名物いただきます! わらじやの「うぞふすい」

  • グルメ・スイーツ

うぞふすい

うぞふすい

暦の大寒を迎える前後は例年寒さが厳しくなりますが、しんしんと冷えた京都でいただく鍋料理は格別の美味しさがあります。うなぎ料理専門店わらじや「うぞふすい」は冬におすすめしたい名物グルメ。お店とお料理の魅力をたっぷりとご紹介しましょう。
 
\名店揃い!/

お店の名前は秀吉ゆかり

  • お店は七条通に面しています。写真右奥に三十三間堂の塀が見えます

    お店は七条通に面しています。写真右奥に三十三間堂の塀が見えます

  • 外観

    外観

「わらじや」がある東山七条には、三十三間堂豊国神社方広寺といった名所があります。豊臣秀吉とのつながりが深いエリアで、現在の豊国神社あたりにはかつて秀吉が築いた大仏殿がそびえていました。

わらじと、秀吉が馬印に用いた瓢箪が店頭に飾られています

わらじと、秀吉が馬印に用いた瓢箪が店頭に飾られています

なんと、「わらじや」という店名は秀吉が由来。大仏殿建立時に、秀吉がいつもこの場所でわらじを脱いで休憩したというエピソードから名づけられたといいます。時代によってお店の業態は異なるものの、店名だけは400年以上にわたって現代まで変わらず続いているというから驚きです。

個性的なお部屋がずらり

  • 中庭

    中庭

  • 2階から中庭を望む

    2階から中庭を望む

暖簾をくぐると、七条通の喧騒から切り離されたような別世界が広がります。中庭を囲む形で母屋や離れ、茶席があり、それぞれに趣が感じられます。
  • 2階の窓から、赤い実を付けたクロガネモチの木が見えました

    2階の窓から、赤い実を付けたクロガネモチの木が見えました

  • 母屋2階の座敷

    母屋2階の座敷

昭和初期に建てられた母屋は和の風情がたっぷり。2階は大勢でも利用できる座敷で、特に中庭を望む窓際の席は人気があるそうです。
  • 定員五名の札

    定員五名の札

  • 玄関に吊るされている太鼓も旅籠で使われていたそう

    玄関に吊るされている太鼓も旅籠で使われていたそう

部屋の入口に掛けられた「定員五名」という札も、「わらじや」の歴史を物語ります。じつは、うなぎ専門店として歩みを始めたのは戦後のことで、それ以前は旅籠を営んでいたそうです。今も店内には旅籠の名残がわずかに見受けられます。
  • 離れの個室

    離れの個室

  • 傘の間

    傘の間

  • 折上格天井のお部屋

    折上格天井のお部屋

  • 20年ほど前に新設されたテーブル席

    20年ほど前に新設されたテーブル席

母屋以外にも、宮大工の技が随所に感じられる離れの個室や、傘のような形をした天井が特徴の茶室「傘の間」、格式高い折上格天井のお部屋など、個性的なお部屋がずらり。長くお店を利用しているお客さんの中には、お気に入りの部屋がある方もいらっしゃるとか。人数やシーンに応じて、さまざまに利用できるのは嬉しいですね。

茶室「一炉庵」。行燈の灯りが印象的

茶室「一炉庵」。行燈の灯りが印象的

もうひとつ、「わらじや」を語るうえではずせないのが茶室「一炉庵」です。かつて文豪の谷崎潤一郎が利用し、随筆「陰翳礼讃」で褒めたたえた一室が当時のまま受け継がれています。お店の帳簿には谷崎とあわせて芥川の名前も残っているとのことで、まさに文学ファンにとって垂涎の場所です。

「うなべとうぞふすい」のコースをご紹介

今回は、茶室「一炉庵」で「うなべとうぞふすい」のコース(8,000円)をいただきました。行燈のわずかな灯り、時折聞こえる鹿威しの音、非日常の空間が食への期待を膨らませます。
はじめにお出しいただいたのは、「わらじや」の銘が入った和三盆菓子と抹茶。
 
和三盆は京都の老舗和菓子店「亀屋良長」謹製で、現在のご当主の親戚筋にあたる三山口里(みやまぐち さと)さんがお店を切り盛りしていた70年以上前からご縁が続いているといいます。里さんには「うぞふすい」を名物にした立役者という一面も。
  • 箸袋。岩井藍水は「わらじや」の近くにある京都幼稚園の創設者でもあります

    箸袋。岩井藍水は「わらじや」の近くにある京都幼稚園の創設者でもあります

  • まむし御膳 特上

    まむし御膳 特上

もともと「わらじや」はうなぎ料理を得意としていましたが、昭和26年(1951)にメニューを「うぞふすい」だけに絞る(※)ことを決めたのは里さんだったそうです。当時としては珍しかったクレジットカードをいち早く採り入れるほどハイカラな女性で、祇園で働いていた頃のコネクションをいかして文化人たちが集うお店へと成長させたといいます。
 
箸袋には俳人の岩井藍水(らんすい)による「うなべとうぞふすい」への賛辞が記されるなど、文化人たちとの交流により、美味しさが世間に広まったというわけです。
 
※コロナ禍以降、「まむし御膳」などのメニューが増えました

付き出しは季節に応じて変わります。訪れた日は小正月を迎える前とあって、黒豆やたたきごぼうなど、京都のおせちの定番メニューで華やかに。
  • うなべ(写真は2人前)

    うなべ(写真は2人前)

続いて、杉の木でできた特製の井桁に載せられた土鍋が運ばれてきました。「うぞふすい」に並ぶ名物の「うなべ」です! 井桁を使うスタイルも里さんによる考案。時には最大6人前が入った大きな土鍋を運ぶこともあるそう。
 
グツグツと音を立てる鍋からはお出汁の良い香りが広がり、食欲を刺激します。うなぎ、白葱、山形産の庄内麩に加え、鍋の底には春雨も♪
  • 筒切りにされたうなぎ

    筒切りにされたうなぎ

  • 串焼きの様子

    串焼きの様子

使用しているうなぎは国産。生きたままの状態で筒切りにし、約40分かけてじっくりと焼き上げているそうです。事前に中骨を抜いてあるので安心して食べられるのも嬉しいところ。うなぎは開いてたべることが多いため、筒切り状のフワフワ食感には新しい感動があります。

いただく際は、「わらじや」特製の山椒をお忘れなく。お出汁の良い香りからそのままでも美味しそうに思いますが、山椒を入れることで味にぐっと深みが増します。この味を覚えたら「特製の山椒なしでは考えられない!」となるほど、見事なハーモニーです。
  • うぞふすい(写真は2人前)

    うぞふすい(写真は2人前)

  • うなぎとお餅

    うなぎとお餅

感動の余韻はまだまだ続きます。名物の「うぞふすい」も井桁にのせて、アツアツの状態で運ばれてきます。
 
開いた白焼のうなぎ、椎茸、牛蒡、人参、三つ葉が卵でとじられ、自家製のお餅も入っています。
  • 食後のデザートもあります♪

    食後のデザートもあります♪

雑炊も特製の山椒を振りかけていただきます。ピリリとした山椒と、旨味が凝縮された香ばしいうなぎがアクセントになりつつも、全体として優しい味わいの雑炊は食べやすく、鍋の底が見えるのもあっという間です。
 
うなぎの新たな美味しさに出会えた喜びはもちろんのこと、風情ある雰囲気のなかでいただくお食事は思い出深いものになりました。
  • 豊国神社

    豊国神社

  • 方広寺

    方広寺

豊国神社や方広寺では、大河ドラマにあわせて「京の冬の旅」非公開文化財特別公開が行われています。秀吉ゆかりの史跡をたずね、名物を味わう京都旅行をいかがでしょう。
 
■わらじや
【営業時間】11:30~15:00(ラストオーダー14:00)、17:00~20:00(ラストオーダー19:00)
【定休日】火曜日
【アクセス】京阪本線「七条駅」から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】https://uzofusui-warajiya.kyoto/
※掲載内容は2026年1月23日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

おすすめコンテンツ