紫陽花名所「三室戸寺」。ご住職に聞く、あじさい園の秘話

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宇治市の明星山の麓に佇む三室戸寺。四季折々の花が楽しめる「花の寺」として有名ですが、特に人気を集めるのが紫陽花です。見頃を迎える6月には拝観者で賑わい、紫陽花ライトアップや“ハートの紫陽花”も話題に。多くの方々から愛される「あじさい園」ですが、実はご住職の伊丹さん自らも、お世話に携わられています。日々、お庭と向き合うご住職に、紫陽花にまつわるお話をお伺いしました。

\三室戸寺を訪れる前に、こちらのブログをチェック!/
⇒京都屈指の花名所「三室戸寺」の見どころガイド
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あじさい園は、広大な庭園「与楽苑」内にあります

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    山門

  • 山門付近から見下ろす「あじさい園」

    山門付近から見下ろす「あじさい園」

「あじさい園」は山門の右手側に広がる「与楽苑」内にあります。与楽苑は、平成元年(1989)に「昭和の小堀遠州」ともいわれる作庭家・中根金作が手がけた、約5,000坪の広大な庭園です。「与楽苑は、昭和62年(1987)から2年かけて作られました。完成当時は川の向こう側にツツジがあるくらいで、紫陽花を植え始めたのは庭園が完成した後からなんです」と伊丹ご住職。
現在、あじさい園の管理は7~8人で行われており、ご住職も自ら園内を巡ってお世話されています。

あじさい園に植わる紫陽花の数は? おすすめの時間帯は?

  • (撮影日:2020年6月26日)

    (撮影日:2020年6月26日)

  • 新たに紫陽花が植えられたエリア(撮影日:2020年6月18日)

    新たに紫陽花が植えられたエリア(撮影日:2020年6月18日)

あじさい園では、西洋アジサイや額アジサイなど約50種20,000株もの紫陽花が咲き誇り、近年、新たに約700株が植えられました。

伊丹ご住職 「紫陽花の多くは、全国有数の花の産地である愛知県・渥美半島で生産されたものになります。特に種類にこだわりはなく、“花の色”を見て植える位置を考えています」

花の色に注目されているからこそ、カラフルな風景を楽しむことができるのですね。ちなみに、あじさい園のおすすめの時間帯は午前中とのこと。

伊丹ご住職 「朝の早い時間帯は花がしゃんと上を向いていますが、日中は熱にやられてうつむいてしまうんです。11時頃からは拝観の方も増えてきますので、それまでにお越しいただくのがおすすめです」

色とりどりのあじさい園。広大な分、お世話も大変で・・・

  • 青の花のエリア(撮影日:2020年6月26日) 

    青の花のエリア(撮影日:2020年6月26日) 

  • ピンクの花のエリア(撮影日:2020年6月26日)

    ピンクの花のエリア(撮影日:2020年6月26日)

先ほどのお話の通り、花の色ごとに紫陽花を植えられていることから、青やピンク、紫など、グラデーションの美しい世界が広がります。

伊丹ご住職 「品種によって土に合う・合わないがあるみたいで、なかなか成長しない場合は、植え替えたりしています。土が合えば、成長も進み発色も良くなるんですよ」

長年、紫陽花と向き合ってこられたご住職だからこそわかる成長の善し悪し。お世話の中で、大変なこともお伺いしてみました。

少しずつ開花が始まったあじさい園(撮影日:2022年5月31日)

少しずつ開花が始まったあじさい園(撮影日:2022年5月31日)

伊丹ご住職 「広大な敷地なので、まず水やりが大変です。水道水と地下水を使いスプリンクラーで水やりを朝と夕方に行うのですが、開門前に済ませないといけないので、朝は5~6時くらいからスイッチを入れて・・・ また、草抜きもとても大変。お天気が良いと雑草の成長も早く、抜いては生えての繰り返しです」

拝観の方々に少しでも美しい庭園を眺めていただきたいとの思いから、日々お世話を欠かさないご住職。大変なことといえば、5~6年前から野生の鹿が若い花芽を食べてしまうようになり、さらにご苦労が絶えないようです・・・

ハートの紫陽花は毎年見られる?

  • (撮影日:2015年6月15日)

    (撮影日:2015年6月15日)

  • (撮影日:2018年6月12日)

    (撮影日:2018年6月12日)

  • ハートの紫陽花をモチーフにした、絵馬(500円)やストラップ(1個500円)も要チェック。

    ハートの紫陽花をモチーフにした、絵馬(500円)やストラップ(1個500円)も要チェック。

三室戸寺の紫陽花といえば、“ハート型の紫陽花”も人気です。見つけると恋愛運がアップするとも言われていますが・・・

伊丹ご住職
「12~13年前に出入りの業者さんが見つけて、新聞に載ったことから知られるようになりました。毎年、園内のどこかで見つけることができるので、ぜひ探してみてください」

三室戸寺の公式SNSでもハート型の紫陽花を投稿されることがあります。今年もすでに発見されたそうなので、気になる方はご確認を♪

華やかな紫陽花で彩る“あじさいアート”にもご注目♪

  • あじさいアート「昇鯉(勝利)」(撮影日:2022年5月31日)

    あじさいアート「昇鯉(勝利)」(撮影日:2022年5月31日)

  • 紫陽花で彩られる「花手水」もお見逃しなく。(撮影日:2020年6月18日)

    紫陽花で彩られる「花手水」もお見逃しなく。(撮影日:2020年6月18日)

昨年(2021年)に引き続き、5月30日(木)には本堂前の石段に、“あじさいアート”が登場しました。昨年は「昇」がモチーフとなっていましたが、今年は「昇(勝利)」に! 見頃は10日ほどということで、残念ながら今年は終了してしまいました・・・ が、石段を上がった先の手水舎では花手水のあじさいアートが登場♪ あじさい園の花々とあわせてお楽しみください。
  • 御朱印「昇鯉」 500円(書き置きのみ、無くなり次第終了)

    御朱印「昇鯉」 500円(書き置きのみ、無くなり次第終了)

  • 御朱印帳(1,200円)にも鯉が♪

    御朱印帳(1,200円)にも鯉が♪

また、「昇鯉」にちなんだ特別御朱印も登場しています。紫陽花を連想する淡い紫色の和紙に鯉と紫陽花の判子が可愛らしい一枚です。本堂へお参りの後、拝観の証としていただいてみてはいかがでしょうか。

ライトアップされた幻想的なあじさい園も見逃せない♪

土日限定のライトアップもどうぞお見逃しなく♪

土日限定のライトアップもどうぞお見逃しなく♪

6月11日(土)からは、恒例のライトアップも開催。日中とはまた違う幻想的な紫陽花が楽しめるのも三室戸寺ならではです。「他とは比べられない“独立独歩”のお寺だと思っています。紫陽花だけでなく、年間を通じて咲く様々な花を見て、“綺麗だな”とひとときでも思っていただければ嬉しいです」とご住職。

お寺の方の温かい想いを感じながら、紫陽花観賞を楽しんでみてください。

■あじさい園の開園
【日程】2022年6月1日(水)~7月10日(日)     
    8:30~16:30(受付終了16:00)
【拝観料】1,000円

■あじさい園ライトアップ
【日程】2022年6月11日(土)~26日(日)の土・日曜日     
    19:00~21:00(受付終了20:30)※昼夜入替制(ライトアップ時は庭園のみの拝観)
【拝観料】1,000円
三室戸寺
【拝観時間】8:30~16:30(受付終了16:00)       
※11~3月は~16:00(受付終了15:30)
【電話】0774-21-2067
【アクセス】京阪宇治線「三室戸駅」から徒歩約15分 Google map
【公式ホームページ】https://www.mimurotoji.com/
【公式Facebook】https://www.facebook.com/mimuroto/
【公式Twitter】https://twitter.com/mimurototemple
【公式Instagram】https://www.instagram.com/mimurotoji/
※掲載内容は2022年6月3日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. オパン

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