冬の京都で欠かせないイベントといえば、「京の冬の旅」非公開文化財特別公開(以下、京の冬の旅)。今冬は「世界遺産登録30周年」と「洛陽三十三所観音霊場再興20周年」を記念し、15箇所で通常非公開の貴重な文化財の数々が特別公開されています。今回はぞれぞれのテーマから気になる3つのお寺をピックアップして、公共交通機関でめぐってみました。ぜひ旅の参考にしてみてください♪
⇒「京の冬の旅」非公開文化財特別公開の詳細はこちら
※公開箇所では、靴を脱ぎ室内に上がることが多いので、厚手の靴下の着用がおすすめです。
⇒「洛陽三十三所観音霊場」とは?
⇒「京の冬の旅」非公開文化財特別公開の詳細はこちら
※公開箇所では、靴を脱ぎ室内に上がることが多いので、厚手の靴下の着用がおすすめです。
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頭巾をかぶったお薬師さん
【平等寺(因幡堂)】
はじめに訪れたのは、地下鉄烏丸線「四条駅」から徒歩3分ほどの街中にたたずむ平等寺(因幡堂)。創建は平安時代という由緒あるお寺で、「洛陽三十三所観音霊場」の札所のひとつ。本堂前で「京の冬の旅」受付を済ませ、通常非公開の収蔵庫、観音堂、展示室(因幡薬師伝承館)をめぐります。
特別公開では、日本三如来のひとつに数えられる御本尊・薬師如来像をはじめ、洛陽三十三所観音霊場第27番札所である観音堂の御本尊・二体の十一面観音菩薩像、『因幡堂縁起』絵巻などの寺宝を見ることができます。
なかでも楽しみにしていたのが、薬師如来像。
公開前から「なぜ、頭巾をかぶっているのだろう…」と気になっていました。
薬師如来像は、平安時代の貴族・橘行平(たちばなの ゆきひら)が因幡国(鳥取県)の海中で発見した後、行平を追って京都に飛来したという仏像です。古くから、がん封じ・子授けの仏様として民衆に信仰されてきました。幾度も火災に遭遇するも、車輪がついた厨子のおかげで運び出しが容易にでき、難を逃れたと伝わります。その際、頭を傷つけないため、頭巾を被せたのだとか。頭巾の理由を知り、仏様を前にすると人々の思いも伝わってくるようです。
なかでも楽しみにしていたのが、薬師如来像。
公開前から「なぜ、頭巾をかぶっているのだろう…」と気になっていました。
薬師如来像は、平安時代の貴族・橘行平(たちばなの ゆきひら)が因幡国(鳥取県)の海中で発見した後、行平を追って京都に飛来したという仏像です。古くから、がん封じ・子授けの仏様として民衆に信仰されてきました。幾度も火災に遭遇するも、車輪がついた厨子のおかげで運び出しが容易にでき、難を逃れたと伝わります。その際、頭を傷つけないため、頭巾を被せたのだとか。頭巾の理由を知り、仏様を前にすると人々の思いも伝わってくるようです。
公開箇所をめぐったら、授与所へ。近年は猫や犬、インコなどの動物をモチーフにした可愛らしいお守りが人気の平等寺。今回は、6匹の猫(六猫=無病)がデザインされた「無病守」を拝受しました。こんなにキュートな猫ちゃん達を持ち歩けば、笑みがあふれ、病も吹き飛ばしてくれそうですね♪
「京の冬の旅」初公開!
【地蔵院(椿寺)】
【地蔵院(椿寺)】
山門
平等寺の拝観を終えたら「烏丸松原」バス停(Google map)から市バス26系統に乗車し約30分、「北野白梅町」バス停(Google map)で降り、歩いて2分ほどの地蔵院(椿寺)へ。平等寺に続き、こちらも「洛陽三十三所観音霊場」の札所です。
地蔵院は、色とりどりの花びらが一片ずつ散る名木「五色八重散椿」が植わることから「椿寺」と親しまれています。
特別公開中の本堂では、御本尊の五劫思惟阿弥陀如来(ごこうしゆいあみだにょらい)像が迎えてくれます。「京の冬の旅」のパンフレットやポスターにも登場していて、「お参りしたい!」と思われている方も多いのではないでしょうか。東大寺(奈良県)を経て地蔵院に祀られたと伝わる仏像で、注目は大きな頭! 五劫という長い年月にわたる修行の末に、髪がのびて螺髪(らほつ)が重なり、このようなお姿になられたのだとか。ふっくらしたお顔から“お多福阿弥陀”とも呼ばれ、どこか愛らしく、じっと見つめていたくなります。
特別公開中の本堂では、御本尊の五劫思惟阿弥陀如来(ごこうしゆいあみだにょらい)像が迎えてくれます。「京の冬の旅」のパンフレットやポスターにも登場していて、「お参りしたい!」と思われている方も多いのではないでしょうか。東大寺(奈良県)を経て地蔵院に祀られたと伝わる仏像で、注目は大きな頭! 五劫という長い年月にわたる修行の末に、髪がのびて螺髪(らほつ)が重なり、このようなお姿になられたのだとか。ふっくらしたお顔から“お多福阿弥陀”とも呼ばれ、どこか愛らしく、じっと見つめていたくなります。
本堂の後は、慈覚大師円仁作と伝わる十一面観音菩薩像を祀る観音堂(洛陽三十三所観音霊場第30番札所)、旧御本尊の地蔵菩薩像を祀る地蔵堂へお参り。表情やお姿も異なる、さまざまな仏様に出会えたことが印象的なお寺でした。
特別公開限定御朱印 1,000円
寺務所では「京の冬の旅」特別公開限定御朱印をご用意されています。他にも、五劫思惟阿弥陀如来像をデザインしたオリジナル御朱印帳(1,500円)やポストカード(200円)もありますので、仏像ファンの方はお見逃しなく。
経蔵の拝観は、僧侶のご案内付き♪
【仁和寺 経蔵・五重塔】
二王門(重文)
「北野白梅町」バス停に戻り、再び市バス26系統に乗車。約10分の「御室仁和寺」バス停(Google map)で降りると、最後の目的地、仁和寺は目の前です。創建は仁和4年(888)、「古都京都の文化財」として世界遺産に登録される真言宗御室派の総本山を訪ねます。
広大な境内では、通常非公開の“秘められた建物”もあります。そのなかから今回特別公開されているのは重要文化財に指定される「経蔵」と「五重塔」。二王門前で受付を済ませ、まずは経蔵へ向かいます。江戸初期に建てられた経典を納めるお堂で、八角形の回転式輪蔵、菩薩や十六羅漢などが描かれる壁画が見どころ。こちらではなんと、仁和寺僧侶のご案内で拝観ができます。20分ごとに行われるため、受付時に時間をチェックしておきましょう。
経蔵と同時期に建立されたという五重塔。総高約36メートルを誇り、各層の屋根の大きさが均一となる端正な美しさが特徴です。春秋には多くの拝観者が、この建物を背景に桜や紅葉を撮影されています。しかし、その内部は通常非公開のため見ることができません。
特別公開では四方の扉が開かれ、外から内部を鑑賞できます♪ のぞいてみると… 須弥壇中央に、胎蔵界大日如来をはじめ四如来のお姿が。柱や壁面には真言八祖や菊花文様などが細部に描かれ、色鮮やかな密教空間に驚きます。
特別公開では四方の扉が開かれ、外から内部を鑑賞できます♪ のぞいてみると… 須弥壇中央に、胎蔵界大日如来をはじめ四如来のお姿が。柱や壁面には真言八祖や菊花文様などが細部に描かれ、色鮮やかな密教空間に驚きます。
五重塔みくじ 各500円
種類豊富なおみくじが並ぶ「おみくじ授与所」では、「五重塔みくじ」が新登場! 特別拝観の記念に、おひとついかがですか。
\あわせて楽しもう!/
「京の冬の旅」スタンプラリーで、ちょっと一服
「京の冬の旅」パンフレットとスタンプラリー用紙
「京の冬の旅」をめぐるなら、スタンプラリーも一緒に楽しむのがおすすめ! 公開箇所のなかから3箇所を拝観してスタンプを集めると、お好みの接待箇所で“ちょっと一服(お茶とお菓子など)”の特典が受けられます。接待箇所は京都市内各地の公開箇所近くにあり、気軽に立ち寄ることができます。
※スタンプラリー用紙はJR京都駅ビル2階の「京都総合観光案内所〈京なび〉」または各公開箇所受付で配布されています。
※スタンプラリー用紙はJR京都駅ビル2階の「京都総合観光案内所〈京なび〉」または各公開箇所受付で配布されています。
今回利用した接待箇所は、仁和寺の境内にある「NINNAJI JAXURY SPACE」。蔵をリノベーションしたカフェとあって、落ち着いた雰囲気に包まれています。スタンプラリー用紙を提示すると、レモネードがいただけました。あたたかな店内でひと休みしたら、「御室仁和寺」バス停へ戻り、市バス26系統に乗車して「京都駅」への帰路につきました。
⇒「京の冬の旅」スタンプラリーの詳細はこちら
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時間に余裕のある方は、龍安寺へ!
時間に余裕のある方は、仁和寺から徒歩15分ほど(バス利用なら4分ほど)の場所に位置する世界遺産・龍安寺へ。石庭があまりにも有名なお寺ですが、その奥に秘められた「仏殿」と「西の庭」が特別公開されています。この機会に、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょう。
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各公開箇所ではガイドさんのわかりやすいご案内もあり、知識が深まります。京都にはまだあまり知られていないお寺や文化財がたくさん。皆さんも「京の冬の旅」をめぐり、新たな京都発見をお楽しみください。
※ご紹介した公開箇所の建物内(仏像など)は、一部を除き撮影禁止です。
※公開箇所によって拝観休止日や拝観できない時間帯があります。事前に公式ホームページをご確認ください。
\EXサービス会員の皆様へ/
⇒拝観引換券3枚とガイドブックがセットになった特別プラン「京の冬の旅 非公開文化財特別公開スペシャルセット」はこちら!
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各公開箇所ではガイドさんのわかりやすいご案内もあり、知識が深まります。京都にはまだあまり知られていないお寺や文化財がたくさん。皆さんも「京の冬の旅」をめぐり、新たな京都発見をお楽しみください。
※ご紹介した公開箇所の建物内(仏像など)は、一部を除き撮影禁止です。
※公開箇所によって拝観休止日や拝観できない時間帯があります。事前に公式ホームページをご確認ください。
\EXサービス会員の皆様へ/
⇒拝観引換券3枚とガイドブックがセットになった特別プラン「京の冬の旅 非公開文化財特別公開スペシャルセット」はこちら!
※掲載内容は2025年1月27日時点の情報です。