今年(2020年)は、各地の社寺で“疫病鎮めの祈祷”が行われ、疫病を予言する「アマビエ」が流行するなど、“祈りをもって災厄に抗う”ことが注目された年でした。鬼を滅する作品に人々が一喜一憂したのも、このご時世ならではだったのかもしれません・・・
「アマビエ」が現れるよりもはるか以前。平安時代の日本に、“最強”の呼び声も高い護符が登場しました。それが、「角大師(つのだいし)護符」。実在した僧の姿を写したお札なのですが、そこに描かれるのは、人とは思えない不思議なお姿。いったいどんなお札なのか。護符発祥の地・比叡山 延暦寺をはじめ、授与いただける京都のお寺をご紹介します。
\角大師特別ご朱印を授与/
2021年新春、「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード会員限定特別企画を実施。
⇒疫病除けのご加護を求めて「角大師の特別ご朱印めぐり」(2021年1月9日~3月31日実施)
強大な法力を持つ良源が、鬼の姿で人々を守る!
「角大師の護符」とは?
元三大師護符 500円
@比叡山 延暦寺 横川 元三大師堂
「角大師」とは、平安時代の僧・元三大師(がんざんだいし)良源(りょうげん)のこと。良源は、近江の国浅井郡(現在の滋賀県長浜市)に生まれ、比叡山にのぼり延暦寺を発展させた、「延暦寺中興の祖」と崇められる人物です。大変法力が強くカリスマ的な人気を集めたことから数々の伝説・伝承に彩られ、そのひとつが「角大師」の伝承です。
元三大師堂に掲げられたパネル
・・・良源73歳の時、世に疫病が流行り、人々は大変苦しんでいました。この難儀を救うため、良源は大きな鏡に自分の姿を写し、静かに禅定に入ると、鏡のなかにはみるみるうちに骨ばかりの鬼の姿が。その姿を弟子のひとりに描き写させ、絵を版木に刻み、お札に刷って配ると、護符を戸口に貼った家は、疫病は元より、一切の災厄にかからなくなりました。
この伝承により、天台宗の寺院では、数百年に渡り角大師護符を授与。角大師のあるところ、病魔・悪魔がよりつかず、一切の災厄から逃れることができたそうです。
(左から)豆(魔滅)大師護符、角大師護符、降魔(鬼)大師護符 各500円
@比叡山 延暦寺 横川 元三大師堂
良源には、そのほかにも「豆(魔滅)大師」や「降魔(鬼)大師」、「木葉大師」など数々の伝説にちなんだ通称があり、延暦寺や各地の寺院で、姿も様々な護符が授与されています。通称の多さは、人気の高さ。死後には朝廷から「慈恵(じえ)大師」の称号が送られたのですが、正月三日(元日三日)に亡くなったことから「元三大師」と呼ばれ、今もその名で人々に親しまれています。
延暦寺の最奥、良源の居所跡に建つ神聖なお堂
【比叡山 延暦寺 横川 元三大師堂】
元三大師堂
良源は、12歳で比叡山にのぼり、康保3年(966)、若くして第18代天台座主に就任。荒廃した堂塔を復興、天台教学を振興するなど剛腕を振るい、比叡山に空前の繁栄をもたらしました。加持祈祷に優れ、強い法力を持ったことから、いつしか良源自身が信仰の対象となり、「観音菩薩の化身」ともされたほど、人々に慕われました。
その良源が住まいしたのが、比叡山の最奥、横川(よかわ)地区。元三大師堂(四季講堂)は良源の居住地跡と伝わります。御本尊は、坐禅を組む良源の姿。そのお厨子の隣には、非公開ですが、鬼の姿となった良源を映したという大鏡も祀られています・・・
また、元三大師は“おみくじの元祖”とも呼ばれます。元三大師堂でもおみくじをされているのですが、こちらは、電話で事前予約の上、ご住職が相談内容を聞きながら引いてくださいます。その場でお願いすることはできませんので、ご注意を。「自分で引きたい!」という場合には、東塔地区の萬拝堂に元三大師おみくじが置かれていますので、そちらを引いてみてください♪
元三大師堂のおみくじの問い合わせは、077-578-3683(8:00~16:00頃)まで。
角大師のストラップ型お守りも各種揃います♪
お寺の方より
「元三大師さまの護符は、それぞれ違うお力があります。角大師護符は戸口に貼ればすべての災厄を退け、降魔大師護符は身体など悪いところから災厄をのぞき、豆大師護符は水回りを守ります。鬼の姿となり、鬼を滅した大師さまの法力で、日々の生活を健やかにお過ごしください」
【参拝時間】10:00~15:30
【巡拝料】東塔・西塔・横川共通1,000円
【電話】077-578-0001
【アクセス】京都バス・京阪バス「延暦寺バスセンター」、もしくは比叡山坂本ケーブル「ケーブル延暦寺駅」下車、比叡山内シャトルバスにて「横川」バス停から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://www.hieizan.or.jp/
★「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード特典協力先です。特典内容はこちら。
“イケメン”良源がお顔を隠した「降魔面」が伝わるお寺
【廬山寺】
元三大師堂
良源により船岡山の南に創建されたことを起源とする廬山寺(ろざんじ)。実は良源は相当の“イケメン”だったそうで、宮中に招かれる際には鬼の仮面「降魔面」を被り、女官の目から逃れていたとか。廬山寺には、その際にかぶっていたという面が伝わります。例年節分の「追儺式鬼法楽」の際に、良源が鬼を退治したという「独鈷・三鈷」とともに特別開帳されています。
※2021年の追儺式鬼法楽は2月2日(火)実施。
元三大師堂では、毎月3日に護摩が行われ(参拝自由)、1月・2月・9月の3日のみ、ご開帳が行われています。授与所では角大師の護符のほか、お守りやストラップ型の護符なども授与。郵送でも対応いただけます。
お寺の方より
「角大師の護符は、鬼門を避けるため、北東向きには貼らないようにしてください。護符を押しピンや釘などでとめて傷つけないように、のり等でお貼りください」
【拝観時間】9:00~16:30(受付終了16:00)
【拝観料】500円
【電話】075-231-0355
【アクセス】市バス「府立医大病院前」バス停から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://www7a.biglobe.ne.jp/~rozanji/
青もみじと紅葉のおみくじにも注目!
【三千院】
※堂内は通常撮影不可。特別なご許可をいただき、撮影しています。
伝教大師・最澄が比叡山東塔に構えた堂宇に始まる、大原の三千院。中書院から客殿へと至る途中に元三大師が祀られるお部屋があり、角大師の掛け軸などが掛けられています。お厨子の左横にはおみくじが置かれていて、青もみじと紅葉があしらわれたかわいいデザイン。
角大師の護符(500円)は、授与所にていただくことができます。時代に合わせて、カード型のお守りも登場。いつでも最強のお大師さんにお守りいただけます♪
三千院玄関にも、角大師護符が貼られていました。
お寺の方より
「元三大師さまは、とても法力の強い方。元三大師おみくじには、そのお大師さまからのお言葉が書かれています。おみくじを引かれる際にも、何をお訊きしたいかを強く念じ、どうぞ心して引いてください。どのようなお言葉でも、大事に受け取っていただければと思います」
【拝観時間】9:00~16:30(3~10月は9:00~17:00、11月は8:30~17:00)
【拝観料】700円
【電話】075-744-2531
【アクセス】京都バス「大原」バス停から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】http://www.sanzenin.or.jp/
★「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード特典協力先です。特典内容はこちら。
女人守護のお寺にも、角大師護符が。
【真如堂】
元三大師堂
境内の北側に、京都府の指定文化財に指定される元三大師堂があり、毎月3日に護摩供法要をされている真如堂。本堂内の授与所にて、角大師の護符を授与されています。
角大師護符 700円 ※郵送対応可
お寺の方より
「当寺の角大師護符はお寺に伝わる版木によるもので、戸口に貼っていただければ疫病神の災厄から逃れられると言われています。元三大師堂にはお大師さまの画像をまつり、毎月3日には護摩木法要を行っております。ご縁がありましたらお参りください」
【拝観時間】9:00~16:00(受付終了15:45)
【拝観料】本堂・境内無料、宝物・庭園500円(11/1~12/8、3月中は1,000円)
【電話】075-771-0915
【アクセス】市バス「真如堂前」・「錦林車庫前」バス停から徒歩約8分 Google map
【公式ホームページ】https://shin-nyo-do.jp/
ご住職自筆の魔除けご朱印は、毎月3日に授与。
【法住寺】
毎月3日は、元三大師の御縁日。法住寺では2020年7月より、御縁日のお勤めに参加された方に魔除けご朱印を授与されています。疫病退散を祈り、「願わくば年12回あるお勤めのうち3回お参りいただけるよう」、1回目2回目でいただける魔除けご朱印と、3回目の満願の際にいただけるご朱印のデザインが異なります。いずれも住職が手掛けられた貴重なご朱印。3日に京都に来られる際は、ぜひ立ち寄られてみてはいかがでしょうか。
2020年満願の魔除けご朱印
(左)住職自作の「降魔大師」お姿(貼り付け用)、(右)住職直書きの「魔除けご朱印」
2枚1組1,000円(護摩木1本付き)
お寺の方より
「魔除けご朱印は、元三大師さまのご縁日・3日のお勤めに参加された方に授与しております。楽しみを持ちながらお参りいただければと、1回目から3回目で授与する朱印を変更しました。また、2021年は新たなデザインでの授与を予定しております」
【拝観時間】9:00~16:30(写経は15:00最終受付)
※元三大師御縁日お勤め 10:00(受付時間9:30~10:00)、14:00(受付時間13:30~14:00)
【拝観料】500円(案内冊子付)
【電話】075-561-4137
【アクセス】市バス「博物館三十三間堂前」バス停から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://hojyuji.jp/
「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード会員限定
「角大師の特別ご朱印」が登場!
【曼殊院・廬山寺・青蓮院】
特別ご朱印(書き置きのみ) 各500円
※授与には「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カードの提示が必要です。
注目を集める「角大師護符」にあやかり、「そうだ 京都、行こう。」でも、元三大師を祀る3ヵ寺にご協力をいただき、角大師の姿をあしらった特別ご朱印をご用意いたしました。
洛北の曼殊院、京都御苑東にある廬山寺、東山の青蓮院の3つのお寺にて、各お寺に代々伝わる、またはゆかりの角大師を、新春らしい金色の華やかな紙に刷ってご朱印に。お寺によって異なる特徴が印象的な、特別バージョンです。ぜひ、新春に角大師さまとご縁を結び、疫病除けのご加護をいただいてください。
企画担当「そう京」スタッフより
「今回、3つのお寺様のご協力により、すばらしいご朱印をご用意することができました。各お寺様にご意見を頂戴しながら、角大師様のご法力をいただけるようにデザインしております。どうぞ、この機会にご縁を結んでいただけましたら幸いです」
【期間】2021年1月9日(土)~3月31日(水)
【対象寺院】曼殊院・廬山寺・青蓮院
【料金】ご朱印代各500円(拝観料別途) ※書き置きのみ
※「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード会員様限定での授与となります。
※特別ご朱印は、本企画のために書いていただいた文字を印刷したものになります。日付以外は、手描きではなく印刷が中心のご朱印となります。
※授与には「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カードの提示が必要です。
※各寺院、会員様1名につき1枚の授与となります。
※特別ご朱印をいただくには、ご朱印代500円が必要となります。各自、お納めください。
※お寺の行事、諸般の事情により、授与していただくことができない場合もあります。
そのほか、詳細はこちらをご確認ください。
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寺院によってお姿も様々な「角大師の護符」。新年に貼り替えるのが特に良いとされているそうなので、気になったお札とぜひご縁を結んでみてくださいね。