大豊神社の“福ネズミ”&“白みそ雑煮”で祝う、初詣♪

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ミモロのわくわくネコあるき 3


京都の人気ブロガー「ネコのミモロ」とライター・小原さんによる、京都の“わくわく”案内記。第3回は、2020年を目前に、新年におすすめのスポットをピックアップ。初詣に行きたい神社や参詣後におすすめのお店を、“ミモロ目線”でご案内します!

\ミモロはクマじゃありません/
「ミモロのわくわくネコあるき」
⇒第1回【東山・岡崎エリア】はこちら。
⇒第2-1回【妙心寺 桂春院編】はこちら。
⇒第2-2回【祇王寺編】はこちら。
⇒第2-3回【地蔵院編】はこちら。

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そろそろお正月準備の時季。2020年の年明けは、干支にちなんで“福ネズミ”のいる神社をお参りし、京都らしい正月の味“白みそ雑煮”でお祝いしましょう♪ 福をいただき、体もホカホカ温まる冬の京都の初詣旅を、ミモロがご案内するよ~。


まずは、狛ネズミが迎える「大豊神社」で福をいただく!


令和初めてのお正月は、十二支の最初の干支「ネズミ」で始まります。京都の東・哲学の道沿いにある「大豊(おおとよ)神社」の境内では、狛犬だけでなく、狛ネズミも初詣客を迎えます。



平安時代に創建された大豊神社。“「大」いに「豊」か成らしめる”という御神号を賜り、皇室公家をはじめ、多くの人々に信仰されてきました。新年にお参りしたくなる、福々しいお名前ですよね♪ 本殿では、医薬の神様「少彦名命(すくなひこなのみこと)」、学問の神様「菅原道真」、勝運をもたらす「応神天皇」の三柱がお祀りされていて、そのすぐそばにある末社「大国社」の両脇に、阿吽の狛ネズミがいらっしゃいます。



知恵と長寿を授ける狛ネズミ



権宮司の小林哲人さんにご挨拶したミモロ。さっそく、「あの~どうして大国さまのそばに狛ネズミさんがいるんですか?」と質問してみました。

小林権宮司 「大国さまが、昔、窮地をネズミに救われたという逸話から、ネズミを大切にしているからなんですよ。ネズミは多産で“子孫繁栄”の意味もあり、“家運隆盛”のご利益もある。有り難い存在なんです」

なるほど~とミモロが頷いていると、小林さんが指を差し教えてくださいました。

小林権宮司 「ミモロちゃん、よく見て~。2匹の狛ネズミは、それぞれお宝を持っているでしょ」

え? なんだろ?

小林権宮司 「向かって右側のネズミが咥えているのは知恵を授ける“巻物”、左側のネズミが持っているのは命を守る“宝水”です。両方とも幸せに暮らすために必要なものですね」

ふっくら福々しい体つきの狛ネズミに、ミモロは抱きついてお参りをしました。ミモロにも、いい御利益を運んでもらうんだ~♪


干支のネズミをモチーフにした授与品


大豊神社の社務所には、2020年にぴったりのネズミをモチーフにした授与品が揃っています。



神社オリジナルのお守りやおみくじ、絵馬、御朱印。通年授与されているものが多いなか、狛ネズミのおみくじなど、新たに登場したものもあるそう。ミモロはネコだけど、どれも欲しくなっちゃう・・・ う~、迷う~。

境内には、ネズミのほかにも狛サルや狛トビもいて、写真撮影したくなるポイントもいっぱい。2020年京都の初旅に、ぜひお参りくださいね!

■大豊神社
【参拝時間】境内自由
【電話】075-771-1351
【アクセス】「宮ノ前町」バス停から徒歩約5分、市バス「東天王町」バス停から徒歩約10分 Google map


ちょっと寄り道。“ネコ”授与品のある「熊野若王子神社」へ


大豊神社から、哲学の道を南にちょっと進むと「熊野若王子(くまのにゃくおうじ)神社」があって、ここでミモロが発見! なんとこの神社には、“ネコ”がいっぱいいるんだよ~。



こちらは、永暦元年(1160)後白河法皇により、那智(和歌山県)の熊野権現を都に勧請した「洛中熊野三山」(熊野若王子神社、熊野神社、新熊野神社)のひとつ。ここに来ると、熊野権現さまにお参りでき、京都から熊野詣をするときの起点になったそう。

熊野神社ゆかりの“八咫烏(やたがらす)”のお守りやおみくじなどの授与品とともに、ネコのイラストの授与品もたくさん並んでいます。

「どうして、ネコなんですか?」と、宮司の伊藤公一さんに伺うと・・・



伊藤宮司 「哲学の道を歩くと、ネコをよく見かけるでしょう?」

はい、ミモロも会いました!

伊藤宮司 「実はこの道には昔からたくさんのネコが住んでいて、そのうちに住民の暮らしにも影響を与えるようになったんです。ネコを放置する人などもいて・・・ そこで、増えるネコの命と暮らしを守るために保護活動を行っています。多くの人に改めてネコのことを考えていただきたいなと思い、ネコの授与品を作ったんですよ」


“すべての悩みをにゃぎはらう”授与品の数々。


かわいいネコのイラストが入った手ぬぐいやブックカバー、クッキーやお茶などは、ネコの幸せを祈願されているんですね。ネコとしては、ありがたいこと・・・ 感謝。ぜひ、福ネズミのお参りとともに訪ねてみてくださいね。

■熊野若王子神社
【参拝時間】境内自由
【電話】075-771-7420
【アクセス】市バス「東天王町」バス停から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】https://nyakuouji-jinja.amebaownd.com/


初詣におすすめ♪ ポカポカ白みそ雑煮


初詣の後は、あったか~い「お雑煮」はいかが? 京都のお雑煮は、白みそ仕立て。ここからは、お参りの帰りに寄りたい、ミモロおすすめの白みそ雑煮をご紹介します!


\白みそと昆布のお出汁がいいお味~♪/
「大豊神社」から徒歩7分。甘味処「銀閣寺 㐂み家」


白みそ雑煮 880円(11月~4月上旬)


椀の蓋を開けると、ほんのり柚子の香り。クンクン・・・ いい匂い~。ミモロの大好きなカツオ節が、生麩の上にゆらゆら揺れて、食欲をそそります。大豊神社からすぐ近くにある銀閣寺 㐂み家さんの「白みそ雑煮」は、京都の有名料亭も使うという宮川町にある「山利商店」の白みそと、手間暇をかけた昆布出汁による、ふくよかな味わいのお雑煮です。・・・あ、お餅が2個も入ってる~。これも自家製のお餅なんだって。昆布の佃煮も自家製で、すごくお雑煮と合う~。


20周年を迎える、地域の方に愛されてきた甘味処



素敵な笑顔で迎えてくださったのは、お店を営む北村れいこさん。東京から京都に嫁ぎ、このお店を始めたのは、お子さんが成長されてからのことだそう。

北村さん 「ここで甘味店を始めて、もう20年以上。白みそ雑煮は、京都の家庭の味。店でお出しするところは、当時はほとんどなかったんです。でもお正月にいらっしゃるお客さまから、“京都の白みそ雑煮を食べてみたい”との声を多数いただいて、まずはお正月の期間だけ始めたんです。そのうちにご希望が多くなり、お雑煮の期間はどんどん延長され、今では11月から4月頃まで作っています(笑)」

毎年、こちらのお雑煮を楽しみに京都を訪れる方も多いそう。ミモロのおすすめは、「ミニあんみつ」など甘味とのセット! このお店の自慢の品を存分に味わってくださいね~。



■銀閣寺 㐂み家
【営業時間】11:00~17:00
【定休日】水曜日、2019年12月31日(火)~2020年1月2日(木)
【電話】075-761-4127
【アクセス】市バス「銀閣寺前」・「浄土寺」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】http://www.kimiya-kyoto.com/


\茶室のようなお部屋でいただく、白みそ仕立ての「御雑煮」/
「八坂神社」から徒歩2分。円山公園の「茶菓 円山」



円山公園のひょうたん池のそばにある「茶菓 円山」は、和の美意識にあふれた甘味店。京都らしい品格あるお店で、ミモロもよく京都に来るお友達を案内します♪ 茶釜で沸かすお湯は、毎朝、八坂神社の御神水を汲んでくるそう。だからかなぁ~、京都の銘茶もいっそう美味しく感じちゃう。

「季節の和菓子」や「御善哉」など、どれも本当に美味しいのだけれど、ミモロのお気に入りは、いろんな種類のお豆が入った「福蜜豆」(1200円)! 甘味だけじゃなく、「むしやしない」って京都の人がいう、“ご飯の間に空いたお腹の虫をちょっと落ち着かせる軽食”の「赤飯」や「煮麺」などもあって、食いしん坊のミモロには、すごくありがたいお店。なかでも特に冬に食べたくなるのが、白みそ仕立ての「御雑煮」です。


懐石料理に出てくるような、端正で上品な一椀


御雑煮(白味噌仕立)1,000円


黒塗りのお敷きにのった朱椀。なんか凛とした雰囲気で、高級料亭でいただく懐石料理みたい~(ミモロは行ったことないけど・・・)。期待と緊張でドキドキしながら蓋を開けると、まろやかな白みその香りが、やさしく鼻をくすぐります。いい匂い~。クンクン・・・ 思わず夢心地・・・ でも、あれ? まっ白? 具材がなんにも入ってないみたい。

・・・心配しながら、お箸でゆっくり椀の中を回すと、あ、お餅が出てきました。「あ~、よかった~」とひと安心。店主がセレクトした「京の白みそ」と、この店ならではのお出汁が調和した、上品なおつゆに思わずうっとり♪



目を細めて味わっていると、「ミモロちゃん、お餅の後ろにカラシが付いてますよ」とお店の方。あ、ホントだ~。白餅をすくいあげると、その底にカラシが。ひと口お餅をほおばると・・・ ほんのり甘い白みそとピリッとしたカラシが口の中で溶け合います。美味しい~。なんか幸せ・・・ 中身は、お餅だけというシンプルな白みそ仕立ての御雑煮は、まさに究極の味なのです。



■茶菓 円山
【営業時間】11:00~19:00
【定休日】火曜日、2019年12月31日(火)~2020年1月3日(金)
【電話】075-551-3707
【アクセス】市バス「祇園」バス停から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://sakamaruyama.com/


\創業寛永年間、“こうじ”専門店の「白みそ雑煮」。元旦も営業!/
「平安神宮」から徒歩5分。「大阪屋こうじ店 三条神宮道」


毎年、新年の初詣客で賑わう平安神宮。神宮道と三条通の交差点を蹴上(けあげ)方向に曲がって少し行くと、古い町家に「糀」の染め抜き暖簾が掛かるお店があります。こちらは、舞鶴の“こうじ”の専門店「大阪屋こうじ店 三条神宮道」。元々は大阪の武士の出だそうで、大阪城陥落後、寛永年間に舞鶴に移り、商売を始められたとか。京都市内には10年ほど前に店を構え、今年、少し東側に場所を移されました。



店先には、味噌やもろみなど、生こうじを使って丁寧に熟成させた品々が、種類豊富に並びます。その奥には、甘酒などを味わえるカフェスペースが。



こうじを贅沢に使った、減塩味噌の白みそ雑煮


年間を通じて味わえる「お雑煮」は、お餅2個入りと3個入りの2種類です。ミモロは、甘酒も飲みたいから、今回はお餅2個に・・・ あ、カツオ節がフワフワ揺れてる。う~、芳醇なこうじの香りを感じる~。ゴクン・・・ 美味しい~♪

お雑煮に使う白みそは、店の中で最も減塩タイプで、こうじを贅沢に使っているんだって。カツオ出汁と合わせて、味に奥行きをプラス。自然の甘さが、なんとも美味! 体中、ポカポカしてきます。


お雑煮 お餅2個入り605円、3個入り715円


ミモロが食べているのは、通年提供されている定番の“白みそ仕立てのお雑煮”ですが、実は、元旦から1月3日までは、金時にんじん、里芋、金粉が入った「正月限定雑煮」となるそう。まさに元旦に京都のお雑煮が味わえる貴重なお店! 初詣に東山エリアへ来たら、絶対に見逃せないですよ!!

■大阪屋こうじ店 三条神宮道
【営業時間】11:00~18:00(ラストオーダー17:30)、1月1日から3日は12:00~
【定休日】月曜日(祝日の場合は営業)、12月30日・31日 ※紅葉・花見シーズンは無休
【電話】075-754-0250
【アクセス】地下鉄東西線「東山駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://www.namakouji.com

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“福ネズミ参り”と、京都のお正月を実感できる“ポカポカ美味しい白みそ雑煮”をご紹介しました♪ 素敵なことがいっぱいの1年を、京都からスタートしましょう!

皆さん、よいお年をね~♪



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文・写真:小原誉子
「京都観光おもてなし大使」にして、旅ライター。アナウンサー、テレビ番組プロデューサー、企業広報などを経て、現在、ライターおよびコーディネーター活動とともに、ネコのミモロとコンビを組む人気ブロガーに。京都のみならず、日本の文化や観光情報を発信すべく、日々かけめぐっています。
\毎日更新中!/
ミモロの京都案内ブログ【ネコのミモロのJAPAN TRAVEL】http://blog.goo.ne.jp/mimoron
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Written by. みさご

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