三千院 瑞々しい“青もみじ”を撮影しよう!

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古都ジェニックな一枚を撮ろう 8


春先に芽吹いたもみじは、初夏から梅雨の時季にかけて、眺める人にエネルギーを与えてくれるかのように清々しく風に揺れます。透き通るような優しい色合いの新緑、せっかくなら綺麗に写し撮りたいですよね。私“カツオ”が、新緑のおすすめスポットである三千院を舞台に撮影術をご紹介します。

身体の底からリフレッシュできそうです♪


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(撮影日:2018年5月15日14時45分頃)

三千院といえばこちらの風景が代表的ですよね。宸殿から眺める、みどりいっぱいのお庭「有清園(ゆうせいえん)」と木立の向こうにある往生極楽院を写した一枚です。ご覧ください、新緑の美しさはいうまでもないのですが、苔もお見事でしょう。晴れの日に訪れるのであれば、苔に降り注ぐ“木漏れ日”にもご注目! 朝早い時間帯や、夕方ごろに訪れる場合は、周りの木立によって太陽の光が遮られてしまうので、写真のように一面に光が差しこむ風景を撮るのであれば“昼ごろ”に訪れるのがおすすめです。
 

後ろを見ながら前に進む?


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(撮影日:2018年5月16日)

宸殿から有清園に下りて往生極楽院に向かって進んでみましょう。でも・・・ ちょっと待った! その前に、後ろを振り返ってみてください。みどりに包まれる宸殿もまたお見事ですよ。でも残念なことに、訪れる方の大多数は、振り返ることなく境内を進んでしまいます・・・
目の前に素晴らしい風景が広がっていると、ついついそちらにばかり気を取られてしまいますが、時折、進んできた方を見返ってみましょう。心躍る景色を見逃している可能性がありますよ。これは三千院だけに限ったことではありません。「振り返り」、ぜひ覚えておいてください♪
それにしても苔が美しいお庭ですね。せっかくなので苔をクローズアップしてみましょう!
 

使える撮影テクニック“しゃがむ”


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(撮影日:2018年5月15日)

「古都ジェニック」シリーズで、過去何度となくご紹介した“しゃがむ”という技。今回はただしゃがむのではなく、苔に触れてしまいそうなほど低くカメラを構えて撮影してみました。苔の存在感が引き立ちましたね~♪ 京都には苔が綺麗なお庭がたくさんあるので、苔に視点を合わせて撮影することも覚えておきたい撮影術のひとつです! なお、長時間しゃがんだ後に立たれる際は、くれぐれも立ちくらみにご注意くださいね(汗) 私はいつもフラッとしてしまいます・・・

⇒常林寺で、「花の存在感をだすため」にしゃがんでみました!

⇒勝念寺で、「“写し込みたくないもの”を排除するため」にしゃがんでみました!
 

綺麗ではあるのですが、“もうひと声”欲しい・・・


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(撮影日:2018年5月16日)

陽に照らされて輝く青もみじと宸殿。お庭の池も良い感じのバランスで撮り込むことができました。これでも「まあ良い感じかな・・・」というところではあるのですが、ちょっと辺りをキョロキョロと・・・ あったあった! ほんの5歩ぐらい下がってみます。
 

存在感抜群の青もみじをトッピング!


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(撮影日:2018年5月16日)

撮影場所の近くにあった新緑を撮り込むように移動してみました。ただ単に、青もみじのボリュームが増えただけでなく、写真にアクセントも生まれたのではないでしょうか。
「ここ良いなあ」と構図を決めて撮影する際は、「撮り込める(盛れる)もの」がないか、周りを少し見渡してみましょう。写真が別の作品のように生まれ変わることだってありますよ。写真の楽しさでもあり、怖い部分でもあります(笑)
 

みどりに包み込まれて佇む仏さま


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(撮影日:2018年5月16日)

有清園の中で、訪れる人を優しく見つめる仏さま。多くの方がこの場所から撮影されていたのですが、ここでも、ちょっと後ろに下がって撮影してみましょう。
 

“輝くみどり”を纏っていただきました♪


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(撮影日:2018年5月16日)

不思議な感じで写り込んでいるのは青もみじ。ピントは後ろの仏さまにあわせているので、手前側のもみじはぼんやりと、ボケて写ったというわけです。おもしろいアクセントを作り出すことができました♪

⇒梅香る北野天満宮で、あえて“主役の梅”をぼかして撮影してみました。
 

“青もみじ”そのものを綺麗に撮るには?


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(撮影日:2018年5月16日)

さて、「目の前にあるもみじや花は綺麗なのに、カメラで撮るとどうもうまく写らない・・・」という経験がある方はきっと多いことでしょう。
最近のデジカメは、カメラ側の判断で“最適な設定”を自動的にしてくれます。でも、もしかしたら必ずしもそれは“最適”ではないのかもしれません。では、カメラ任せではなく、自分自身で“明るさを調整”した上で、“青もみじ”の撮影にチャレンジしてみましょう!
 

まずは普通に撮ってみました


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(撮影日:2018年5月16日)

被写体として、“太陽の光が当たっていない青もみじ”をチョイス。日陰になっている場所で探してみると良いでしょう。
まずは特に何もせず、ただ単純にシャッターを押してみました。あれ?! 思いの外、良い感じ! でも青もみじの“透き通るような”透明感をもう少し表現したいですよね・・・ そういう場合は、“明るく写るように設定”して撮影してみましょう。

※“明るく写るように設定”することを一般的にプラス補正といいます。多くのデジカメに搭載されている機能なので、「なにそれ?」という方は、まずはカメラの説明書を読んでみてください。
 

活気に満ちあふれた青もみじ!


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(撮影日:2018年5月16日)

どうでしょう! 劇的に印象が変わりましたよね♪ 青もみじが持つ“爽快感”をグッと感じることができませんか? ここでは、“背景”選びにも十分な注意を払いました。爽快感が失われないよう、“黒っぽいもの(木の幹や影)”が入りこまない場所、なおかつ“陽が差して明るくなっているみどり(新緑)”を選びました。さらに「プラス補正」することによって、背景は輝くように明るくなり、“爽快感”をプラスしてくれているように思います。
 

“いろいろな明るさ”で撮ってみましょう


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(撮影日:2018年5月16日)

“明るく写るように設定する”プラス補正に対し、“暗く写るように設定する”ことを、一般的にマイナス補正といいます。「左上」の写真は、マイナス補正をして撮影したもの。青もみじの爽快感はでていませんが、もみじのシルエットがくっきり浮かび上がり、これはこれでおもしろい仕上がりとなりました。「右下」の写真は、大きくプラス補正をしたものですが、いわゆる“インスタ映え”するのは、“見た目”とはほど遠い「左上」や「右下」のような写真かもしれませんね。
 

“渾身の一枚”までの道のり


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(撮影日:2018年5月16日)

先ほどもご紹介したこちらの場所。青もみじだけでなく苔も美しく、こぼれんばかりのみどりに包まれた三千院の中でも、私の特にお気に入りのスポットです♪
でも・・・ よく見ていただくと分かると思いますが、宸殿の中にはたくさんの拝観者の姿・・・ しかも途切れる雰囲気はありません。そんなときには“ちょっとしたタイミング”を狙いましょう。
 

“カツオ渾身の一枚”


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(撮影日:2018年5月16日)

違いが分かりますか? 結局のところ、宸殿の中の拝観者は途切れることはなかったのですが、柱などの影を通った瞬間を狙って撮影しました。よ~~く見ると数名写り込んでいますが、目立つほどではありません(見つけられますか?)。そしてちょっと後ろに下がり、“あの仏さま”にもご登場いただきました(写真右端に注目!)。広く写すことで、目の前に広がる、より多くの青もみじや苔を撮り込むことができ、“みどりいっぱい”の三千院を感じていただける一枚になったのではないでしょうか♪

最後になりましたが、宸殿からこちらに向かって眺めることができる風景は“三千院の代表的風景”。当然、写真撮影を楽しまれている方も多くいらっしゃいます。お互いが、「お互いが誰もいなくなるまで待つ!」と思っていると、ただ時間だけが過ぎてしまうことになってしまいます。時間を無駄にしないためにも、気持ちよく写真撮影を楽しむためにも、“譲り合う”ことを心に留めておきましょう! そして、「全ての人が写真撮影を目的に、お寺や神社に来ているわけではない」ということも忘れないでくださいね。

三千院
【拝観時間】8:30~17:30(受付終了17:00)
※12月8日~2月は9:00~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】700円
【電話】075-744-2531
【アクセス】京都バス「大原」バス停から徒歩約10分  Google map
【公式ホームページ】http://www.sanzenin.or.jp/


 

Written by. カツオ

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