苔寺や鈴虫寺、地蔵院「竹の寺」に程近く、参道の石段を染める紅葉が美しい葉室山浄住寺。弘仁元年(810)、嵯峨天皇の勅願寺として開創され、公家の葉室家の菩提寺として栄えた古刹です。江戸時代に建てられた本堂、その後方の位碑堂、開山堂、寿塔など、黄檗宗寺院ならではの中国風の諸堂が階段状に一列に並びます。仙台藩4代藩主・伊達綱村が幼少期を過ごした屋敷を移築したと伝わる「方丈」には、有名な御家騒動「伊達騒動」で幼い綱村が命を狙われることもあったためか、「武者隠し」があり、床の間の壁に設けられた穴から抜け出せる仕掛けが残っています。そのほか、江戸時代の池庭や、狩野永岳筆の衝立「雲龍図」なども見どころ。