「京の夏の旅」で公開中! 清水坂のモダン建築「五龍閣」を訪ねて

  • 体験
  • イベント・歳時

2026年7月10日(金)よりスタートしている第51回「京の夏の旅」。「豊臣家と戦国武将ゆかりの地」と「近代の名建築」をテーマに、市内9ヵ所で文化財特別公開が行われています。

なかでも、「京の夏の旅」初公開となる五龍閣は注目のスポットです。見どころをまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
 
\EXサービス会員の皆様へ/
 
※記事内で登場する「EX旅先予約」は「エクスプレス予約」・「スマートEX」会員の方がご利用いただけます。ご購入には会員登録が必要となります。詳細はこちら

設計者は「関西近代建築の父」!

エントランスに「登録有形文化財」の登録プレートが掲げられています

エントランスに「登録有形文化財」の登録プレートが掲げられています

まずは建物の由緒をご紹介。五龍閣は大正10年(1921)に起業家である三代目 松風嘉定(しょうふうかじょう)の邸宅として建てられました。設計者は「関西近代建築の父」と称される武田五一で、国の登録有形文化財です。
 
昭和51年(1976)に湯豆腐の名店 順正の所有となり、普段は1階にあるカフェのみ利用できます。
  • 2階と3階の屋根に瓦が用いられています

    2階と3階の屋根に瓦が用いられています

  • 洋風の出窓

    洋風の出窓

  • 細部までこだわりがいっぱい

    細部までこだわりがいっぱい

外壁はモルタルの洗い出し加工が施されているため、一見すると石造りの洋館に見えますが、なんと木造3階建てというから驚きです。
 
さらに、武田五一がイギリス留学で学んだ最先端の「セセッション様式」や「アール・ヌーヴォー」に加え、和のテイストも採り入れられているのがポイントです。よく見ると屋根は瓦葺きで、頂上には古い寺院で見られる「鴟尾(しび)」が据えられています。

内部の見学へ

「京の夏の旅」特別公開の受付は2階にありますが、建物に入ったらまず上をご覧ください♪ 3階まで圧巻の吹き抜け構造で、連なる木製階段の美しさにうっとりしてしまいます。

ケヤキ材がふんだんに使われた、温かみのある広間

ケヤキ材がふんだんに使われた、温かみのある広間

「京の夏の旅」の五龍閣特別公開はWEB予約優先制のツアー形式(1日6回)で行われ、約45分かけてガイドの案内で非公開エリアを見学します。
 
まずは2階の居室で五龍閣の由緒についてお話があり、お隣の広間から見学がスタート。

隅が折り上げられていると、いっそう格式が高いとされます

隅が折り上げられていると、いっそう格式が高いとされます

ここでの注目ポイントは格子状に組まれた天井です。「格天井(ごうてんじょう)」と呼ばれ、お寺など、格式の高い部屋で用いられる日本の伝統的な意匠です。
 
武田五一は平等院など数多くの文化財修理にも携わっていたため、和洋折衷のデザインを得意としました。木のぬくもりはもちろん、和の要素を採り入れることで日本人にとって居心地の良い空間を実現しているといえるでしょう。

3階からは靴を脱いで見学しますので靴下が必須です。先を急ぐと見落としてしまいがちですが、階段の写真に少し違和感がありませんか。なんと踊り場を支える柱がなく、吊り下げられているだけなのです! 吹き抜けを美しく見せるため、あえて柱を取り除いた設計は見事です。
  • かつて屋根に取り付けられていた風見鶏も鑑賞できます

    かつて屋根に取り付けられていた風見鶏も鑑賞できます

3階も2階の広間と同じく、ひし形や長方形を用いたデザインの窓が優美です。なかには、貴重な大正ガラスがはまっている窓もあり、歴史を感じさせます。

望楼は抜群の眺め!

最上部に見える四角の部屋が望楼です

最上部に見える四角の部屋が望楼です

「京の夏の旅」の見学のなかでも、ひときわ感動が大きかったのが望楼の見学です。急こう配の階段をあがった先に2畳ほどの望楼があり、360度景色を見渡せます。
  • 鴟尾の間に八坂の塔が見えます

    鴟尾の間に八坂の塔が見えます

  • 平安神宮の大鳥居と送り火の火床も見えます

    平安神宮の大鳥居と送り火の火床も見えます

京都市内はもちろん、よく晴れた日には大阪まで一望できるそうです。
 
景色だけでなく、四方向の窓からは鴟尾もチェックを。屋根の両端にひとつずつのせるのが一般的ですが、五龍閣には6つも鴟尾があります。鴟尾には火除けの意味合いがあり、清水寺など多くの社寺がある東山の安寧を見守っているのかもしれませんね。
  • 天井飾り

    天井飾り

  • ステンドグラス

    ステンドグラス

他にも、幾何学模様の天井飾りやステンドグラス、部屋ごとに異なる暖炉のデザインなど、見どころがいっぱいです。ぜひ、お気に入りの意匠を見つけてみてください。

モダン建築で優雅にティータイム

  • 喫茶メニューはセルフレジで注文を

    喫茶メニューはセルフレジで注文を

  • 竹久夢二の作品が多数飾られています

    竹久夢二の作品が多数飾られています

見学の前後にぜひ訪れてほしいのが、1階にある「CAFE五龍閣」です。菊の花びらをモチーフにした半円のステンドグラスがおしゃれで、モダンな雰囲気に浸りながら喫茶メニューを楽しめます。
 
また、五龍閣からほど近い二年坂に一時期暮らしていた画家 竹久夢二の作品も鑑賞できます。
 
※「CAFE 五龍閣」の営業は11:00~18:00(ラストオーダー17:00、不定休)です

奥にあるサンルームは必見。大きな窓から光が差し込み、外に噴水を望むという優雅な空間です。
ステンドグラスには鳩が色鮮やかに描かれ、それぞれデザインが異なるのも見どころ。

床のタイルもオシャレです。じつは、もともと1階には赤いカーペットが敷き詰められていたのですが、数年前に撤去したところ、建築当初のタイルが見つかったそうです。花を模した幾何学模様とくすみカラーの配色は、100年経った今見ても可愛らしく感じられます。
  • EXサービス会員限定 順正特製スイーツ

    EXサービス会員限定 順正特製スイーツ

  • 順正オリジナルのコースターは記念にお持ち帰りを

    順正オリジナルのコースターは記念にお持ち帰りを

EXサービス会員の方には、豆乳を使用したオリジナルスイーツセットをご用意しています。豆乳ガトーショコラ、抹茶ソフトクリーム、ブドウゼリーと豆乳寒天、3つのスイーツをたっぷりと食べられる甘味好きに嬉しい内容です。ドリンクは「とうふ屋さんの豆乳ドリンク」や珈琲、紅茶などからお好きなものを選べます。
 
ぜひ、「京の夏の旅」とあわせて利用してくださいね。
 
 
■第51回「京の夏の旅」五龍閣(旧松風嘉定邸)※WEB予約優先制
【日程】2026年7月10日(金)~9月30日(水)
        ※ご案内開始時間 11:00/12:00/13:30/14:30/15:30/16:30
※WEB予約優先制 当日15分前〆切。ご予約はこちら
※7~8月の毎週水曜と8月24日(月)~ 9月6日(日)は休止
【料金】800円
【場所】五龍閣 Google map
【公式ホームページ】https://www.goryukaku.com/

あわせて訪ねたい! 近隣のモダン建築

五龍閣のあとは、歩いて11分ほどの距離にあるもうひとつのモダンな“閣”へ行きませんか。「京の夏の旅」で特別公開が行われている大雲院では、祇園祭の鉾をモチーフにした祇園閣を見学できます。
  • 敦煌壁画の模写

    敦煌壁画の模写

  • 十二支をモチーフにした天井の装飾

    十二支をモチーフにした天井の装飾

建築家の伊東忠太が設計した祇園閣は国の登録有形文化財に登録されています。内部には敦煌(とんこう)壁画の模写が描かれ、外観からは想像できない色鮮やかな空間に圧倒されるはず。3階まで登ると、360度のパノラマビューが広がります。
 
「京の夏の旅」では「涼味スタンプラリー2026」も開催中。特別公開2ヵ所分のスタンプを集めると、特定の施設で冷たいドリンクや甘味をいただけますので、暑さに気を付けながらチャレンジしてみてくださいね。
 
■第51回「京の夏の旅」大雲院 祇園閣
【日程】2026年7月10日(金)~9月30日(水)
    10:00~16:30(受付終了16:00)
    ※9月26日(土)は拝観休止
【料金】800円
【場所】大雲院 祇園閣 Google map
【公式ホームページ】https://www.daiunin.or.jp/
※掲載内容は2026年7月29日時点の情報です

Written by. 「そう京」編集部

おすすめコンテンツ