神社やお寺で“祇園祭ゆかりの御朱印”を集めよう

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梛神社 御朱印

梛神社 御朱印

7月1日から1ヵ月を通して行われる祇園祭。見どころはたくさんありますが、最近は各山鉾でいただける御朱印集めを楽しんでいらっしゃる方も多いようです。じつは、神社やお寺でも祇園祭に関連した御朱印をいただけるのをご存じでしょうか。ゆかりとともに、魅力的な御朱印をご紹介します。

八坂神社「御霊会朱印」

西楼門(重文)

西楼門(重文)

祇園祭は平安時代より受け継がれてきた八坂神社の祭礼です。都に蔓延した疫病を鎮めるために行われた「御霊会」が起源で、町衆の力とともに大きく発展してきました。山鉾巡行や宵山の華やかさに注目が集まりがちですが、ひとつひとつの行事に注目すると、神事であることがよく分かります。
 
  • 御霊会朱印(書置きのみ)500円 ※数量限定。なくなり次第、授与終了

    御霊会朱印(書置きのみ)500円 ※数量限定。なくなり次第、授与終了

  • 疫神社(重文)

    疫神社(重文)

お参りの記念におすすめしたいのが、祇園祭限定の「御霊会朱印」です。山鉾巡行の様子が描かれるとともに、左端には「蘇民将来子孫也(そみんしょうらいのしそんなり)」と書かれています。
 
これは、八坂神社の主祭神である素戔嗚尊(すさのをのみこと)と蘇民将来の心温まるエピソードが由来。ある夜、素戔嗚尊が宿を求めて蘇民将来を訪ねたところ、蘇民将来は貧しい暮らしぶりにも関わらず、精一杯のもてなしをしたそう。その心遣いに感謝した素戔嗚尊は、「蘇民将来子孫也」の名のもとに茅の輪を身に着ければ無病息災でいられると約束しました。
 
境内には蘇民将来を祀る疫神社がありますので、あわせてお参りを。
  • 時計台

    時計台

  • 長刀鉾の鉾頭

    長刀鉾の鉾頭

お参りの際に、チェックしていただきたいものがもうひとつ。本殿の正面にある舞殿の南東に長刀鉾をモチーフにした時計台があります。昔は正午になると祇園囃子が流れていたそうです。今はスマートフォンで時間を確認する方が多く、気づいていない人が多いかもしれません。ちょこんと控え目に長刀鉾の鉾頭が付けられているので、ご覧になってくださいね。
 

神泉苑「御霊会」御朱印

  • 大鳥居

    大鳥居

  • 法成就池

    法成就池

八坂神社と同じく「御霊会」の御朱印を授与されているのが神泉苑です。かつて平安京遷都の折に、桓武天皇によって造られた禁苑(天皇のためのお庭)で、大池を有する風光明媚な場所でした。大池は「法成就池」といい、長い歴史のなかで、さまざまな祈祷の場になっています。
 
じつは祇園祭もそのひとつ。貞観11年(869) 6月、朝廷は日本国中の災いを治めるため、当時の国の数と同じ66本の矛を立て、祇園社(現在の八坂神社)より神輿を渡御させ、「御霊会」を執り行いました。神泉苑は祇園祭発祥の地であるため、2022年から祇園祭に使用する御神水を八坂神社と合同で祈祷するなど、ご縁が続いています。
 
※「御神水交換式」は2024年7月14日(日)10時30分より行われます。

「御霊会」御朱印 400円

「御霊会」御朱印 400円

「御霊会」御朱印は、記帳、書置き、どちらも対応いただけます。墨文字が定番ですが、神泉苑では華やかな金色の墨で記帳をお願いすることも可能です(600円)。どちらにしようか迷ってしまいますね。

御朱印に押されたハンコにも注目を。66本の矛を立てた由来にちなみ、上部に剣鉾のイラストが押印されています。神泉苑には明治に造られた3本の剣鉾があり、そのうち「金鵄(きんし)剣鉾」の鉾頭をデザインしているそうです。3本の剣鉾は、毎年5月2日から4日の3日間に行われる神泉苑祭に飾られます。
 

元祇園 梛神社「元祇園もうで」特別御朱印

元祇園 梛神社は阪急京都線「大宮駅」から徒歩5分ほどの場所にあります。気になるのは、やはり「元祇園」という呼び名。由緒を紐解くと、播磨国広峰より祇園社にご祭神を勧請する際、かつて梛神社の地にあった「梛の森」にひとまず祀られたそうです。梛神社のご祭神が八坂神社と同じ素戔嗚尊であることからも、ご縁が伺えます。

「元祇園もうで」特別御朱印 500円

「元祇園もうで」特別御朱印 500円

その由緒を広く知っていただこうと、7月いっぱい行われているのが“元衹園もうで”。特別御朱印は期間中限定でいただけるのですが、なんと宮司さんみずから記帳してくださいます。

毎日、ご祭神に奉仕されている宮司さんから授与いただけると思うと、ありがたさもひとしお。不在の時は、宮司さんが書いた書置き御朱印をいただけます。
  • 神職手作り茅の輪 800円

    神職手作り茅の輪 800円

  • 左:茅の輪(800円)、中央:茅の輪守り(1,000円)、右:特別御守(1,000円)

    左:茅の輪(800円)、中央:茅の輪守り(1,000円)、右:特別御守(1,000円)

  • お札 500円

    お札 500円

“元衹園もうで”期間中の授与品もご紹介しましょう。特におすすめしたいのが、宮司さんお手製の茅の輪。「蘇民将来子孫也」のご利益は先ほどご紹介した通りですが、この茅の輪は本物の茅(ちがや)で作られているのが特徴。作る手間ももちろんながら、数日経つと茅の色が変わってしまうため、少量ずつしか授与所に並べられないそうです。お参りのときに出合えたら、チャンスを逃さないでくださいね。ほかにも、御守やお札など、“元衹園もうで”だけの授与品が充実しています。
  • 切り絵御朱印 1,500円(セットの場合3,000円)

    切り絵御朱印 1,500円(セットの場合3,000円)

いま人気の切り絵御朱印もあります。一乗寺にある八大神社とのコラボ企画で、繋げると素戔嗚尊が退治したヤマタノオロチが出現! 八大神社は八坂神社や梛神社と同じく素戔嗚尊を祀り、“北の祇園社”ともいわれるご縁からコラボが実現したそうです。7月1日より両神社で授与を開始し、なくなり次第終了となりますので、気になる方はお早めに。
 
■元祇園 梛神社
【参拝時間】境内自由、授与所9:00~17:00
【参拝料】無料
【電話】075-841-4069
【アクセス】市バス「壬生寺道」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://motogion-nagijinja.or.jp/

宝蔵寺「鷹山復興記念紙朱印」

裏寺町にある宝蔵寺は、江戸時代の絵師、伊藤若冲が家族の菩提を弔ったお寺として知られています。2016年に生誕300年を記念して、若冲の作品『旭日鳳凰図』が長刀鉾の見送りに採用されましたが、お寺と祇園祭の関係は何かというと…

鷹山復興記念紙朱印(書置きのみ)1,000円 ※数量限定。なくなり次第、授与終了

鷹山復興記念紙朱印(書置きのみ)1,000円 ※数量限定。なくなり次第、授与終了

お寺の檀家さんに鷹山の関係者がいらっしゃるご縁で、祇園祭創始1150年を迎えた令和元年(2019)より鷹山のイラストをあしらった御朱印の授与を始められたそうです。目的は鷹山の支援です。当時は休み山の鷹山が巡行への復帰を目指していた段階。2022年に晴れて巡行復帰を果たしたものの、まだまだ完全復活への道のりは遠いため、引き続き、御朱印の収益を全額寄付する形で支援を続けていらっしゃいます。
 
毎年、デザインが変わるのもポイント。昨年(2023)、鷹山の3体のご神体の衣装が新調されたことにちなんで、今回はご神体がメインに扱われています。ちょうど、山鉾が建ち並ぶエリアと八坂神社の中間あたりにお寺がありますので、ぜひお参りしてください♪
 
※「鷹山復興記念紙朱印」は7月限定の授与です。7月16日(火)、22日(月)、29日(月)は拝観休止日のため、御朱印をいただけません。15日は月曜日ですが授与いただけます。
 
■宝蔵寺
【拝観時間】10:00~16:00 ※境内のみ
【拝観休止日】月曜
【拝観料】無料
【アクセス】市バス「四条河原町」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】https://www.houzou-ji.jp/
※掲載内容は2024年7月12日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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