12月になると、新年に想いを馳せる時間も自然と多くなります。来年の予定を考えるうえで欠かせないものといえばカレンダー。最近はスマートフォンで予定を管理される方も多いと思いますが、ふとした時に予定がパッと目に入るのがカレンダーの良いところ。
いつも目にするものだからこそ、京都好きの皆さまなら京都を身近に感じられるようなカレンダーがおすすめです。お部屋に飾っていただきたい、カレンダー3選をご紹介します♪
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。
1.京都写真家の美しい作品を堪能!「坪庭カレンダー」
多種多様なカレンダーのなかでも、風景写真は定番。家の中に美しい景色が広がると、心が癒されますよね。
京都の風景写真といえば、写真家の水野克比古さん。50年以上、京都を撮り続けてきたスペシャリストで、過去には「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーンポスターにも作品を使わせていただきました。
古都の四季や社寺、庭園など被写体はさまざまですが、ライフワークとして長年取り組んでこられたのが坪庭の撮影です。数年前から、かねてより念願であった、坪庭作品を集めたカレンダーの販売が決まり、今年も、娘婿で弟子の秀比古さんと共同で「坪庭カレンダー」を制作されています。
おすすめポイントは、坪庭写真がプラスチックフィルムに印刷されている点です。紙への印刷と違い、色に奥行きと深みがあり、何より透明感のある仕上がりは、まるで景色を実際に目の前に見ているかのような美しさ。
水野克比古さんと秀比古さんによると、坪庭は基本的に常緑が多いため四季の表現が難しいそうですが、カレンダーをめくる楽しみを考えて、花や紅葉があるものなど、選りすぐりの作品を掲載されています。なかには、一般に公開していない秘蔵の庭もあり、京都ファンにはたまりません。
フィルムは剥がせますので、カレンダーの役目を終えたあとも作品を鑑賞できます。光を通す窓に貼ると、フィルムならではの美しい仕上がりが一層楽しめるとのこと。
京都写真家の作品を堪能するなら、フィルムカレンダーが断然おすすめです♪
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2.名僧のありがたい言葉に和む「『日本の心』墨蹟 日暦カレンダー」
禅宗の名僧がしたためた書を墨蹟といいます。ありがたい言葉は額装されたり、お軸にされたりと、扱いに少し敷居の高いイメージがあるように思います。
しかし、今から半世紀前に「より多くの人に墨蹟の素晴らしさを届けたい」と、禅宗各派の名僧の書を印刷してカレンダーに仕立てた会社がありました。和風のオリジナル商品を多数手がけ、今年(2022)京都で創立50周年を迎えた千眞工藝(せんしんこうげい)です。
社長の竹本忠司さんにお話をお聴きしたところ、先代が事業を始めた当初は墨蹟の扱いに対して反対意見も多く、12ヵ月分を集めるのに大変な苦労をされたそう。それでも先代の熱意は衰えず、次第に禅寺に理解が得られるようになり、今では販売50年も続くベストセラー商品に成長しました。
掛け軸のような高級感があり、上質特漉和紙に印刷された書の部分はなんと取り外しが可能です。特殊な糊で留める技術は他では真似できず、長年にわたって愛されてきた理由のひとつにもなっています。
さらに、一般の人にも分かりやすいようにという配慮から、社長みずから言葉の解説文を書いて、墨蹟の右下に掲載しています。より親しめる工夫が施されているのも嬉しいポイントですね。
今年から、台紙ごと額装できる楽々額も登場しています。今までは上質特漉和紙の部分のみを額装する形でしたが、カレンダー上部にミシン目が入れられたことで、切り離すと台紙ごと書を保管できるようになりました。
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3.ほのぼのカワイイ♪ 京都の絵師「神坂雪佳 百々世草カレンダー」
有名絵師の木版画作品を現代風にアレンジした和雑貨も数多く手掛け、伊藤若冲のカレンダーは毎年人気を集めています。今年は「つながる琳派スピリット 神坂雪佳」展(12月18日までパナソニック汐留美術館で開催中)にあわせて、新たに神坂雪佳のカレンダーを制作されました。
神坂雪佳は明治から昭和初期に活躍した京都の絵師。琳派に影響を受けつつ、より洗練された“デザイン”を世に発表してきた功績で知られ、その実力はフランスのファッションブランド エルメスも認めるほどでした。
芸艸堂では、明治42年(1909)から1年かけて、神坂雪佳の集大成ともいえる木版多色摺の図案集『百々世草(ももよぐさ)』を刊行。3冊に計60図が収められていて、今回のカレンダーは『百々世草』から季節に合う図案が12種類選ばれています。
印刷は木版画の風合いが損なわれないような温かみのある紙質に。全体的にほのぼのとした空気感で、見ているだけで癒やされるかわいさです。
『百々世草』の版木は、いまも大切に保管されています。社長の山田博隆さんのご案内で特別に蔵を拝見させていただいたところ、天井近くまで積まれた膨大な版木にビックリ!
多色摺の場合、色ごとに版木が必要となるため、どうしても数が増えてしまうのだとか。さらに、山田社長は木版画文化の保存と出版を目的に、すでに廃業してしまった他社の版木もあわせて保管されています。その数、10万枚以上・・・! あまりの量に、山田社長も全容を把握しきれていないそうです。もしかしたら名作が眠っているかも、と期待が膨らみます。
じつは、神坂雪佳もエルメスに採り上げられるまでは、あまり知られた存在ではなかったそうです。カレンダーが作られるまでになった神坂雪佳の作品ように、膨大な版木にもいつか活躍の時が巡ってくるようにと願わずにはいらせません。
カレンダー以外にも、神坂雪佳の図案を使った和雑貨はたくさん。特におすすめが木版はがきです。神坂雪佳の図案集『海路』に掲載されている作品を、はがきサイズ大の版木に彫り直し、一色一色、職人さんが手摺りされています。
制作に時間がかかるため、オンラインショップや展覧会のグッズ売り場に並ばず、京都の一部の店舗でしか購入できません。
他にも、朱印帳やマスキングテープ、ポストカードなど多数のラインアップがあります。ぜひ、京都旅行の際には店舗へ立ち寄ってみてくださいね。
■芸艸堂 京都店
【営業時間】9:00~17:30
【定休日】土曜日、日曜日、祝日
【電話】075-231-3613
【アクセス】地下鉄東西線「京都市役所前駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://www.hanga.co.jp/
※カレンダーはオンラインショップでも購入できます
※掲載情報は2022年12月9日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。