令和再興! よみがえった「雪月花の三庭苑」を特別プランで楽しむ

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花の庭(北野天満宮)

花の庭(北野天満宮)

「雪月花(せつげつか)の庭」。なんとも上品で趣深いネーミングのお庭ですよね。実はこの名称、京都市内に点在する「雪の庭」「月の庭」「花の庭」の総称。今年(2022年)1月、北野天満宮に「花の庭」が再興されたことで、「雪月花の三庭苑」が復興を遂げることとなりました。今回は、各お庭をご紹介するとともに、“令和復興”を記念して、それぞれのお庭を舞台に実施される、特別ツアーをご紹介します!

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雪月花の庭とは?

まずは「雪月花の庭」について簡単に説明を。諸説あるお庭もありますが、作庭したとされるのは、京都に生まれ江戸時代前期に歌人として活躍した松永貞徳(まつなが ていとく)。古典に精通し、連歌を学んだ後に「俳諧」という分野を発展させ、後に“俳諧の祖”とも称されることとなりました。この貞徳が、「成就院(成就坊)」と名の付く3つのお寺に作庭したのが「雪月花の庭」です。それではそれぞれのお庭をご紹介します!

【雪の庭/妙満寺】
まさに雪景色が似合うお庭が生まれ変わります

「雪の庭」が遺るのは、洛北は岩倉の地にある妙満寺。春のしだれ桜に加え、初夏、門前で賑やかに咲き誇るツツジの名所としても知られます。
「雪の庭」が作られた頃、妙満寺は、現在では京都市街地である寺町二条にあったと言います。市街地化による喧騒から逃れるために、昭和43年(1968)、現在の地に遷堂。その際に、塔頭である成就院の「雪の庭」を、石組はそのままに妙満寺の本坊庭園として移築したそうです。

雪の庭

雪の庭

洛北にあるため、冬には比較的雪景色に出会うチャンスも多いのが嬉しいところ。お寺の方によると「『雪の庭』だけあって、雪景色を写真に収めようと訪れる方も多いですよ」とのこと。積雪の日は、まるで水墨画のようなモノクローム風景が広がります。
実はこのお庭、現在、「雪月花三庭苑」の令和復興にあわせて改修工事を実施中。3月初旬に工事を終え、新たに生まれ変わろうとしています。これまで訪れたことがある方であっても、この記念の年に、ぜひ再訪してみてはいかがでしょうか。

■妙満寺
【拝観時間】境内6:00~17:00、本坊9:00~16:00
【拝観料】境内無料、本坊500円(2022年1月6日~3月初旬は「雪の庭」改修工事のため400円)
     ※桜(4月上旬頃)、ツツジ(5月上旬頃)の開花中は境内・本坊500円
【電話】075-791-7171
【アクセス】地下鉄烏丸線「国際会館駅」から徒歩約20分、叡山電車鞍馬線「木野駅」から徒歩約5分、京都バス「幡枝(妙満寺)」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://myomanji.jp/
【公式Facebook】https://www.facebook.com/myomanji/
【公式Twitter】https://twitter.com/myomanji/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/myomanji/

 

<京都「雪月花の庭」現地プラン>
妙満寺「雪の庭」 夕暮れ拝観

妙満寺で実施する特別ツアーでは、改修工事を終えた「雪の庭」を、一般拝観終了後に貸切で拝観。通常は眺めることができない空が暮れゆく時間帯に、装い新たな名庭をじっくりと鑑賞しましょう。寺宝の見学など、僧侶のご案内で堂内を参拝する時間もご用意しています。また、京都駅発着のタクシープランでは、青もみじが美しい実相院門跡にも立ち寄ります。
 

【月の庭/清水寺成就院】

作庭当初の地に遺る唯一の庭

清水寺成就院

清水寺成就院

続いてご紹介する「月の庭」が遺るのは、世界遺産・清水寺の塔頭寺院である成就院。室町時代に創建され、幕末には、住職であった月照上人のもとに、近衛忠熈(ただひろ)や西郷隆盛らが集い、倒幕の密議をしたという歴史でも知られます。

月の庭

月の庭

雪月花の3つの庭園において、作庭された地に今も伝わるのはこのお庭だけ。他の2つと異なり池泉を大きく配していることに特徴が見られますが、室町時代の相阿弥により作庭され、江戸時代になり小堀遠州により補修がなされた後に、松永貞徳が修景したという説も残るそうです。
成就院は、通常は門を閉ざされたお寺であり、一般公開は春と秋の一定期間のみ。今年も春の特別公開が、4月下旬から5月上旬に実施される予定です。ちょうどゴールデンウィーク期間にもあたりますので、この機会に庭園鑑賞に訪れてみてはいかがでしょうか。
 ■清水寺成就院 成就院庭園特別公開
【日程】2022年4月29日(金・祝)~5月5日(木・祝)
    9:00~16:00(受付終了)
【拝観料】600円(清水寺入山料別途要)
【電話】075-551-1234(清水寺)
【場所】清水寺 成就院 詳細情報はこちら

<京都「雪月花の庭」現地プラン>
清水寺「月の庭」 僧侶と語らう、ほっこり拝観

春の特別公開期間外に、日中の成就院を貸切っての特別プランを実施。素敵なお庭を前にすると、「ずっとこのままでいたい・・・」と思われたことがある方もいらっしゃるでしょう。そんな希望が「月の庭」で叶うかもしれません。鳥のさえずりや水の音にも耳を澄ませてみてください。ただただお庭を眺めたり、普段はあまりお話しすることが無い僧侶と語らったり、ほっこりする時間をお過ごしいただけることでしょう。
 

【花の庭/北野天満宮】
北野天満宮 謎多きお庭が“花の苑”に蘇る

北野天満宮

北野天満宮

最後にご紹介するのは、学問の神様 菅原道真を祀る北野天満宮。近年、過去の史料等に基づき、境内の再整備や祭事の復興を積極的に行われています。これからの時季は、なんといっても境内一円に咲き誇る梅の花が気になる神社です。

花の庭

花の庭

3つのお庭の中で、最も注目すべきは、多種多様な梅に彩られる梅苑に再興された「花の庭」かもしれません。当初「花の庭」は、北野天満宮の境内にあった塔頭(成就坊)に作庭されたと伝わりますが、明治期の廃仏毀釈の際に破却されて以来、長らく姿を消すことに・・・。在りし日の姿を伝える史料にも乏しく、この度、独自の解釈に則って枯山水を設けるなどして再建。「全てがリニューアル」されたわけではなく、かつての庭に用いられていた石を再利用するなど、当時の名残も垣間見ることができます。鑑賞できるのは、原則的には梅苑公開期間中のみ。今年は、梅だけでなく、よみがえった庭園にも注目してみましょう!

■北野天満宮
【参拝時間】9:00~17:00(授与所9:00~16:30)、宝物殿9:00~16:00※季節・情勢により変動あり
【参拝料】境内無料
【電話】075-461-0005
【アクセス】市バス「北野天満宮前」バス停から徒歩すぐ Google map
【公式ホームページ】https://kitanotenmangu.or.jp/
【公式Facebook】https://www.facebook.com/kitanotenmangu
【公式Twitter】https://twitter.com/kitano_bunka
【公式Instagram】https://www.instagram.com/kitano_tenmangu/
■梅苑「花の庭」公開
【日程】2022年1月28日(金)~3月下旬
    9:00~16:00(受付終了15:40)
【料金】1,000円(茶菓子付)
■梅苑ライトアップ
【日程】2022年2月25日(金)~3月13日(日)の金・土・日曜日
    日没~20:00(受付終了19:40) ※昼夜入替なし、情勢により変動あり

<京都「雪月花の庭」現地プラン>
北野天満宮「花の庭」神職のご案内と朝の梅苑

「花の庭」が再建された梅苑に、通常の開苑時間前、先行で入場! 京都を代表する名所で、観梅を少人数でお楽しみいただけます。例年梅が見頃を迎える時季での開催となりますので、期待も膨らみますね♪ 注目の「花の庭(梅苑)」は、神職の方のご案内で鑑賞。復興までの裏話や、お庭のコンセプトなどをお聞きしましょう。
※掲載内容は2022年2月22日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. カツオ

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