風が運ぶ涼の音! 風鈴飾りが人気の京都の社寺5選

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平安神宮

平安神宮

近年、初夏から夏にかけて、神社やお寺で涼やかな音色が響き渡っています。音だけでなく見た目も涼し気な風鈴です。そもそも風鈴の起源は、お堂などの軒の隅に取り付けられた風鐸(ふうたく)とされ、音が届く範囲は、災いが起こらないとされたそう。起源を知ると、神社やお寺の境内に風鈴が飾り付けられるのも、なるほど納得です。京都で訪れたい、風鈴の名所を5つご紹介します。

【正寿院】風鈴飾りの元祖ともいえるお寺

「風鈴寺」の名でも知られるのが、宇治田原町の山あいに佇む正寿院。ハート形の猪目窓や鮮やかに彩られた天井画が、SNSを中心に人気ですが、例年、初夏から初秋にかけて行われる「風鈴まつり」も話題を集めています。
「風鈴まつり」が始まったのは平成24年(2012)のこと。今では、約2,000の風鈴が涼やかな音を運びますが、じっくり眺めてみると、彩りだけでなく造花や水引が施されたものなど、形状も様々。見ているだけで楽しくなってきます。

また、風鈴の絵付け体験(1,600円・事前予約不要)では、完成したものをご自宅に持ち帰ることができるので、夏の思い出にひとついかがでしょうか。

■風鈴まつり(正寿院)
【日程】2024年6月1日(土)~9月30日(月)※8月17日(土)は拝観休止
    9:00~16:30(受付終了16:15)
【料金】800円(お菓子付)
【問合せ】0774-88-3601
【アクセス】平日:京都京阪バス「維中前」バス停からタクシーで約10分、土日祝:京都京阪バス「奥山田正寿院口」バス停から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】http://shoujuin.boo.jp/
【公式Facebook】https://www.facebook.com/syoujuin28/

【松尾大社】コロナ禍に始められた風鈴飾り

お酒の神様として知られる松尾大社では、9月1日(日)まで、「風鈴祈願~招福除災の音~」を開催。今年(2024)は800ほどの風鈴が、手水舎を中心に境内数か所に飾られています。
授与所に並べられている短冊に願い事をしたため初穂料(500円)を納めると、後日(またはその日のうちに)、神職さんが風鈴に短冊を添えてくれます。風鈴が風に揺れ、音色とともにお願い事を神様に届けてくれるのだとか♪
風鈴飾りが始まったのは、折しもコロナ禍真っ只中の令和2年(2020)のこと。感染拡大防止のため、参拝者が本殿正面に付けられた鈴を鳴らせないように「鈴の緒」を取りはずしたことに起因します。鈴を鳴らせなくなった代わりに、手を清める際に清らかな音を感じて心を静めてもらいたい、という思いから始められたそう。現在は、本殿の鈴も鳴らせますが、風鈴祈願も評判となったため、毎年の恒例行事として行われ続けています。
 
■風鈴祈願 招福除災の音(松尾大社)
【日程】2024年6月1日(土)~9月1日(日)
    9:00~16:00
【料金】境内無料、庭園・神像館500円
【電話】075-871-5016
【アクセス】市バス「松尾大社前」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://www.matsunoo.or.jp/

【平安神宮】朱色の社殿に彩りと音色が映える

令和4年(2022)より、「七夕風鈴まつり」が開催されている平安神宮。本殿西側の回廊と神苑内の栖鳳池に架かる泰平閣(橋殿)で、風鈴の飾り付けが行われています。とりわけ注目が、回廊に吊るされた風鈴の“密集度”。広大な本殿エリアに風が吹き込むと、少し離れた場所からも涼やかな音色を耳にできます♪
こちらでは神苑入口の参拝受付で短冊(300円)を手に入れて、願い事をしたためることが可能。回廊か泰平閣のいずれかに吊るされている、まだ短冊がつけられていないお好みの風鈴に自らで飾りつけすることができます。
平安神宮では、“映え”を狙った撮影ができるのがポイント。とりわけ朱色の回廊とのコントラストはお見事で、つい何枚もシャッターを切ってしまいそう。
泰平閣は腰掛があるので、特に風が吹く日は、心地良い風を浴びながらゆったりと風鈴の音色に耳を傾けられ、つい時間がたつのも忘れてしまいそうです。
 
■七夕風鈴まつり(平安神宮)
【日程】2024年6月22日(土)~8月31日(土)
    8:30~17:30
【料金】境内無料、神苑600円
【電話】075-761-0221
【アクセス】市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」バス停から徒歩約5分、地下鉄東西線「東山駅」から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】https://www.heianjingu.or.jp/

【三十三間堂】観音様と御縁を結びましょう

境内の整備が進められる三十三間堂。令和3年(2021)に改修を終えて蘇ったお庭の東側に延びる回廊では、昨年(2023)の夏より「奉納風鈴」が始められ、今年は7月1日(月)から開催されています。「奉納」とあるだけに、1人でも多くの参拝者にご参加いただくことで、境内により涼し気な音色が響き渡ることとなります。
  • 何気なく一番手前に置かれた風鈴を手に取ったところ、なんだか風鈴らしいお名前♪

    何気なく一番手前に置かれた風鈴を手に取ったところ、なんだか風鈴らしいお名前♪

風鈴を奉納するには、まずは本堂に併設されているお守り授与所に行き、ランダムで並べられた短冊付きの風鈴の中から一つを選んで、1,000円を納めましょう。その後、短冊に願い事を書き、奉納場所である回廊に風鈴を吊るしに行くという流れに。
短冊に目をやると、右上に見慣れない文字… ピンッときた方もいらっしゃるでしょう。こちらは本堂に祀られる圧巻の1,001躯の観音様のうちの1躯のお名前なのです。ということで風鈴は、1,001個限定となるのですが、1,000を超えるなかから受け取った仏様とはご縁を感じずにはいられませんよね。本堂の入口にある下駄箱には、「観音像検索システム」があり“仏像の森”とも形容される本堂の「どこにどの仏様が祀られているか」を知ることができます。ぜひ探し出してみましょう。
 
※風鈴および短冊はランダムで授与されます。観音様を指定することはできません。
 
■奉納風鈴(三十三間堂)
【日程】2024年7月1日(月)~8月31日(土)
    8:30~17:00(受付終了16:30)
【料金】600円、奉納風鈴1,000円
【電話】075-561-0467
【アクセス】市バス「博物館三十三間堂前」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://www.sanjusangendo.jp/

【東光院】風鈴と〇〇のコラボが鮮やか♪

最後にご紹介するのは、京都府の北部地域となる綾部市に位置する東光院。白鳳2年(673)に創建されたという古い歴史をもつ真言宗のお寺です。お隣の福知山市にある観音寺とともに、紫陽花の名所として有名ですが、近年では“映える”お寺としても注目を集めています。
梅雨から夏にかけての人気イベントが、平成29年(2017)から開始された「風鈴祭り」。例年6月は、第一部として「あじさい風鈴祭り」を開催。1,000個の風鈴と2,500株の紫陽花の競演が見ものです。
7月中旬から開始となるのが、第二部の「風鈴とかざぐるま」です(今年は今週末の13日からスタート!)。境内に飾られる風車は過去最高の約1,500個! 風鈴も風車も、年々増殖中なのだとか(笑) なんとも夏らしい光景ですよね。
そして、境内に響くのは、風鈴の音色だけではありません。磨きあげられた机に、風鈴と風車が綺麗に響き渡るのです♪ せっかく訪れたなら、写真撮影もじっくり楽しんでみましょう。
 
■風鈴まつり(東光院)
【日程】あじさい風鈴祭り:2024年6月1日(土)~30日(日)
    風鈴とかざぐるま:2024年7月13日(土)~9月1日(日)
    ※8月14日(水)~16日(金)は拝観休止
    9:30~16:30(受付終了16:00)
【料金】300円
【電話】0773-42-2432
【アクセス】JR山陰本線「綾部駅」からタクシーで約7分 Google map
【公式ホームページ】https://www.tambatokoin.com/
※掲載内容は2024年7月10日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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