふんわりと愛らしいハートの形をした葉

    ふんわりと愛らしいハートの形をした葉

また、縁結びのご利益でも知られます。御神木の桂の木は、葉がハートのような形をしていることから「愛の木」と親しまれ、木に触れながら祈ると願いごとが叶うとか♪ 愛らしい葉は、見ているだけでも和みます。

神社は、京都御苑の東側、寺町通に位置します。閑静な住宅街とあって一年を通して穏やかな時間が流れていますが、特に賑わうのが初秋。約500株の萩が植えられ、例年9月下旬から10月上旬にかけて赤紫の花が境内を埋め尽くす光景は見事です。「萩の宮」と呼ばれるほどの名所で、可憐な花を愛でようと多くの参拝者が訪れます。

「萩の宮」にちなんだ絵馬 1枚800円

「萩の宮」にちなんだ絵馬 1枚800円

萩は『万葉集』で梅や桜を抑え、最も多く詠まれた植物。さまざまな和歌に登場し、古くから日本人にとって馴染み深い花であることがわかります。草冠に「秋」と書き、まさに秋を代表する花といえるでしょう。ちなみに、お彼岸にお供えする「おはぎ」の由来となった草花でもあるのですよ。

恒例の「萩まつり」を開催!

  • 記念品絵皿(過去のイメージです)

    記念品絵皿(過去のイメージです)

萩が見頃を迎える頃に行われるのが「萩まつり」。2025年の開催日は9月27日(土)・28日(日)で、萩とともにさまざまな行事が楽しめます。27日には上方舞や弓術、28日には京舞や居合抜刀術などの奉納行事を鑑賞でき、両日ともに10時から15時までお茶席が設けられます。毎年異なる秋の七草が描かれた記念品絵皿も人気で、今年の絵柄は「オミナエシ」です。
「萩まつり」に先立ち、9月21日(日)には「府市民俳句大会」を開催。当日詠まれた和歌の短冊はしなやかな萩の枝に吊るされ、風が吹くたびに揺れる様子は風情があります。萩を愛でながら、一句一句じっくり読んでみてはいかがでしょう。
  • 萩のアーチトンネル。萩の見頃が楽しみですね!

    萩のアーチトンネル。萩の見頃が楽しみですね!

ここで、梨木神社の新情報をお届け! 萩は一の鳥居から本殿へ続く参道に咲き誇りますが、じつは昨年(2024)秋、一の鳥居付近に萩のアーチトンネル「萩のまにまに」が誕生しました。京都西山の竹で作られたアーチと萩が織りなす優美な光景が楽しみですね。

毎年デザインが異なる、萩の季節限定御朱印 500円(専用のミニファイルに入れていただけます)

毎年デザインが異なる、萩の季節限定御朱印 500円(専用のミニファイルに入れていただけます)

■萩まつり
【日程】2025年9月27日(土)・28日(日)
    10:00~
【料金】無料、お茶席1,000円(記念品絵皿付は2,000円)
⇒行事の詳細は公式ホームページでご確認ください
  • 藤袴とアサギマダラ

    藤袴とアサギマダラ

萩と同時期に、藤袴(ふじばかま)も見頃を迎えます。『万葉集』や『源氏物語』にも登場した秋の七草のひとつで、現在は京都府絶滅寸前種に指定される貴重な植物。拝殿へ向かって左側に植えられていますので、お見逃しなく。タイミングがあえば、藤袴を好む美しいアサギマダラが飛び交う様子を見られるかも♪

京都三名水のひとつ「染井」

梨木神社を語るうえで「染井」は欠かせません。京都三名水のひとつで唯一枯れずに現存する、たいへん貴重な井戸です。古くは宮中で染物に用いられ、まろやかさが特長の水は茶の湯でも愛用されてきました。そんな名水を後世へ伝えるべく、梨木神社では「染井の水保存会」を発足し大切に守られています。
  • 水みくじ 200円

    水みくじ 200円

  • 水に浸けると文字が浮かび上がってきました! 嬉しいことに「大吉」です♪

    水に浸けると文字が浮かび上がってきました! 嬉しいことに「大吉」です♪

授与所には名水にちなんだ、珍しいおみくじも。まずはおみくじを引き、番号を授与所の方に伝え用紙をいただきます。「おみくじなのに何も書かれていない…」と思いきや、染井の水に浸けると文字が浮き上がってくるのです。梨木神社ならではのおみくじに、ぜひチャレンジしてください。

名水コーヒーを味わう「Coffee Base NASHINOKI」

  • 旧茶室がコーヒースタンドになりました

    旧茶室がコーヒースタンドになりました

  • 参道に置かれた目印

    参道に置かれた目印

「名水を守り続けていきたい」との思いから梨木神社と人気コーヒースタンドが出会い、2022年8月、境内の一角に「Coffee Base NASHINOKI(コーヒー ベース ナシノキ)」がオープン。この夏3周年を迎え、いまでは神社に欠かせないひとやすみスポットになっています。
  • スペシャルティ・ブレンド 栗まんじゅうセット 920円

    スペシャルティ・ブレンド 栗まんじゅうセット 920円

  • ベンチや縁側など、お好みの場所でひとやすみを

    ベンチや縁側など、お好みの場所でひとやすみを

「染井」の水で淹れたコーヒーを神社で味わうのは、格別の時間。自家焙煎のスペシャルティコーヒー豆を使用し、“フルーティー”や“コク”などのバランスから選ぶこともできます。お参り後に立ち寄り、季節を感じながらゆっくり過ごしてみましょう。

■梨木神社
【参拝時間】9:00~17:00、授与所9:00~16:30(12:15~13:15を除く)
【参拝料金】境内無料
【アクセス】市バス「府立医大病院前」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】https://www.nashinoki.jp/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/nashinoki_shrine/

■Coffee Base NASHINOKI
【営業時間】10:00~17:00
【定休日】無休
【公式Instagram】https://www.instagram.com/coffeebase.nashinoki/

\EXサービス会員の皆様へ/
⇒【Coffee Base NASHINOKI】選べるドリンク+栗まんじゅうセット
⇒【Coffee Base NASHINOKI】別室でのコーヒーコース ~名水を使ったスペシャルティコーヒーとお菓子のペアリング~
※掲載内容は2025年9月19日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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