楽しみ方いろいろ! ジャンル別・おすすめ京町家5選

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大西常商店

大西常商店

2025年初夏の「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンは、「初夏のしつらえ」をテーマにお届けしています。“しつらえ”とは季節の移り変わりに応じて日々の暮らしを整えること。京都では、とくに京町家で室内を彩る工夫が感じられます。
 
今回は「見学」「食」「体験」「アート」「宿泊」という5つのジャンルにわけて、魅力あふれる京町家をご紹介。京都らしい風情ある空間を楽しんでみませんか。
 

見学する×京町家「杉本家住宅」

外観

外観

「そうだ 京都、行こう。」2025年初夏のキャンペーンCMに登場する杉本家住宅は京都市内最大級の規模を誇る京町家です。江戸時代以来の大店(おおだな)の典型的な造りを今に伝え、平成22年(2010)に建物が国の重要文化財に、翌年にお庭が国の名勝に指定されました。
 
建物の維持保存を目的に定期的に公開され、座敷やお庭、台所などを見学できます。

俵屋宗達筆『秋草図八曲屏風』(重要文化財)※7月14日から16日のみ公開

俵屋宗達筆『秋草図八曲屏風』(重要文化財)※7月14日から16日のみ公開

7月は毎年恒例の「祇園祭 屏風飾り」を開催。杉本家住宅は前祭の伯牙山のお飾り場としても知られ、祇園祭に大変ゆかりの深い場所です。
 
所蔵品のなかには『風神雷神図』でお馴染みの俵屋宗達筆の屏風絵もあり、杉本家住宅の歴史にあらためて驚かされます。何より特別なのは、ガラスケース越しではなく、築150年以上の京町家の座敷で屏風本来の姿を楽しめること。毎年、飾る場所が異なるため、光の加減や見る角度によって、何度訪れても新しい発見があります。
 
⇒一般公開「祇園祭 屏風飾り」の詳細はこちら
※7月14日(月)~16日(水)は予約優先制です
※見学の際は靴下の着用が必要です(ストッキング不可)
  • 御守り申す 2,300円

    御守り申す 2,300円

  • グッズのモデルになった、おさるさんの像が今も大切に飾られています

    グッズのモデルになった、おさるさんの像が今も大切に飾られています

  • ほうじ茶のティーバッグ(4袋入)500円、和紅茶のティーバッグ(3袋入)500円

    ほうじ茶のティーバッグ(4袋入)500円、和紅茶のティーバッグ(3袋入)500円

  • エコバッグ 各1,500円

    エコバッグ 各1,500円

お帰りの前に、ぜひご覧いただきたいのがオリジナルグッズです。
 
「御守り申す」は中に邪鬼除けの小豆が入れられた、ふんわり優しい手触りの御守り。おさるさんのモデルは江戸後期に活躍した京都の名工 欽古堂亀祐が手掛けた像で、杉本家住宅では“災いがサル”ようにと、鬼門の方角にあたるおくどさんに祀っていたそうです。今はグッズ売り場でお客様を優しく見守っています。
 
他にも、6代目夫人おさえさんの実家とのご縁で作られたティーバッグのパッケージには、襖の引手の飾り金具がモチーフに使われるなど、デザインが秀逸で素敵なものばかり!
 
売上は京町家の保全に充てられますので、応援の気持ちも込めてお土産にいかがでしょう。

『時代菊図六曲屏風』

『時代菊図六曲屏風』

さて、ここで「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンにあわせた嬉しいお知らせを。2025年7月5日(土)限定で、EX会員向けに貸切見学会が行われます。普段の一般公開ではボランティアガイドさんによる解説が聞けますが、本プランでは十代目当主の杉本節子さんみずからご案内くださいます。冷たい宇治茶の振る舞いもあり、夏のしつらえのなか、ゆっくりと過ごせますよ。
 
 
\ほうじ茶・和紅茶のティーバッグ各1個付き!/

【開館時間】公開時期によって異なります
【料金】催しによって異なります
【電話番号】075-344-5724
【アクセス】地下鉄烏丸線「四条駅」・阪急京都線「烏丸駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://www.sugimotoke.or.jp/

食べる×京町家「BONSAI 1877」

  • 暖簾の左側の通路を通って、お店に入ります

    暖簾の左側の通路を通って、お店に入ります

  • 通路途中に入口があります。照明が入口の目印です

    通路途中に入口があります。照明が入口の目印です

2024年9月、烏丸御池にオープンしたBONSAI 1877は、明治10年(1877)築の京町家をリノベーションしたトラットリアです。もともと京友禅の下絵師の工房兼居宅で、間口が狭く奥に長い、いわゆる「うなぎの寝床」の造りになっています。
  • 坪庭の奥に8名席の個室があります

    坪庭の奥に8名席の個室があります

  • 落ち着いた雰囲気の2階席

    落ち着いた雰囲気の2階席

  • 2階ソファー席からは、立派な梁が見えます

    2階ソファー席からは、立派な梁が見えます

  • バーカウンター

    バーカウンター

京都の“盆地”、お料理を運ぶ“お盆”から着想を得たという店名は、漢字で書くと「盆彩」。その名の通り、さまざまなシーンで利用できそうな彩り豊かな空間が広がります。おすすめは坪庭の奥にある個室。8名で貸切も可能で、自然をそばに感じながら特別なひととき過ごせそうです。ほかにも、京町家の雰囲気を感じられる2階席やひとりでも利用しやすいバーカウンターなど、それぞれが魅力的。
  • ヴェルドゥーレ 2,200円

    ヴェルドゥーレ 2,200円

  • 1階にはピッツァを作る様子が見られるテーブル席もあります

    1階にはピッツァを作る様子が見られるテーブル席もあります

  • ランチメニュー 淡路牛ハンバーグステーキ 1,950円

    ランチメニュー 淡路牛ハンバーグステーキ 1,950円

  • ランチメニュー 本日のパスタランチ 1,750円

    ランチメニュー 本日のパスタランチ 1,750円

肝心のお料理はというと、ぜひ召し上がっていただきたいのがピッツァ。店内に薪窯があり、焼き立てを食べられます。イチ推しの「ヴェルドゥーレ」は京都ならではの食材を焼いたり、揚げたりした野菜づくしの一枚。常時10種類ほどのピッツァメニューがあり、ランチの際は通常メニューに加えて、ピッツァを注文する方が多いそうです。複数人でシェアして、いろいろな味を試したくなりますね。
 
■BONSAI1877
【営業時間】ランチ11:00~15:00(ラストオーダー14:00)、ディナー17:00~23:00(ラストオーダー22:00)
【定休日】不定休
【電話】075-255-1230
【アクセス】地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://bonsai1877.jp/

体験する×京町家「大西常商店」

京都には伝統工芸の体験ができるスポットがたくさんありますが、京町家の雰囲気にどっぷり浸りながらの体験なら京扇子の老舗 大西常商店へ。建物は築150年以上になる昔ながらの職住一体型の造りで、通りに面した店の間で京扇子を販売してします。

体験が行われるのは店舗の奥にある座敷。坪庭を望む風情ある空間は身を置くだけで心が洗われるようです。大西常商店では扇子の魅力発信を目的に、絵付けと投扇興、2種類の体験コースを用意しています。
  • ぬりえで楽しむ絵付け体験 3,500円

    ぬりえで楽しむ絵付け体験 3,500円

  • デザインは6種類から選べます

    デザインは6種類から選べます

  • 四代目の大西里枝さんはじめ、お店の方が丁寧に指導してくださいます

    四代目の大西里枝さんはじめ、お店の方が丁寧に指導してくださいます

  • 職人さんが扇子に仕立て、約1ヵ月後に手元に届きます(送料350円)

    職人さんが扇子に仕立て、約1ヵ月後に手元に届きます(送料350円)

おすすめは絵付けプラン。花菱、ひょうたん、葵、宝づくし、竹雀、正倉院花紋の6種類から下絵を選び、ぬり絵感覚で彩色を。見本もありますので、どなたでも気軽にチャレンジできます。

座敷を吹き抜ける風を感じながら約1時間。静かな空間で過ごすひとときは、何よりの思い出になりそうです。
 
 
■大西常商店
【営業時間】10:00~18:00
【定休日】無休 ※9月~3月は日曜、祝日休み
【電話】075-351-1156
【アクセス】地下鉄烏丸線「四条駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://www.ohnishitune.com/

アート×京町家「半兵衛麸 お辨當箱博物館」

京町家の入口は川端通から1本東の問屋町通沿いにあります

京町家の入口は川端通から1本東の問屋町通沿いにあります

五条大橋の東にある半兵衛麸は元禄2年(1689)創業のお麸とゆばの専門店です。敷地内には築約120年の京町家、麸とゆばのお料理がいただける洋館、ショップやカフェが入る3階建ての「五条ビル」、なま麸・ゆば工場という4つの建物があり、中庭を通じて行き来できるようになっています。
  • お辨當箱博物館の展示風景。後ろに屏風が飾られています

    お辨當箱博物館の展示風景。後ろに屏風が飾られています

  • 屏風絵の左隅にお弁当箱が描かれています

    屏風絵の左隅にお弁当箱が描かれています

アートという観点からご紹介したいのが、京町家の中にあるお辨當箱博物館。江戸時代から近代のお弁当箱に特化した珍しい展示で、主に9代目と11代目が蒐集した300を超える貴重なコレクションのうち常時60点ほどが並びます。特筆すべきは蒔絵と螺鈿の美しさ。いずれも手の込んだ豪華な造りで、どんな人がどんな場面で使っていたのか想像するだけで楽しくなります。
 
もともと、漆のお弁当箱は公家や武家を中心に愛用されていましたが、江戸時代になると裕福な商人たちも競ってオリジナリティあふれるものを発注したそうです。展示室には当時の風俗を描いた屏風絵や掛け軸もあわせて飾られ、その様子を伺い知ることができます。
  • 蛍狩弁当

    蛍狩弁当

  • 鋲でホタルを表現しています

    鋲でホタルを表現しています

  • 涼し気な竹製のお弁当箱も。現代でも通用する、おしゃれなデザインです

    涼し気な竹製のお弁当箱も。現代でも通用する、おしゃれなデザインです

猛暑が続く現代とは違い、昔は夏もお弁当箱を持って行楽に出かけていました。
 
「蛍狩弁当」の写真をご覧いただくと、点々と小さく光っているのが分かるでしょうか。これは川面に遊ぶホタルを鋲で表現しているのだとか! 風流で粋な工芸美に見惚れてしまいます。
  • 釜の形をしたお弁当箱

    釜の形をしたお弁当箱

  • ふたを取ると、お皿が出てきます ※特別に撮影させていただきました

    ふたを取ると、お皿が出てきます ※特別に撮影させていただきました

  • お公家さんが使用した、きらびやかなお弁当箱も展示されています。横に酒器を収納できるスタイル

    お公家さんが使用した、きらびやかなお弁当箱も展示されています。横に酒器を収納できるスタイル

  • 展示風景

    展示風景

一見するとお弁当箱と分からないようなものも。茶釜を模したお弁当箱は重そうに見えますが、じつは木で作られていて、蓋はお皿に、胴の部分は盛り付け用の器になっています。あっと驚く仕掛けに、当時の人も盛り上がったに違いありません。
  • 季節によってしつらえが変わります。夏のしつらえは9月末まで

    季節によってしつらえが変わります。夏のしつらえは9月末まで

  • お辨當箱博物館へ続く通路には、おくどさんがあります

    お辨當箱博物館へ続く通路には、おくどさんがあります

  • おくどさんの守り神、布袋さんの伏見人形

    おくどさんの守り神、布袋さんの伏見人形

京町家の入口では座敷もご覧いただけます。6月末からは障子をよしず障子に替え、畳に網代が敷かれた夏のしつらえになり、見ているだけで涼やかな気持ちに。お辨當箱博物館のある京町家はどなたでも無料で鑑賞できますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
 
■半兵衛麸 お辨當箱博物館
【開館時間】10:00~17:00(最終入場16:30)
【休館日】水曜日
【料金】無料
【電話番号】075-525-0008
【アクセス】京阪本線「清水五条駅」すぐ Google map
【公式ホームページ】https://www.hanbey.co.jp/

泊まる×京町家「京の温所 麩屋町二条」

外観

外観

京町家を楽しむなら、宿泊という選択肢もあります。京の温所は、京都に本社をおくワコールが2018年よりはじめた社会課題解決事業で、京都市内に京町家一棟貸しスタイルの宿泊施設を7ヵ所展開しています。それぞれ個性あるスタイリッシュな空間にリノベーションされているのですが、京の温所 麩屋町二条は約150年前の京町家の間取りや雰囲気が存分にいかされているのが特徴です。
  • 壁一面にあざやかな唐紙が貼られています

    壁一面にあざやかな唐紙が貼られています

  • 茶室としても利用できる和室

    茶室としても利用できる和室

  • 雪見障子が美しい

    雪見障子が美しい

2階は寝室、1階にはキッチン&ダイニング、和室が2部屋、お風呂と洗面、お庭があります。印象的なのは茶室風のお部屋。畳に炉が切られ、にじり口も設けられているため茶室として利用も可能です。
  • 寝室

    寝室

  • 和室の床の間。風格ある床柱

    和室の床の間。風格ある床柱

  • おくどさん

    おくどさん

ほかにも、約150年前の立派な梁や床柱がいかされていたり、キッチンにおくどさんが遺されていたりと、伝統的な京町家の風情をたっぷりと感じられます。最大8名で利用すれば、ひとりあたりの宿泊料は比較的リーズナブル。あこがれの京町家ステイを楽しんでみて。
 
■京の温所 麩屋町二条
【利用人数】1~8名
【料金】1泊1棟あたり81,900円~ ※ご予約は公式ホームページから
【アクセス】地下鉄東西線「京都市役所前駅」から徒歩約8分 Google map
※掲載内容は2025年6月6日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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