京の和菓子の玉手箱 番外編
京都の7月といえば、祇園祭。例年ならば、そろそろお囃子の練習の音が夕暮れ時に響きわたり、町全体がお祭りムードに包まれる・・・ のですが、2020年は残念ながら、祇園祭の神事行事の多くと、“動く美術館”とも称される山鉾巡行が中止となってしまいました。
いつもとは違う、京都の7月。「寂しい気持ちを埋める“祇園祭にちなんだ和菓子”はないでしょうか」と、“和菓子ライフデザイナー”の小倉夢桜(ゆめ)さんに訊ねたところ、八坂神社にほど近い、祇園町にある2軒のお店を教えてくださいました。ともに、お取り寄せもできるとのことですので、今年の夏は、おうちで和菓子から祇園祭、そして京の夏を感じてみてはいかがでしょうか。
\和菓子とともに冷たいお茶はいかが?/
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■鍵善良房(かぎぜんよしふさ)
【祇園囃子・納涼】
八坂神社の神事である「祇園祭」は、17日の神幸祭・24日の還幸祭の際に、三基のお神輿が氏子地域を練り歩きます(2020年の「神輿渡御」は中止)。お神輿が渡御に出発する際、集合するのが、八坂神社の石段下。その石段下のすぐそばにあるのが、老舗和菓子店・鍵善良房です。
祇園囃子 380円 (7月中販売予定)
祇園祭といえば、山鉾と、「コンチキチン」の祇園囃子。太鼓・笛・鉦(かね)を使って奏でられるお囃子は、各山鉾によって、少しずつ異なるそう。こちらの「祇園囃子」は、3つのあんこ玉を、帯のような錦玉で結び合わし、お囃子を表現しています。見ているだけでも、ノスタルジックな旋律が聞こえてきそうですね。
納涼 380円 (7月~8月販売予定)
祇園祭のもうひとつのお楽しみが、宵山散策。でも今年は、残念ながら宵山も中止となってしまい、散策はできません・・・ 代わりに、夏の夕暮れ時、団扇と浴衣で夕涼みしながら、京都の和菓子をいただいてみてはいかがでしょうか。「納涼」は、夏の匂いを感じられるような清々しい和菓子。冷たいお茶と一緒にどうぞ♪
★「祇園囃子」「納涼」は、「おうちで生菓子4種セット」(1,800円、送料別)でのみ、お取り寄せ可能。個別での発送はできかねますので、ご了承ください。
※生菓子は消費期限が2日間のため、“京都から発送日の翌日に届く地域限定”での取り扱いとなります。
⇒「おうちで生菓子4種セット」の詳細はこちら
■鍵善良房 四条本店
【営業時間】9:00~18:00、喫茶9:30~18:00(ラストオーダー17:45)
※現在、時短営業中です。しばらくの間は下記時間となりますのでご注意ください。
9:30~18:00、喫茶10:00~17:00(ラストオーダー16:45)
【定休日】月曜日(祝祭日の場合は翌日)
【電話】075-561-1818
【アクセス】市バス「祇園」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】https://www.kagizen.co.jp/
■かぎ甚(かぎじん)
【鉾餅・水牡丹】
祇園町の一角。四条大和大路を下がり(南へ行き)、恵美須神社の目の前に位置するかぎ甚(旧・鍵甚良房)は、大正10年(1921)創業。初代が、元々は鍵善良房で番頭をされていたそうで、暖簾分けして現在の場所にお店を構え、現在4代目の若旦那が暖簾を守られています。
鉾餅 324円 (7月初旬販売予定)
こちらの名物となっているのが、焼き皮製のお菓子。もっちりとした独特の食感で、季節によって意匠を変えて登場、7月には祇園祭にちなんだ「鉾餅」として販売されます。
鉾の“綱隠し”を象った三角形のフォルムに、「五瓜に唐花」の八坂神社の神紋を焼き印。うっすらと透ける赤色は、なかに紅色の味噌餡を包んでいるから。2019年7月の「京の和菓子の玉手箱」にも登場しましたが、お取り寄せ可能ということで、再登場しました♪
水牡丹 324円 (7月~8月下旬販売予定、事前にお問合せください)
ほんのりと透けてみえる紅色が美しいこちらのお菓子は、「水牡丹」という菓銘の葛饅頭。シンプルな造形ながらも、とても手が混んでいて、餡は紅色に染めた備中白小豆とこしあんの二重となっています。繊細な淡いグラデーションが透けて見え、清涼感ある仕上がりに。葛は冷やしすぎると濁ってしまうため、食べる直前に少しだけ冷蔵庫で冷やして召し上がってくださいね。
⇒オンラインショップはこちら
■かぎ甚
【営業時間】8:00~18:00
【定休日】水曜日
【電話】075-561-4180
【アクセス】市バス「四条京阪前」バス停から徒歩約5分、京阪本線「祇園四条駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://kagijin.jp/about.html
【公式Twitter】https://twitter.com/kagijin_kyoto
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文・写真:小倉夢桜 —Yume—
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファー。京都五感処・京都Loversフォーラム代表。2012年よりホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』を運営し、毎日京都の和菓子を紹介し続けている。現在は『月刊京都』(白川書院)で「月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』」を連載中。
【きょうの『和菓子の玉手箱』】https://kyoto-lovers-forum.com/
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