「そうだ 京都、行こう。」を彩った秋景色。東寺・地蔵院 編

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【2017年秋】東寺

 

「そう京」キャンペーン25周年 3


「そうだ 京都、行こう。」の秋キャンペーンは、1993年の清水寺にはじまり、これまで40以上ものCMやポスターを展開してきました。先日は、私たちスタッフが「そう京」の思い出を語り合ったのですが、今回はお寺の方に「そう京」について伺ってみました。撮影時のお話や、キャンペーン当時から変化したことなど。あの日あの時の、あの紅葉を思い浮かべながらご覧になってみてくださいね♪


“もの言わぬ景色”は、“光”でより力強く雄弁に。
【2017年 東寺】

2017年11月撮影


■YouTube公式チャンネルでCMを見る

まだ記憶に新しい昨年(2017年)の舞台は、東寺。CMでは夜明け前に始まり、日中から夕暮れ、そしてまた夜へと移り変わるシーンが流れ、五重塔と紅葉が瓢箪池にリフレクション(反射)している姿が印象的でした。どんな風に撮影されたのかお寺の方に伺ってみると・・・

「11月末頃に、一日半くらいかけて撮影が行われました。瓢箪池の中ほどにある飛び石の南側にステージを組み、定点で撮影されていましたね」

現在の境内


池の上から撮影されていたのですね! どうやってもポスターと同じアングルで写真が撮れなかったのですが、ようやく謎が解けました。

ライトアップが始まる前には、毎年、境内の木の枝をきれいに剪定されているそう。これは、ライトの明かりが木々の葉に隠されず、五重塔に向けて上手に透けるように整えるためなのだとか。光の角度だけで美しい光景が作られているのではなく、細やかな整備があってのものというのは、驚きです。

「紅葉ライトアップは2015年にはじまり、2018年で4年目を迎えます。今では“紅葉の定番”として取り上げられることも多くなり、たくさんの方に足を運んでいただけるようになりました。昨年はキャンペーンの影響もあったのか、特に多かったですね。門の前から行列ができ、待ち時間が30分から40分という日もありました。開門直後は混み合いますので、20時以降の比較的空いている時間帯にお越しいただくのがおすすめです

東寺のライトアップは21時半まで(受付は21時まで)されているため、20時に訪れてもゆっくり拝観できるのが嬉しいですね♪

昨年の夜間拝観受付前の様子


御朱印を担当されていた方からはこんなお言葉も。

「昨年は、御朱印を求める方も例年に比べて5倍ほど多かったです。ライトアップ期間中に、最長3時間連続で御朱印を書いた日もありました(苦笑) ・・・ですが、それも良い思い出です」

そして、そっと耳寄り情報を教えていただきました。昨年、ライトアップの時間帯限定で特別な御朱印帳と御朱印の授与をされていたのですが、なんと今年も授与が決定したそう! 金と銀の印入りの御朱印も素敵ですので、お参りの際にはお見逃しなく♪

ライトアップの時間帯限定の、特別な御朱印と御朱印帳


⇒東寺の詳細情報はこちら
【紅葉の見頃】例年11月下旬~12月上旬、紅葉情報はこちら



「1200年ぶんののんびり」は今も。
【1993年 地蔵院】

2015年12月撮影


■YouTube公式チャンネルでCMを見る

「竹藪を抜けると、思いっ切りくつろげる隠れ家がありました。『横にならないでください』の貼り紙がありました」
のナレーションではじまる、1993年秋の地蔵院CM。お寺を訪ねると、今も「昼寝禁止」の貼り紙があります。

「当時は、先代の住職が書いた“横にならないでください”の看板でした。木板に墨字で記していて、風情があったのでCMにも取り上げていただいたようですね。でも、建物に馴染みすぎていたのでしょうか、なかなか気づいていただけなかったので、今は白い紙に書いております」

お寺の方に伺うと、そう教えてくださいました。なるほど、横になりたくなるようなのんびりとした広縁です。以前に「そう京」ブログ(「生まれ変わった『竹の寺』の方丈へ行こう!」)でもお伝えしましたが、昨年(2017年)の秋に1年掛かりの解体修理が完了。お庭や方丈はすっきりと美しい姿となりましたが、いまも同じように温かな雰囲気に包まれています。

「ここに来られて、懐かしいなぁと思っていただけると嬉しいですね」と、お寺の方。(・・・とはいえ仏様の前なので、実際に横になるのはNG。心のなかでくつろいでくださいね)

方丈から眺めた十六羅漢の庭


地蔵院のCMでは、最後に登場する小さな石像も印象的です。苔生し、こちらにほほえんでいるような、素敵な表情。「どちらにいらっしゃるのかな?」と探してみると、今も庭の隅にひっそりとたたずんでおられました。


「いつからいらっしゃるのかわからないんです。どなたなのかもわかりません。書院前のお庭が“十六羅漢の庭”というだけに、お庭の真ん中にいると羅漢様に間違われてしまうから、あんな隅にいらっしゃるんです。でも、すてきなお顔でしょう?」

本当に、心がほどけるようにほっこりとした笑顔です。地蔵院は、この秋の台風21号で倒木などの被害が大きく、一時は拝観を休止されていました。幸いなことに建物やお庭に被害はなく、参道もお寺の皆さまや縁者の協力によりすぐに復興されています。

「一時はどうしようと思いましたが、たくさんの方に協力をいただいて、参道も早く復興させることができました。この台風の被害もいつかお寺の歴史のひとつになると思い、これからの歴史を紡いでいこうと思っています」

以前とは少し違う2018年の秋景色。これからも「1200年ぶんののんびり」が続かれるよう願いを込めて、お参りに訪れてみてはいかがでしょうか。

⇒地蔵院の詳細情報はこちら
【紅葉の見頃】例年11月中旬~12月上旬


 

 

Written by. 「そう京」編集部

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