朱の鳥居から名刹をめぐる、稲荷山~泉涌寺コース

朱の鳥居から名刹をめぐる、稲荷山~泉涌寺コース朱の鳥居から名刹をめぐる、稲荷山~泉涌寺コース

伏見稲荷大社が鎮座する「稲荷山」から皇室ゆかりの泉涌寺へ。
大人気の鳥居が連なる参道を歩き、
さまざまな社寺にお参りしてみてはいかがでしょう。
わかりやすいルートで、トレイル初心者におすすめのコースです。

【「京都一周トレイル®︎」をはじめる前に】

早朝や日没以降の暗い時間帯、悪天候を避け、日中にトレイルを楽しみましょう。事前に公式サイトで、「京都一周トレイル®︎」利用時のマナーをはじめ、コースの最新情報・注意箇所等をご確認ください。



朱の鳥居から名刹をめぐる、稲荷山~泉涌寺コース(東山)

詳細マップ

おすすめポイント

気軽にトレイル体験

気軽にトレイル体験

「京都一周トレイルⓇ」のなかでも、特にアクセスの良いコースです。驚くことに「京都駅」からはJRでほんの約5分、「稲荷駅」前に構える伏見稲荷大社からトレイルがはじまります。整備された歩きやすい道が続き、ゴールは「東福寺駅」。JRと京阪が乗り入れ、トレイル後の楽しみも膨らみます。

名所を歩く

名所を歩く

悠久の歴史を感じながらトレイルが楽しめます。伏見稲荷大社は、実は稲荷山全体が信仰の対象。「お山めぐり」を体験してこそ神社を知ることができます。その半分がトレイルのコースとなり、鳥居が連なる神秘的な参道を歩きます。朱の鳥居と樹々の美しいコントラストも見どころ。

歴史感じる社寺にお参り

歴史感じる社寺にお参り

コースには歴史ある社寺が点在しています。商売繁盛でおなじみの伏見稲荷大社、「頭の観音様」を祀る今熊野観音寺などにお参りしましょう。病気平癒や金運アップ、良縁のご利益スポットもあり、トレイルを終える頃には心身ともにパワーアップしているかも?!



朱の鳥居から名刹をめぐる、稲荷山~泉涌寺コース体験記

朱の鳥居から名刹をめぐる、稲荷山~泉涌寺コース体験記


観光都市・京都ですが、驚くことに市内の面積の約74%が森林。京都についてより深く知るべく「そうだ 京都、行こう。」編集部では森林を巡る「京都一周トレイル®」にチャレンジ中。今回のコースは京都一周トレイル®「東山コース」のうち稲荷山~泉涌寺まで。“The 京都観光”ともいえる王道の観光名所、伏見稲荷大社を中心にトレイルします!


今回も待ち合わせはJR「京都駅」。構内で待ち合わせて奈良線に移動、2駅で「稲荷駅」に到着します。紅葉シーズンが始まる頃ですから、混雑を避けて朝8時にスタート。気温は少し肌寒く、長袖のインナーに長袖のジャケットを着用してきて大正解です。



改札を出ると、すぐ目の前に鮮やかな朱色の大鳥居がそびえ立ち、一瞬で旅気分が高まります。境内には、神様のお使いとされる狐の石像があちこちに。口にくわえる巻物や稲穂などにも意味があり、ひとつひとつ見て回ると楽しい発見があります。


本殿で参拝を済ませたら、いよいよ稲荷山へ。稲荷山は「東山三十六峰」の最南端にある標高約233mの山で、三つの峰が連なることから「三ケ峰」とも呼ばれます。これらを巡拝して登ることを「お山する」といいますが、京都トレイルでは頂上までは行かずに、四ツ辻を泉涌寺へと向かいます。



本殿の東奥にある鳥居をくぐり、参道を進むと朱色の鳥居がずらりと並ぶ「千本鳥居」が現れます。一基一基に奉納者の名前や日付が刻まれていて、歩きながら眺めていると、知っている会社の名前が見つかることも。


先輩「鳥居の1基、1基に人の思いが込められていると思うと感慨深いね。」
私「本当に。奉納された日付を見ると、古いものから最近のものまでさまざまですね!」
先輩「千本鳥居というけれど、お山全体では約1万基の鳥居が奉納されているんだって。時代を超えて多くの人々から信仰され、感謝されてきた証だね」



奥社にある「おもかる石」は人気の体験スポット。願いごとを念じて石を持ち上げたときに想像していたよりも軽ければ、願いが早く叶うと言われています。千本鳥居の先にもまだまだ続く朱色の鳥居。京都一周トレイル®の標識の矢印に沿って鳥居の巡拝道を「三ツ辻」に向かいます。ゆるやかな石段の先に見えてくるのが熊鷹社と「新池」。「こだまが返る方向から行方知れずの人を探す手がかりを得た」という伝承を聞くと、池の様子がより神秘的に見えてくるから不思議ですね。



「三ツ辻」から「四ツ辻」まで約400段の長い石段が続きます。途中にいくつかの茶店があるので、疲れたらこのあたりで一服するのもいいですね。途中に衣食住の神様を祀った「三徳社」、向かいに100年以上続く茶店があります。本殿から約40分で「四ツ辻」に到着。稲荷山屈指の展望を誇る「四ツ辻」からは京都市街を一望できます。そして、四ツ辻から荒神ヶ峰を通る巡拝道は隠れた絶景スポット。鳥居も途切れ、より山の自然を感じられます。



山道を下り、しばらく閑静な住宅街を進みます。この辺りは少し迷いやすいポイントなので、三ノ橋川の橋の袂、京都国際中学高等学校へ向かう十字路にある京都一周トレイル®の標識を見逃さないように気をつけて。十字路の先にある小さな階段を登り、道なりに進むと、皇室ゆかりの「御寺(みてら)」泉涌寺の大門が見えてきます。この泉涌寺は美と良縁のご利益があるとも伝わっています。



泉涌寺山内にある今熊野観音寺は、「頭の観音様」として親しまれる古刹。秋には紅葉が鳥居橋や多宝塔を鮮やかに彩ります。2025年春にオープンした絶景カフェ「茶所 閑坐」も話題ですね。紅葉も満喫し、ゴールの東福寺駅に到着。立ち止まって風景の写真を撮ったり、すこし寄り道したりして、およそ100分間の所要時間でした。トレイルを歩いた充実感と名刹巡りの満足感が重なり、心に残る時間となりました。



※写真は2022年11月に取材した際の様子です。

トレイルで楽しめる おすすめスポット

果菓 伊藤軒 伏見稲荷店

果菓 伊藤軒 伏見稲荷店

トレイルのおやつを購入するなら、京都の老舗お菓子メーカーが手掛けるお店へ。気軽に食べやすい個包装のお菓子もあり、「ピーナツ太鼓」は甘じょっぱい味がポイントです。伏見稲荷にちなんだ串和菓子や「きつねのたまご」は、トレイル前の軽食にどうぞ。

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伏見稲荷大社

伏見稲荷大社

全国に3万社あるという稲荷神社の総本宮。「お稲荷さん」と親しまれ、商売繁昌・家内安全のご利益で有名です。稲荷山全体を神域とし、本殿奥から山中へ続く参道に連なる鳥居は壮観のひとこと。“朱のトンネル”の石段を登りながら、稲荷山の神蹟(しんせき)やお塚にお参りしましょう。

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おもかる石(伏見稲荷大社)

おもかる石(伏見稲荷大社)

千本鳥居を抜けた先にある奥社奉拝所。「おもかる石」と呼ばれる一対の石灯篭があり、願いごとを念じながら石灯篭の上に置かれた宝珠石を持ち上げます。予想より軽ければ願いが叶い、重く感じれば願いは叶い難いそうです。さぁ、あなたの願いは如何に… ぜひチャレンジを。

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根上がりの松(伏見稲荷大社)

根上がりの松(伏見稲荷大社)

「根上がりの松」は、根が地表に持ち上がった不思議な木。根元をくぐったり、松の木肌を撫で自分の身体の痛むところを撫でると、痛みが治るといいます。これから続くトレイルに向けて、足腰を撫でておくと良さそうです。「根(値)上がり」から、金運のご利益もあるとか。

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にしむら亭

にしむら亭

元治元年(1864)創業。稲荷山の中腹、四ツ辻に構えるお茶屋で、古くから多くの参拝者を迎えてきました。伏見稲荷定番のきつねうどんといなり寿司のほか、ソフトクリームやぜんざい(秋冬限定)など、お食事から甘味まで揃います。京都南部の絶景を眺めながら、ひと息つきましょう。

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泉涌寺

泉涌寺

皇室との関りが深く御寺(みてら)とも呼ばれています。大門をくぐり左手奥のお堂には、南宋(中国)から請来したという楊貴妃観音像を安置。宝冠や装飾品が美しく、やさしい眼差しに和みます。モデルとなった楊貴妃にあやかりたいと、美麗祈願に訪れる方も多い“美仏”です。

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雲龍院

雲龍院

泉涌寺の別格本山では、静寂に包まれる書院に“瞑想スペース”が設けられています。椅子に腰かけたら、瞑想石に足をのせ深呼吸をしましょう。足裏が心地良く、四季折々に美しい庭園を前に疲れも癒されていくようです。“頭の体操”と称したユニークな掛け軸もお見逃しなく。

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今熊野観音寺

今熊野観音寺

泉涌寺の山内寺院のひとつ。御本尊は「頭の観音様」で知られ、頭痛・ぼけ封じ、知恵授けのご利益があると伝わります。鳥居橋をはじめ、子護大師や多宝塔をモミジが包み込み、秋は紅葉の穴場スポットです。ひとやすみをするなら、境内に誕生したばかりの「茶所 閑坐(かんざ)」へ。

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ドラゴンバーガー 東福寺店

ドラゴンバーガー 東福寺店

ロンドンのハンバーガーコンテストで2年連続チャンピオンに選ばれた経歴をもつアダム・ローソンさん考案の独創的なハンバーガーが自慢のお店。肉厚のパティと京野菜を組み合わせた4種は、どれもボリューム満点! ハンバーガーに合うお酒もあり、トレイルのご褒美にいかがですか。

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トレイル後に足を伸ばしたいエリア

三十三間堂・東福寺エリア

三十三間堂・東福寺エリア

ここまで来たら、駅名になっている東福寺は見逃せません。「東福寺駅」から南へ徒歩約10分に位置する、京都屈指の紅葉名所として大人気の禅宗寺院です。通天橋から眺めるモミジの絶景をはじめ、三門や法堂などの伽藍は圧巻。多くの塔頭寺院が並ぶ、京都ならではの風景も魅力です。東福寺界隈を楽しんだら、地元で愛される泉湯で1日の疲れを癒しましょう。

「東福寺駅」はJRと京阪が乗り入れる便利な駅。酒蔵が集まる京の酒処「伏見」や京情緒あふれる「祇園・東山」など、他のエリアへの移動もスムーズです。お好みに合わせてどうぞ。



トレイルコースまでのアクセス

各路線が集まる、京都の玄関口「京都駅」。ここからJR奈良線に乗車し、約5分でスタート地点の「稲荷駅」に到着します。停車するのは“普通電車”のみとなるので、乗車時はご注意ください。近くには京阪本線「伏見稲荷駅」があり、宿泊施設の多い三条・四条界隈からも気軽にアクセス可能。旅の2日目にトレイルを楽しむのもおすすめです。軽食や飲み物は、伏見稲荷大社門前の伏見稲荷参道商店街で購入してみてはいかがでしょう。


「京都一周トレイル®︎」公式ガイドマップ

トレイルをお楽しみいただくため、公式ガイドマップを利用し計画を立てることをおススメします。販売場所は「京都一周トレイル®︎」公式サイトよりご確認ください。また、公式サイトにはコースの最新情報・注意箇所等が掲載されていますので、事前に確認をしましょう。




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※写真・イラストはイメージです。
※掲載内容は2025年9月5日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。