苔と青もみじが美しい、緑の癒しスポットへ

  • 散策

三千院

三千院

緑色には、心理的なリラックス作用をもたらす効果があるとされ、観葉植物や苔テラリウム(コケリウム)など、生活に“緑”を採り入れられている方もきっと多いことでしょう。
神社やお寺の多い京都には、青もみじが映えるお庭が多くあります。今回はその両方を存分に楽しめ、大きく深呼吸したくなるような癒しスポットをご紹介します。苔が本来の美しさを覗かせる、梅雨の時季に訪れるのもおすすめですよ。

\京都の苔名所や、苔の“イロハ”をご紹介/

【常寂光寺】

  • 仁王門と末吉坂

    仁王門と末吉坂

  • 末吉坂に迫る“苔の壁”

    末吉坂に迫る“苔の壁”

  • 仁王門前

    仁王門前

『百人一首』と縁の深い、小倉山の山麓に佇む常寂光寺。嵯峨野を代表する紅葉名所とあって、境内全域でモミジを多く見られますが、仁王門の周辺は苔の生育も見事です。とりわけ、なだらかな末吉坂周辺は、まるで緑の海底にでも沈んだかのような心地に。坂の片側には“苔の壁”が迫り、屈まずに目の前で苔を観察することも可能。少し目を向けるだけで、色々な種類の苔が分布していることに気づかされます。
  • 仁王門の北側エリア

    仁王門の北側エリア

  • 本堂裏も苔と青もみじが美しい

    本堂裏も苔と青もみじが美しい

本堂周辺や多宝塔の周りでも青もみじや苔を楽しめますが、お庭の小径を通って、仁王門の北側(末吉坂の東側)にもぜひ足を運んでみてください。末吉坂や仁王門に気を取られると、つい見逃しそうになるエリアですが、一面に広がる緑が美しい癒し空間を目にすることができます♪
 
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】500円
【電話】075-861-0435
【アクセス】JR山陰本線(嵯峨野線)「嵯峨嵐山駅」から徒歩約15分 Google map
【公式ホームページ】https://www.jojakko-ji.or.jp/

【祇王寺】

  • 緑のお庭に佇む茅葺き屋根の草庵

    緑のお庭に佇む茅葺き屋根の草庵

「京都の苔名所は?」と問われると、真っ先にこのお寺を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。常寂光寺から歩いて10分ほどの場所に位置する祇王寺です。
境内の大部分を占めるのが青々とした苔庭。さっと拝観するなら10~15分ほどの広さではありますが、苔の美しさに思わず足を止めてしまうことでしょう。
  • 庭に落ちる木漏れ日も美しい

    庭に落ちる木漏れ日も美しい

  • 草庵内部の丸窓「吉野窓」もお見逃しなく。緑葉を透かした日差しが障子に色とりどりの色彩を映すことから「虹の窓」とも称されます

    草庵内部の丸窓「吉野窓」もお見逃しなく。緑葉を透かした日差しが障子に色とりどりの色彩を映すことから「虹の窓」とも称されます

秋は“散りもみじ”で名を馳せますが、今の時季は青もみじが魅了します。よく眺めるともみじの木が印象的な形状をしているように思えませんか? 独特のうねりとともに背を伸ばし、少し高い位置で天蓋のように葉をつけているものが多いのです。晴れの日は、日光もどこか緑色を纏うかのようにお庭に降り注ぎ、輝く緑の世界を美しく演出します。
 
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】300円
【電話】075-861-3574
【アクセス】市バス「嵯峨釈迦堂前」バス停から徒歩約15分 Google map
【公式ホームページ】https://www.giouji.or.jp/

【宝厳院】

  • 獅子吼の庭

    獅子吼の庭

  • 苔生した獅子岩

    苔生した獅子岩

宝厳院渡月橋から歩いて5分ほどにある天龍寺の塔頭寺院で、例年、春と秋に特別公開が行われます。見所はなんといっても、嵐山を借景とする「獅子吼(ししく)の庭」。春はしだれ桜や石楠花、ツツジなどが彩りますが、5月下旬頃からは花も少なく、“緑一色”といった風景を楽しめます。
  • この角度から眺めた獅子岩は、まるで獅子が吼えるかのよう

    この角度から眺めた獅子岩は、まるで獅子が吼えるかのよう

渡月橋や竹林の小径などは、平日休日問わず大勢の観光客で賑わいますが、宝厳院の境内は比較的静か。今の時季はお庭をゆったりと楽しむことができ、意外にも嵐山観光の“穴場”と言えるかもしれません。ただし公開期間が6月いっぱいまでと限られるので、青もみじと苔が織りなす緑の世界を堪能するならお急ぎください。

刺繍お守り(イメージ)

刺繍お守り(イメージ)

ここでおすすめ情報をご紹介します! 「獅子吼の庭」の拝観と、「そうだ 京都、行こう。」オリジナルデザインの刺繍守りがセットになった特別プランが販売中です。動物に生まれ変わったかのような「獅子岩」のデザインがなんとも可愛らしいですね♪ 春の特別公開期間中のみとなるので、気になる方はお早めにチェックを。
 
\EX会員向け特別プラン/
 
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:45)
※春の特別公開は2025年6月30日(月)まで
【拝観料】700円
【電話】075-861-0091
【アクセス】市バス「嵐山天龍寺前」バス停から徒歩約5分、JR山陰本線(嵯峨野線)「嵯峨嵐山駅」から徒歩約15分 Google map
【公式ホームページ】https://hogonin.jp/

【東福寺】

  • 特に通天橋の南側エリアに苔が多い

    特に通天橋の南側エリアに苔が多い

  • 雨の日は“雨音”にも心癒されそう

    雨の日は“雨音”にも心癒されそう

京都駅からJR奈良線でひと駅、京都屈指の紅葉狩りスポットとして絶大な人気を誇る東福寺もまた、緑鮮やかな境内が広がります。紅葉名所のイメージから、モミジに注目しがちですが、通天橋エリアは苔も豊富。お庭に巡らされた園路から楽しむのも良いですが、通天橋の欄干などを額縁に見立てて、緑のアート作品のように鑑賞するのもおすすめです。
  • 本坊庭園(北庭)

    本坊庭園(北庭)

東福寺といえば、昭和の名作庭家 重森三玲によって造られた本坊庭園も見逃せません。特に一度は見ていただきたいのが、苔と切り石によって造形された市松模様が印象的な北庭です。こちらの苔は、晴天時は遮られることなく日光を浴びるので、青々とした光景を眺めるなら、曇りや雨続きの日を狙って訪れてみてください。

本堂(法堂)の天井に描かれる「蒼龍図」がモチーフの刺繍お守り(イメージ)

本堂(法堂)の天井に描かれる「蒼龍図」がモチーフの刺繍お守り(イメージ)

そして東福寺でも、「そうだ 京都、行こう。」オリジナルデザインの刺繍守りが拝受できる特別プランを実施。本坊庭園の拝観もあわせてお楽しみいただけます(通天橋エリアの拝観は要別途料金)。
 
また、一般拝観終了後の夕刻に、貸切の本坊庭園と通天橋エリアを楽しむ特別拝観プランも開催。夕刻の落ち着いた佇まいの東福寺で、ゆったりとしたひとときをご満喫ください。
 
\EX会員向け特別プラン/
 
【拝観時間】9:00~16:30(受付終了16:00) ※11月~12月初旬は8:30~、12月初旬~3月は16:00まで(受付終了15:30)
【拝観料】通天橋・開山堂600円、本坊庭園500円
【電話】075-561-0087
【アクセス】JR奈良線「東福寺駅」から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】https://tofukuji.jp/

【妙心寺 桂春院】

  • 侘びの庭

    侘びの庭

桂春院は妙心寺に建つ40余りの塔頭の中でも、1年を通して拝観できる数少ないお寺。院内に4つのお庭を有しますが、すべてが国の名勝及び史跡に指定されています。
 
特に緑が映えるのは、4つのうちの「侘びの庭」と「真如の庭」です。「侘びの庭」は、茶室に付随する露地庭園。とても小さな敷地ですが、苔や青もみじのみならず生垣も相まって、緑のグラデーションが綺麗。この風景を前に、心静かに抹茶を拝服することもおすすめの過ごし方です。
  • 真如の庭

    真如の庭

  • 右側の生垣の向こうに…

    右側の生垣の向こうに…

方丈の前に広がるのが「真如の庭」。こちらも苔や青もみじ、生垣の緑に包まれ、毛氈や椅子に座して、ゆったりと気楽に鑑賞できます。
ところでこの中(1枚目の写真の中)に、もうひとつのお庭があるのが分かるでしょうか。実は生垣の向こうにもお庭が隠されているのです!
  • 回遊式の庭園もじっくり巡りたい

    回遊式の庭園もじっくり巡りたい

“生垣の向こう側”にやってきました。そこに広がるのは、寺院や住宅が立ち並ぶ周辺環境を忘れてしまうような自然美に溢れたお庭。名勝・史跡に指定される4つの庭園はそれほど大きくないため、歩いて巡るこちらの広さに驚かされるかもしれません。

「たぬき雲水くんと癒しの宝探し修行」特設サイト

「たぬき雲水くんと癒しの宝探し修行」特設サイト

さて、せっかく桂春院を訪れるなら、素敵な商品がもらえる“謎解き”に参加してみてはいかがでしょうか? 京都を舞台にした謎解き企画の第6弾が、6月14日(土)から始まりますよ! 今回の舞台は、桂春院をはじめ、近隣に位置し、緑豊かなお庭を有する龍安寺や等持院など4スポット。たぬき雲水(修行僧)くんと一緒に、癒しの宝探し修行の旅に出かけましょう♪
 
\開催概要など詳細はこちら/
 
【拝観時間】9:00~17:00(11~2月は16:30)
【拝観料】500円、抹茶600円
【電話】075-463-6578
【アクセス】JR山陰本線(嵯峨野線)「花園駅」から徒歩約13分 Google map
【公式ホームページ】https://keishunin.jimdofree.com/

【三千院】

  • 聚碧園

    聚碧園

  • 青もみじと苔に加え、サツキやツツジの刈込みも多い

    青もみじと苔に加え、サツキやツツジの刈込みも多い

 長閑な風景も多く残る洛北エリアで、たっぷりと緑に浸ることができるのが、大原に堂宇を並べる三千院。まずは「緑を集めるお庭」を意味する客殿前の「聚碧園(しゅうへきえん)」を鑑賞しましょう。例年、6月中旬まではサツキが彩りを添えますが、見頃を終えた後、8月下旬頃に咲く秋海棠(しゅうかいどう)の時季までは、文字通り、“緑のお庭”が広がります。
  • 往生極楽院の周りは苔の宝庫

    往生極楽院の周りは苔の宝庫

  • 宸殿から眺める往生極楽院は、三千院の“定番アングル”

    宸殿から眺める往生極楽院は、三千院の“定番アングル”

  • わらべ地蔵

    わらべ地蔵

境内の中で最も青もみじと苔の美しさに魅了されるのが、宸殿から往生極楽院周辺に渡る「有清園」。言うまでもなく、日々お手入れはされているのですが、気取ることの無い、自然体の美しさを感じられるお庭です。特に雨の日は、山麓に佇むこともあってか、神秘的な風情が感じられ、どこか“現実離れ”した心地に誘われます。
また、往生極楽院と言えば、アイドル的存在の“わらべ地蔵”もお忘れなく♪ まるで苔の布団に寝転がっているかのよう。いかにも気持ち良さそうなわらべ地蔵の表情にもまた癒されそうですね(笑)
 
【拝観時間】8:30~17:30(受付終了17:00)
【拝観料】700円
【電話】075-744-2531
【アクセス】京都バス「大原」バス停から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】http://www.sanzenin.or.jp/

「苔庭めぐりパスポート」を持って、名所を巡ろう♪

苔庭めぐりパスポート(イメージ)

苔庭めぐりパスポート(イメージ)

最後にとってもおトクで、耳寄りな情報をお届けします♪ 今回ご紹介した、常寂光寺・祇王寺・東福寺・三千院に加え、圓光寺と大原の勝林院を巡ることができる「苔庭めぐりパスポート」をEX会員向けに販売しています。なんと2日間の有効期限内であれば、何ヵ所でも拝観ができるという夢のようなパスポートなのです! 京都旅の“必携の1冊”にいかがでしょうか?
 
\苔の名所をめぐるEX会員向けプラン♪/
※掲載内容は2025年6月4日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

おすすめコンテンツ