初秋の京都を彩る花の名所10選

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妙蓮寺

妙蓮寺

まだまだ残暑厳しい京都ですが、9月になると徐々に暑さは和らぎ、体感だけでなく、虫の声などからも季節の移ろいに気付かされます。街角や社寺のお庭に目をやると、色とりどりに咲く“小さな秋”がそこかしこに。初秋に訪ねたい、花の名所をご紹介します!

【三千院(秋海棠)】“緑のキャンバス”をピンクの花が彩る

京都でも指折りの紅葉名所として人気の三千院。春の石楠花(しゃくなげ)や梅雨の紫陽花など、花の名所としても知られますが、夏の盛りを過ぎた頃からは秋海棠(しゅうかいどう)が見頃を迎えます。
最も花を咲かせるのは、客殿から眺める池泉鑑賞式庭園「聚碧園(しゅうへきえん)」。聚碧園とは「緑を集めるお庭」という意。文字通り一面に緑が広がりますが、8月下旬頃からは、可憐な秋海棠の花がピンクの彩りを添えます。
 
☆例年の見頃 8月上旬~9月中旬

【拝観時間】9:00~17:00
【拝観料】700円
【電話】075-744-2531
【アクセス】京都バス「大原」バス停から徒歩約10分  Google map
【公式ホームページ】http://www.sanzenin.or.jp

【古知谷阿弥陀寺(秋海棠)】厳かな山寺に優しく咲き誇る

三千院の最寄りとなる京都バス「大原」バス停からは北へ歩いておよそ40分。生きながらにして岩窟に入り即身仏(ミイラ仏)になったという、開山・弾誓(たんぜい)上人を祀る古知谷(こちだに)阿弥陀寺にたどり着きます。本数は非常に限られますが、お寺の入口となる山門までの区間は自由乗降ができるバスも運行。山門から拝観受付は登り坂を更に20分ほど歩くこととなります。
山間にあり、修行するに適した厳めしい雰囲気も感じられますが、優しさを添えるように和やかに咲くのが秋海棠。境内に佇む仏様のお顔も、どこか嬉しそうな表情に見えてきます。
 
☆例年の見頃 8月下旬~9月中旬
 
■古知谷阿弥陀寺
【拝観時間】9:00~16:00(受付終了15:30)
      ※1・2月は拝観休止
【拝観料】500円
【電話】075-744-2048
【アクセス】京都バス「大原」バス停から徒歩約40分、京都バス「古知谷」バス停から約1分  Google map

【梨木神社(萩)】洛中随一の萩名所

京都御苑の東に位置し、京都三名水のひとつで、唯一現存する「染井の水」が湧くことでも知られる梨木神社。“萩の宮”との別名に相応しく、境内には約500株ものが植わります。
中でも見応えたっぷりなのが、二ノ鳥居から本殿エリアにのびる一直線の参道。参道両脇が萩に包まれて、まるで花の回廊を歩くかのよう。本殿エリアにもまた、白や紫の花がうっそうと咲き誇ります。
また9月23日(土・祝)・24日(日)には「萩まつり」を開催。花が風に揺れる境内では、雅楽や舞踊などの奉納行事に加え、お茶会なども催されます。
 
☆例年の見頃 9月中旬~10月初旬
 
【参拝時間】9:00~17:00、授与所9:00~16:30
【参拝料】境内無料
【電話】075-211-0885
【アクセス】市バス「府立医大病院前」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】https://www.nashinoki.jp/

【常林寺(萩)】滝が流れ落ちるように咲く萩の花

梨木神社からは歩いて20分ほど。賀茂川と高野川が合流する出町柳に佇む常林寺。紫やピンク、そして白など色とりどりのが賑わいを見せるのは9月中旬頃から。参道に流れ落ちる滝のように花を咲かせ迫力十分です。境内はさほど広くありませんが、その分、濃密に咲く花を楽しむことができます♪
 
☆例年の見頃 9月中旬
 
【拝観時間】9:00~16:00
【拝観料】境内無料
【アクセス】市バス「出町柳駅前」バス停から徒歩約1分 Google map

【勝念寺(萩)】伏見の住宅街に佇む萩の新名所

勝念寺は“かましきさん”の名で親しまれる浄土宗のお寺。20年ほど前に、現在のご住職によって境内にが植えられました。見事に花を咲かせたことをきっかけに、参拝者に花を楽しんでもらうべく、境内を広く一般に開放する“萩振る舞い”を開催されることに。特に花付きの良い年は、枝垂れる萩を掻き分けながら進まないといけないほどの密集度です! 足下に目をやると、同じ時季に見頃を迎える彼岸花の姿も。初秋の魅力たっぷりの境内です。
 
☆例年の見頃 9月上旬~下旬
 
【拝観時間】8:00~16:00
※“萩振る舞い”は9月上旬~下旬頃に開催(期間は萩の見頃によって変動)。期間中は17:00頃まで開門
【拝観料】境内無料
【電話】075-611-1606
【アクセス】京阪本線「丹波橋駅」から徒歩約3分、近鉄京都線「近鉄丹波橋駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://kamasikisan.wixsite.com/syonenji

【妙蓮寺(芙蓉・酔芙蓉)】朝夕で表情を変える芙蓉の花

妙蓮寺は、古き良き京都の下町風情を残す西陣に堂宇を構える本門法華宗のお寺。長谷川等伯一派の襖絵を所蔵することでも知られます。
春の桜に次いで境内に華やぎを与えるのが芙蓉の花。ピンクや白に加え、赤い花を付けるものなど、多種に咲きわたります。そんな中、特に人気なのは変わり種の“酔芙蓉”。朝は白い花が、夕方になるにつれてお酒を飲み、顔を赤らめたように、ほんのり赤みがかる不思議な品種です。ぜひ皆さんの目でお確かめください。
 
☆例年の見頃 8月下旬~10月中旬
 
【拝観時間】10:00~16:00
【拝観料】境内無料、方丈・庭園500円、宝物殿800円
     ※方丈・庭園、宝物殿は水曜日は拝観休止
【電話】075-451-3527
【アクセス】市バス「堀川寺ノ内」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】http://myorenji.or.jp/

【法輪寺[だるま寺](芙蓉・酔芙蓉)】たくさんの達磨さんとたくさんの芙蓉

法輪寺は、全国から所願成就のために奉納された約8,000体もの達磨さんを祀ることから、だるま寺の名で親しまれます。様々な表情を見せる達磨さんに負けないぐらいに境内を賑わせるのが芙蓉の花。妙蓮寺と同様にこちらでも酔芙蓉を楽しむことができます。傍らに佇む達磨さんは、咲き具合を見守っているかのよう♪
 
☆例年の見頃 9月中旬
 
【拝観時間】9:00~16:30(受付終了16:00)
【拝観料】境内無料、本堂庭園・衆聖堂300円
【電話】075-841-7878
【アクセス】JR山陰本線(嵯峨野線)「円町駅」から徒歩約5分 Google map

【大原(彼岸花)】里山を彩る鮮烈な紅い花

文字通り、ちょうどお彼岸の頃に見頃迎える花と言えば彼岸花。正式な名前を“曼珠沙華(まんじゅしゃげ)”と言います。のどかな景観が広がる、畑の周辺や田んぼのあぜ道などで良く目にしますが、これは花の持つ“毒性”によるもの。特に球根に多く含まれるという毒性を利用して、害獣などから作物を守るために植えられるそう。
京都で田畑が広がるエリアのひとつが大原。彼岸花を見るなら、「里の駅 大原」(Google map)付近が特におすすめ。周辺では、コスモスなどにも出会えます。
 
☆例年の見頃 9月中旬~下旬 

【亀岡市(彼岸花)】のどかな田園風景に際だつ紅のライン

彼岸花の群生が楽しめるおすすめのスポットが、京都市のお隣の亀岡市に。とりわけ西国三十三所霊場の第二十一番である穴太寺(あなおじ)付近(Google map)では、田園風景が広がり彼岸花のメッカとして大勢の人出で賑わいます。この界隈は写真撮影が目的の方が多いのも特徴。花をアップで撮影するも良し、雰囲気のある蔵(?)のような建物などと撮るも良し、愛宕山など大自然と合わせて撮るも良し。農作業されている方にも配慮しながら、撮影を楽しんでみましょう♪
 
☆例年の見頃 9月中旬~下旬

【善峯寺(秋明菊)】境内一円で次々と咲き続く

桜、サツキ、紫陽花などを筆頭に、1年を通して花の彩りに溢れる善峯寺。紅葉の名所としても人気ですが、初秋には秋明菊(しゅうめいぎく)が境内を彩ります。圧倒されるのはその株数。境内に植わるのは約5,000株とも。花が多いことに加え、境内には高低差や日当たりの差がある上に、一重や八重咲きのものなど種類も様々なため、長く楽しむことができるのも特徴です。
 
☆例年の見頃 9月中旬~10月下旬
 
【拝観時間】8:30~17:00(受付終了16:45)
      ※土・日・祝日は8:00~
【拝観料】500円
【電話】075-331-0020
【アクセス】JR東海道本線「向日町駅」乗換、阪急バス「善峯寺」バス停から徒歩約8分 Google map
【公式ホームページ】http://www.yoshiminedera.com
※掲載内容は2023年8月25日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. カツオ

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