2018年は“橋”にご注目! 三条大橋など

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気になる京の橋 1


2018年、皆さんが注目されていることは何でしょうか。「平昌(ピョンチャン)オリンピック」や、「サッカーのワールドカップ」などスポーツに関心を持たれている方もいらっしゃれば、「明治維新150周年」など歴史に注目されている方もいらっしゃることでしょう。そんななか、私“カツオ”が気になっているのは… “橋”です! というのも、今年は瀬戸大橋の開通から30周年、明石海峡大橋の開通から20周年という記念の年。四国で生まれ育った私にとっては、今もこれらの橋には特別な思い入れがあります。そういえば、川の多い京都にもたくさんの橋があるなぁ… ということで、橋ブームがきそうな(??)2018年、“京都の橋”をご紹介したいと思います。

THE “京都の橋” 三条大橋


三条大橋(Google map)は、東海道五十三次の西の起点として知られ、鴨川に多く架かる橋の中でも特に有名なもののひとつです。橋の北東隅に立つ札(案内板)によると、この地にいつ最初の橋が造られたかは不明であるものの、室町時代には簡素な構造のものが架けられており、秀吉の時代に本格的な橋が登場したそう。現在の橋は、昭和25年(1950)に改修されたものですが、京都らしさが感じられる佇まいとなっていますね♪ ちなみに、秀吉の時代に橋脚として用いられた石柱が、今も橋の北西に残されています。

三条大橋にまつわる有名な逸話といえば、欄干の擬宝珠(ぎぼし)に遺る刀傷。幕末の“池田屋事件”の際につけられたものであると言われますが、橋の南側の西から2つ目の擬宝珠(西端の小さな擬宝珠はカウントせず)がもっとも簡単に見つけることができます。黒いシミのようなもののなかに、刀傷らしきものが確認できますね。なお、昭和になって造られた擬宝珠も混在しており、すべてが幕末にあった… ということではありませんのでご注意くださいね。

“古都ジェニックシリーズ”を担当している私としては、どうしても紹介したかったこの橋。その理由は、絵になるから。街の灯りが目に付きますが… “現代のなかに生きる古都”とでもいうか、これはこれで好きな光景だったりします。いつか川の中ほどまで入って行って、川の流れと橋を真正面から撮影してみたいなぁ(笑)

意外や意外? 鴨川に架かる“○○の橋” 七条大橋


続いては、四条大橋や五条大橋などの有名な橋を通り越して、七条(しちじょう)大橋(Google map)まで南下してきました。三条大橋の雰囲気とはずいぶん異なり、“近代的で洋風”な姿ですね。この橋を東へ行けば、三十三間堂京都国立博物館へ、西へ行けば、東本願寺西本願寺へと続きます。

現在の七条大橋が完成したのは大正2年(1913)のこと。京都の街を走る“市電”を橋上に走らせるなどの理由から、洋風のものに架けなおされたのだそうです。デザインもさることながら、歴史的な生い立ちを踏まえてみても、“近代化の産物”の香りがぷんぷん。橋の上を歩いてみても、現在はアスファルトが敷かれ「よくある感じの橋だなぁ…」と思っていた私ですが、「あっ?!」と驚く事実が七条大橋には隠されていたのです!

先ほどご紹介した三条大橋であれば、秀吉の時代や幕末にも“橋自体”は存在しましたが、現在見られる橋は1950年に架け替えられたもの(擬宝珠など古材は流用されています)。四条大橋や五条大橋などもふくめ、“架け替え”られたことを踏まえて、鴨川の橋を見ていくと… 高欄など一部は失われたものの、じつは1913年に完成したこの七条大橋こそが、架設当時の姿をとどめる最も古い橋となるそうです!! この見た目からは、“鴨川に架かる最古の橋”とは、なかなか想像がつかないですよね~。七条大橋を見る目が、一気に変わってしまいました。

この橋、渡るべからず? 行者橋


(撮影日:2013年4月1日)

壮大な山門や除夜の鐘で有名な知恩院の近くを流れる白川。なかでも北は三条通から南は華頂通までのおよそ400メートルの区間は、例年4月の上旬ともなると柳が芽吹き、素晴らしい京情緒を醸しだします。その途中に、ひときわ幅のせまい橋の姿が見られます。

※近くに似たような橋がありますが“解説板”が目印となります

比叡山延暦寺に今も伝わる荒行“千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)”において行なわれる“京都大廻り”。京の街を1日およそ84キロメートル歩く… それを100日間続ける(!)という行のなかで、修行僧がこの石橋を渡ることから、行者橋(ぎょうじゃばし)阿闍梨橋(あじゃりばし)(Google map)の名で呼ばれます。そう聞くと、この簡素な姿が、かえって神聖なものに見えてくるから不思議なものです。しかも橋の上からは、絵に描いたように延暦寺のある比叡山の優美な姿を見ることができます。はたしてこの橋、フツウの人が渡って良いものなのか…

とそこへ、次から次へとやって来る、橋を渡る人々… その狭さもなんのその、足元を見ることもなく歩く学生さんや、“ママちゃり”で颯爽と駆け抜けて行く年配の方の姿(おおっ!?)などなど… じつは地元の人たちの生活に密着した橋でもあります。私たちも安心して渡ることができますね! でも渡られる際は、くれぐれも足元にご注意を。狭いだけでなく欄干などもありませんので、“この端(はし)、渡るべからず!”ですよ(笑)

今回は三条大橋・七条大橋・行者橋の3つを紹介しましたが、京都にはまだまだ“気になる橋”がたくさん。大きさや有名無名に関わらず、これからも気になったものを紹介していきますので、どうぞお付き合いくださいね♪


 

Written by. カツオ

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