曼殊院
梅雨の京都は雨の日ならではの美しさはあるものの、傘をさしたままの拝観はひと苦労。せっかくなら、靴をぬいで、ゆっくりと雨の情景を眺めませんか。青もみじが美しく、屋内拝観がメインのお寺をご紹介しますので、ぜひお参りしてください♪
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仁和寺
仁和寺は平安時代に宇多天皇が出家し門跡(住職)になった、天皇経験者が唯一お寺の住職を務めた格式高いお寺です。それ以降も皇子皇孫が住職を務めたため、住まいとして御所風の建物が建てられました。現在の宸殿は大正時代の再建ですが、優美な佇まいは変わりません。
北庭
宸殿から見る景色といえば、こちらのショットがお馴染みです。松やもみじが植えられた池泉式の庭園で、茶室『飛濤亭』、中門、五重塔という、いずれも重要文化財の建築を借景に採り入れています。庇が深いため縁側に座っても濡れる心配がなく、雨音をBGMにゆっくりと過ごせるのが魅力です。
宸殿の室内は明治期に活躍した絵師 原在泉の障壁画が見事。ほかにも薬師如来坐像(秘仏)を祀る霊明殿や、今年(2025)没後50年を迎える堂本印象の襖絵がある黒書院を拝観できます。雨が小降りになったら、広い境内の散策もあわせてどうぞ。
※白書院は2026年3月末頃まで文化財保存修理のため拝観できません。
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【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
※12~2月は~16:30(受付終了16:00)
【拝観料】境内無料、御殿800円 ※桜の時季は境内有料
【電話】075-461-1155
【アクセス】市バス「御室仁和寺」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://ninnaji.jp/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/ninnajitemple/
曼殊院
勅使門
洛北にある曼殊院の由緒は平安時代にまで遡り、かの最澄によって比叡山に創建されたのがはじまりです。その後、幾度かの移転を経て、現在の地に堂宇を構えたのは良尚法親王が住職を務めた明暦2年(1656)のこと。
良尚法親王はじめ、皇室関係者が歴代の住職を務めたとあって、建物や庭園は公家好み。書院は屋形船に見立てられ、お庭を鑑賞しやすいように縁側が広く取られているのが特徴です。これなら雨の日も、安心して青もみじの美しいお庭を鑑賞できます。
室内にも目を向けてみてください。堂宇建設時、良尚法親王は桂離宮を造営した兄の智忠親王にアドバイスを求めたともいわれ、その完成度の高さから曼殊院は「小さな桂離宮」と称されます。小書院の菊の欄間をはじめ、洗練された装飾がいたるところに。ほかにも、狩野永徳や探幽筆と伝わる襖絵もあり、ゆっくりと時間をかけて拝観するのがおすすめです。
【拝観時間】9:30~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】800円
【電話】075-781-5010
【アクセス】市バス「一乗寺清水町」バス停から徒歩約20分 Google map
【公式ホームページ】https://www.manshuinmonzeki.jp
建仁寺
雨の日は移動も億劫になるという方は、街中にある建仁寺がおすすめ。
方丈前庭「大雄苑」
建仁2年(1202)、栄西禅師によって開かれた京都最古の禅寺で、繁華街にあるとは思えない静かな空気が流れています。
方丈、小書院、大書院、法堂が回廊で結ばれ、天候に左右されることなく拝観できるのは嬉しいポイント。
方丈前庭の「大雄苑」は白砂に砂紋が引かれた禅寺らしい景観ですが、建仁寺といえば大書院と小書院の間にある「潮音庭」がよく知られています。廊下と部屋に囲まれた空間にお庭があり、三尊石を中央に、どこから見ても正面になるように作庭されているそうです。青もみじも四隅に植えられ、バランスが保たれています。
法堂『双龍図』
方丈から回廊を進み、法堂の拝観もお忘れなく。明和2年(1765)に建てられたお堂ですが、天井を飾る『双龍図』は創建800年記念事業の一環で平成14年(2002)に日本画家の小泉淳作によって描かれました。108畳におよぶ大画面は普段から迫力がありますが、雨で薄暗い日はなおのこと雲間から覗く龍に威厳を感じられますよ。
【拝観時間】10:00~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】境内無料、本堂・法堂800円
【拝観休止日】4月18日・19日・20日、6月3日・4日・5日 ※その他本山行事の為、休止の場合あり
【電話】075-561-6363
【アクセス】市バス「東山安井」バス停から徒歩約5分、京阪本線「祇園四条駅」から徒歩約7分 Google map
【公式ホームページ】https://www.kenninji.jp/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/spirit_of_kenninji/
東福寺
臥雲橋から望む通天橋
境内に渓谷「洗玉澗(せんぎょくかん)」を有する東福寺は、水の恩恵を受けた約2,000本の青もみじが生き生きと葉を広げています。多くの人が名所である通天橋を目指しますが、本坊庭園もあわせてご覧いただきたいスポットです。
北庭。サツキの刈込の先には青もみじが植えられています
本坊庭園では昭和の名作庭家として知られる重森三玲のお庭をすべて屋根の下から鑑賞できます。方丈の東西南北にお庭があり、北庭は重森三玲の真骨頂ともいえる市松模様が印象的。手前の敷石は整然と並べられているのに対して、奥にいくにつれてランダムに配置されているのが分かるでしょうか。まるで市松模様のグラデーションのように、景色に溶け込んでいく秀逸なデザインに感銘を受けます。
方丈の北西には眼下に青もみじを見渡せる絶景ポイントがあります。「通天台」と呼ばれる見晴らし台で、名前の通り通天橋の全景がよく分かります。
じつは現在の通天橋は、伊勢湾台風の被害を受けて昭和36年(1961)に再建されたもの。その際、もとの通天橋の部材を使って造られたのが「通天台」です。少し高い位置から、いまも後輩を優しく見守り続けているのですね。
通天橋
本坊庭園はもちろん、通天橋エリアの青もみじをたっぷり楽しみたいという方は、特別企画(要事前申込)に参加してみませんか。なんと、6月21日(土)、7月19日(土)、9月20日(土)、3日間限定で夕刻貸切拝観が行われます。
方丈のそばにある通常非公開の書院でお寺の方から歴史を聞いたり、普段は扉が閉ざされている唐門から特別に通天橋へ入場したり、スペシャル感満載のイベントです。通天橋から見る夕景は思い出深いものになるはずです♪
【拝観時間】9:00~16:30(受付終了16:00)※11月~12月初旬は8:30~、12月初旬~3月は16:00まで(受付終了15:30)
【拝観料】通天橋・開山堂600円、本坊庭園500円
【電話】075-561-0087
【アクセス】JR奈良線「東福寺駅」から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】https://tofukuji.jp/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/tofukuji_zen_temple/
※掲載内容は2025年6月18日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。