大河ドラマで注目! 徳川家康ゆかりの「二条城」見どころガイド

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今年(2023年)の大河ドラマ「どうする家康」の放映がスタートし、注目を集める徳川家康。京都にもゆかりのスポットが多くあり、そのひとつが世界遺産・二条城です。「修学旅行で行ったなぁ」という方もきっと多いはず。今回は、そんな二条城の見どころをご紹介します!
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。

まずは、二条城の歴史をおさらい

二の丸御殿 大広間

二の丸御殿 大広間

今からちょうど420年前の慶長8年(1603)のこと。徳川幕府を開いた家康が、京都御所の守護と将軍上洛の際の宿泊所として築城したのが二条城です。3代将軍・家光の時代、後水尾天皇行幸のために大規模な改修が行われ、二の丸・本丸御殿を含む現在の規模となりました。寛永11年(1634)、家光は約30万の大軍を率いて入城しました。

時は経ち慶応3年(1867)、15代将軍・慶喜が二の丸御殿にて「大政奉還」の意思を表明し、約260年にも及ぶ徳川幕府が終わりを迎えました。日本の転換期ともいえるこのできごとは、歴史上あまりにも有名ですよね。
  • 春の二条城

    春の二条城

  • 秋の二条城

    秋の二条城

そして昭和15年(1940)から、城内が一般公開されるようになり、平成6年(1994)には、世界文化遺産にも登録されました。その後、日本100名城に登録されるなど、徳川幕府の栄枯盛衰を見守ってきた貴重な歴史遺産として、連日、国内外から多くの方が訪れています。

二条城の見どころをチェック!

  • 東南隅櫓(重文)

    東南隅櫓(重文)

  • 東大手門(重文)

    東大手門(重文)

ここからは、城内の見どころをピックアップしてご紹介します! 城外から見える東南隅櫓(重文)や東大手門(重文)も圧巻ですが、城内にも国宝や重文指定の建物・障壁画など貴重な文化財が数多く残っています。じっくりとめぐるなら、2~3時間ほどを予定しておいたほうが良さそうです。より深く二条城について知りたい方は、音声ガイド機の利用がおすすめ♪ それでは、城内へと進んでいきましょう~

音声ガイド機(600円)。音声だけでなく画像も表示され、わかりやすい解説です。

音声ガイド機(600円)。音声だけでなく画像も表示され、わかりやすい解説です。

まさに絢爛豪華! 唐門

  • 唐門(重文)  

    唐門(重文)  

  • 春には御所御車返し桜が唐門を彩ります

    春には御所御車返し桜が唐門を彩ります

二条城の華やかさを最初に感じられるのが、こちらの唐門(重文)。寛永3年(1626)に後水尾天皇の行幸にあわせて造営され、檜皮葺、唐破風を備えた四脚門からは格式の高さが伺えます。
門を見上げれば、極彩色の彫刻が! 平成25年(2013)の修復工事により絢爛豪華な姿に蘇りました。長寿を意味する「松竹梅に鶴」や、唐獅子、龍、虎、仙人・・・ など、彫刻の中に施されたモチーフを探してみましょう。金工細工も美しく、細部までついみとれてしまいます。

二条城に唯一残る江戸初期の遺構、二の丸御殿

唐門の正面に建つ二の丸御殿は、江戸初期に完成した住宅様式である書院造。遠侍(とおざむらい)・式台・大広間・蘇鉄の間・黒書院・白書院の6棟が建ち並び、国内の城郭に残る唯一の御殿群として国宝に指定されています。

遠侍 二の間 竹林群虎図

遠侍 二の間 竹林群虎図

気になる内部は、部屋数33室・約800畳にも及び、日本絵画史上最大の流派・狩野派一門が総力を結集して手がけた障壁画(模写画)に彩られています。約3,600面を超える障壁画が残り、そのうち1,016面が重文に指定され、その圧倒的な美しさに驚くばかりです。多彩な欄間彫刻や精巧な飾金具もお見逃しなく。
  • 黒書院 二の間から一の間の眺め

    黒書院 二の間から一の間の眺め

  • 黒書院 二の間

    黒書院 二の間

普段は廊下からの鑑賞となりますが、定期的に部屋を変えながら特別入室が行われていて、2023年1月30日(月)までは「黒書院」の二の間に入室することができます。「黒書院」は「大広間」に次ぐ公式の場とされ、将軍と徳川家に近しい大名等が対面した場所。狩野探幽の弟・尚信筆とされる障壁画(模写画)と天井画(原画)を間近に楽しめる煌びやかな空間です。かすかに雪を乗せた松の枝や梅・桜の花に季節の移ろいを感じながら、ぜひ眺めてみてください。
  • 黒書院 一の間 障壁画《松柴垣禽鳥図》 

    黒書院 一の間 障壁画《松柴垣禽鳥図》 

  • 式台 式台の間 障壁画《松図》

    式台 式台の間 障壁画《松図》

障壁画の原画は展示収蔵館(入館料100円)で保管されています。展示収蔵館では年4期にわたり障壁画の原画公開が行われていて、2023年2月23日(木・祝)まで「新春を寿ぐ ~松竹梅~」を開催中。大画面に描かれた松竹梅に囲まれたおめでたい空間となっており、新年にぴったりの内容です♪

二の丸御殿の廊下を歩くと「きゅっきゅ」と鳥の鳴き声のような音がする「鶯張り」に感動!

二の丸御殿の廊下を歩くと「きゅっきゅ」と鳥の鳴き声のような音がする「鶯張り」に感動!

二の丸庭園の“蘇鉄”にもご注目

二の丸御殿の前には二の丸庭園(国特別名勝)が広がります。後水尾天皇行幸のために、小堀遠州の手により改修されたと伝わる書院造庭園です。園内には大きな蘇鉄が植わり、毎年11月下旬から12月初旬頃、幹全体にこもや藁などを巻き防寒養生が行われるのが二条城の冬の風物詩。蘇鉄は、鍋島藩が行幸に先駈け献上したものと伝わります。現存するものが当時のものかは不明だそうですが、少なくとも150年以上の樹齢なのだとか! 「当時のものかもしれない・・・」と思うと、歴史のロマンが感じられませんか。

天守跡からの眺めは爽快です!

  • 秋は城内の美しい紅葉風景を楽しめます

    秋は城内の美しい紅葉風景を楽しめます

  • 本丸御殿を望む(2017年撮影)

    本丸御殿を望む(2017年撮影)

二条城にはかつて、伏見城から移された五層六階の天守があったそうですが、寛延3年(1750)の落雷により焼失。石垣のみが残る天守跡は城内で最も高い位置にあり、城内や京都の町並みを見渡すことができます。また、現在修理工事中のため観覧休止中の本丸御殿や、本丸庭園を眺めることも。工事中の様子は公式Facebookでもご紹介されています。京都御所の北東部にあった桂宮御殿を移築した本丸御殿は2024年以降に公開を再開予定とのことで、待ち遠しいですね♪

ひとやすみは、歴史が感じられる茶房にて♪

広い城内をめぐり「ちょっとひとやすみ」するなら、京都の老舗喫茶・前田珈琲が手がける「茶房 前田」へ。京都の豪商・旧角倉了以(すみのくら りょうい)邸の一部とその庭園の庭石を元にして作られた、和の趣が感じられる「和楽庵」にて、ぜんざいやお抹茶、和菓子などをいただけます。
  • 「家康」 2,100円 

    「家康」 2,100円 

  • 清流園

    清流園

おすすめは、二条城ならではのパフェ「家康」。家康の主食(玄米・栗・稗)や携帯していた保存食(兵糧丸、黒豆・黒ごま・片栗粉・砂糖を調合したもの)にちなみ、パフェには、黒ごまアイス・きな粉・黒豆ビスコッティ・栗・玄米フレークなどが使用されています。自家製のコーヒーゼリーや生クリームも層になっていて、甘味のハーモニーを楽しめますよ。高さはなんと20センチほどあり、ボリュームも満点♪ 外のベンチに座り、清流園を眺めながらいただけば、城内散策の疲れもリセットされそうです。

■茶房 前田
【営業時間】9:30~16:30(ラストオーダー16:00)
【定休日】二条城の休城日に準ずる
【電話】075-823-0223

非公開「香雲亭」では特別な昼食がいただけます!

  • 香雲亭 

    香雲亭 

  • 特別昼食(イメージ)

    特別昼食(イメージ)

茶房 前田の目と鼻の先には、こちらも旧角倉了以邸の一部を移築した「香雲亭」があり、2023年2月28日(火)までの期間限定で、「非公開・香雲亭での特別昼食」(要予約)が行われています。清流園を眺めながら本格的な京料理が味わえる贅沢なひととき。希望日の前日15時までに事前にご予約の上お越しください。

■非公開・香雲亭での特別昼食
【日程】2023年1月7日(土)〜2月28日(火)
平日 12:00~、土日祝 第1部11:30~・第2部13:00~
※各部28名限定
※希望日の前日15時までに要予約
※開始時刻の10分前に香雲亭までお越しください
【料金】3,700円※別途入城料要
【予約・問合せ】京料理いそべ(075-551-1203/受付10:00〜15:00)

\こちらのブログでもご紹介しています/
⇒2023年、冬の京都で楽しみたいこと

御城印集め、始めてみませんか?

限定版入城記念符 左:「どうする家康」 700 円、右:障壁画「松図」 600円

限定版入城記念符 左:「どうする家康」 700 円、右:障壁画「松図」 600円

二条城をたっぷり満喫したら最後に「御城印」をチェック! 近年、御城印集めがじわじわと人気となってきているようで、京都でもいただけるお城が増えてきています(こちらのブログでご紹介しています)。二条城では現在、限定版の入城記念符(御城印)が2種類登場中。ひとつは、大河ドラマの放送を機に販売されている、銀色の紙に徳川家の葵の御紋と金色の扇がデザインされた煌びやかな一枚。「どうする家康」のロゴも入っています! もうひとつは、「二条城障壁画 展示収蔵館」にて公開中の二の丸御殿式台の間障壁画『松図』がデザインされています。どちらもなくなり次第終了となりますので、気になる方は早めにご確認ください。
  • 御城印帳(虎図) 2,860円

    御城印帳(虎図) 2,860円

御城印帳も販売されていて、こちらは二の丸御殿で拝見した襖絵の虎が描かれた目を引く一冊です。御城印を貼らずに収納できるポケットタイプなので、気軽に楽しく集めることができそうですね♪

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これからますます注目が集まりそうな徳川家康ゆかりのスポット、二条城。この機会にぜひ、皆さんも足を運んでみてくださいね!

二条城
【開城時間】8:45~17:00(最終入城16:00)
【休城日】12月29日~31日 ※二の丸御殿の観覧休止日は1・7・8・12月の毎週火曜日、1月1日~3日、12月26日~28日(休日の場合は翌日)
【入城料】入城・二の丸御殿1,300円、入城のみ800円
【電話】075-841-0096
【アクセス】地下鉄東西線「二条城前駅」・市バス「二条城前」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/
【公式Facebook】https://www.facebook.com/profile.php?id=100063755822555
【公式Instagram】https://www.instagram.com/nijojocastle/
※掲載内容は2023年1月20日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. オパン

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