今後の展開はいかに!? 京都・徳川家康ゆかりのスポットめぐり

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御香宮神社

御香宮神社

現在放映中の大河ドラマ「どうする家康」。歴史的大事件「本能寺の変」、家康の三大危機のひとつ「伊賀越え」を経て、今後の展開が気になるところですね。岡崎(愛知県)に生まれ江戸幕府開府に至るまでの家康ゆかりの地は、関東・東海に多くあるように感じますが、実は京都にも点在しています。京都における家康ゆかりのスポットを訪ねてみませんか。

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【伏見城】征夷大将軍の宣旨を受けた地

模擬天守

模擬天守

豊臣秀吉が築城し、幾度と再建された伏見城。秀吉亡き後、息子・秀頼が大坂城へ移ると、五大老の筆頭・徳川家康が入城し政務を執り行いました。「関ヶ原の戦い」の前哨戦で焼失しましたが、慶長7年(1602)に家康が再建。翌年、ここ伏見城で征夷大将軍の宣旨を受け、江戸時代の幕が開けたのです。伏見城は元和9年(1623)に廃城となり、その遺構は、御香宮神社や南禅寺 金地院、豊国神社など京都市内各地の社寺へ。城跡の一部は現在、伏見桃山城運動公園として整備され、その一角で昭和に建てられた模擬天守を見ることができます。

■伏見城跡(伏見桃山城運動公園)

【開園時間】園内自由※模擬天守は内部非公開、周囲2~3メートルは立ち入り禁止区域となります。
【アクセス】近鉄京都線「桃山御陵前駅」から徒歩約15分 Google map

【御香宮神社】徳川家康が造営した本殿。刺繍の特別御朱印も登場!

  • 本殿(重文)

    本殿(重文)

  • 本殿前には大きなソテツが植わります。

    本殿前には大きなソテツが植わります。

  • 徳川家の紋や本殿を刺繍であしらった特別御朱印(1,000円※書き置きのみ、数量限定)は、参拝の証にどうぞ。

    徳川家の紋や本殿を刺繍であしらった特別御朱印(1,000円※書き置きのみ、数量限定)は、参拝の証にどうぞ。

豊臣秀吉の伏見城築城にあたり鬼門除けの社として、城内に遷された御香宮神社。征夷大将軍の宣旨から2年後の慶長10年(1605)、徳川家康は御香宮神社を元の場所に戻し、極彩色の美しい彫刻や文様が施された本殿を造営しました。平成2年(1990)には約390年ぶりに本殿の修復に着手。4年がかりで極彩色が復元され、約30年を経た今も美しい光景を見ることができます。本殿前の立派なソテツは、本殿造営と同時期に植えられたものと伝わり、京都市の天然記念物。
  • 拝殿(京都府指定文化財)

    拝殿(京都府指定文化財)

  • 表門(重文)

    表門(重文)

拝殿は、寛永2年(1625)に家康の十男で紀州徳川家初代藩主の頼宣が寄進したもの。本殿と同じく美しい極彩色で、じっくり眺めたくなります。また、表門は伏見城の大手門であったと伝わり、家康の十一男で水戸徳川家初代藩主の頼房が寄進したとされています。

水占みくじ 300円

水占みくじ 300円

御香宮神社の社名は、境内から“香りの良い水”が湧き出したことに由来。徳川御三家初代藩主は皆、御香宮神社を産土神とし、産湯に名水「御香水」が使われたそうです。授与所に用意された「水占みくじ」は、水と関わりの深い神社ならではのおみくじ。水に浸けるとお告げが出てくるので、お参りの際はぜひ体験してみて。

■御香宮神社
【参拝時間】9:00~16:00(受付終了15:45)
【参拝料】境内無料、石庭200円(行事により拝観休止あり)
【電話】075-611-0559
【アクセス】近鉄京都線「桃山御陵前駅」から徒歩約2分、JR奈良線「桃山駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://www.gokounomiya.kyoto.jp
【公式Facebook】https://www.facebook.com/Gokoguofficial
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【二条城】徳川幕府、始まりと終焉の地

  • 二の丸御殿(国宝)

    二の丸御殿(国宝)

  • 大広間は、二の丸御殿で最も公式の間です。

    大広間は、二の丸御殿で最も公式の間です。

慶長8年(1603)、徳川家康が京都御所の守護と将軍上洛時の宿泊所のために築城した二条城。3代将軍・家光の時代の寛永3年(1626)には、御水尾天皇行幸にあたり城を現在の規模に拡張し、天守閣や本丸御殿などを造営。二の丸御殿は徳川家の御用絵師・狩野派一門によって華やかな障壁画に彩られました。

能や和歌の会を盛大に催し、もてなした5日間。絢爛豪華な城に天皇を迎えることで、徳川幕府の権威を世に知らしめたのです。しかし約260年後の慶応3年(1867)、15代将軍・慶喜が二の丸御殿にて「大政奉還」の意思を表明。始まりの地で徳川の世は終焉を迎えることとなりました。

遠侍「勅使の間」

遠侍「勅使の間」

歴史ある二の丸御殿の各室は廊下から鑑賞できますが、期間限定で特別入室を実施。2023年8月21日(月)までは遠侍「勅使の間」に入室し、障壁画(模写)や天井画を間近で鑑賞できます(火曜日除く)。天皇の使者を迎えていた部屋で、往時に思いを馳せてみませんか。
  • 唐門(重文)

    唐門(重文)

二の丸御殿の正門である唐門も、後水尾天皇行幸の際に造営されました。絢爛豪華な彫刻や金細工は圧巻で、徳川家の権威を感じずにはいられません。飾金具には天皇家の菊紋が輝いていますが、昭和・平成の大修理時に取り外したところ、徳川家の紋「三つ葉葵」が発見されました。大政奉還後、明治時代を迎え二条離宮となった際に、付け替えられたのでは・・・ といわれています。城内のほとんどは菊紋ですが、一部、三つ葉葵も残るそう。城内散策の際は、建物をじっくり眺めてはいかがでしょう。

■二条城

【開城時間】8:45~16:00(閉城17:00)
【休城日】12月29日~31日 ※二の丸御殿の観覧休止日は12月26日~28日、1月1日~3日及び、1・7・8・12月の毎週火曜日(休日の場合は翌日)
【入城料】入城・二の丸御殿1,300円、入城のみ800円
【電話】075-841-0096
【アクセス】地下鉄東西線「二条城前駅」・市バス「二条城前」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp
【公式Facebook】https://www.facebook.com/profile.php?id=100063755822555
【公式Instagram】https://www.instagram.com/nijojocastle

\二条城をもっと詳しく知るなら!/
⇒大河ドラマで注目! 徳川家康ゆかりの「二条城」見どころガイド(2023年1月掲載)

【知恩院】徳川家康が篤く信仰した、浄土宗の総本山

  • 三門(国宝)

    三門(国宝)

  • 御影堂(国宝)

    御影堂(国宝)

徳川家康は、法然上人によって開かれた浄土宗を篤く信仰したと伝わります。その総本山・知恩院を、家康は母・伝通院の永代菩提寺とし、寺領を拡張。家康をはじめ、2代将軍・秀忠、3代将軍・家光によって伽藍が造営されました。多くは国宝や重要文化財に指定され、その歴史を今に伝えています。

日本最大級を誇る木造門・三門は秀忠の寄進によるもの。楼上からは京都市街が一望できます(通常非公開)。
  • 方丈庭園(国指定名勝)

    方丈庭園(国指定名勝)

  • 園内には、家光お手植えの松も。

    園内には、家光お手植えの松も。

伽藍のほか、江戸初期作庭の方丈庭園も素晴らしく、令和3年(2021)に国指定名勝となりました。権現堂には家康・秀忠・家光の位牌と肖像画が祀られており、ぜひ、庭園奥まで足を運んでみましょう。

左:通常御朱印[法然上人」、右:期間限定御朱印「欣求浄土」 各300円

左:通常御朱印[法然上人」、右:期間限定御朱印「欣求浄土」 各300円

朱印所では、徳川家康の旗印に使われた「欣求浄土(ごんぐじょうど)」の御朱印が用意されています。大河ドラマ放映にちなみ、2023年12月31日(日)までの期間限定とのこと。家康ゆかりの地めぐりの記念に、ぜひ拝受してみてくださいね。

■知恩院
【拝観時間】9:00~16:00
【拝観料】境内無料、方丈庭園400円、友禅苑300円
【電話】075-531-2111
【アクセス】市バス「知恩院前」バス停から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://www.chion-in.or.jp
【公式Facebook】https://www.facebook.com/sohonzan.chionin
【公式Twitter】https://twitter.com/chion_in
【公式Instagram】https://www.instagram.com/chion_in

【南禅寺 金地院】家康の遺髪と念持仏を祀る東照宮

  • 東照宮(重文)

    東照宮(重文)

  • 狩野探幽筆の天井画「鳴龍」

    狩野探幽筆の天井画「鳴龍」

数多くの側近がいた徳川家康。そのひとり、臨済宗の名僧・以心崇伝は、江戸幕府の法律の立案や外交などを担い、「黒衣の宰相(こくえのさいしょう)」とも呼ばれました。崇伝は慶長10年(1605)に南禅寺270世住職となり、自坊として金地院を再興。寛永5年(1628)、家康の遺言により境内に東照宮を造営しました。家康の遺髪と念持仏を祀り、拝殿の天井には狩野探幽筆の「鳴龍(なきりゅう)」を見ることができます。
  • 方丈庭園「鶴亀の庭」(国指定特別名勝)

    方丈庭園「鶴亀の庭」(国指定特別名勝)

  • 遥拝石(ようはいいし)

    遥拝石(ようはいいし)

伏見城から移築された方丈(重文)前に広がるのは「鶴亀の庭」。徳川家光を迎えるため、崇伝が小堀遠州に作庭を命じた庭でダイナミックな石組が特徴。鶴島、亀島を配し、徳川家の永遠と繁栄の願いが込められています。中央に敷かれた大きな平石は、庭園の向こうにある東照宮を拝むための遥拝石。方丈と東照宮の中間に設けることで、祭壇的な役割を成しているそうです。

■南禅寺 金地院
【拝観時間】8:30~17:00(12~2月は~16:30)
【拝観料】500円
【電話】075-771-3511
【アクセス】地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩約5分 Google map

※掲載内容は2023年8月2日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. かりー

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