春に散策したい! 京都御苑の見どころガイド

  • 草花・自然
  • 散策

数々の歴史の舞台となった京都御所。その周りは国民公園 京都御苑として、自然豊かな環境が育まれています。東西約700メートル、南北約1.3キロに及ぶ広大な敷地には、なんと10万本もの樹木が植わっているそうです。一年を通して、さまざまな草木に出合えますが、やはり春の華やかさに勝るものはありません。これから咲く美しい花々とともに見どころやお役立ち情報をご紹介しますので、ぜひ、ゆっくりとお散歩してみてくださいね♪

簡単に歴史をおさらい

元治元年(1864)『洛中洛外町々小名大成京細見絵図』部分(国際日本文化研究センター所蔵)

元治元年(1864)『洛中洛外町々小名大成京細見絵図』部分(国際日本文化研究センター所蔵)

江戸時代、京都御苑のエリアには京都御所を取り囲むように宮家や公家の屋敷が立ち並んでいました。しかし、東京遷都に伴って多くの住民が天皇とともに東京へ移住し、荒廃の一途をたどります。これを憂いた明治天皇が明治 10年(1877)に保全を命じると、状況は一転。現在に続く、自然豊かな景観が形作られていくことになりました。

一番に立ち寄りたい! 情報収集スポット

  • 京都御苑情報館 内観 ©環境省京都御苑管理事務所

    京都御苑情報館 内観 ©環境省京都御苑管理事務所

広い苑内を効率よく回りたい方は、まず情報収集がおすすめ。中立売御門の近くに、令和4年(2022)5月にオープンした京都御苑情報館Google map)では、タッチパネルで苑内のさまざまな情報にアクセスできます。1/500スケールの模型もあり、散策の行程を考えるのに便利です。
 
■京都御苑情報館
【開館時間】9:00~16:30
【入館料】無料
【休館日】年末年始
  • 閑院宮邸跡収納展示館 外観 ©環境省京都御苑管理事務所

    閑院宮邸跡収納展示館 外観 ©環境省京都御苑管理事務所

もっと詳しく学びたいという方は閑院宮邸跡収納展示館Google map)へ。令和4年(2022)4月1日にリニューアルし、京都御苑の歴史や公家の文化に関する展示を見学できます。
 
公家の屋敷跡から出土した瓦や器の陳列もあり、なかには驚きのワインボトルも! 展示を通して、当時の華やかな暮らしぶりが垣間見えるようです。
 
■閑院宮邸跡収納展示館
【開館時間】9:00~16:30
【入館料】無料
【休館日】月曜日、年末年始

公家の邸宅跡で庭園美を満喫

桂宮邸跡 ©環境省京都御苑管理事務所

桂宮邸跡 ©環境省京都御苑管理事務所

わずかに遺る貴重な公家のお庭を鑑賞できるエリアもあります。親王家の桂宮家の邸宅跡Google map)は長らく非公開でしたが、令和4年(2022)より一般公開がスタートしました。
 
庭園は、嘉永7年(1854)の大火によって京都御所が焼失し、孝明天皇が桂宮家を仮の内裏として使用していた際に整えられたといいます。実は、その当時の建物の一部は二条城に移築され、本丸御殿として活用されています。保存修理を終えて、昨年(2024)9月から公開されていますので、気になる方は足を運んでみてください。
 
■桂宮邸跡
【開園時間】9:00~16:00
【入場料】無料
【休園日】月曜日、年末年始
  • 九條邸庭園 ©環境省京都御苑管理事務所

    九條邸庭園 ©環境省京都御苑管理事務所

九條邸庭園には九條池のほとりに約200年前のお茶室、拾翠亭Google map)が遺っています。特別な催しがない時は、木曜から土曜に限り見学ができますので、ぜひ、ご覧いただきたいところ。室内からは、拾翠亭という名前の通り、緑いっぱいの景色を堪能できます。夏には百日紅が咲き、いっそう華やかに。
 
ほかにも、先ほどご紹介した閑院宮邸跡や、桜の名所として愛される近衞邸跡でも、かつての遺構を鑑賞できます。閑院宮邸跡収納展示館には、桂宮邸跡、九條邸跡、近衞邸跡の1/300の模型がありますので、全体像を知りたい方はあわせてチェックを。
 
■拾翠亭
【参観時間】9:30~15:30(受付終了15:15)
【入場料】300円(高校生以上)
【休館日】日曜日~水曜日、年末年始 ※葵祭(5/15)、時代祭(10/22)の際は参観可能

京都御苑内にある3つの神社

  • 宗像神社

    宗像神社

苑内に宗像神社Google map)、厳島神社Google map)、白雲神社Google map)という3つの神社があるのをご存じでしょうか。宗像神社は桓武天皇の命で創建されたという由緒あるお社です。厳島神社は平清盛によって創建され、九條家の鎮守社でした。白雲神社は西園寺家の鎮守社で、今年の干支「巳」にゆかりの弁天様です。
 
宗像神社には境内社として京都観光神社が祀られていたり、厳島神社には京都三珍鳥居のひとつである唐破風型の鳥居があったり、それぞれに見どころがいっぱいです。ぜひ、お参りしてご縁を結んでください。
 
■宗像神社
【参拝時間】境内自由 ※授与所は基本的に1日と15日の10:00~16:00のみ
【参拝料】境内無料
【電話】075-231-6080(FAX兼)
【公式ホームページ】http://munakata-jinja.com/
 
■厳島神社
【参拝時間】境内自由 ※授与所は1日と15日の8:00~16:00のみ
【参拝料】境内無料 
【電話】075-211-4769(菅原院天満宮)
【公式ホームページ】https://sugawarain.jp/about/concurrent/
 
■白雲神社
【参拝時間】境内自由、授与所7:00~17:00
【参拝料】境内無料
【電話】075-211-1857

散策に疲れたら、ひとやすみを

  • 中立売休憩所 外観

    中立売休憩所 外観

続いてご紹介するのは、無料で利用できる休憩所。お食事を兼ねるなら中立売休憩所Google map)へ。「森の休憩所」をコンセプトに、大きな窓からは京都御苑の自然を楽しめる設計になっています。こちらでは京都御苑ならではのお土産も購入可能です。

御所車御前 1,800円(主菜は和牛すきやき重 米麹糖蜜仕立て)©環境省京都御苑管理事務所

御所車御前 1,800円(主菜は和牛すきやき重 米麹糖蜜仕立て)©環境省京都御苑管理事務所

中立売休憩所内にあるレストラン「檜垣茶寮」のおすすめメニューは2段重ねの「御所車御膳」。主菜を「季節の魚料理」、「蒸し京地鶏の黒七味風味」、「和牛すきやき重 米麹糖蜜仕立て」、「旬の京野菜天ぷら」の4種類から選べます。御所車のお膳は写真映え抜群で、思い出にも残りそうですね。
 
■中立売休憩所
【営業時間】9:00~16:30、喫茶10:00~15:30(ラストオーダー)、食事11:00~15:30(ラストオーダー)
【定休日】年末年始
【電話】075-223-2550
【公式ホームページ】https://nakadachiuri.jp/
  • SASAYAIORI+ 京都御苑 外観

    SASAYAIORI+ 京都御苑 外観

歩き疲れた体には甘いスイーツをいかがでしょう。近衞邸跡休憩所に店を構えるSASAYAIORI+ 京都御苑」Google map)は和菓子の老舗、笹屋伊織のプロデュース。内観はお茶室を思わせるふたつの円窓が印象的です。春には大きな窓から近衞邸の桜を眺められる贅沢な空間に。

福来どらやき宇治抹茶スペシャル 1,050円

福来どらやき宇治抹茶スペシャル 1,050円

「SASAYAIORI+ 京都御苑」の人気スイーツといえば、「福来(ふっくら)どらやき」です。限定メニューの「福来どらやき」は、抹茶やきな粉など、素材の風味をしっかりと堪能できる手作りの餡をどら焼き生地でサンド。季節の味など数種類あり、どれを食べようか迷ってしまいます。他にも、季節の生菓子やパフェのメニューがあり、何度も通いたくなる素敵なお店です。
 
■近衞邸跡休憩所「SASAYAIORI+ 京都御苑」
【営業時間】10:00~16:30(ラストオーダー16:00)
【定休日】月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
【電話】075-256-7177
【公式ホームページ】https://www.sasayaiori.com/
  • 清和院休憩所 内観 ©環境省京都御苑管理事務所

    清和院休憩所 内観 ©環境省京都御苑管理事務所

京都迎賓館の近くにある清和院休憩所Google map)も、中立売休憩所や近衞邸休憩所と同じく、窓が印象的な空間です。ここでしか買えない京都迎賓館の参観記念品も販売されていますので、気になる方は立ち寄ってみてくださいね。
 
■清和院休憩所
【営業時間】9:30~16:30
【定休日】水曜日(京都迎賓館の一般公開に準じる)

春らんまん! 圧巻の花リレー

梅(例年の見頃:2月中旬~3月中旬)

梅(例年の見頃:2月中旬~3月中旬)

ここからは、2月中旬から4月中旬にかけて見頃を迎える春の花々をご紹介しましょう! 香りとともに春の訪れを私たちに知らせてくれる存在といえばです。苑内西側には梅林があり、紅白、約120本が植えられています。

黒木の梅(例年の見頃:3月中旬)

黒木の梅(例年の見頃:3月中旬)

梅林から少し離れますが、御苑を代表する名木「黒木の梅」Google map)も見逃せません。もともと九條邸跡に植わっていましたが、大正天皇即位の大礼にあわせて今の位置に移植したそうです。当時の梅は枯れてしまい、現在の「黒木の梅」は接ぎ木によるものですが、その華やかさは受け継がれているようです。
  • モクレン(例年の見頃:3月中旬)

    モクレン(例年の見頃:3月中旬)

梅に比べれば数は少ないですが、モクレンも必見です。紫色のシモクレン、白色のハクモクレンがあります。特に、京都御所の宜秋門近くに植わるハクモクレンは「上京区民の誇りの木」に選定されており、純白の大きな花は見応えがあります。

桃(例年の見頃:3月中旬~4月上旬)

桃(例年の見頃:3月中旬~4月上旬)

すっと立ち上るような枝ぶりが可憐なは、梅林の北に約40本植えられています。ひな祭りでおなじみの花ですが、京都市内で多くの桃の花を一堂に鑑賞できるスポットは珍しいため、おすすめです。
  • 桜(例年の見頃:3月下旬~4月上旬)

    桜(例年の見頃:3月下旬~4月上旬)

最後を飾るのはもちろん、! こぼれるように咲く近衞邸の糸桜は京都を代表する名桜のひとつ。他にも、美しさに後ろ髪を引かれて後水尾天皇が牛車を引き返したと伝わる車返桜など、さまざまな桜に出合えます。
 
苑内にはベンチが複数あり、広い空の下でゆっくりとお花見を楽しめるのが京都御苑の魅力です。ぜひ、時間をかけて苑内をぐるりと楽しんでくださいね。
 
苑内を散策する際は、京都御苑デジタルマップが便利です
【開苑時間】苑内自由
【入苑料】無料
【電話】075-211-6364(総合案内)
【アクセス】地下鉄烏丸線「丸太町駅」・「今出川駅」からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://fng.or.jp/kyoto/
※掲載内容は2025年2月19日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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