
白峯神宮
2021年は丑(うし)年。干支の物語では、“神様の元へ1番に着くために朝早く出発したものの、ゴール寸前で背中に乗っていたネズミに先を越され、順番が2番目になった”と描かれます。のんびりしながらも実直な、牛のイメージにぴったりのエピソードですよね。
牛は、古くから人間とともに生活し、酪農や農業の助けになった、人にとってなくてはならない動物です。時には神聖化されることもあり、インドでは神の使いとされ、日本でも社寺の境内で牛像をよく見かけます。今回は、良い丑年を迎えるためにも、撫でれば願いが叶うという“撫で牛”の像をウォッチングします♪
牛といえば、菅原道真! ・・・でも、どうして?
【北野天満宮】

手水舎の牛像
「牛」を語る上で外せないのが、学問の神様・菅原道真を祀る「天満宮」。特に、全国に約12,000社ある天満宮・天神社の総本社である北野天満宮は、境内にたくさんの牛像が奉納され、姿形も様々な牛像が眺められます。これは、牛が、神様・道真の使いとされているため。

参道には親子の牛像も
道真は丑年に生まれ、丑の日に亡くなったそう。また、生前に牛を可愛がっていたことや、“墓所を牛が決めた”“刺客から牛が道真を守った”など牛にまつわる数々の伝承があり、牛との縁が非常に深かったことから、神の使いが牛とされたようです。多くの像が横たわった姿であり、撫でれば諸病が平癒する「撫牛信仰」として各地に広まりました。病気だけでなく、学業など様々な願いを叶えてくれる牛像たち。有り難いですね♪
\北野天満宮についてご紹介しています/
⇒【京さんぽ】学問の神さま「北野天満宮」の見どころ・梅情報・御朱印などをチェック!(2020年1月掲載)
■北野天満宮
【参拝時間】6:30〜17:00(授与所9:00〜16:30)
【参拝料】境内無料、宝物殿800円(毎月25日、梅苑・もみじ苑公開期間中など開館)
【電話】075-461-0005
【アクセス】市バス「北野天満宮前」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】http://kitanotenmangu.or.jp/
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“イケ牛”と、かわいい仔牛像を発見!
【長岡天満宮】

梅と、春のキリシマツツジで有名な、長岡京市の長岡天満宮。菅原道真が、在原業平らと詩歌管弦を楽しんだという縁地に建ち、道真が太宰府に左遷の折り、立ち寄り名残を惜しんだ場所と伝わります。本殿の横には、古い臥牛がいらっしゃるのですが、私が気になったのは、こちらの撫で牛。キリッとした“イケ牛”と、ユーモラスな表情の牛像が2体並んでいて、とても和みます♪

まだ真新しい仔牛の像も。ゆる〜〜い表情がかわいらしい♪
■長岡天満宮
【参拝時間】9:00〜17:00
【参拝料】境内無料
【電話】075-951-1025
【アクセス】JR東海道線「長岡京駅」から徒歩約20分、阪急京都線「長岡天神駅」から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】https://nagaokatenmangu.or.jp/
丑年に合わせて、幸運と健康を願う「金のくぐり牛」が登場!
【吉祥院天満宮】

受験合格・開運招福・ちえと能力開発にご利益のある吉祥院天満宮は、道真生誕の地と伝わる神社。道真の曽祖父が平安遷都の折りに邸を構えた地と伝わり、境内には道真のヘソの緒を埋めたと伝わる「胞衣(えな)塚」や、道真が習字に使ったという「硯之水」などが遺されています。
こちらに、2020年6月15日(月)に登場したのが、金色の牛のオブジェ。撫でれば健康成就、くぐれば大願成就と、なんともめでたい牛像です。

こちらもなかなかの“イケ牛”
吉祥院天満宮は、毎年、年始めに行われる「京都十六社朱印めぐり」の霊場のひとつ。昨年デザインがリニューアルした御朱印を、ぜひ集めてみてくださいね♪
\京都十六社朱印めぐりについてご紹介しています/
⇒【京さんぽ】2020年のスタートに“チュー”目したい! 京都の御朱印(2019年12月20日公開)
■吉祥院天満宮
【参拝時間】境内自由
【参拝料】境内無料
【電話】075-691-5303
【アクセス】JR東海道線「西大路駅」から徒歩約15分、市バス「吉祥院天満宮前」バス停から徒歩約5分 Google map
心躍る、牛尽くしの授与品♡
【菅原院天満宮】

憂いのある微笑が印象的な“イケ牛”
“烏丸の天神さん”と呼ばれる、菅原院天満宮。道真と祖父・父の3代が住まいした地にあり、道真誕生の地とも伝わります。境内には、道真が初湯に使ったという「初湯の井戸」があり、受験の時や病気の時にいただくとご利益を授かれる、と言われています。
こぢんまりとした境内ですが、そこかしこに牛像が。なかでも、牛の授与品の豊富さに、目を惹かれます。

手前の手づくりの牛像は、1体1,000円(無くなり次第終了)
様々な牛の授与品。右手前に3体並ぶ黒い牛像は、1体ずつ手づくりされたもの。それぞれ表情が異なるので、お気に入りを選んでみてくださいね♪

「モーモー」と声が聞こえてきそうな、キュートなおみくじ。
ギュウギュウに詰まっているのが、可愛さ満点。
■菅原院天満宮
【参拝時間】6:00〜17:00
※12月31日(木)は6:00〜18:00、23:00〜翌日20:00
1月2日(土)・3日(日)は6:00〜19:00
【参拝料】境内無料
【電話】075-211-4769
【アクセス】地下鉄烏丸線「丸太町駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://sugawarain.jp/
喉の玉を撫でて、勝運UP! 宝勝牛&赤牛・白牛お守り
【三室戸寺】

あじさいとツツジの名所・宇治の三室戸寺には、不思議な牛の木像の話が伝わります。
昔、貧しい百姓の夫婦がいて、やせ細った牛を飼っていた。ある日、喉の中から玉を吐き出した牛は、それから以後、みるみる内に大きく育ち、闘牛で勝利を納めて夫婦に冨をもたらす。夫は年老いてから仏門に入り、牛の木像を作ると、その体内に「牛玉(ごおう)」を納め、三室戸寺に奉納した。
この伝説を元にしたのが、本堂前の大きな牛像。口の中にある石の玉を撫でると、勝運がつくそうです。おなかの覗き窓からは、胎内に納められた小さな牛の木像が見えますよ。

割り符のお守り(500円)もあります

白丑・赤丑お守り 各500円
白い牛、赤い牛のお守りは、「忍耐強く堅実な人になれるお守り」。「強運」がご利益の艶の良い白牛か、「勝運」のふくよかな赤牛か。どちらも授かり、丑年の一年を我慢強く着実に過ごしたいですね♪
■三室戸寺
【拝観時間】8:30〜16:00(受付終了15:30) ※4〜10月は8:30〜16:30(受付終了16:00)
【拝観料】500円、宝物館500円(毎月17日公開、9:00〜20分限り)
【電話】0774-21-2067
【アクセス】京阪宇治線「三室戸寺駅」から徒歩約15分 Google map
【公式ホームページ】https://www.mimurotoji.com/
額に大黒様のお姿が!? 3つの名を持つ、不思議な「撫牛」
【妙円寺[松ヶ崎大黒天]】

「五山の送り火」のひとつ、「妙法」の字が灯る松ヶ崎山の麓にある、妙円寺。福寿開運の大黒天を祀り、京都七福神の第一番霊場であることから、「松ヶ崎大黒天」と呼ばれ、親しまれています。伝教大師自作と伝わる大黒天を祀る大黒堂のなかには、黒い「撫牛」が祀られています。
これは、開山・日英聖人が、大黒天をお祀りする際には常に臥牛(ねうし)の像を安置し、祈念したことに始まるそう。聖人を慕ったとある商人が、この像を求め、丑年丑月丑日丑刻に開眼して授与いただくと、その後大いに栄えたそう。それにより、この撫牛を祈念すれば「災難病魔を祓い、運命強く、おのずと財宝を得、家内益々繁栄する」といわれています。

こちらの牛像、なんと額に大黒天のお姿が! また肩の上に3個の宝珠がある、開運の吉相を持ちます。なんとも有り難いお姿で、「開運の撫牛」、「魔除の臥牛」、「病難除の臥牛」など様々な名称で呼ばれているそう。小さなサイズの撫牛が授与いただけます(1体5,000円)。大黒天を念じながら常に牛を撫でさすれば家運が大いに開けるそうなので、おうちにお祀りしてみてはいかがでしょうか。
\「都七福神めぐり」ってどんなもの?/
⇒【京都体験】年のはじめに、「都七福神めぐり」をしてみた。(2019年12月掲載)
■松ヶ崎大黒天[妙円寺]
【拝観時間】9:00〜16:30
【拝観料】境内無料
【電話】075-781-5067
【アクセス】地下鉄烏丸線「松ヶ崎駅」から徒歩約20分 Google map
【公式ホームページ】http://matugasaki-daikokuten.net/
スポーツも勉強も熱心に! “文武両道”牛像
【白峯神宮(しらみねじんぐう)】

明治天皇の勅願により、明治元年(1866)に創建された白峯神宮。蹴鞠(けまり)の宗家の屋敷跡に建ち、蹴鞠の神様を祀ることから、サッカーやバレーボールなどスポーツ全般の守護神とされ、スポーツにちなんだお守りなどを授与されています。
蹴鞠の神様・精大明神を祀る地主社前に、平成30年(2018)に奉納されたのが、“文武両道”の牛像。なぜ文武両道かというと・・・

牛像の左足下にはサッカーボール、お腹の下にはラグビーボール、尾はラケットになっていて、左後ろ足にはスポーツ用のシューズを履いています。そして、その前には・・・

“文武両道”のノートの石板が! 白峯神宮は、保元の乱に敗れて讃岐に配流となった崇徳上皇を祀ることから、「保元の乱一一五六」の文字もあります。地主社には、学業成就の白峯天神も祀られていることから、学問の神とスポーツの神を合わせ、「文武両道」を表現した牛像が奉納されたそうです。

「参拝者に撫でていただきたい」ということで、大きな像はつるつるに磨き上げられています。小さな像と2体揃って笑顔で、文武両道の応援をしてくれています♪
■白峯神宮
【参拝時間】8:00〜17:00、授与所8:00〜16:30
【拝観料】境内無料
【電話】075-441-3810
【アクセス】地下鉄烏丸線「今出川駅」から徒歩約8分、市バス「堀川今出川」バス停から徒歩すぐ Google map
【公式ホームページ】http://shiraminejingu.or.jp/