大地の恵みに感謝する、10月の和菓子 4選

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京の和菓子の玉手箱 25


収穫の秋。京都でも、大原などの里山では黄金色の田が広がり、実りの季節を実感できます。和菓子の世界も、秋の恵みがモチーフとして登場しているよう。今月も、“和菓子ライフデザイナー”小倉夢桜(ゆめ)さんのご案内で、京都の和菓子をたっぷりとご紹介いたします♪

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10月に入り、いよいよ秋本番となってきた京都市内です。

2018年のずいき神輿


北野天満宮では、10月1日(火)から五穀豊穣を感謝する「ずいき祭」がはじまりました。秋は祭の季節。今月は京都の様々な神社で、例祭が執り行われます。

この時期ならではの歳時から秋を感じてみてはいかがでしょうか。そして、お菓子からも秋の実りを愉しんでみてくださいね。

⇒京都の歳時情報はこちらから

栗かのこ【御菓子司 聚洸(じゅこう)】


栗かのこ 400円(税抜き)(10月上旬~下旬販売予定、事前にお問合せください)


この季節は、栗好きにとっては至福の時。西陣に店を構える聚洸の栗菓子といえば、この「栗かのこ」。“かのこ”は“鹿の子”のことで、小鹿の背中のまだら模様に似ているところから名付けられました。

時折、栗の表面に残っている渋皮。敢えて綺麗に剥かずに、程よい加減でわざと残しているのだそう。栗好きならばわかる、“渋皮の旨み”。山の恵みが、職人さんの手にかかれば、素材そのものを活かした美しいお菓子になるのです。栗好きにはたまらない、極上のお菓子です。

■御菓子司 聚洸
【営業時間】10:00~17:00(予約販売のみ)
【定休日】日曜日、水曜日、祝日
【電話】075-431-2800
【アクセス】地下鉄烏丸線「鞍馬口駅」から徒歩約15分、市バス「天神公園前」バス停から徒歩約4分 Google map

山柿【亀屋良長】


山柿 400円(10月12日~31日販売予定)


秋空の下、柿の実がたわわに実る光景を、この季節にはよく見かけます。その柿の実をついばみに集まる小鳥たち。秋ならではの風情が感じられる景色です。

こちらは、“ねりきり”で柿を模ったお菓子。中には、白あんに刻んだ柿を混ぜた「柿あん」がくるまれていて、日頃食べなれている和菓子とは少し異なる印象となっています。寒天のコーティングもつやつやで、ふくよかな実りを感じられます。日本の原風景を思い起こさせるような、可愛らしい和菓子です。

■亀屋良長
【営業時間】9:00~18:00
【定休日】1月1日・2日
【電話】075-221-2005
【アクセス】市バス「四条堀川」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】https://kameya-yoshinaga.com/

雅(みやび)【長久堂 北山店】


雅 464円 (事前にご予約ください)


例年10月22日に執り行われる「時代祭」。今年(2019年)は天皇即位儀式と重なるため、10月26日(土)に変更となります。時代考証をもとに再現された明治維新から平安時代へとさかのぼる歴史絵巻が、秋晴れの下で開催されることを祈るばかりです。

この時季には、和菓子も時代祭にちなんだお菓子が登場します。「雅」は、華やかで美しい着物の袖を表現した外郎(ういろう)製のお菓子。 都大路を行く女人列を思い起こすような、華やかなお菓子です。

■長久堂 北山店
【営業時間】9:30~18:00
【定休日】1月1日・2日
【電話】075-712-4405
【アクセス】地下鉄烏丸線「北山駅」から徒歩約10分 Google map
【公式Facebook】https://www.facebook.com/chokyudo/

光琳菊【鍵善良房】


光琳菊 380円(9月下旬~10月下旬販売予定)


尾形光琳によって創り出された菊の文様が、「光琳菊」。その文様をモチーフにした薯蕷(じょうよ)饅頭のお菓子です。

薯蕷饅頭の中ほどをくぼませて菊の花とし、葉を織部(暗緑色)で表現。無駄を一切省いた「光琳菊」は、京菓子を代表する意匠となっています。

・・・実は、和菓子と出会ったばかりの頃、この意匠の素晴らしさが理解できませんでした。和菓子を食べれば食べるほど、光琳菊のシンプルな意匠の素晴らしさが感じられるようになり・・・ 何度も出会うことで見えてくる。和菓子って、本当に奥深いものです。

■鍵善良房 四条本店
【営業時間】9:00~18:00、喫茶9:30~18:00(ラストオーダー17:45)
【定休日】月曜日(祝祭日の場合は翌日)
【電話】075-561-1818
【アクセス】市バス「祇園」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】https://www.kagizen.co.jp/

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今回は、秋本番を存分に感じられる京都の和菓子を4つ、ご紹介いたしました。大地からの恵みを満喫しながら、京都の秋をお過ごしくださいね。

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文・写真:小倉夢桜 —Yume—
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファー。京都五感処・京都Loversフォーラム代表。2012年よりホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』を運営し、毎日京都の和菓子を紹介し続けている。現在は『月刊京都』(白川書院)で「月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』」を連載中。
【きょうの『和菓子の玉手箱』】https://kyoto-lovers-forum.com
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Written by. みさご

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