遅咲きの御室桜で知られる、世界遺産・仁和寺。実はその裏山・成就山に「御室八十八ヶ所霊場」と呼ばれる巡礼コースがあり、“1日お遍路”が体験できるのをご存知ですか? いつでもどなたでも気軽に巡ることができ、毎月「成就山八十八ヶ所ウォーク」と題してウォーキングイベントが行われています(1~3月、8月は除く)。「せっかくなら、イベント開催日に行こう!」と、「そう京」スタッフが体験してきました。
御室八十八ヶ所霊場のはじまり
「御室八十八ヶ所霊場」は、文政10年(1827)、仁和寺第二十九世門跡・済仁法親王の発願により「四国八十八ヶ所霊場」の各霊場から砂を持ち帰り、成就山に埋め、その上にお堂を建てたことが起源です。山道に点在するお堂(札所)にはそれぞれの御本尊と弘法大師像が祀られ、結願(けちがん)成就すると、四国八十八ヶ所霊場と同じご利益を得ることができるそう!
山と言っても、成就山は標高約236メートルの低山。なだらかな道も多く、わかりやすい順路になっているので安心。お参りしながら、桜やツツジ、紅葉など四季折々の自然や京都市街の眺望も楽しめる、約3キロ・2時間のコースです。
山と言っても、成就山は標高約236メートルの低山。なだらかな道も多く、わかりやすい順路になっているので安心。お参りしながら、桜やツツジ、紅葉など四季折々の自然や京都市街の眺望も楽しめる、約3キロ・2時間のコースです。
いざ、「成就山八十八ヶ所ウォーク」へ!
「成就山八十八ヶ所ウォーク」開催日には、各札所のスタンプラリーが楽しめます♪
私達が参加したのは、2023年9月3日(日)。朝から晴れていて、まさに絶好の登山日和でした。ちなみに雨天等で中止となる場合は、当日7時30分までに決定し、公式SNSや公式ホームページで告知されるそうです。
中門をくぐった先にある茶所前で受付を済ませ、スタンプ帳をいただきます。受付では金剛杖の貸し出しも。せっかくなので、お遍路グッズを手に登ることにしました。
私達が参加したのは、2023年9月3日(日)。朝から晴れていて、まさに絶好の登山日和でした。ちなみに雨天等で中止となる場合は、当日7時30分までに決定し、公式SNSや公式ホームページで告知されるそうです。
中門をくぐった先にある茶所前で受付を済ませ、スタンプ帳をいただきます。受付では金剛杖の貸し出しも。せっかくなので、お遍路グッズを手に登ることにしました。
仁和寺の境内でお参り
まずは金堂、一願不動、御影堂にお参りします。一願不動には石造の不動明王が安置され、長~い柄杓で水を掛けて祈願。御影堂前で始まりのスタンプを押したら、西門より仁和寺境内を出て、第1番札所の霊山寺を目指します。
ここからスタートです!
西門から徒歩約5分で、第1番札所 霊山寺に到着。「是より阿波の国 発心の道場」という石柱もあり、お遍路のはじまりを実感します。お手洗いは山道に入るとないので、こちらで済ませておきましょう。
第1番を後にすると自然豊かな木々に包まれる道に。「八十八ヶ所・・・ 長い道のりだ・・・」と思いきや、すぐに次のお堂が見えるので気分は軽やかです。
第1番を後にすると自然豊かな木々に包まれる道に。「八十八ヶ所・・・ 長い道のりだ・・・」と思いきや、すぐに次のお堂が見えるので気分は軽やかです。
札所では、それぞれの御本尊の真言を唱え、スタンプを押します。
真言の例を挙げると・・・
釈迦如来:のうまく さんまんだ ぼだなん ばく
阿弥陀如来:おん あみりた ていせい からうん
虚空蔵菩薩:のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん あり きゃまり ぼり そわか
など
何度も唱えているとだんだんスムーズになってきたように感じましたが、虚空蔵菩薩はどうにも難しく・・・(汗) 皆さんもぜひ唱えてみてください。
スタンプのデザインは、お堂に御本尊の梵字。阿波の国(第1番から第23番)、土佐の国(第24番から第39番)、伊予の国(第40番から第65番)、讃岐の国(第66番から第88番)で、スタンプの色が異なります。押印したら、次の方のためにインクの蓋を閉じて進みましょう。
※スタンプの設置は「成就山八十八ヶ所ウォーク」開催日のみ。
真言の例を挙げると・・・
釈迦如来:のうまく さんまんだ ぼだなん ばく
阿弥陀如来:おん あみりた ていせい からうん
虚空蔵菩薩:のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん あり きゃまり ぼり そわか
など
何度も唱えているとだんだんスムーズになってきたように感じましたが、虚空蔵菩薩はどうにも難しく・・・(汗) 皆さんもぜひ唱えてみてください。
スタンプのデザインは、お堂に御本尊の梵字。阿波の国(第1番から第23番)、土佐の国(第24番から第39番)、伊予の国(第40番から第65番)、讃岐の国(第66番から第88番)で、スタンプの色が異なります。押印したら、次の方のためにインクの蓋を閉じて進みましょう。
※スタンプの設置は「成就山八十八ヶ所ウォーク」開催日のみ。
歩きやすいなだらかな道から次第に石段が登場し、山登り気分になっていきます。
鬱蒼とした木々の道を抜けると、素晴らしい眺めが待ち受けていました! ベンチもあり、ここでちょっとひとやすみ。疲れを感じたら無理せず、休憩を取りましょう。
ここから下り、また上り、時になだらかな道となり・・・ 巡礼は続きます。
ここから下り、また上り、時になだらかな道となり・・・ 巡礼は続きます。
コースの半分を過ぎ、第48番札所 西林寺のあるあたりが頂上です。ここが標高約236メートル! 頑張って登ってきたなぁ。そしてここから下っていくと・・・
開けた道となり京都市街が一望できます。コースのなかでも、こちらが最も良い見晴らし♪ 仁和寺の五重塔(重文)や二王門(重文)も見え、まるでミニチュアのようです。桜や紅葉シーズンは、もっと素晴らしい眺めでしょうね。
第53番札所の円明寺が建つのは、なんと岩の上! 岩を登るための鎖場もあります。登山好きとしてはこんな場所を見るとわくわくし、登りながら気分も上がります。さらにお参りしたら岩を下りる・・・ のではなく、なんとお堂と岩の間にできた狭い空間を通り抜けます。通れるかな・・・ と、ちょっとドキドキ。
巡礼途中では、悲しいことに屋根がブルーシートに覆われたお堂や、崩れてしまったお堂にも出会いました。ここは山のなか、近年頻発する自然災害の影響で、お堂の破損、倒木、参道の崩落などが起こっているそうです。そこで、令和9年(2027)の成就山八十八ヶ所霊場開山200年に向けて「OMURO88プロジェクト」を発足されました。「成就山八十八ヶ所ウォーク」参加費の一部は整備費用に充てられ、段階的に整備が行われています。
また、88のお堂を擬人化したキャラクター「御室ムスメ」も誕生。かわいいキャラクター達がPRを行っているとのことで、「御室ムスメ」の公式ホームページもチェックしてみてください♪
歴史ある「御室八十八ヶ所霊場」がこれからも続いてほしいものです。
また、88のお堂を擬人化したキャラクター「御室ムスメ」も誕生。かわいいキャラクター達がPRを行っているとのことで、「御室ムスメ」の公式ホームページもチェックしてみてください♪
歴史ある「御室八十八ヶ所霊場」がこれからも続いてほしいものです。
ついに、結願!
様々な思いを胸に、ついに第88番札所 大窪寺までやってきました。最後のスタンプを押し、喜びもひとしおです。スタンプ帳を見返すと、88のスタンプがずらりと並び、かなりの達成感! 最初の方は綺麗に押していましたが、疲れからかだんだん枠からずれて・・・ これもまた良い思い出です(笑)
第88番 大窪寺を後にし、受付へ戻ります。スタッフさんに成満(最終)スタンプを押していただき終了。お供にしていた金剛杖ともお別れです。約2時間のコースですが、私達は写真を撮るなどゆっくり歩いていたので、3時間程かかりました。
スタッフさんにお話を伺うと、今回の参加者は約100名でしたが、紅葉シーズンはその倍くらいの方がお越しになるそう。巡礼中には親子連れや年配の方に出会い、幅広い層の方に親しまれているコースだと実感しました。次回の「成就山八十八ヶ所ウォーク」開催日は、10月1日(日)。気候も良く登りやすい季節となるので、ぜひ体験してみてください!
スタッフさんにお話を伺うと、今回の参加者は約100名でしたが、紅葉シーズンはその倍くらいの方がお越しになるそう。巡礼中には親子連れや年配の方に出会い、幅広い層の方に親しまれているコースだと実感しました。次回の「成就山八十八ヶ所ウォーク」開催日は、10月1日(日)。気候も良く登りやすい季節となるので、ぜひ体験してみてください!
【巡礼の思い出】こんなお堂にも出会いました!
■成就山八十八ヶ所ウォーク
【2023年開催日】10月1日(日)、11月5日(日)、12月3日(日)
【受付時間】9:00~11:00(茶所前の受付にて)
【参加費】500円、中学生以下300円、未就学児無料
【電話】075-461-1155
【アクセス】市バス「御室仁和寺」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://ninnaji.jp/hallowed_ground/
【公式X(Twitter)】https://twitter.com/Ninna_ji
※注意事項など詳細は公式ホームページでご確認ください。
⇒仁和寺のスポット情報はこちら
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⇒「京都一周トレイルⓇ」特集はこちら
※掲載内容は2023年9月19日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。