いま見ておきたい♪ 2024年「京の冬の旅」非公開文化財特別公開 おすすめコース

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冬の京都旅で見逃せない「京の冬の旅」非公開文化財特別公開(以下、京の冬の旅)。例年1月から3月にかけて、通常非公開の貴重な文化財の数々が特別公開されています。今回のテーマは、話題の大河ドラマ「光る君へ」にちなんだ「紫式部と源氏物語」、そして「辰年」にちなんだ「京の龍めぐり」。なかには「京の冬の旅」初公開も多くあります。

今回は気になるスポットをピックアップして、1日かけて巡ってみました。特別御朱印も交えながらご紹介しますので、ぜひ旅の参考にしてみてください♪

⇒「京の冬の旅」非公開文化財特別公開の詳細はこちら
※公開箇所では、靴を脱ぎ室内に上がることが多いので、厚手の靴下の着用がおすすめです。

園林堂は「京の冬の旅」初公開!
【渉成園(枳殻邸)園林堂】

  • 様々な建築・景物を楽しめる名勝庭園

    様々な建築・景物を楽しめる名勝庭園

  • 源融ゆかりの塔(供養塔)は、渉成園造営前からこの辺りに建っていたそう

    源融ゆかりの塔(供養塔)は、渉成園造営前からこの辺りに建っていたそう

  • 塩釜の手水鉢

    塩釜の手水鉢

まずは「京都駅」烏丸口から歩いて10分程、東本願寺の飛地境内地である渉成園(枳殻邸)へ。石川丈山作庭と伝わる名勝庭園が広がり、街中でありながら自然豊かな風景を見せてくれます。かつて付近には『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルのひとりといわれる源融(みなもとのとおる)の邸宅があったとされ、庭園内には源融ゆかりの塔や塩釜の手水鉢が遺ります。他にもユニークな建築や景物が随所にあり、見どころがいっぱい。
  • 園林堂 外観

    園林堂 外観

気になる「京の冬の旅」での特別公開箇所は持仏堂「園林堂(おんりんどう)」。室内には、版画家・棟方志功の襖絵44面が飾られています。普段は滅多に公開されることがない作品といいますから、じっくり鑑賞を♪ 外観は知っていたものの、こんなに貴重な作品が収められていたとは驚きです。室内は狭く、入室前に大きな荷物はロッカーへ預けます。それだけに間近で鑑賞でき、嬉しいですね。

閬風亭からの眺め

閬風亭からの眺め

園林堂へ入室するため、お隣にある明治天皇が休息された「閬風亭(ろうふうてい)」も特別公開中。先ほど歩いた庭園を、また違った角度から眺めてみましょう。室内にはお土産コーナーもあるので、チェックしてみて♪

【廬山寺】

  • 拝観受付ではキラキラ輝く紫式部像がお出迎え。撮影可能なので、記念にどうぞ♪

    拝観受付ではキラキラ輝く紫式部像がお出迎え。撮影可能なので、記念にどうぞ♪

渉成園を後にしたら、市バス「河原町正面」バス停(Google map)から205または4または17系統に乗車し約15分、「府立医大病院前」バス停(Google map)で降り、廬山寺を訪ねましょう。渉成園に続き、こちらも「紫式部と源氏物語」ゆかりの地で知られるスポットです。
この辺りが大河ドラマの主人公・紫式部の邸宅跡と伝わることから、物語の世界を現した「源氏の庭」があります。夏頃には桔梗が咲き誇りますが、現在は冬のたたずまい。よく見ると、お庭の木に黄色い実が成っていました。ガイドさんのご案内によれば、これは橘の木。本堂は仙洞御所から移築されたもので、御所と同じように“右近の橘”が植えられているそうです。この時季に訪れたからこその、新たな発見でした。
  • 住吉廣尚筆「若紫」

    住吉廣尚筆「若紫」

  • 「若紫」の特別御朱印 800円

    「若紫」の特別御朱印 800円

  • 「京の冬の旅」では元三大師(がんざんだいし)堂が特別公開され、明智光秀の念持仏・地蔵菩薩像(写真)などがご覧いただけます

    「京の冬の旅」では元三大師(がんざんだいし)堂が特別公開され、明智光秀の念持仏・地蔵菩薩像(写真)などがご覧いただけます

本堂内では、江戸時代の住吉派の絵師による「若紫」「絵合(えあわせ)」の掛け軸、「源氏物語屏風」のほか、「京の冬の旅」期間中は与謝野晶子自筆の和歌集「源氏物語礼賛」の特別展示も。様々な作品を通して、源氏物語の世界にどっぷり浸ることができます。お参り後は「若紫」の特別御朱印を拝受してみてはいかがでしょう。

※2024年2月1日(木)から9日(金)、3月3日(日)は拝観休止

廬山寺を出たらお腹が空いてきました・・・ 時計を見ると、ちょうどお昼頃。寺町通を北へ歩き、出町枡形商店街でランチタイムをすることに。商店街には洋食レストランやカフェ、鯖寿司が味わえるお店などがあり、ひとやすみにぴったりです。

お腹が満たされたら、徒歩10分程の場所にある相国寺へ向かいます。
  • 相国寺の広い境内には案内板が設置されているので安心♪

    相国寺の広い境内には案内板が設置されているので安心♪

  • 相国寺 法堂

    相国寺 法堂

  • 境内を歩くと、縁起の良い南天をみつけました

    境内を歩くと、縁起の良い南天をみつけました

相国寺は、世界遺産・金閣寺と銀閣寺を塔頭に有する臨済宗相国寺派の大本山。方丈や法堂など伽藍群の周りには12の塔頭寺院がありますが、通常非公開のため拝観できません。今回は慈雲院光源院が初公開されることになり、公開箇所のなかでも特に楽しみにしていました! 境内の案内板をチェックして、まずは慈雲院を訪ねます。

「京の冬の旅」初公開!
【相国寺 慈雲院】

  • 本堂南庭

    本堂南庭

相国寺北門を出て少し歩くと、住宅街にたたずむ慈雲院に到着。「動植綵絵」で有名な天才絵師・伊藤若冲の才能を見出したという梅荘顕常(ばいそうけんじょう/大典禅師)ゆかりのお寺です。
  • 板戸の「虎図」

    板戸の「虎図」

  • 御本尊・釈迦如来像を祀る本堂

    御本尊・釈迦如来像を祀る本堂

本堂では、貴重な寺宝を特別展示。東福寺の「大涅槃図」の作者として有名な絵師・明兆筆と伝わる「涅槃図」をはじめ、「釈迦三尊像」「松鶴図」といった掛け軸が楽しめます。そのほか、江戸時代後期の絵師・岸連山(きしれんざん)が描いたという虎の板戸も見どころ。写真では伝わりづらいですが、間近にすると、確かに虎や松が描かれていました。かつてはどんな絵だったのか・・・ 想像が膨らみますね。拝観受付付近には左甚五郎(ひだりじんごろう)作と伝わる精巧な欄間彫刻があるので、お見逃しなく!

切り絵御朱印 2枚セット 2,000円

切り絵御朱印 2枚セット 2,000円

特別公開にあわせて、お寺では書置き2種、切り絵4種の御朱印をご用意。切り絵御朱印は1枚から拝受できますが、少しお求めやすくなるため2枚セットがおすすめです。

「京の冬の旅」初公開!
【相国寺 光源院】

  • 襖絵「春」。桜の木には七福神が隠れていて、地上の花嫁行列を見守っているそう♪

    襖絵「春」。桜の木には七福神が隠れていて、地上の花嫁行列を見守っているそう♪

  • 本堂の室中では、十二支が描かれた襖絵を見ることができます

    本堂の室中では、十二支が描かれた襖絵を見ることができます

最後は、室町幕府13代将軍・足利義輝の菩提寺・光源院へ。本堂に入ると、4面にわたり桜が描かれた襖絵「春」が飾られ、外の寒さから一変、ぐんと暖かな春の心地に♪ 2021年に画家・加藤晋さんが奉納したもので、襖絵「夏秋冬」も公開中。絵の中には『桃太郎』『鶴の恩返し』といった日本昔話に登場する人物や動物がたくさん隠れています。じっくり見ていたら「あ、ここにも!」と、思わず声が漏れていました♪
  • 十二支の庭

    十二支の庭

  • 右がネズミで、左の三角形の石はチーズに見立てているそう

    右がネズミで、左の三角形の石はチーズに見立てているそう

  • 解説図

    解説図

楽しい発見は本堂の外にも。「十二支の庭」と名付けられたお庭があり、配された石は“十二支”に見立てているそう。解説図と照らし合わせてみると、確かにそう見えてくるのが不思議です。私の干支・ネズミを探してみたら・・・ 真ん中の小さな石でした。隣の三角形の石は、ネズミの好物とされるチーズなのだとか! なんとも微笑ましい光景です。

神變大菩薩(役行者)像

神變大菩薩(役行者)像

本堂だけでなく行者堂も特別公開されています。様々な仏像が安置されるなか、修験道の祖・神變大菩薩(じんぺんだいぼさつ)像は特に圧巻! 通常非公開の仏像だからこそ、彩色も多く残ります。貴重な仏像を間近にできるのは「京の冬の旅」ならではですね。

※2024年1月21日(日)から拝観を休止していましたが、2月2日(金)より再開。また新たに3月3日(日)は拝観休止日となりました。
  • 御朱印(300円※書置きのみ)は5種類あります

    御朱印(300円※書置きのみ)は5種類あります

\あわせて楽しもう!/
「京の冬の旅」スタンプラリーで、ちょっと一服

「京の冬の旅」を巡るなら、スタンプラリーも一緒に楽しむのがおすすめ! 公開箇所のなかから3箇所を拝観してスタンプを集めると、お好みの接待箇所で“ちょっと一服(お茶とお菓子など)”の特典が受けられます。接待箇所は京都市内各地の公開箇所近くにあり、気軽に立ち寄ることができます。

※スタンプラリー用紙はJR京都駅ビル2階の「京都総合観光案内所〈京なび〉」または各公開箇所受付で配布されています。
  • お茶とお菓子

    お茶とお菓子

  • SASAYAIORI+ 京都御苑

    SASAYAIORI+ 京都御苑

相国寺 光源院が最後の拝観となったので、お寺の前の参道をまっすぐ南へ歩き京都御苑へ。今出川御門をくぐり、京菓子の老舗・笹屋伊織が営むSASAYAIORI+ 京都御苑で“ちょっと一服”を利用することにしました。温かなお茶とお菓子をいただき、気分もほっこり♪ 1日を振り返りながら、ひとやすみしました。

⇒「京の冬の旅」スタンプラリーの詳細はこちら

相国寺 法堂の天井に描かれる「蟠龍図」

相国寺 法堂の天井に描かれる「蟠龍図」

今回、相国寺では初公開の塔頭に注目しましたが、法堂・方丈も特別公開箇所となっています。「辰年にちなんだお寺も訪ねたい!」という方は、ぜひ法堂の天井画「蟠龍図」をご覧ください。期間限定の特別御朱印も用意されているそうですよ♪

各公開箇所ではガイドさんのわかりやすいご案内もあり、知識が深まります。京都にはまだあまり知られていないお寺や文化財がたくさん。皆さんもぜひ「京の冬の旅」を巡り、新たな京都発見をお楽しみください。

※特別な許可を得て撮影しています。ご紹介した公開箇所の建物内は、一部を除き撮影禁止です。
※公開箇所によって拝観休止日や拝観できない時間帯があります。事前に公式ホームページをご確認ください。

\EXサービス会員の皆様へ/
⇒「京の冬の旅」をめぐる、おすすめ旅行商品をチェック!
※掲載内容は2024年1月24日時点の情報です。

Written by. 「そう京」編集部

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