近代京都の名建築「旧三井家下鴨別邸」でモーニング

  • グルメ・スイーツ

京都では「朝観光」の注目度が高まり、近年、モーニングを楽しめるお店が増えています。今回お届けするのは、近代京都の名建築として国の重要文化財に指定される旧三井家下鴨別邸。通常非公開の歴史ある部屋で楽しむ特別な「朝食プラン」(要予約)をご紹介しましょう。

\京都の朝特集!/
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旧三井家下鴨別邸とは?

  • 下鴨神社の一の鳥居が目印

    下鴨神社の一の鳥居が目印

  • ここから中へ入ります

    ここから中へ入ります

旧三井家下鴨別邸は、呉服や両替商で財をなした豪商・三井家の旧別邸です。糺(ただす)の森が広がる下鴨神社の一の鳥居横に位置し、南側には賀茂川と高野川が合流する鴨川デルタという自然豊かな場所にあります。

主屋 外観

主屋 外観

建物は、大正14年(1925)に三井北家(総領家)第10代・三井八郎右衛門高棟(たかみね)が、祖霊社(※)である顕名霊社(あきなれいしゃ)参拝の際の休憩所として建築。今年(2025年)で、記念すべき竣工100年を迎えます。敷地内に3棟が建ち、中央の「主屋(しゅおく)」のみ、木屋町三条上ルの鴨川沿いにあった明治13年(1880)築の木屋町別邸を移築したものです。
平成28年(2016)から一般公開が始まり、普段は主屋1階と玄関棟、庭園の見学ができます。
※先祖の霊を祀る社

庭園ビューを楽しみながら朝食を

  • 主屋2階の座敷で朝食をいただきます

    主屋2階の座敷で朝食をいただきます

  • 訪れた日は鮮やかなサルスベリが見頃に♪

    訪れた日は鮮やかなサルスベリが見頃に♪

  • 主屋2階 外観

    主屋2階 外観

「朝食プラン」では、通常非公開の主屋2階へ特別にご案内。庭園を正面にした席の配置で、四季折々の風景を眺めながら朝食を楽しめます。朝食と言っても、早朝ではなく9時15分スタートなので訪れやすいのも魅力のひとつ。開門まもない時間帯に、ゆったりとしたひとときを過ごせます。
  • 精進料理の朝食※写真はイメージです。内容は異なる場合があります

    精進料理の朝食※写真はイメージです。内容は異なる場合があります

  • 珍しい梅の天ぷら

    珍しい梅の天ぷら

朝食は、明治4年(1871)創業の泉仙(いずせん)の精進料理です。湯葉や白酢和え、胡麻豆腐、粟麩田楽などヘルシーな料理が並び、なかでも気になるのは珍しい梅の天ぷら。精進料理で取り入れにくい脂質を補うため、天ぷらにして提供しているそうです。精進料理といえば質素なイメージかもしれませんが、食べ終わるころにはお腹がいっぱいになります♪
  • 2階からの眺め

    2階からの眺め

  • 縁側

    縁側

お腹が満たされたら縁側へ。普段は見られない、2階からの風景を満喫しましょう。主屋は“眺望を楽しむこと”を目的に建てられたため、建具にはガラス障子を採り入れ、見通しの良い縁側になっているそうです。

隠された3階への階段

隠された3階への階段

食後のお楽しみはまだ続きます。じつは「朝食プラン」は通常非公開の3階望楼の見学付き♪ しかし、3階へ続く階段が見当たりません…「どこにあるのだろう?」と不思議に思っていると、スタッフさんのご案内がはじまり、襖と蛇腹戸が開かれ、隠されていた階段の登場です!

非公開の3階望楼を見学!

  • 東側には大文字山

    東側には大文字山

  • 比叡山も見えます

    比叡山も見えます

  • 3階望楼 外観

    3階望楼 外観

階段を上ると、そこは、わずか3畳半ほどの部屋。360度がガラス窓で、まさに“眺望を楽しむために作られた空間”です。座って眺められるよう窓の高さは低くなっていて、見渡すと「五山送り火」でおなじみの大文字山をはじめ、比叡山や東山などの風景が広がります。特に「五山送り火」のひとつ“大の字”がくっきり眺められるとは、なんとも贅沢!
  • 1階座敷からの眺め

    1階座敷からの眺め

  • 凛とした桔梗が咲いています

    凛とした桔梗が咲いています

  • 青もみじが浮かぶ手水鉢

    青もみじが浮かぶ手水鉢

「朝食プラン」終了後は1階へ降り、通常公開エリアの見学を心ゆくまで楽しめます。
まずは座敷からゆっくり庭園鑑賞。建具は木屋町別邸時代のもので、“ゆらぎ”が特徴の希少なガラスがはめられています。ガラス越しに眺める庭園は趣がありますが、木屋町別邸では正面に鴨川が流れ、遠く東山まで眺められたそうです。
  • 洗面所

    洗面所

  • レトロなデザインの照明

    レトロなデザインの照明

  • 玄関棟の広間では、壁紙・襖にご注目を。美しい菊模様があしらわれています

    玄関棟の広間では、壁紙・襖にご注目を。美しい菊模様があしらわれています

一見シンプルな印象ですが、建物の意匠も見どころ。洗面所の窓枠や照明、壁紙、襖の引手など随所にこだわりがつまっています。別邸内で配布される「ここはどこでしょう?」シートを手に、当時の暮らしを感じてみてください。

例年、サルスベリは9月上旬まで、桔梗は9月下旬まで見頃が続きます。旧三井家下鴨別邸で朝食を味わい、建築や庭園を楽しむ、充実の朝時間を過ごしてみませんか。

【おすすめ情報】
「京の夏の旅」で主屋2階を特別公開!

旧三井家下鴨別邸は「京の夏の旅」文化財特別公開の公開箇所のひとつで、2025年8月29日(金)から9月7日(日)まで主屋2階が特別公開されます(※)。「主屋2階を見てみたいけど、「朝食プラン」はスケジュールが合わない…」という方は、ぜひこちらをチェックしてみてくださいね。
※9月3日(水)除く

⇒「京の夏の旅」文化財特別公開の詳細はこちら

■夏の朝食プラン2025 ~3階望楼見学付き~
【日程】公式ホームページでご確認ください
【時間】9:15~10:30(受付開始9:00)
【料金】3,500円 ※別途入館料要
⇒詳細・申し込みはこちら

■旧三井家下鴨別邸
【開館時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
【入館料】平日500円、土日祝600円
【休館日】水曜日(祝日の場合は翌日)、12/29~31
【アクセス】市バス「葵橋西詰」バス停・京阪鴨東線「出町柳駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://ja.kyoto.travel/tourism/article/mitsuike/
【公式Facebook】https://www.facebook.com/mitsuike.kyokanko/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/shimogamobettei
※掲載内容は2025年8月18日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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