穏やかな色合いが心をほぐす、9月の和菓子

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京の和菓子の玉手箱 番外編


残暑厳しい今年(2020年)は、9月になってもなかなか気温が下がってくれません・・・ 夏バテ気味の身体には、目にも美しい季節の和菓子はいかがでしょうか。今回、“和菓子ライフデザイナー”の小倉夢桜(ゆめ)さんにピックアップしていただいたのは、心をほぐすような、優しい色合いの和菓子たち。まだまだ自由な往来が出来にくい状態が続いていますので、初秋の京景色とともにお届けします。どうぞ心を癒やすひとときをお過ごしください♪


ドラマも再開。今、注目の花といえば?
■亀屋重久 【桔梗】


長かった中断期間を経て、大河ドラマが再開となりました。「そう京」ブログでも3回に渡り「明智光秀ゆかりの地」を取り上げてきましたが、その光秀の家紋といえば「桔梗」。初夏から初秋まで咲き次ぐ、非常に花期の長い花です。

\明智光秀ゆかりの地めぐり/
⇒京都市内編
⇒近江・坂本編
⇒京都市外編


日本では万葉集の時代から愛され、秋の七草のひとつにも数えられるほど、身近な花。里山など、人の手の入った野山に自生するのですが、近年では自生株は激減、絶滅危惧種に指定されてしまいました。里山が荒れ、自生の桔梗は生きていけなくなってしまったのです・・・

社寺などでは園芸品種を見ることができますが、こちらも人の手の管理が必須。美しい花を拝見できることに、有り難さを感じてしまいます。

桔梗 346円(9月中販売予定)


桔梗は和菓子のモチーフにもよく取り上げられ、こちらは、外郎(ういろう)で桔梗の花を象った、亀屋重久「桔梗」。繊細な色合いが、花の優しい雰囲気を醸し出しています。

■亀屋重久
【営業時間】10:00~19:00
【定休日】木曜日
【電話】075-461-7365
【アクセス】JR山陰本線(嵯峨野線)「花園駅」から徒歩約10分、市バス「妙心寺北門前」バス停から徒歩すぐ Google map
【公式ホームページ】http://www.kameya-shigehisa.com/

9月9日には、今年最後の節句が行われます
■塩芳軒(しおよしけん) 【着せ綿】


重用の節句イメージ


9月9日は、1年のうちで最後の節句となる「重陽の節句」。「菊の節句」とも呼ばれていて、菊の花が“邪気を払い長寿に効く”とされることから「菊酒」を飲む風習などが伝えられています。

※2020年は、各神社での神事が中止・変更となっている場合がございます。

\重用の節句ってどんなもの?/
⇒【そう京イベント】菊づくし! 重陽の節句を祝う会の様子をご報告♪(2017年9月掲載)

着せ綿 420円(税別、9月上旬販売予定)


9月を代表する和菓子が、「着せ綿」。8日の夜に菊に綿をかぶせ、9日の早朝、朝露で湿った綿で体を拭い長寿を祈る「菊の着綿」という習わしにちなんだ意匠です。9月の上旬、様々なお店の店頭を飾りますが、それぞれのお店で少しずつ意匠が異なります。写真は、塩芳軒の「着せ綿」。柔らかな色合いが美しいお菓子です。

■塩芳軒
【営業時間】9:00~17:30
【定休日】日曜日・祝日、月1回水曜日(不定休)
【電話】075-441-0803
【アクセス】市バス「堀川中立売」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】https://www.kyogashi.com/

秋のはじまりを告げる菊モチーフの和菓子
■亀屋良長 【菊日和】



9月は異名として、「菊月」や「菊咲月」など菊にゆかりの名称を持ちます。しかし、実際に菊の花が咲くのは、もっと秋が深まってからのこと。9月に咲き始める“菊”としては、「秋明菊」、別名「貴船菊」がありますが、実はこちらは「アネモネ」の仲間なのだそう。

菊日和 400円(9月1日~9日販売予定)


菊の咲かない9月ですが、和菓子にはたくさんの菊の花がお目見えします。こちらは、亀屋良長「菊日和」。まるっとした柔らかなフォルムに咲いた、大輪の菊。秋の雰囲気に満ちた、こなし製のお菓子です。

■亀屋良長
【営業時間】9:00~18:00
【定休日】1月1日・2日
【電話】075-221-2005
【アクセス】市バス「四条堀川」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】https://kameya-yoshinaga.com/

暮れなずむ情景が和菓子に!
■長久堂 北山店 【木染月(こぞめづき)】


高台寺駐車場 秋の夕暮れイメージ


2020年の秋分の日は、9月22日(火・祝)。今年は4連休の最後に重なりますが、例年と違い、お墓参りを遠慮される方も多いかもしれません。この頃になれば昼間の暑さも落ち着き、澄んだ空気のなか、美しい夕陽や、きれいなお月様を眺められる日も増えてきます。

\京都の夕景スポットをピックアップ/
⇒【京さんぽ】秋は夕暮れ! 京都のおすすめ夕景スポット6選(2019年10月掲載)
 

木染月 465円(事前にご予約ください)


こちらは、長久堂 北山店「木染月」。菓銘の「木染月」とは、旧暦の8月のこと。木々が色濃く染まる月、という意味だそうです。月明かりに照らされ、染まり始めた木々の姿が浮かび上がる。そんな情景をイメージして作られた、錦玉羹製のお菓子です。

■長久堂 北山店
【営業時間】9:30~18:00
【定休日】1月1日・2日
【電話】075-712-4405
【アクセス】地下鉄烏丸線「北山駅」から徒歩約10分 Google map
【公式Facebook】https://www.facebook.com/chokyudo/

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小倉夢桜 —Yume—
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファー。京都五感処・京都Loversフォーラム代表。2012年よりホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』を運営し、毎日京都の和菓子を紹介し続けている。現在は『月刊京都』(白川書院)で「月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』」を連載中。
【きょうの『和菓子の玉手箱』】https://kyoto-lovers-forum.com/
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Written by. みさご

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