「聖徳太子1400年遠忌」の記念イヤー。京都に遺る伝説を辿る。

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八坂通

先日から、“近代日本経済の父”・渋沢栄一を主役としたドラマが始まりました。2024年には新一万円札の顔となる方ですが、(一定以上の年齢の方であれば・・・)「お札と言えば『聖徳太子』!」という方も、まだまだ多いのではないでしょうか。

2021年は聖徳太子1400年遠忌の記念イヤーにあたり、今年から2023年にかけて、奈良県をはじめ各地で記念のイベントが予定されています。「京都と聖徳太子は関係があるの?」と思われるかもしれませんが、実は京都にもゆかりのスポットが点在しているんですよ♪ 「2月22日」は太子の命日とされることにちなみ、“京都の聖徳太子スポット”をピックアップしてみました!

※新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、京都府全域では3月7日(日)まで緊急事態措置が実施されています。京都へのご旅行は今しばらくお控えいただきますよう、ご協力をお願いいたします。収束した後、皆さまのお越しをお待ちしております。

「聖徳太子」とは・・・


《太子二歳像》六角堂[頂法寺]


本名・厩戸豊聡耳皇子(うまやどのとよとみみのみこ、574?-622?)。用明天皇の第二皇子で、推古天皇の時代に蘇我馬子らと協力して政治を行い、仏教を中心とした国づくりを行われました。教科書でもお馴染みの「憲法十七条」や「冠位十二階」、「遣隋使の派遣」など様々な政治制度を整え、日本が文化的に飛躍するためになくてはならない活躍をされたことから、死後に「聖徳太子」の尊称で呼ばれるようになりました。

「日本仏教の祖」として太子自身も信仰の対象となり、平安時代以降、大阪府の四天王寺や奈良県の法隆寺、京都の広隆寺などを中心に「太子信仰」が盛行。後世に至るまで深い影響を与え続けてきました。推古天皇30年(622)2月22日(旧暦)に亡くなったとされ、2021年4月3日が没後1400年に。亡くなった年や年数の数え方に諸説あるため、2021年から2023年にかけて、各地で1400年遠忌の様々な行事や法要が行われます。

【六角堂】小野妹子が初代住持を務めた、聖徳太子ゆかりの聖地



恋愛成就の柳の木や、京都の真ん中を示す「へそ石」のある六角堂。周囲を近代的なビルに囲まれる現在の姿からは想像できないのですが、実は平安京以前、飛鳥時代の用明天皇2年(587)に聖徳太子が創建したと伝わる、歴史あるお寺です。

太子堂


太子が四天王寺建立のための木材を求めてこの地を訪れ、池で身を清めていると、太子の念持仏である如意輪観音像が「この地に留まり人々を救いたい」と告げたそう。そのため太子は六角形のお堂を建てて、念持仏を安置。その際に、同行していた小野妹子に仏像を託し、守るように伝えたことから、六角堂の初代住持は小野妹子とされています。そして妹子が朝夕仏前に花を供えたことが、後の華道の起こりとなったとか。

聖徳太子沐浴の古跡


ご本尊は、今ももちろん、太子の念持仏である秘仏・如意輪観音像。境内には太子堂があり、2歳、16歳、騎馬像の聖徳太子像が安置されています。


また、六角堂は親鸞ゆかりのお寺。聖徳太子を深く尊敬していた親鸞は、比叡山での修行中、六角堂への百日参詣を誓い、夜に山を下り六角堂へお参りし、朝に山へと戻る修行を繰り返し、95日目の暁に如意輪観音から天啓を受け、浄土真宗を開くきっかけとなったと伝わります。

■六角堂[頂法寺]
【拝観時間】6:00〜17:00、納経所8:00〜17:00※当面の間、9:00〜
【拝観料】境内無料
【電話】075-221-2686(池坊総務所)
【アクセス】地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】https://www.ikenobo.jp/rokkakudo/
⇒桜開花情報はこちら(2021年版は3月上旬に公開予定です)

【法観寺[八坂塔]】“八坂塔”を建立したのは・・・?



八坂エリアのシンボル「八坂塔」。高さ約46メートルの現在の建物は室町時代に足利義教が再建したもの。古代の塔跡に建てられているため、心柱の礎石は創建当時のものがそのまま使用されています。その最初の五重塔を建立した人物こそ、誰あろう、聖徳太子! 飛鳥時代、如意輪観音の夢告により五重塔を建て、仏舎利を納めたと伝わっています。

・・・伝承の成否はわかりませんが、八坂エリアに五重塔が建つ景観が平安京以前からあったこと、しかもその礎石が今も使われていることに、歴史のロマンを感じてしまいますね。境内には太子堂があり、3歳と16歳の太子像が祀られています(非公開)。

■法観寺[八坂塔]
【拝観時間】10:00〜15:00 ※中学生未満拝観不可
【拝観休止日】不定休
【拝観料】400円
【電話】075-551-2417
【アクセス】市バス「清水道」バス停から徒歩約4分 Google map

【乙訓寺】聖徳太子・早良親王・空海、歴史好きには見逃せないスポット



長岡京市の牡丹名所・乙訓寺(おとくにでら)も、実は聖徳太子創建と伝わるお寺。推古天皇の勅願により、十一面観世音菩薩を本尊として創建されたと伝わります。その後も様々な歴史の舞台となり、藤原種継暗殺事件で皇太子・早良親王が幽閉されたこと、弘法大師・空海が唐より帰国後にこの寺に住まい、伝教大師・最澄とこの地で初めて出会ったことは、後の世にも関わる重大な出来事でした。

■乙訓寺
【拝観時間】8:00〜17:00(受付終了16:45)
※緊急事態宣言発令のため、現在御朱印とお守りの授与休止中。解除後に再開予定。
【拝観料】500円
【電話】075-951-5759
【アクセス】阪急バス「薬師堂」バス停から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://www.eonet.ne.jp/~otokunidera/

【寂光院】聖徳太子の乳母が初代住持を務められたお寺



大原・草生の地に佇む、『平家物語』ゆかりの尼寺・寂光院も、聖徳太子創建と伝わるお寺。推古2年(594)、父・用明天皇の菩提を弔うために建立されたと伝えられます。当時のご本尊は、聖徳太子御作の六万体地蔵尊。こちらは現存せず、鎌倉時代に制作された六万体地蔵尊を長らく本尊とされてきましたが、平成12年(2000)の火災により焼損。現在は元通りに復元・摸刻された六万体地蔵菩薩を本尊とします。

寂光院というと、第2代住持の阿波内侍、第3代住持の建礼門院のイメージが強いのですが、実は初代住持は、聖徳太子の乳母・玉照(たまてるひめ)。敏達13年(548)に出家した、日本仏教最初の三比丘尼のお一人なのだそう。1500年近く、尼寺の法灯を守り続けていらっしゃいます。

■寂光院
【拝観時間】9:00〜17:00(12〜2月は16:30、1月1日〜3日は10:00〜16:00)
※2021年1月14日(木)より、当面の間拝観休止。詳細は公式ホームページをご確認ください。
【拝観料】600円
【電話】075-744-3341
【アクセス】京都バス「大原」バス停から徒歩約15分 Google map
【公式ホームページ】http://www.jakkoin.jp/
⇒桜開花情報はこちら(2021年版は3月上旬に公開予定です)

【佛光寺】麗しき少年聖徳太子像を祀られるお寺


撮影日:2020年4月7日


越後流罪後、建暦2年(1212)に京都に戻った親鸞聖人が、山科の地に結んだ草庵をはじまりとする、佛光寺。聖徳太子への信仰が厚かった親鸞聖人にちなみ、聖徳太子立像を安置されています。鎌倉時代の作で、父・用明天皇の看病をしていた少年時代の姿。髪を美豆良(みずら)に結った幼い姿が美しい彫像です。

聖徳太子立像


通常はお厨子の中に入れられお姿を拝見することは叶いませんが、毎月22日の聖徳太子忌日や、4月2日の春法要の際などに開帳されています。

■佛光寺
【拝観時間】7:00〜16:00(宗務所は9:00〜16:00)
【拝観料】境内無料
【電話】075-341-3321
【アクセス】地下鉄烏丸線「四条駅」から徒歩約8分 Google map
【公式ホームページ】http://www.bukkoji.or.jp/
⇒桜開花情報はこちら(2021年版は3月上旬に公開予定です)

Written by. みさご

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